NOTES: DO NOT CHANGE THIS FILE OR PROGRAM COULD BREAK DOWN @Chinesse-Translation A:Unknown 慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において。 This Chinesse-Japanese Holy Qur'an was downloaded from the Internet as 114 HTML files and converted into one unicode text file by author of Islam software: Samir Alicehajic, http://www.agnatemoslem.net/ Translated by: Unknown @AL FAATIHAH 慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において。 [1.1] 慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において。 [1.2] 万有の主,アッラーにこそ凡ての称讃あれ, [1.3] 慈悲あまねく慈愛深き御方, [1.4] 最後の審きの日の主宰者に。 [1.5] わたしたちはあなたにのみ崇め仕え,あなたにのみ御助けを請い願う。 [1.6] わたしたちを正しい道に導きたまえ, [1.7] あなたが御恵みを下された人々の道に,あなたの怒りを受けし者,また踏み迷える人々の道ではなく。 @AL BAQARAH 慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において。 [2.1] アリフ・ラーム・ミーム。 [2.2] それこそは,疑いの余地のない啓典である。その中には,主を畏れる者たちへの導きがある。 [2.3] 主を畏れる者たちとは,幽玄界を信じ,礼拝の務めを守り,またわれが授けたものを施す者, [2.4] またわれがあなた(ムハンマド)に啓示したもの,またあなた以前(の預言者たち)に啓示したものを信じ,また来世を堅く信じる者たちである。 [2.5] これらの者は,主から導かれた者であり,また至上の幸福を成就する者である。 [2.6] 本当に信仰を拒否する者は,あなたが警告しても,また警告しなくても同じで,(頑固に)信じようとはしないであろう。 [2.7] アッラーは,かれらの心も耳をも封じられる。また目には覆いをされ,重い懲罰を科せられよう。 [2.8] また人びとの中,「わたしたちはアッラーを信じ,最後の(審判の)日を信じる。」と言う者がある。だがかれらは信者ではない。 [2.9] かれらはアッラーと信仰する者たちを,欺こうとしている。(実際は)自分を欺いているのに過ぎないのだが,かれらは(それに)気付かない。 [2.10] かれらの心には病が宿っている。アッラーは,その病を重くする。この偽りのために,かれらには手痛い懲罰が下されよう。 [2.11] 「あなたがたは,地上を退廃させてはならない。」と言われると,かれらは,「わたしたちは矯正するだけのものである。」と言う。 [2.12] いゃ,本当にかれらこそ,退廃を引き起こす者である。だがかれらは(それに)気付かない。 [2.13] 「人びとが信仰するよう,信仰しなさい。」と言われると,かれらは,「わたしたちは愚か者が信仰するように,信じられようか。」と言う。いや,本当にかれらこそ愚か者である。だがかれらは,(それが)分らない。 [2.14] かれらは信仰する者に会えば,「わたしたちは信仰する。」と言う。だがかれらが仲間の悪魔〔シャイターン〕たちだけになると,「本当はあなたがたと一緒なのだ。わたしたちは,只(信者たちを)愚弄していただけだ。」と言う。 [2.15] だがアッラーは,このような連中を愚弄し,不信心のままに放置し,当てもなくさ迷わせられる。 [2.16] これらの者は導きの代わりに,迷いを購った者で,かれらの取引は利益なく,また決して正しく導かれるい。 [2.17] かれらを譬えれば火を灯す者のようで,折角火が辺りを照らしたのに,アッラーはかれらの光を取り上げられ,暗闇の中に取り残されたので,何二つ見ることが出来ない。 [2.18] 聾唖で盲人なので,かれらは引き返すことも出来ないであろう。 [2.19] また(譬えば)暗闇の中で雷鳴と稲妻を伴なう豪雨が天から降ってきたようなもので,落雷の忍さから死を忍れて,(威らに)耳に指を差し込む。だがアッラーは,不信心者たちを全部取り囲まれる。 [2.20] 稲妻はほとんどかれらの視覚を奪わんばかりである。閃く度にその中で歩みを進めるが,暗闇になれば立ち止まる。もしもアッラーが御望みならば,かれらの聴覚も視覚も必ず取り上げられる。本当にアッラーは,凡てのことに全能であられる。 [2.21] 人びとよ。あなたがた,またあなたがた以前の者を創られた主に仕えなさい。恐らくあなたがたは(悪魔に対し)その身を守るであろう。 [2.22] (かれは)あなたがたのために大地を臥所とし,また大空を天蓋とされ,天から雨を降らせ,あなたがたのために糧として種々の果実を実らせられる方である。だからあなたがたは(真理を)知った上は,(唯一なる)アッラーの外に同じような神があるなどと唱えてはならない。 [2.23] もしあなたがたが,わがしもべ(ムハンマド)に下した啓示を疑うならば,それに類する1章〔スーラ〕でも作ってみなさい。もしあなたがたが正しければ,アッラー以外のあなたがたの証人を呼んでみなさい。 [2.24] もしあなたがたが出来ないならば,いや,出来るはずもないのだが,それならば,人間と石を燃料とする地獄の業火を恐れなさい。それは不信心者のために用意されている。 [2.25] 信仰して善行に勤しむ者たちには,かれらのために,川が下を流れる楽園に就いての吉報を伝えなさい。かれらはそこで,糧の果実を与えられる度に,「これはわたしたちが以前に与えられた物だ。」と言う。かれらには,それ程似たものが授けられる。また純潔な配偶者を授けられ,永遠にその中に住むのである。 [2.26] 本当にアッラーは,蚊または更に小さいものをも,比喩に挙げることを厭われない。信仰する者はそれが主から下された真理であることを知る。だが不信心者は,「アッラーは,この比喩で一体何を御望みだろう。」と言う。かれは,このように多くの者を迷うに任せ,また多くの者を(正しい道に)導かれる。かれは,主の掟に背く者の外は,(誰も)迷わさない。 [2.27] 確約して置きながらアッラーとの約束を破る者,アッラーが結ぺと命じられたものから離れ,地上で悪を行う者, これらの者は(等しく)失敗者である。 [2.28] あなたがたはどうしてアッラーを拒否出来ようか。かれこそは生命のないあなたがたに,生命を授けられた御方。それからあなたがたを死なせ,更に匙らせ,更にまたかれの御許に帰らせられる御方。 [2.29] かれこそは,あなたがたのために,地上の凡てのものを創られた方であり,更に天の創造に向かい, 7つの天を完成された御方。またかれは凡てのことを熟知される。 [2.30] またあなたの主が(先に)天使たちに向かって,「本当にわれは,地上に代理者を置くであろう。」と仰せられた時を思い起せ。かれらは申し上げた。「あなたは地上で悪を行い,血を流す者を置かれるのですか。わたしたちは,あなたを讃えて唱念し,またあなたの神聖を譲美していますのに。」かれは仰せられた。「本当にわれはあなたがたが知らないことを知っている。」 [2.31] かれはアーダムに凡てのものの名を教え,次にそれらを天使たちに示され,「もし,あなたがた(の言葉)が真実なら,これらのものの名をわれに言ってみなさい。」と仰せられた。 [2.32] かれらは(答えて)申し上げた。「あなたの栄光を讃えます。あなたが,わたしたちに教えられたものの外には,何も知らないのです。本当にあなたは,全知にして英明であられます。」 [2.33] かれは仰せられた。「アーダムよ,それらの名をかれら(天使)に告げよ。」そこでアーダムがそれらの名をかれらに告げると,かれは,「われは天と地の奥義を知っているとあなたがたに告げたではないか。あなたがたが現わすことも,隠すことも知っている。」と仰せられた。 [2.34] またわれが天使たちに,「あなたがた,アーダムにサジダしなさい。」と言った時を思い起せ。その時,皆サジダしたが,悪魔〔イブリース〕だけは承知せず,これを拒否したので,高慢で不信の徒となった。 [2.35] われは言った。「アーダムよ,あなたとあなたの妻とはこの園に住み,何処でも望む所で,思う存分食べなさい。だが,この木に近付いてはならない。不義を働く者となるであろうから。」 [2.36] ところが悪魔〔シャイターン〕は,2人を顕かせ,かれらが置かれていた(幸福な)場所から離れさせた。われは,「あなたがたは落ちて行け。あなたがたは,互いに敵である。地上には,あなたがたのために住まいと,仮初の生活の生計があろう。」と言った。 [2.37] その後,アーダムは,主から御言葉を授かり,主はかれの悔悟を許された。本当にかれは,寛大に許される慈悲深い御方であられる。 [2.38] われは言った。「あなたがたは皆ここから落ちて行け。やがてあなたがたに必ずわれの導きが恵まれよう。そしてわれの導きに従う者は,恐れもなく憂いもないであろう。 [2.39] だが信仰を拒否し,われの印を嘘呼ばわりする者は,業火の住人であって,永遠にその中に住むであろう。」 [2.40] イスラエルの子孫たちよ,あなたがたに施したわれの恩恵を心に銘記し,われとの約束を履行しなさい。われはあなたがたとの約束を果すであろう。われだけを畏れなさい。 [2.41] あなたがたが持っているものの確証として,われが下した啓示(クルアーン)を信じ,これを信じない者の,先頭になってはならない。また僅かな代償で,わが印を売ってはならない。そしてわれだけを畏れなさい。 [2.42] 嘘をもって真理を被ったり,また(確かに)知っていながら,真理を隠してはならない。 [2.43] 礼拝〔サラート)の務めを守り,定めの施し〔ザカ―卜〕をなし,立礼〔ルクーウ〕に動しむ人たちと共に立礼しなさい。 [2.44] あなたがたは,人びとに善行を勧めながら,自分では(その実行を)忘れてしまったのか。あなたがたは啓典を読誦しながら,それでも尚理解しないのか。 [2.45] 忍耐と礼拝によって,(アッラーの)御助けを請い願いなさい。だがそれは,(主を畏れる)謙虚な者でなければ本当こ難かしいこと。 [2.46] 敬神の仲間はやがて主に会うこと,かれの御許に帰り行くことを堅く心に銘記している者である。 [2.47] イスラエルの子孫たちよ,われがあなたがたに与えた恩恵と,(わが啓示を)万民に先んじ(て下し)たことを念い起せ。 [2.48] そして誰も外の者のために身代りになれない日のために,またどんな執り成しも許されず,償いも受け入れられず,また誰一人助けることの出来ない(日のために)その身を守りなさい。 [2.49] そしてわれがあなたがたをフィルアウンの一族から救った時を思い起せ。かれらはあなたがたを重い刑に服させ,あなたがたの男児を殺し,女児を生かして置いた。それはあなたがたの主からの厳しい試練であった。 [2.50] またわれがあなたがたのために海を分けて,あなたがたを救い,あなたがたが見ている前で,フィルアウンの一族を溺れさせた時のことを思い起せ。 [2.51] また,われが40夜にわたり, ムーサーと約束を結んだ時のこと。その時あなたがたはかれのいない間に仔牛を神として拝し,不義を行った。 [2.52] それでも,その後われはあなたがたを許した。必ずあなたがたは感謝するであろう。 [2.53] またわれがムーサーに,啓典と(正邪の)識別〔フルカーン〕(の基準)を与えたことを思い起せ。これもあなたがたが正しく導かれるであろうと思ってのこと。 [2.54] その時ムーサーはその民に告げて言った。「わたしの民よ,本当にあなたがたは,仔牛を選んで,自らを罪に陥れた。だからあなたがたの創造の主の御許に悔悟して帰り,あなたがた自身を殺しなさい。そうしたら,創造の主の御目にも叶い,あなたがたのためにもよいだろう。」こうしてかれは,あなたがたの梅悟を受け入れられた。本当にかれは,度々許される御方,慈悲深い御方であられる。 [2.55] あなたがたが,「ムーサーよ,わたしたちはアッラーをはっきりと見るまでは,あなたを信じないであろう。」と言った時を思い起せ。するとあなたがたが見ている前で,落雷があなたがたを襲った。 [2.56] それからわれは,死んだ後にあなたがたを甦らせた。あなたがたは感謝するであろう。 [2.57] われは雲の影をあなたがたの上に送り,そしてマンナとウズラとを下し,「われが授ける善いものを食べなさい。」(と告げたが,い)ことをきかなかった)。かれらはわれを損なったのではなく,只自分の魂を損なったのである。 [2.58] またこう言った時を思い起せ。「あなたがたは,この町に入り,意のままにそこで存分に食べなさい。頭を低くして門を入り,『御許し下さい。』と言え。われはあなたがたの過ちを赦し,また善行をする者には(報奨を)増すであろう。」 [2.59] だがかれらの中の不義を行う者は,かれらに告げた言葉を,(勝手に)変えてしまった。それでわれは,それら不義を行う者の上に天から懲罰を下した。度々(わが命に)背いたためである。 [2.60] またムーサーがその民のために,水を求めて祈った時を思い起せ。われは,「あなたの杖で岩を打て。」と言った。するとそこから,12の泉が涌き出て,各支族は,自分の水場を知った。「アッラーから授かった糧を,食べ且つ飲みなさい。堕落して,地上で悪を行ってはならない。」 [2.61] あなたがたがこう言ったのを思い起せ。「ムーサーよ,わたしたちは,一色の食物だけでは耐えられないから,地上に産するものをわたしたちに与えられるよう,あなたの主に祈って下さい。それは野莱,胡瓜,穀物,れんず豆と玉葱である。」かれは言った。「あなたがたは,良いものの代りにつまらないものを求めるのか。(それなら)あなたがたの望むものが求められるような,どの町にでも降りて行くがよい。」こうしてかれらは,屈辱と貧困にうちひしがれ,またアッラーの激怒を被むった。それはかれらが,アッラーの印を拒否して信じないで,不当にも預言者たちを殺害したためである。これもかれらがアッラーの掟に背いて,罪を犯していたためである。 [2.62] 本当に(クルアーンを)信じる者,ユダヤ教徒,キリスト教徒とサービア教徒で,アッラーと最後の(審判の)日とを信じて,善行に勤しむ者は,かれらの主の御許で,報奨を授かるであろう。かれらには,恐れもなく憂いもないであろう。 [2.63] またわれがあなたがたと契約を結び,あなたがたの頭上に(シナイ)山を持ち上げた時を思い起せ。「われがあなたがたに下したものを,しっかり受け取り,その中にあるものを銘記しなさい,そうすればあなたがたは神を畏れるであろう。」(と告げた。) [2.64] だがあなたがたは,その後背き去った。もしあなたがたにアッラーの恵みと慈悲がなかったならば,あなたがたは,きっと失敗にうちひしがれていたであろう。 [2.65] またあなたがたは,自分たちの中で安息日の提を破った者に就いて知っている,われはかれらに言い渡した。「あなたがたは猿になれ,卑められ排斥されよ。」 [2.66] われはこうしてあなたがたの時代,また後代の者ヘの見せしめとし,また主を畏れる者への訓戒とした。 [2.67] またムーサーが,その民に告げてこう言った時を思い起せ。「アッラーは,一頭の雌牛を犠牲に供えることをあなたがたに命じられる。」かれらは言った。「あなたは,わたしたちを愚弄するのか。」かれは祈った。「アッラーよ,あたしを御救い下さい。愚か者の仲間にならないように。」 [2.68] かれらは言った。「あなたの主に御願いして,それがどんな(牛)か,わたしたちにはっきりさせて下さい。」かれは言った。「かれは仰せられる,その雌牛は老い過ぎずまた若過ぎない。その間の程良い(雌牛)である。さああなたがたが命じられたことを実行しなさい。」 [2.69] かれらは言った。「あなたの主に御願いして,それが何(色であるの)か,わたしたちにはっきりさせて下さい。」かれは言った。「かれは仰せられる,それは黄金色の雌牛で,その色合は鮮かで,見る者を喜ばせるものである。」 [2.70] かれらは言った。「あなたの主に御願いして,それはどんな(牛)か,あたしたちにはっきりさせて下さい。単に雌牛では,わたしたちにはどうも同じに思える。もしアッラーが御望みなら,わたしたちはきっと正しく導いて頂けよう。」 [2.71] かれは(答えて)言った。「かれは仰せられる,それは土地の耕作にも,また畑の灌漑にも使われない,完全な無傷の雌牛だ。」かれらは言った。「あなたは今やっと,真実を伝えてくれた。」かれらはほとんど犠牲を捧げる気はなかったが,仕方なくそうした。 [2.72] また,あなたがたが1人の人間を殺し,それがもとで互いに争った時のことを思い起せ。だがアッラーは,あなたがたが隠していたことを,暴かれた。 [2.73] われは「その(雌牛の肉の)一片でかれを打て。」と言った。こうしてアッラーは死者を甦らせ,その印をあなたがたに示される。必ずあなたがたは悟るであろう。 [2.74] ところがその後,あなたがたの心は岩のように硬くなった。いやそれよりも硬くなった。本当に岩の中には,川がその間から涌き出るものがあり,また割れてその中から水がほとばしり出るものもあり,またアッラーを畏れて,崩れ落ちるものもある。アッラーはあなたがたの行うことを,おろそかにされない。 [2.75] (信仰する人びとよ)あなたがたは,かれら(ユダヤ人)があなたがたを信じることを望めようか。かれらの中の一団は,アッラーの御言葉を聞き,それを理解した後で故意にそれを書き変える。 [2.76] そしてかれらは,信者たちに会うと,「わたしたちは信じる。」と言う。だがお互いだけで会うと,かれらは言う。「アッラーがあなたがたに解明されたものを,態々かれら(ムスリム)に知らせてやり,主の御前で,かれらがそれに就いてあなたがたを説き伏せる(余地を)与えるのか。」あなたがたは(かれらの狙いが)分からないのか。 [2.77] かれらは知らないのであろうか。アッラーはかれらの隠すことも,現わすことも知り尽くされることを。 [2.78] またかれらの中には,啓典を知らない文盲がいる,かれらは只(虚しい)願望を持ち,勝手に臆測するだけである。 [2.79] 災いあれ,自分の手で啓典を書き,僅かな代償を得るために,「これはアッラーから下ったものだ。」と言う者に。かれらに災いあれ,その手が記したもののために。かれらに災いあれ,それによって利益を得たために。 [2.80] そしてかれらは,「業火がわたしたちに触れるのは,何日かの間に過ぎないであろう。」と言う。言ってやるがいい。「あなたがたは,アッラーと約束を結んだと言うのか。それならアッラーは決して破約されないであろう。それともあなたがたは,アッラーに就いて知りもしないことをロにしようとするのか。」 [2.81] いや悪い行いを重ね,自分の罪で身動きが出来なくなるような者は皆,業火の住人である。その中に永遠に住むのである。 [2.82] だが信仰して善行に勤しむ者は楽園の住人である。その中に永遠に住むのである。 [2.83] われがイスラエルの子孫と,約束を結んだ時のことを思い起せ。(その時われは言った。)「あなたがたはアッラーの外に,何ものも崇めてはならない。父母に孝養をつくし,近親,孤児,貧者を規切に扱い,人びとに善い言葉で話し,礼拝の務めを守り,定めの喜捨をしなさい。」だが,あなたがたの中少数の者を除き,背き去った。 [2.84] またわれが,あなたがたと約束を結んだ時のことを思い起せ。「あなたがたは仲間で血を流してはならない。またあなたがたの同胞を生れた土地から追い出してはならない。」そこであなたがたは,これを厳粛に承認し, 自ら証言したのである。 [2.85] それにも拘らず,その後互いに殺し合ったのはあなたがたであり,また一部の者を生れた土地から追い出し,罪と憎しみとをもって対立し(敵に)味方した。またかれらが捕虜となった時,身代金を取っている。かれらを追放したこと(自体)が,違法であるのに。あなたがたは啓典の一部分を信じて,一部分を拒否するのか。凡そあなたがたの中こんなことをする者の報いは,現世における屈辱でなくてなんであろう。また審判の日には,最も重い懲罰に処せられよう。アッラーはあなたがたの行うことを見逃されない。 [2.86] これらの人びとは,来世の代りに,現世の生活を購った者である。結局かれらの懲罰は軽減されず,また助けも得られないであろう。 [2.87] こうしてわれはムーサーに啓典を授け,使徒たちにその後を継がせた,またわれはマルヤムの子イーサーに,明証を授け,更に聖霊でかれを強めた。それなのにあなたがた(ユダヤ人たち)は,使徒が自分たちの心にそわないものを(西?)す度に,倣慢になった。ある者を虚言者呼ばわりし,またある者を殺害した。 [2.88] かれらは「わたしたちの心は覆われている」と言う。そうではない,アッラーはかれらをその冒(濳?)のために見限られたのである。したがって信仰に入る者は極く希である。 [2.89] (今)アッラーの御許から啓典(クルアーン)が下されて,かれらが所持していたものを更に確認出来るようになったが,――以前から不信心の者に対し勝利を御授け下さいと願っていたにも拘らず――心に思っていたものが実際に下ると,かれらはその信仰を拒否する。アッラーの誕責は必ず不信心者の上に下るであろう。 [2.90] 災いは,かれらが自分の魂を売ったことにある。かれらがアッラーの下された啓典を信じないのは,アッラーがよいとされたしもベ(ムハンマド)に,下された恩恵を嫉むためである。それでかれらは,かれの怒りの上に怒りを招いた。不信心者は恥ずべき懲罰を受けるであろう。 [2.91] かれらに向かって,「あなたがたは,アッラーが下されたものを信じなさい。」と言われると,かれらは,「わたしたち(ユダヤ人)は,わたしたちに下されたものを信じる。」と言う。それ以外のものは,仮令かれらが所持するものを確証する真理でさえも信じない。言ってやるがいい。「あなたがたがもし信者ならば,何故以前アッラーの預言者たちを殺害したのか。」 [2.92] 本当にムーサーは,明証をもってあなたがたの許にやって来た。ところがあなたがたは,かれのいない時仔牛を神として拝み,不義の徒となったのである。 [2.93] またわれが,あなたがたの上に(シナイ)山を持ち上げて,契約を結んだ時のことを思い起せ。「われがあなたがたに下したものをしっかり受け取り,また(われの律法を)聞きなさい。」かれらは(答えて)「わたしたちは聞く,だが従わない。」と言った。この拒否のため,かれらは,仔牛(に対する信仰)を心の中に飲み込んでしまった。言ってやるがいい。「もしあなたがたに信仰があるのなら,あなたがたの信仰の命じることこそ憎むべきである。」 [2.94] 言ってやるがいい。「もしアッラーの御許の,来世における住まいが,あなたがた(ユダヤ人)だけの特別あつらえで,外の人びとは入れないものであり,あなたがたが正しいというならば,素直に死を願い出よ。」 [2.95] だがかれらは,その手が予め犯した(罪の)ために,決して死を望まないであろう。アッラーは,不義を行う者を熟知される。 [2.96] かれらこそ生に最も執着する連中であることを,あなたは知るであろう。多神教徒はそれぞれ千年の寿命を望んでいる。だが仮令生き長らえても,その懲罰からは免れないであろう。アッラーはかれらの行いを凡て御存知であられる。 [2.97] 言ってやるがいい(ムハンマドよ)。「ジブリールに敵対するのは,誰であるのか。本当にかれこそは,アッラーの御許しにより,先にあるものを確証し,また信者への導き,吉報として,あなたの心に(主の啓示を)下す者である。 [2.98] アッラーとその諸々の天使,使徒およびジブリールとミーカールに敵対する者は,誰であるのか。本当にアッラーこそ不信心者にとっては敵である。」 [2.99] われは,明白な印をあなたに下した。性根の曲がった者の外は,誰もこれを拒否しないであろう。 [2.100] かれら(ユダヤ人)は約束を繕ぶ度に,その中の一派の者が,それを放棄する。いや,かれらの多くは(元来)信じないのである。 [2.101] 使徒がアッラーの御許からやって来て,かれらの所持するものを確証すると,啓典の民の中の一派は,アッラーの啓典をまるで知らなかったかのように,背後に捨てた。 [2.102] そしてかれらは,悪魔たちがスライマーンの王権に就いて,(偽って)述べることに従った。スライマーンは不信心ではなかった。しかし悪魔たちは不信心だったので人びとに妖術を教え,またバービル(バビロン)でハールートとマールートの両天使に授けられたものを教えた。だが両天使は,こう告げた後でなければ,誰にも教えなかった。「わたしたちは試みるだけだ。それで不信心になってはならない。」かれら(人びと)は両者から,夫と妻の間を引き離す術を学んだ。だがかれら(悪魔)とて,アッラーの御許しがない限り,それで誰も害することは出来なかった。しかし人びとは,自分に害になる,益のないことを学んだ。(この術を)購った者は,来世において何の福分にも与れないことを知りながら。ああ,何とつまらないもののために,かれらは魂を売ってしまったのか。かれらにそれが分っていたらよかったのに。 [2.103] かれらがもし信仰して,(悪魔から)その身を守ったならば,アッラーの御許から,きっと良い報奨を得たであろう。かれらにそれが分っていたらよかったのに。 [2.104] あなたがた信仰する者よ,ラーイナーと言ってはならない,ウンズルナーと言いなさい。そして(使徒の言葉に)耳を傾けなさい。不信者たちには厳しい懲罰が下ろう。 [2.105] 啓典の民の中,不信心者と多神教徒は,主からあなたがたに善いことが下るのを決して喜ばない。だがアッラーは,御心に適う者に,特別な慈悲をかけられる。アッラーは偉大な恩恵の主であられる。 [2.106] われは(啓示の)どの節を取り消しても,また忘れさせても,それに優るか,またはそれと同様のものを授ける。アッラーは凡てのことに全能であられることを知らないのか。 [2.107] あなたは天と地の大権が,アッラーの有であることを知らないのか。またあなたがたには,アッラー以外に守護者も援助者もないのである。 [2.108] あなたがたは,以前ムーサーが問いただされたように,あなたがたの使徒に詰問しようとするのか。本当に信仰の代わりに不信心を選ぶ者は,公正な道から迷い去った者である。 [2.109] 啓典の民の多くは,あなたがたが信仰を受け入れた後でも,不信心に戻そうと望んでいる。真理がかれらに明らかにされているにも拘らず,自分自身の嫉妬心からこう望むのである。だからアッラーの命令が下るまで,かれらを許し,見逃がしておきなさい。本当にアッラーは凡てのことに全能であられる。 [2.110] 礼拝の務めを守り,定めの喜捨をしなさい。あなたがたが自分の魂のためになるよう行ったどんな善事も,アッラーの御許で見出されるであろう。誠にアッラーは,あなたがたの行うことを御存知であられる。 [2.111] かれらは,「ユダヤ人とキリスト教徒の外,誰も楽園に入いれないだろう。」と言う。それはかれらの(虚しい)望みである。言ってやるがいい。「もしあなたがたが真実なら,証拠を出して見なさい。」 [2.112] これに反し,アッラーに自分の真心を尽くして服従,帰依し,善行に勤しむ者は,主の御許から報奨を与えられる。かれらには恐れもなく憂いもないであろう。 [2.113] ユダヤ人は言う。「キリスト教徒は,全く拠るところがない。」キリスト教徒も,「ユダヤ人は全く拠るところがない。」と言う。かれらは(同じ)啓典を読誦しているのに。知識のない者どもは,これと同じ(ような)ことを日にする。だがアッラーは,審判の日にかれらの論争に判決を下される。 [2.114] アッラーの聖なるマスジドで(人びとが)その御名を讃えるのを妨げたり,またそれを破壊しようとする者よりも不将な者がどこにいるだろうか。これらの者は,(本来)恐る恐るそこに足を踏み入れることしか出来ないはずである。かれらは,現世では屈辱を,また来世では厳しい懲罰を受けよう。 [2.115] 東も西も,アッラーの有であり,あなたがたがどこに向いても,アッラーの御前にある。本当にアッラーは広大無辺にして全知であられる。 [2.116] またかれらは,「アッラーは御子をもうけられる。」と言う。何と恐れ多いことよ。凡そ,天にあり地にある凡てのものは,かれの有であり,かれに崇敬の誠を尽くします。 [2.117] (かれこそは)天と地の創造者である。かれが一事を決められ,それに「有れ。」と仰せになれば,即ち有るのである。 [2.118] 知識のない者たちは,「アッラーは,何故わたしたちに話しかけられず, また印を下されないのだろう。」と言う。以前にもかれらのように言う者がいた。かれらの心は同じようなものである。しっかりした信仰を持つ人びとには,われは種々の印を既に明示している。 [2.119] 本当にわれは,吉報と警告の伝達者として,あなたを真理と共に遣わした。あなたは業火の住人に就いて問われることはない。 [2.120] ユダヤ教徒もキリスト教徒も,あなたを納得しないであろう。あなたがかれらの宗旨に従わない限りは。言ってやるがいい。「アッラーの導きこそ(真の)導きである。」知識があなたに下っているにも拘らず,かれらの願いに従うならば,アッラー以外には,あなたを守る者も助ける者もないであろう。 [2.121] われから啓典を授けられ,それを正しく読誦する者は,これ(クルアーン)を信じる。それを拒否する者どもは失敗者である。 [2.122] イスラエルの子孫よ,われがあなたがたに与えた恩恵と,(わが啓示を)万民に先んじ(て下し)たことを念え。 [2.123] 誰一人,他人の身代りとなり得ない日のために,その身を守れ。どんな償いも受け入れられず,どんな執り成しも無駄で,誰にも助けてもらえない(その日のために)。 [2.124] またイブラーヒームが,ある御言葉で主から試みられ,かれがそれを果たした時を思い起せ。「われはあなたを,人びとの導師としよう。」と主は仰せられた。かれは「またわたしの子孫までもですか。」と申し上げたところ,「われの約束は,悪行をした者たちには及ばない。」と仰せられた。 [2.125] われが人びとのため,不断に集る場所として,また平安の場として,この家(カアパ)を設けた時を思い起せ。(われは命じた。)「イブラーヒームの(礼拝に)立った所を,あなたがたの礼拝の場としなさい。」またイブラーヒームとイスマーイールに命じた。「あなたがたはこれをタワーフ(回巡)し,イアテカ―フ(御籠り)し,またルクーウ(立礼)し,サジダする者たちのために,わが家を清めなさい。」 [2.126] イブラーヒームが(祈って)言った。「主よ。ここを平安の町にして下さい。その住民に,果実を御授け下さい。アッラーと最後の日を信じる者のために。」するとかれは仰せられた。「信仰を拒否する者にも,しばしの間楽しみを与えよう。その後かれらを火獄の懲罰に,駆り立てるであろう。何と悪い帰り所であることよ。」 [2.127] それからイブラーヒームとイスマーイールが,その家の礎を定めた時のこと。(その時二人は言った。)「主よ,わたしたちから(この奉仕を)受け入れて下さい。本当にあなたは全聴にして全知であられる。 [2.128] 主よ,わたしたち両人を,あなたに服従,帰依する者〔ムスリム〕にして下さい。またわたしたちの子孫をも,あなたに服従,帰依する民〔ウンマ〕にして下さい。わたしたちに祭儀を示し,哀れみを与えて下さい。あなたは度々許される方,慈悲深い方であられる。 [2.129] 主よ,かれらの間にあなたの印を読誦させ啓典と英知を教え,かれらを清める使徒をかれらの中から遣わして下さい。本当にあなたは偉大にして英明な方であられる。」 [2.130] 愚か者でもない限り,誰がイブラーヒームの教えを避けるであろうか。まさにわれは,現世においてかれを選んだ。来世においても,かれはきっと正義の徒の1人である。 [2.131] 主がかれに向かって,「服従,帰依しなさい。」と仰せられた時を思い起せ。かれは,「わたしは,万有の主に服従,帰依します。」と申し上げた。 [2.132] イブラーヒームは,このことをその子孫に伝え,ヤアコーブもまた(それにならった)。「わたしの子孫よ,アッラーはあなたがたのために,この教えを選ばれた。だから必ずムスリム(服従,帰依者)となって死なねばならない。」 [2.133] ヤァコーブが臨終の時,あなたがたは立ち会ったか。かれがその子孫に向かって,「わたしが亡き後,あなたがたは何に仕えるのか。」と言うと,かれらは,「わたしたちはあなたの神,イブラーヒーム,イスマーイール,イスハークの神,唯一の神(アッラー)に仕えます。かれに,わたしたちは服従,帰依します。」と言った。 [2.134] これは過ぎ去った民〔ウンマ〕のことである。かれらにはその稼いだことに対し,またあなたがたにもその稼いだことに対し(応報があろう)。かれらの行ったことに就いて,あなたがたが問われることはないのである。 [2.135] かれらは言う。「あなたがたは正しく導かれたいならば,ユダヤ教徒かキリスト教徒になりなさい。」言ってやるがいい。「いや,わたしたちはイブラーヒ―ムの純正の教えを信奉する。かれは,多神教徒の仲間ではなかった。」 [2.136] 言え,「わたしたちはアッラーを信じ,わたしたちに啓示されたものを信じます。またイブラーヒーム,イスマーイール,イスハーク,ヤアコーブと諸支部族に啓示されたもの,とムーサーとイーサーに与えられたもの,と主から預言者たちに下されたものを信じます。かれらの間のどちらにも,差別をつけません。かれにわたしたちは服従,帰依します。」 [2.137] それでもしかれらが,あなたがたのように信仰するならば,かれらは確かに正しい導きの中にいる。だがもし背き去るならば,かれらは離ればなれとなるであろう。彼らのことはアツラーに御任せしておけ。かれは全聴にして全知であられる。 [2.138] アッラーの色染めというが,誰がアッラーよりも良く色染め出来ようか。わたしたちが仕えるのはかれである。 [2.139] (ユダヤ教徒やキリスト教徒たちに)言ってやるがいい。「あなたがたは,アッラーに就いてわたしたちと論議するのか,かれはわたしたちの主であり,またあなたがたの主であられる。わたしたちにはわたしたちの行いがあり,あなたがたにはあなたがたの行いがある。 わたしたちは,かれに誠を尽くします。 [2.140] またあなたがたは,『イブラーヒーム,イスマーイール,イスハーク,ヤアコーブ,とその諸支部族が,ユダヤ教徒またはキリスト教徒であった。』と言うのか。言ってやるがいい。『最もよく知る者は,あなたがたなのか,それともアッラーであられるのか。アッラーから下された証拠を持ちながら,それを隠すよりも酷い不正があろうか。』アッラーは,あなたがたの行うことに無頓着な方ではない。」 [2.141] かれらは過ぎ去った共同体〔ウンマ〕である。かれらにはその稼ぎがあり,またあなたがたには,その稼ぎがある。かれらの行いに就いて,あなたがたが問われることはないのである。 [2.142] 人びとの中の愚かな者は言うであろう。「どうしてかれら(ムスリム)は守っていた方向〔キブラ〕を変えたのか。」言ってやるがいい。「東も西もアッラーの有である。かれは御心にかなう者を,正しい道に導かれる。」 [2.143] このようにわれは,あなたがたを中正の共同体〔ウンマ〕とする。それであなたがたは,人びとに対し証人であり,また使徒は,あなたがたに対し証人である。われがあなたがたの守っていたものに対し,この方向〔キブラ〕を定めたのは,只,踵を返す者と使徒に従う者とを見分けるためである。これは容易ではない事であるが,アッラーが導かれる者にとっては何でもない。だがアッラーは,あなたがたの信仰を決して虚しくなされない。本当にアッラーは人間に対し,限りなく優しく慈悲深い方であられる。 [2.144] われはあなたが(導きを求め),天に顔を巡らすのを見る。そこでわれは,あなたの納得するキブラに,あなたを向かわせる。あなたの顔を聖なるマスジドの方向に向けなさい。あなたがたは何処にいても,あなたがたの顔をキブラに向けなさい。本当に啓典の民は,それが主からの真理であることを知っている。アッラーは,かれらの行うことに無頓着な方ではない。 [2.145] 仮令あなたが,凡ての印を啓典の民に提示しても,かれらはあなたのキブラに従わないであろう。またあなたもかれらのキブラに従わない。かれらは互いに,他の者のキブラに従わない。あなたに知識が授けられた後,もしかれらの(虚しい)望みに従うならば,本当にあなたは,不義を行う者の仲間である。 [2.146] われが啓典を授けた者たちは,自分の子を認めるようにそれを認める。だがかれら一部の者は,承知の上で真理を隠す。 [2.147] 真理は主から(来たもの)である。だからあなたがたは疑うべきではない。 [2.148] 各人にはその向かう方位がある。それで互いに凡ての善事を競え。あなたがたは何処にいても,アッラーは一斉にあなたがたを集められる。誠にアッラーは凡てのことに全能であられる。 [2.149] だからあなたは,何処に行っても,顔を聖なるマスジドの方に向けなさい。これは本当に,あなたの主からの真理である。アッラーは,あなたがたの行うことに無頓着な方ではない。 [2.150] だからあなたがたは,何処に行っても,顔を聖なるマスジドの方に向けなさい。またあなたがたは何処にいても,顔をそこに向けなさこれは不義を行う者は論外であるが,人々があなたがたに対しとやかく言う余地を無くすためである。だからかれらを恐れず,ただわれを畏れなさい。それはあなたがたに対する,わが恩恵を全うするためである。あなたがたは恐らく正しい導きを与えられるであろう。 [2.151] われはあなたがたの一人をわが使徒として遣わし,わが印をあなたがたに読論誦して,あなたがたを清め,また啓典と英知を教え,あなたがたの知らなかったことを教えさせた。 [2.152] だからわれを念じなさい。そうすればわれもあなたがたに就いて考慮するであろう。われに感謝し,恩を忘れてはならない。 [2.153] あなたがた信仰する者よ,忍耐と礼拝によって助けを求めなさい。本当にアッラーは耐え忍ぶ者と共におられる。 [2.154] アッラーの道のために殺害された者を,「(かれらは)死んだ。」と言ってはならない。いや,(かれらは)生きている。只あなたがたが知らないだけである。 [2.155] われは,恐れや飢え,と共に財産や生命,(あなたがたの労苦の)果実の損失で,必ずあなたがたを試みる。だが耐え忍ぶ者には吉報を伝えなさい。 [2.156] 災難に遭うと,「本当にわたしたちは,アッラーのもの。かれの御許にわたしたちは帰ります。」と言う者, [2.157] このような者の上にこそ主からの祝福と御恵みは下り,またかれらは,正しく導かれる。 [2.158] 本当にサファーとマルフは,アッラーの印の中である。だから聖殿に巡礼する者,または(小巡礼のためにそれを)訪れる者は,この両丘をタフーフ(回巡)しても罪ではない。進んで善い行いをする者には,本当にアッラーは嘉し,それをよく御認め下さる。 [2.159] 啓典の中で人びとのためわれが解明した後で,凡そわれが下した明証と導きを隠す者たちは,アッラーの怒りに触れ,呪う者たちの呪いにも会うであろう。 [2.160] だが悔悟してその身を修め,(真理を)公然と表明する者は別で,これらの者には,われはその悔悟を許すであろう。本当にわれは度々許す,慈悲深い者である。 [2.161] 本当に信仰を拒んで不信者として死ぬ者たち,かれらの上にはアッラーの謹責と,天使たちおよび全人類の呪いがある。 [2.162] かれらはその中に永遠に住むであろう。その懲罰は軽減されず,また猶予もないであろう。 [2.163] あなたがたの神は唯一の神(アッラー)である。かれの外に神はなく,慈悲あまねく慈愛深き方である。 [2.164] 本当に天と地の創造,昼夜の交替,人を益するものを運んで海原をゆく船の中に,またアッラーが天から降らせて死んだ大地を建らせ,生きとし生けるものを地上に広く散らばせる雨の中に,また風向きの変換,果ては天地の間にあって奉仕する雲の中に,理解ある者への(アッラーの)印がある。 [2.165] だが人びとの中にはアッラーの外に同位の者を設けて,アッラーを愛するようにそれらを愛する者もある。だが信仰する者たちは,アッラーを激しく熱愛する。これら悪を行う者が,その懲罰を見る時思い知るがいい。一切の権能がアッラーに属し,またアッラーが厳しい懲罰を加えられることを。 [2.166] その時指導者たちは追従者を見捨てて,懲罰を目の辺にして,かれらの間の一切の絆が断絶するであろう。 [2.167] それで追従者たちは言う。「もしわたしたちが今一度ひき返すことが出来るならば,かれらがわたしたちを見捨てたようにかれらを見捨てるのだが。」アッラーはこのように,自分の行い(の果実)を明示される。かれらにとって痛恨の外ないであろう。かれらは業火(の責め苦)から出ることは出来ない。 [2.168] 人びとよ,地上にあるものの中良い合法なものを食べて,悪魔の歩みに従ってはならない。本当にかれは,あなたがたにとって公然の敵である。 [2.169] かれは,唯罪悪と醜事をあなたがたに命じ,アッラーに就いて,あなたがたの知らないことをロ走らせる。 [2.170] かれらに,「アッラーが啓示されたところに従え。」と言えば,かれらは,「いや,わたしたちは祖先の道に従う。」と言う。何と,かれらの祖先は全く蒙味で,(正しく)導かれなかったではないか。 [2.171] 信仰を拒む者たちを譬えるならば,何と呼びかけられても,呼び声と叫び声の外聞けない者のようで,聾唖者,盲人である。したがってかれらは理解することが出来ない。 [2.172] 信仰する者よ,われがあなたがたに与えた良いものを食べなさい。そしてアッラーに感謝しなさい。もしあなたがたが本当に,かれに仕えるのであるならば。 [2.173] かれがあなたがたに,(食べることを)禁じられるものは,死肉,血,豚肉,およびアッラー以外(の名)で供えられたものである。だが故意に違反せず,また法を越えず必要に迫られた場合は罪にはならない。アッラーは寛容にして慈悲深い方であられる。 [2.174] アッラーが啓示された啓典の一部を隠し,それで僅かな利益を購う者は,その腹の中に火だけを飲み,復活の日にアッラーの御言葉もなく,また清めてもいただけないであろう。かれらは痛ましい懲罰を受ける。 [2.175] これらの者は,導きの代りに迷いを購い,また寛容の代りに懲罰を購う者たちである。 かれらは如何に業火(の責め苦)を耐えねばならないことであろうか。 [2.176] それというのもアッラーが,真理をもって啓典を下されたからである。この啓典に就いて異論を唱える者は,遠く離れ去った者たちである。 [2.177] 正しく仕えるということは,あなたがたの顔を東または西に向けることではない。つまり正しく仕えるとは,アッラーと最後の(審判の)日,天使たち,諸啓典と預言者たちを信じ,かれを愛するためにその財産を,近親,孤児,貧者,旅路にある者や物乞いや奴隷の解放のために費やし,礼拝の務めを守り,定めの喜捨を行い,約束した時はその約束を果たし,また困苦と逆境と非常時に際しては,よく耐え忍ぶ者。これらこそ真実な者であり,またこれらこそ主を畏れる者である。 [2.178] 信仰する者よ,あなたがたには殺害に対する報復が定められた。自由人には自由人,奴隷には奴隷,婦人には婦人と。だがかれ(加害者)に,(被害者の)兄弟から軽減の申し出があった場合は,(加害者は)誠意をもって丁重に弁償しなさい。これはあなたがたへの主からの(報復の)緩和であり,慈悲である。それで今後これに違反する者は,痛ましい懲罰を受けるであろう。 [2.179] この報復(の掟)には,あなたがたへの生命(の救助)がある。思慮ある者たちよ,恐らくあなたがたは主を畏れるであろう。 [2.180] あなたがたの中,死が近付いて,もし財産を残す時は,両親と近親に,公正な遺言をするよう定められている。これは,主を畏れる者の義務である。 [2.181] それを聞いた後,(その遺言を勝手に)変更する者があれば,罪はそれを変更した者の上にある。本当にアッラーは,全聴にして全知であられる。 [2.182] ただし,遺言者に不公平または不正のあることを恐れる者が,当事者の間を調停するのは,罪ではない。アッラーは寛容にして慈悲深き御方である。 [2.183] 信仰する者よ,あなたがた以前の者に定められたようにあなたがたに斎戒が定められた。恐らくあなたがたは主を畏れるであろう。 [2.184] (斎戒は)定められた日数である。だがあなたがたのうち病人,または旅路にある者は,後の日に(同じ)日数を(斎戒)すればよい。それに耐え難い者の償いは,貧者への給養である。すすんで善い行いをすることは,自分のために最もよもしあなたがたがよく(その精神を)会得したならば,斎戒は更にあなたがたのために良いであろう。 [2.185] ラマダーンの月こそは,人類の導きとして,また導きと(正邪の)識別の明証としてクルアーラが下された月である。それであなたがたの中,この月(家に)いる者は,この月中,斎戒しなければならない。病気にかかっている者,または旅路にある者は,後の日に,同じ日数を(斎戒する)。アッラーはあなたがたに易きを求め,困難を求めない。これはあなたがたが定められた期間を全うして,導きに対し,アッラーを讃えるためで,恐らくあなたがたは感謝するであろう。 [2.186] われのしもべたちが,われに就いてあなたに問う時,(言え)われは本当に(しもべたちの)近くにいる。かれがわれに祈る時はその嘆願の祈りに答える。それでわれ(の呼びかけ)に答えさせ,われを信仰させなさい,恐らくかれらは正しく導かれるであろう。 [2.187] あなたがたは斎戒の夜,妻と交わることを許される。かの女らはあなたがたの衣であり,あなたがたはまたかの女らの衣である。アッラーはあなたがたが自ら欺いているのを知っておられ,不憫におもわれ,あなたがたを許された。だからかの女らと交わり,アッラーがあなたがたのため,定められたところに従え。また自糸と黒糸の見分けられる黎明になるまで食べて飲め。その後は日暮れまで斎戒を全うしなさい。マスジドに御籠りしている間,かの女らに交わってはならない。これはアッラーの(定められた)掟だから,かの女に近付いてはならない。このようにアッラーは,人びとに印を説き明かされる。恐らくかれらは主を畏れるであろう。 [2.188] あなたがたの間で,不法にあなたがたの財産を貪ってはならない。またそれを贈って裁判官に近付き,他人の財産の一部を,不当であると知りながら貪ってはならない。 [2.189] かれらは新月に就いて,あなたに問うであろう。言ってやるがいい。「それは人びとのため,また巡礼のための時の定めである。」またあなたがたが,自分の家の裏日から入るのは善行ではない。凡そ善行とは,主を畏れることである。だから家に入るには,正門から入りなさい。アッラーを畏れよ,あなたがたは恐らく至上の幸福を成就するであろう。 [2.190] あなたがたに戦いを挑む者があれば,アッラーの道のために戦え。だが侵略的であってはならない。本当にアッラーは,侵略者を愛さない。 [2.191] かれらに会えば,何処でもこれを殺しなさい。あなたがたを追放したところから,かれらを追放しなさい。本当に迫害は殺害より,もっと悪い。だが聖なるマスジドの近くでは,かれらが戦わない限り戦ってはならない。もし戦うならばこれを殺しなさい。これは不信心者ヘの応報である。 [2.192] だがかれらが(戦いを)止めたならば,本当にアッラーは,寛容にして慈悲深くあられる。 [2.193] 迫害がなくなって, この教義がアッラーのため(最も有力なもの)になるまでかれらに対して戦え。だがもしかれらが(戦いを)止めたならば,悪を行う者以外に対し,敵意を持つべきではない。 [2.194] 聖月には聖月,また聖事には聖事,これが報復である。誰でも,あなたがたに敵対する者には,同じように敵対しなさい。だがアッラーを畏れなさい。本当にアッラーは,主を畏れる者と共におられることを知れ。 [2.195] またアッラーの道のために(あなたがたの授けられたものを)施しなさい。だが,自分の手で自らを破滅に陥れてはならない。また善いことをしなさい。本当にアッラーは,善行を行う者を愛される。 [2.196] アッラーのために,巡礼〔ハッジ〕と小巡礼〔オムラ〕を全うしなさい。もしあなたがたが妨げられたならば,容易に得られる供物を(送りなさい)。そして供物が犠牲を捧げる場に到着するまで,あなたの頭を剃ってはならない。あなたがたの中に病人,または頭(の皮膚)だ患いのある者は,斎戒をするか施しをなし,または犠牲を捧げて(頭を刺る)償ないとしなさい。またあなたがたが故障もないのに小巡礼をして,巡礼までの間を楽しむ者は,容易に得られる犠牲を捧げなければならない。もしそれを捧げることが不可能な時は,巡礼中に3日,帰ってから7日,合せて10日間(の斎戒)をしなさい。これは聖なるマスジド(の所在地マッカ)に,家を持たない者に対する淀である。あなたがたはアッラーを畏れ,またアッラーの懲罰は本当に厳しいことを知りなさい。 [2.197] 巡礼(の時期)は周知の数月である。それでその間に巡礼の務めを果たそうと決心した者は,巡礼中,猥(嚢?)な行いや不道徳な行いを慎しみ,また論争してはならない。あなたがたの行う善いことを,アッラーは知っておられる。旅の準備をしなさい。だが最も優れた準備は篤信の念である。あなたがた思慮ある者よ,われを畏れなさい。 [2.198] 主の恩恵を求めて祈(り巡礼中に商売す)るのは,あなたがたにとって罪ではない。それでアラファートから,どっと下ってきて,聖なる場所(ムズダリファ)でアッラーを唱えて念じなさい。かれがあなたがたのことを思って導かれたように,あなたがたもかれを念いなさい。以前あなたがたは,確かに迷っていた。 [2.199] それで,人びとの急ぎ降りるところから急ぎ降り,アッラーの御赦しを請い願いなさい。誠にアッラーは,寛容にして慈悲深くあられる。 [2.200] あなたがたは聖儀を果たしたならば,アッラーを念じなさい。あなたがたの祖先を念じるように,いやそれよりも深く精魂を打ち込んで念じなさい。人びとの中には(祈って),「主よ,現世でわたしたちに,幸いを賜わりますように。」と言う者がある。だがかれらは来世における分けまえを得られないであろう。 [2.201] また人びとの中には(祈って),「主よ,現世でわたしたちに幸いを賜い,また来世でも幸いを賜え。業火の懲罰から,わたしたちを守ってください。」と言う者がある。 [2.202] これらの者には,その行ったことに対して分けまえがあろう。本当にアッラーは精算に迅速である。 [2.203] 定められた数日間,アッラーを念じなさい。アッラーを畏れる者の中,誰でも急ぐならば,2日目(に帰っ)ても罪にはならない。また留まっても罪ではない。アッラーを畏れなさい。あなたがたは必ず,かれの御許に集められることを知りなさい。 [2.204] 人びとの中には,この世の生活に関する言葉で,あなたの目をくらませる者がある。そしてかれらは,自分の胸に抱くことの証人としてアッラーを呼ぶ。だがこのような人間こそ最も議論好きな敵である。 [2.205] かれらは背を向けるやいなや,地上に悪を広めることにつとめ,収穫物や家蓄を荒し廻る。だがアッラーは邪悪を愛されない。 [2.206] かれらは「アッラーを畏れなさい。」と言われると,その高慢さのため(更に)罪に走る。かれらには地獄こそ適しい。だが何と悪い臥所であろうか。 [2.207] また人びとの中には,アッラーの御喜びを願って,自分を売った者がある。アッラーは(御自分の)しもベに優しくあられる。 [2.208] あなたがた信仰する者よ,心を込めてイスラーム(平安の境)に入れ。悪魔の歩みを追ってはならない。本当にかれは,あなたがたにとって公然の敵である。 [2.209] 明証が下った後,あなたがたがもし足を踏みはずすならば,アッラーは偉力ならぶ者なく,英明であられることを知りなさい。 [2.210] かれらは,アジラーが雲の天蓋の中に,天使たちを率いてかれらに臨まれ,その事を解決されるのを待つだけではないのか。アッラーに凡ての事(の決定)は,帰属するのである。 [2.211] イスラエルの子孫に問え。われが如何に多くの明証を,かれらに下したかを。アッラーの恩恵が下った後,これを改変する者があれば,本当にアッラーは懲罰に厳重であられる。 [2.212] 現世の生活は,不信心な者たちにとり魅惑的である。そしてかれらは信仰する者たちを嘲り笑う。だが(主に対して自分の)義務を果たす者は,復活の日にかれらの上位に立つであろう。アッラーは,御望みの者に限りなく与えられる。 [2.213] 人類は(もともと)一族であった。それでアリラーは,預言者たちを吉報と警告の伝達者として遺わされた。またかれらと共に真理による啓典を下し,それで,人びとの間に異論のある種々の事に就いて裁定させられる。こうしてかれらに明証が下っているにも拘らず,(啓典を)授けられた者たちは,かえって互いのために争ったのである。アッラーは,かれらが異論を唱える真理に就いて,信仰する者を特別の御許しで導かれる。本当にアッラーは,御心に適う者を正しい道に導かれる。 [2.214] それともあなたがたは,先に過ぎ去った者たちが出会ったような(試みが)まだ訪れない先に(至上の幸福の)園に入ろうと考えるのか。かれらは災難や困窮に見舞われ,(不安の中に)動揺させられて,使徒も,一緒の信者たちも,「アッラーの御助けは,何時(来る)だろう。」と叫んだ程であった。ああ,本当にアッラーの御助けは近付いている。 [2.215] かれらは,如何に施すべきか,あなたに問うであろう。言ってやるがいい。「あなたがたが施してよいのは両親のため,近親,孤児,貧者と旅路にある者のためである。本当にアッラーはあなたがたの善行を,何でも深く知っておられる。」 [2.216] 戦いがあなたがたに規定される。だがあなたがたはそれを嫌う。自分たちのために善いことを,あなたがたは嫌うかもしれない。また自分のために悪いことを,好むかもしれない。あなたがたは知らないが,アッラーは知っておられる。 [2.217] かれらは聖月中に戦争することに就いて,あなたに問うであろう。言ってやるがいい。「聖月中に戦うことは重大事である。だがアッラーの道に近付くのを妨げ,かれを否定し,また聖なるマスジド〔アル・マスジド・ル・ハラーム〕を汚し,そこ(の聖域)に住む者を追放することは,アッラーの御目にはもっと重大事である。迫害は,殺害より遙かに悪い。」かれらはもし出来るなら,あなたがたを信仰から背かせるまで戦いを止めないであろう。あなたがたの中で,もし信仰に背き,不信心者のままで死ぬ者があれば,このような者は,現世でも来世でも,その行いは徒となる。またこれらの者は,業火の住人である。かれらは永遠にその中に住む。 [2.218] 本当に信仰する者,(迫害を避けて)移り住む者,そしてアッラーの道のために奮闘努力する者,これらの者は,アッラーの慈悲に浴するであろう。アッラーは寛容にして慈悲深き方であられる。 [2.219] かれらは酒と,賭矢に就いてあなたに問うであろう。言ってやるがいい。「それらは大きな罪であるが,人間のために(多少の)益もある。だがその罪は,益よりも大である。」またかれらは,何を施すべきかを,あなたに問うであろう。その時は,「何でも余分のものを。」と言ってやるがいい。このようにアッラーは,印をあなたがたに明示される。恐らくあなたがたは反省するであろう, [2.220] 現世に就いてもまた来世に就いても。またかれらは孤児に関し,あなたに問うであろう。言ってやるがいい。「かれらのために,有利に取計らうのは善いことである。もし,かれらと親しく交る時は,あなたがたは兄弟である。」アッラーは,善意の者と悪事をなす者を知っておられる。アッラーがおばしめしならば,あなたがたをきっと困惑させられる。誠にアッラーは,偉力ならぶものなく英明であられる。 [2.221] 多神教の女とは,かの女が信者になるまでは結婚してはならない。仮令あなたがたが気に入っていても,多神教の女よりは信仰のある女奴隷が勝る。また多神教の男が信者になるまでは,あなたがたの女子をかれらに嫁がせてはならない。仮令あなたがたの気に入っていても,多神教の男よりは信仰ある奴隷の方が勝っている。これらの者は,信者を業火に誘う。だがアッラーは寛容に罪を許され,楽園に呼び入れられる。また人びとに,かれの印を明示される。恐らくかれらは反省するであろう。 [2.222] かれらは月経に就いて,あなたに問うであろう。言ってやるがいい。「それは不浄である。だから月経時には,妻から遠ざかり,清まるまで近付いてはならない。それで清まった時には,アッラーが命じられるところに従って,かの女らに赴け。誠にアヅラーは,悔悟して不断に(かれに)帰る者を愛でられ,また純潔の者を愛される。」 [2.223] 妻はあなたがたの耕地である。だから意のままに耕地に赴け。だが自分の魂のために,(予め何か)善いことをしなさい。アッラーを畏れなさい。あなたがたは(来世で)かれに会うことを知りなさい。なお(これらの)吉報を信者たちに伝えなさい。 [2.224] あなたがたは善行,アッラーを畏れて正しいことを行うこと,また人々の間を執りなすことなどに対してアッラーヘの誓いをロ実にしてはならない。アッラーは全聴にして全知であられる。 [2.225] アッラーは,あなたがたの誓いの中,不用意な言葉を咎めようとはなされない。だが,あなたがたの心の意図することを,咎められる。誠にアッラーは寛容にして大度の持主であられる。 [2.226] 妻と縁を絶つことを誓う者は,4ヶ月間待たねばならない。もし(離婚の意志を)ひるがえすならば,誠にアッラーは寛容にして慈悲深くあられる。 [2.227] またかれらが,もし離婚を堅く決心したならば,誠にアッラーは全聴にして全知であられる。 [2.228] 離婚された女は,独身のままで3度の月経を待たねばならない。またもしもかの女らが,アッラーと最後の日を信じるならば,アッラーが胎内に創られたものを,隠すのは合法ではない。(この場合)夫たちがもし和解を望み,その期間内にかの女らを復縁させるならば,一層正当である。女は,公平な状態の下に,かれらに対して対等の権利をもつ。だが男は,女よりも一段上位である。誠にアッラーは偉力ならびなく英明であられる。 [2.229] 離婚(の申し渡し)は,2度まで許される。その後は公平な待遇で同居(復縁)させるか,あるいは親切にして別れなさい。あなたがたはかの女に与えた,何ものも取り戻すことは出来ない。もっとも両人が,アッラーの定められた掟を守り得ないことを恐れる場合は別である。もしあなたがた両人が,アッラーの定められた掟を守り得ないことを恐れるならば,かの女がその(自由を得る)ために償い金を与えても,両人とも罪にはならない。これはアッラーの掟である。それ故これに背いてはならない。凡そアッラーの掟を犯す者こそ不義の徒である。 [2.230] もしかれが(3回目の)離婚(を申し渡)したならば,かの女が他の夫と結婚するまでは,これと再婚することは出来ない。だが,かれ(第2の夫)がかの女を離婚した後ならば,その場合両人は罪にならない。もしアッラーの掟を守っていけると思われるならば,再婚しても妨げない。これはアッラーの掟である。かれは知識のある者たちに,これを説き明かされる。 [2.231] あなたがたが妻を離婚して定められた期限が満了したならば,公平な待遇で同居させるか,または親切にして別れなさい。かの女を困らすために引きとめて,法を越えてはならない。そんなことをする者は,自分の魂を損う者である。愚弄して,アッラーの御告げを戯れごとにしてはならない。あなたがたに対するアッラーの恩恵を念い,またあなたがたに授けられた,あなたがたに勧告する啓典と英知を念え。アッラーを畏れなさい。アッラーは凡てのことを知り尽くされていることを知れ。 [2.232] あなたがたが妻を離別し,定められた期間が満了して双方の合意の下に,妥当に話がまとまったならば,かの女らの結婚を(前の)夫は妨げてはならない。これ(教え)は,あなたがたの中アッラーと最後の日を信じる者への訓戒である。それはあなたがたにとって,最も清浄であり潔白である。あなたがたは知らないが,アッラーは知っておられる。 [2.233] 母親は,乳児に満2年間授乳する。これは授乳を全うしようと望む者の期間である。父親はかれらの食料や衣服の経費を,公正に負担しなければならない。しかし誰も,その能力以上の負担を強いられない。母親はその子のために不当に強いられることなく,父親もその子のために不当に強いられてはならない。また相続人もそれと同様である。また両人が話し合いで合意の上,離乳を決めても,かれら両人に罪はない。またあなたがたは乳児を乳母に託すよう決定しても,約束したものを公正に支給するならば,あなたがたに罪はない。アッラーを畏れなさい。アッラーは,あなたがたの行いを御存知であられることを知れ。 [2.234] もしあなたがたの中死後に妻を残す者があれば,かの女らは独身のままで4ヶ月と10日間を待たなければならない。その期間が満了した時,かの女らが適切に,その身を処することに就いては,あなたがたに罪はない。アッラーはあなたがたの行うことを熟知しておられる。 [2.235] あなたがたはそのような女に,直に結婚を申し込んでも,または(その想いを)自分の胸にしまっておいても罪はない。アッラーはあなたがたが胸に秘めることを知っておられる。だが,公正な言葉で話す外,決してかの女と秘密に約束してはならない。また定められた期限が来るまでは,結婚の契りを固めてはならない。アッラーは,あなたがたが心の中に抱くことを熟知しておられることを知れ。だからかれに留意しなさい。アッラーが(寛?)容にして慈悲深い方であられることを知れ。 [2.236] あなたがたがかの女らに触れず,また贈与額も定めない中に,離別するのは罪ではない。だがかの女らに(マハル)の一部を与えなさい。富者はその分に応じ,貧者もその分に応じて公正に贈与をしなさい。(これは)正しい行いをする者の務めである。 [2.237] あなたがたがかの女らと離別する場合,まだかの女らには触れてはいないが,既にマハルを決めていた時は,約定した額の半分を与えなさい。かの女らが辞退するか,または結婚のきずなを握る者が辞退しない限り,あなたがたは(それを)辞退するのが最も正義に近い。なおあなたがたは,相互のよしみを忘れてはならない。アッラーはあなたがたの行う凡てのことを御存知であられる。 [2.238] 各礼拝を,特に中間の礼拝を謹厳に守れ,敬(虎?)にアッラーの御前に立て。 [2.239] あなたがたが,((故?)の)恐れある時は,徒歩または騎乗のまま(略式の礼拝をしなさい)。だが安全になった時は,(完全な礼拝をして)アッラーを念じなさい。あなたがたが(もと)知らなかったことを,かれが教えられたように。 [2.240] あなたがたの中(主に)召されて妻を残す者は,追い立てられることなく1年間扶養を受けるよう,妻たちのために遺言しなければならない。だがかの女らが出て行き合法的に行動することに対しては,あなたがたに罪はない。アッラーは偉力ならびなく英明であられる。 [2.241] 離婚された女に対しては,妥当な贈り物をしなければならない。これは主を畏れる者の負う務めである。 [2.242] このようにアッラーは,あなたがたにその印を説き明かされる。恐らくあなたがたは悟るであろう。 [2.243] あなたは,自分の家から出て行った者たちを見なかったのか。かれらは死を恐れたためにそうしたが,その数は何千人に及んだ。アッラーはかれらに向かって「死ね。」と言われ,それから甦らせられた。誠にアッラーは人間への恩恵の主であられる。だが人びとの多くは感謝しない。 [2.244] アッラーの道のために戦え。アッラーは全聴にして全知であられることを知れ。 [2.245] アッラーによい貸付をする者は,誰であるのか。かれはそれを倍加され,また数倍にもなされるではないか。アッラーは,乏しくもまた豊かにも自由自在に与えられる。あなたがたはかれの御許に帰されるのである。 [2.246] あなたはムーサーの後の,イスラエルの子孫の長老たちに就いて知らなかったのか。かれらは,自分の預言者に向かって言った。「わたしたちのために,一人の王を立てなさい。そうすれば,わたしたちはアッラーの道のために,戦うであろう。」そこでかれは,「あなたがたに戦いが命じられても,戦わないのではないか。」と言った。かれらは(答えて)「わたしたちはどうして,アッラーの道のために戦わずにいられようか,自分の家を追われ,子供からも離れているのに。」と言った。ところが戦いがかれらに命じられると,かれらの中の少数の者を除き背き去った。アッラーは不義を行う者を熟知しておられる。 [2.247] 預言者はかれらに,「誠にアッラーは,タールートをあなたがたの上に,王として任命された。」と言った。かれらは言った。「かれがどうして,わたしたちの王になれようか。わたしたちこそ,かれよりも王に相応しい。またかれは富にも恵まれていない。」かれ(預言者)は言った。「アッラーは,あなたがたの上にかれを選び,かれの知識と体力を強められた。アッラーは御心に適う者に,王権を授けられる。アッラーは厚施にして全知であられる。」 [2.248] 預言者はかれらに言った。「かれの王権の印は,あなたがたに来るあの(ほ?)ある。天使たちがその中に,主からの平安と,ムーサーの一族とハールーンの一族の遺品を入れてやって来る。あなたがたがもし(真の)信者ならば,その中にあなたがたへの印がある。」 [2.249] タールートが軍を率いて出征する時,かれは言った。「本当にアッラーは,川であなたがたを試みられる。誰でも川の水を飲む者は,わが民ではない。だがそれを味わおうとしない者は,きっとわが民である。只手のひらで,一すくいするだけは別だ。」だが少数の者の外,かれらはそれを飲んだ。かれ(タールート)およびかれと信仰を共にする者が渡った時,かれらは,「わたしたちは今日ジャールート(ゴリアテ)とその軍勢に敵対する力はない。」と言った。だがアッラーに会うことを自覚する者たちは言った。「アッラーの御許しのもとに,幾度か少い兵力で大軍にうち勝ったではないか。アッラーは耐え忍ぶ者と共にいられる。」 [2.250] それからかれらは進んで,ジャールートとその軍勢に見えんとする時,(祈って)言った。「主よ,わたしたちに不屈の精神を注ぎ込んで下さい。わたしたちの足場を固めて,不信心の民に対し,わたしたちを御助け下さい。」 [2.251] 果たしてかれら(タールートの軍勢)は,アッラーの許しのもとにかれらを打ち破り,ダーウードはジャ―ルートを殺し,アッラーは,王権と英知をかれ(ダーウード)に授け,かれのおばしめしに就いて教えられた。アッラーが人間を,互いに抑制し合うように仕向けられなかったならば,大地はきっと腐敗したことであろう。だがアッラーは,凡てのものに恵みをくださる。 [2.252] これはアッラーの宣託で,われは真理をあなたに読み聞かせる。誠にあなたは,遣わされた者の一人である。 [2.253] われは,これらの使徒のある者を外の者より以上に遇した。かれらの中である者には,アッラーが親しく御言葉をかけられるし,またある者は位階を高められた。またわれは,マルヤムの子イーサーに明証を授け,且つ聖霊によってかれを強めた。もしアッラーのおばしめしがなかったなら,かれらの後継者たちは,明証が下った後互いに争うことはなかったであろう。だがかれらは相違した。ある者は信じ,またある者は信仰を拒否した。アッラーの御心なら,かれらは争わなかったのである。だがアッラーは,おばしめしのことを行われた。 [2.254] あなたがた信仰する者よ,われがあなたがたに授けた糧を取引もなく友情もなく,執り成しもない日の来る前に(施しに)使え。信仰を拒む者は,不義を行う者である。 [2.255] アッラー,かれの外に神はなく,永生に自存される御方。仮眠も熟睡も,かれをとらえることは出来ない。天にあり地にある凡てのものは,かれの有である。かれの許しなくして,誰がかれの御許で執り成すことが出来ようか。かれは(人びとの),以前のことも以後のことをも知っておられる。かれの御意に適ったことの外,かれらはかれの御知識に就いて,何も会得するところはないのである。かれの玉座は,凡ての天と地を覆って広がり,この2つを守って,疲れも覚えられない。かれは至高にして至大であられる。 [2.256] 宗教には強制があってはならない。正に正しい道は迷誤から明らかに(分別)されている。それで邪神を退けてアッラーを信仰する者は,決して壊れることのない,堅固な取っ手を握った者である。アッラーは全聴にして全知であられる。 [2.257] アッラーは信仰する者の守護者で,暗黒の深みから,かれらを光明の中に導かれる。信仰しない者は,邪神〔ターグート〕がその守護者で,かれらを光明から暗黒の深みに導く。かれらは業火の住人である。永遠にその中に住むであろう。 [2.258] アッラーがかれに王権を授けられたことから,(高慢になって)主に就いてイブラーヒームと論議した者を,あなたは知らなかったのか。イブラーヒームが,「わたしの主は,生を授けまた死を賜う方だ。」と言った時,かれは「わたしも,生を授けまた死を与える。」と言った。イブラーヒームは言った。「アッラーは,太陽を東から昇らせられる。それであなたは,それを西から昇らせなさい。」そこでかの不信者は当惑してしまった。アッラーは不義を行う民を御導きになられない。 [2.259] また,根底から壊滅してなくなった町を通り過ぎた者のようにかれは言うのであった。「アッラーは,どのように死に絶えたこの町を甦らされるのだろうか。」ところがアッラーは,百年の間かれを死なせ,それから甦らせた。そして,「あなたはどれくらい滞在したのか。」と言われた。かれは(答えて)申し上げた。「わたしは1日か半日過ごしました。」かれは言われた。「いや,あなたは百年滞在したのだ。だがあなたの食べ物と飲み物を見なさい。それはまだ年を経ていない。またあなたのロパを見なさい。われは,それを人びとへの一つの印としよう。なおその骨を見なさい。われがどうそれらを起こし,それから肉を着せるかを。」それが明示された時かれは,「アッラーが凡てのことに全能であられることが分りました。」と言った。 [2.260] イブラーヒームが、「主よ,あなたは死者をどう甦らせられるのかわたしに見せて下さい。」と言った時(のことを思え)。主は言われた。「あなたは信じないのか。」かれは申し上げた「いや,只わたしの心を安らげたいのであります。」かれは言われた。「4羽の鳥をとって,それを慣らし,それからかれらの一部をそれぞれの丘の上に置いて,それを呼べ,かれらは急いであなたの許に来るであろう。それであなたは,アッラーが偉力ならびなく英明であられることが分るであろう。」 [2.261] アッラーの道のために自分の所有するものを施す者を例えてみれば,ちょうど1粒が7穂を付け,1穂に百粒を付けるのと同じである。アッラーは御心に適う者に,倍加してくださる。アッラーは厚施にして全知であられる。 [2.262] アッラーの道のために,自分の財産を施し,その後かれらの施した相手に負担侮辱の念を起こさせず,また損わない者,これらの者に対する報奨は,主の御許にある。かれらには,恐れもなく憂いもないであろう。 [2.263] 親切な言葉と寛容とは,侮辱を伴う施しものに優る。アッラーは富有にして慈悲深くあられる。 [2.264] 信仰する者よ,あなたがたは人びとに見せびらかすため,持物を施す者のように,負担侮辱を感じさせて,自分の施しを無益にしてはならない。またアッラーも,最後の(審判の)日も信じない者のように。かれらを譬えてみればちょうど,上を被った滑らかな岩のようなもので,大雨が降れば裸になってしまう。かれらはその働いて得たものから,何の得るところもないであろう。アッラーは不信心の者たちを御導きになられない。 [2.265] アッラーの御喜びを求め,また自分の魂を強めるために,その所有するものを施す者たちを譬えてみよう。かれらは丘の上にある果樹園のように,大雨が注げばその収穫は倍加し,また大雨がなくても,少しの湿り(で足りる)。アッラーはあなたがたの行うことを御存知であられる。 [2.266] あなたがたの中,ナツメヤシやブドウの園を持ち,川が下を流れ,そこに凡ての果実があっても,自分は既に年老い,その子はまだ幼弱でおまけに旋風が猛火を伴ってきて,(全部)焼き払うようなことを望む者があろうか。このようにアッラーは,あなたがたに印を説き明かされる。恐らくあなたがたは反省するであろう。 [2.267] 信仰する者よ。あなたがたの働いて得たよいものと,われが,大地からあなたがたのために生産したものを借しまず施せ。悪いものを図って,施してはならない。目をつむらずには,あなた(自身)さえ取れないようなものを。アッラーは満ち足りておられる方,讃美されるべき方であられることを知りなさい。 [2.268] 悪魔は貧窮をもってあなたがたを脅し,また恥じ知らずの行いを命じる。だがアッラーは寛容と恩恵をあなたがたに約束されておられる。アッラーは厚施にして全知であられる。 [2.269] かれは御心に適う者に,英知を授けられる。英知を授けられた者は,本当に多分の良いものを授けられた者である。だが思慮ある者の外は,誰も反省しない。 [2.270] あなたがたが,どんな施し物をしようとも,またどんな誓いを果たそうとも,アッラーは本当に凡てを知っておられる。凡そ不義を行う者を助ける者はない。 [2.271] あなたがたは施しを,あらわにしても結構だが,人目を避けて貧者に与えれば更によい。それはあなたがたの罪悪(の汚)の一部を,払い清めるであろう。アッラーはあなたがたの行うことを熟知されておられる。 [2.272] かれらを(正道に)導くことは,あなた(ムハンマド)の責任ではない。アッラーは,御心に適う者を導かれる。あなたがたが施す良いものは,みなあなたがた自身のためである。あなたがたは,アッラーの御顔(御喜び)を願う外には施さない。施した良いものは,完全にあなたがたに返されよう。あなたがたは不当に遇せられることはないのである。 [2.273] (あなたがたの良い施しは)アッラーの道のために,心をいためながらも,大地を闊歩出来ない困窮者のため(のものである)。かれらは控え目であるから,知らない者は金持であると考える。あなたがたはその様子から察しなければならない。かれらはしつこく人びとに請わないのである。あなたがたがよいものを施せば,アッラーは必ずそれを熟知されておられる。 [2.274] 自分の財を,夜となく昼となく,人日を避けて,またあらわに施す者は,主の御許から報奨が下される。かれらには恐れもなく憂いもない。 [2.275] 利息を貪る者は,悪魔にとりつかれて倒れたものがするような起き方しか出来ないであろう。それはかれらが「商売は利息をとるようなものだ。」と言うからである。しかしアッラーは,商売を許し,利息(高利)を禁じておられる。それで主から訓戒が下った後,止める者は,過去のことは許されよう。かれのことは,アッラー(の御手の中)にある。だが(その非を)繰り返す者は,業火の住人で,かれらは永遠にその中に住むのである。 [2.276] アッラーは,利息(への恩恵)を消滅し,施し〔サダカ〕には(恩恵を)増加して下される。アッラーは忘恩な罪深い者を愛されない。 [2.277] 本当に信仰して善行に励み,礼拝の務めを守り,定めの喜捨をなす者は,主の報奨を与えられ,恐れもなく憂いもない。 [2.278] あなたがた信仰する者よ,(真の)信者ならばアッラーを畏れ,利息の残額を帳消しにしなさい。 [2.279] もしあなたがたがそれを(放棄) しないならば,アッラーとその使徒から,戦いが宣告されよう。だがあなたがたが悔い改めるならば,あなたがたの元金は収得出来る。(人びとを)不当に扱わなければ,あなたがたも不当に扱われない。 [2.280] また債務者がもし窮境にあるならば,そのめどのつくまで待て。もしあなたがたが分っているならば,(帳消しにして)喜捨することがあなたがたのために最もよい。 [2.281] あなたがたは,アッラーに帰される日のために(かれを)畏れなさい。その時,各人が稼いだ分に対し清算され,誰も不当に扱われることはないであろう。 [2.282] あなたがた信仰する者よ,あなたがたが期間を定めて貸借する時は,それを記録にとどめなさい。あなたがたのことがらを公正な記録者に記録させる。記録者は,アッラーが教えられたように記録し,書くのを拒むことは出来ない。それでかれに記録させなさい。債務者にロ述させなさい。かれの主アッラーを畏れ,少しもそれを少なく言ってはならない。もし債務者が,精神的に欠けるか幼弱者であり,または自らロ述できない場合は,後見人に公正にロ述させなさい。あなたがたの仲間から,2名の証人をたてなさい。2名の男がいない場合は,証人としてあなたがたが認めた,1名の男と2名の女をたてる。もし女の1人が間違っても,他の女がかの女を正すことが出来よう。証人は(証言のために)呼ばれた時,拒むことは出来ない。事の大小に拘らず,期限を定めた(取り決めは)記録することを軽視してはならない。それは,アッラーの御目には更に正しく,また正確な証拠となり,疑いを避けるために最も妥当である。只しあなたがたの間で受け渡される,直接の取引の場合は別である。それは記録にとどめなくても,あなたがたに罪はない。だがあなたがたの取引にさいしては,証人を立てなさい。そして記録者にも,証人にも迷惑をかけてはならない。もし(迷惑がかかることを)すれば,本当にそれはあなたがたの罪である。だからアッラーを畏れなさい。アッラーは,あなたがたを教えられた方である。アジラーは凡てのことを熟知されておられる。 [2.283] あなたがたが旅行中で記録者を求め得ない時,担保を(提供させて)手に入れて置きなさい。だがあなたがたが互いに信用している時,信用された者には託されたことを(忠実に)果たさせ,かれの主アッラーを畏れさせなさい。証言を隠してはならない。それを隠す者は,心を罪で汚すものである。アッラーは,あなたがたの行うことを熟知されておられる。 [2.284] 天にあり地にある,凡てのものはアッラーの有である。あなたがた自身の中にあるものを,現わしてもまた隠しても,アッラーはそれとあなたがたを清算しておられる。アッラーは,おぼしめしの者を赦し,またおばしめしの者を罰される。アッラーは凡てのことに全能であられる。 [2.285] 使徒は,主から下されたものを信じる,信者たちもまた同じである。(かれらは)皆,アッラーと天使たち,諸啓典と使徒たちを信じる。わたしたちは,使徒たちの誰にも差別をつけない(と言う)。また,かれらは(祈って)言う。「わたしたちは,(教えを)聞き,服従します。主よ,あなたの御赦しを願います。(わたしたちの)帰り所はあなたの御許であります。」 [2.286] アッラーは誰にも,その能力以上のものを負わせられない。(人びとは)自分の稼いだもので(自分を)益し,その稼いだもので(自分を)損う。「主よ,わたしたちがもし忘れたり,過ちを犯すことがあっても,咎めないで下さい。主よ,わたしたち以前の者に負わされたような重荷を,わたしたちに負わせないで下さい。主よ,わたしたちの力でかなわないものを,担わせないで下さい。わたしたちの罪障を消滅なされ,わたしたちを赦し,わたしたちに慈悲を御くだし下さい。あなたこそわたしたちの愛護者であられます。不信心の徒に対し,わたしたちを御助け下さい。」 @ALI 'IMRAN 慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において。 [3.1] アリフ・ラーム・ミーム, [3.2] アッラー,かれの外に神はなく,永生し自存される御方であられる。 [3.3] かれは真理をもって,あなたに啓典を啓示され,その以前にあったものの確証とし,また(先に)律法と福音を下され, [3.4] この前にも人びとを導き,(今)また(正邪の)識別を御下しになる。本当にアッラーの印を偽りであるとする者には,烈しい懲罰があろう。アッラーは偉力ならびなき応報の主であられる。 [3.5] 本当に地においても天にあっても,アッラーに隠す何ものもない。 [3.6] かれこそは,御心のままにあなたがたを胎内に形造られる方である。かれの外に神はなく,偉力ならびなき英明な方であられる。 [3.7] かれこそは,この啓典をあなたに下される方で,その中の(ある)節は明解で,それらは啓典の根幹であり,他(の節)はあいまいである。そこで心の邪な者は,あいまいな部分にとらわれ,(その隠された意味の)欠陥を求めて,それに勝手な解釈を加えようとする。だがアッラーの外には,その(真の意味)を知るものはない。それで知識の基礎が堅固な者は言う。「わたしたちはこれ(クルアーン)を信じる。これは凡て主から(賜わったもの)である。」だが思慮ある者の外は,反省しない。 [3.8] (かれらは祈って言う。)「主よ,わたしたちを導かれた後,わたしたちの心をそらさないで下さい。あなたの御許から,わたしたちに御慈悲を与えて下さい。本当にあなたこそ,限りなく与えられる御方であられます。」 [3.9] 「主よ,本当にあなたは疑いの余地のない(最後の審判の)日に,人びとを集められる方であられます。アッラーは約束をたがえられることはありません。」 [3.10] 本当に(その日),不信者たちの財産も,その子女も,アッラーには何の役にも立たないであろう。かれらは業火の薪となろう, [3.11] ちょうどフィルアウンの一族や,かれら以前の者がよい例で,かれらはわが印を拒否した。その罪のために,アッラーはかれらを捕えられた。アッラーは懲罰に厳重であられる。 [3.12] 信仰を拒否する者に言ってやるがいい。「あなたがたは打ち負かされて,地獄に追い集められよう。何と悪い臥床であることよ。」 [3.13] 両軍が遭遇した時,はっきりとあなたに印があった。一つはアッラーの道のために合戦する軍勢,外は不信心な者であった。かれら(不信者)の眼には,(ムスリム軍勢が)2倍に見えた。アッラーは御心に適う者を,かれの救護で擁護される。誠にその中には,炯限な者への教訓がある。 [3.14] 様々な欲望の追求は,人間の目には美しく見える。婦女,息子,莫大な金銀財宝,(血統の正しい)焼印を押した馬,家畜や田畑。これらは,現世の生活の楽しみである。だがアッラーの御側こそは,最高の安息所である。 [3.15] 言ってやるがいい。(ムハンマドよ)。「わたしはこれらよりも善いものを,あなたがたに告げようか。アジラーを畏れる者たちには,主の御許に楽園があり,川が下を流れている。かれらはその中に永遠に住み,純潔な配偶を与えられ,アッラーの御満悦を被るのである。アッラーはしもべたちを御存知であられる。」 [3.16] 「主よ,わたしたちは本当に信じます。それであたしたちの罪を赦し,火(の責め苦)の懲罰から救って下さい。」と(祈って)言う。 [3.17] よく耐え忍び,誠実で,敬(虎?)に奉仕して,(道のために賜物を)施し,また暁に(罪の)赦しを祈る者たちである。 [3.18] アッラーはかれの外に神がないことを立証なされた。天使たちも正義を守る知識を授った者もまた(それを証言する)。偉力ならびなく英明なかれの外に,神はないのである。 [3.19] 本当にアッラーの御許の教えは,イスラーム(主の意志に服従,帰依すること)である。啓典を授けられた人びとが,知識が下った後に相争うのは,只かれらの間の妬みからである。アッラーの印を拒否する者があれば,アッラーは本当に清算に迅速であられる。 [3.20] だからもしかれらが,あなたと論争するならば言いなさい。「わたしもわたしに従う者も,真心こめてアッラーに服従,帰依し仕えます。」また啓典を授っている人びとと無知の者たちに言いなさい。「あなたがたは服従,帰依したのか。」もし服従,帰依すれば,たしかに正しく導かれ,仮令かれらが背き去るにしても,あなたの務めは,只(啓示を)かれらに伝えるだけである。本当にアッラーはしもべたちを(漏れなく)御存知であられる。 [3.21] アッラーの印を信じないで,正義を無視して預言者たちを殺害した者,また公正を勧告する人びとを殺した者には,痛ましい懲罰があることを告げなさい。 [3.22] このような者たちの行いは,現世でも来世でも虚しく,かれらには援助者もない。 [3.23] あなたは啓典の一部を与えられていた者たちが,かれらの間の裁判を,アッラーの啓典(タウラート)に頼るようにと,呼びかけられるのを見なかったのか。だがかれらの一部は背き去った,かれらは転落者である。 [3.24] これは,かれらが「わたしたちが業火に触れたとしても何日かの間に過ぎないだろう。」と言うためで,かれらはその教えに就き,自分の樫造したものに欺かれて正しい教えから迷い出ているためである。 [3.25] 疑いの余地のないその日,われがかれらを集める時には,どのように(かれらはなるだろう)。各人は,自分の稼いだことに対し(十分に)報いられ,不当に扱われないのである。 [3.26] (祈って)言え。「おおアッラー,王権の主。あなたは御望みの者に王権を授け,御望みの者から王権を取り上げられる。また御望みの者を高貴になされ,御望みの者を低くなされる。(凡ての)善いことは,あなたの御手にある。あなたは凡てのことに全能であられる。 [3.27] あなたは夜を昼の中に入らせ,昼を夜の中に入らせられる。またあなたは,死から生を(?)し,生から死を(?)せられる。あなたは御心に適う者に限りなく御恵みを与えられる。」 [3.28] 信者たちは,信者を差し置いて不信心な者を親密な友としてはならない。これをあえてする者は,アッラーから(の助け)は全くないであろう。だがかれらが(不信者)から(の危害を)恐れて,その身を守る場合は別である。アッラーは御自身を(のみ念じるよう)あなたがたに論される。本当にアッラーの御許に,(最後の)帰り所はある。 [3.29] 言ってやるがいい。「あなたがたが胸の中にあることを,隠してもまた現わしても,アッラーはそれを知っておられる。かれは天にありまた地にある一切を知っておられる。アッラーは凡てのことに全能であられる。」 [3.30] 凡ての人が,それぞれ行った善事と,その行なった悪事とを,まのあたりに見る日。かれらはその日と,その(行った悪事との)間に,遠い隔たりがあることを望むであろう。アッラーは,あなたがたにしたしく戒められる。アッラーはしもべたちに慈悲深くあられる。 [3.31] 言ってやるがいい。「あなたがたがもしアッターを敬愛するならば,わたしに従え。そうすればアッラーもあなたがたを愛でられ,あなたがたの罪を赦される。アッラーは寛容にして慈悲深くあられる。」 [3.32] 言ってやるがいい。「アッラーと使徒に従いなさい。」だがかれらがもし背き去るならば,誠にアッラーは信仰を拒否する者たちを御好みになられない。 [3.33] 本当にアッラーは,アーダムとヌーフ,そしてイブラーヒームー族の者とイムラーンー族の者を,諸衆の上に御選びになられた。 [3.34] かれらは,一系の子々孫々である。アッラーは全聴にして全知であられる。 [3.35] イムラーンの妻がこう(祈って)言った時を思え,「主よ,わたしは,この胎内に宿ったものを,あなたに奉仕のために捧げます。どうかわたしからそれを御受け入れ下さい。本当にあなたは全聴にして全知であられます。」 [3.36] それから出産の時になって,かの女は(祈って)言った。「主よ,わたしは女児を生みました。」アッラーは,かの女が生んだ者を御存知であられる。男児は女児と同じではない。「わたしはかの女をマルヤムと名付けました。あなたに御願いします,どうかかの女とその子孫の者を)呪うべき悪霊から御守り下さい。」 [3.37] それで主は,恵み深くかの女を嘉納され,かの女を純潔に美しく成長させ,ザカリーヤーにかの女の養育をさせられた。ザカリーヤ一が,かの女を見舞って聖所に入る度に,かの女の前に,食物があるのを見た。かれは言った。「マルヤムよ,どうしてあなたにこれが(来たのか)。」かの女は(答えて)言った。「これはアッラーの御許から(与えられました)。」本当にアッラーは御自分の御心に適う者に限りなく与えられる。 [3.38] そこでザカリーヤーは,主に祈って言った。「主よ,あなたの御許から,無垢の後継ぎをあたしに御授け下さい。本当にあなたは祈りを御聞き届け下さいます。」 [3.39] それからかれがなお聖所で礼拝に立っていた時,天使がかれに呼びかけた。「アッラーからヤヒヤーの音報をあなたに授ける。その子はアッラーの御言葉の実証者となり,尊貴,純潔で正しい人々の事の預言者となろう。」 [3.40] かれは言った。「主よ,どうしてわたしに男の子があり得ましょう。わたしはもう老齢になってしまい,妻は不妊でありますのに。」かれ(天使)は言った。「このように,アッラーは御望みのことを行われる。」 [3.41] そこでかれ(ザカリーヤー)は言った。「主よ,わたしに印を御示し下さい。」かれ(天使)は言った。「あなたは3日の間人間と話すことが出来ず,身振だけで意志を通じさせることになろう。これがあなたに与えられる印である。だから多くあなたの主を念し,朝にタべに讃えなさい。」 [3.42] 天使たちがこう言った時を思い起せ。「マルヤムよ,誠にアッラーはあなたを選んであなたを清め,万有の女人を越えて御選びになられた。」 [3.43] 「マルヤムよ,あなたの主に崇敬の誠を棒げてサジダしなさい。ルクーウ(立礼)するものと一緒にルクーウしなさい。」 [3.44] これは幽玄界の消息の一部であり,われはこれをあなたに啓示する。かれらが(篆?)矢を投げて誰がマルヤムを養育すべきかを決めた時,あなたはかれらの中にいなかった。またかれらが相争った時も,あなたはかれらと一緒ではなかった。 [3.45] また天使たちがこう言った時を思え。「マルヤムよ,本当にアッラーは直接ご自身の御言葉で,あなたに吉報を伝えられる。マルヤムの子,その名はマスィーフ・イーサー,かれは現世でも来世でも高い栄誉を得,また(アッラーの)側近の一人であろう。 [3.46] かれは揺り籠の中でも,また成入してからも人びとに語り,正しい者の一人である。」 [3.47] かの女は言った。「主よ,誰もわたしに触れたことはありません。どうしてあたしに子が出来ましょうか。」かれ(天使)は言った。「このように,アッラーは御望みのものを御創りになられる。かれが一事を決められ,『有れ。』と仰せになれば即ち有るのである。」 [3.48] 主は啓典と英知と律法と福音とをかれに教えられ, [3.49] そしてかれを,イスラエルの子孫への使徒とされた。(イーサーは言った。)「わたしは,あなたがたの主から,印を(西?)したのである。わたしはあなたがたのために,泥で鳥の形を造り,それに息を吹き込めば,アッラーの御許しによりそれは鳥になる。またアッラーの御許しによって,生れ付きの盲人や,願患者を治し,また死者を生き返らせる。またわたしは,あなたがたが何を食べ,何を家に蓄えているかを告げよう。もしあなたがたが(真の)信者なら,その中にあなたがたへの印がある。 [3.50] わたしはまた,わたしより以前に下された律法を実証し,またあなたがたに禁じられていたことの一部を解禁するために,あなたがたの主からの印を(西?)したのである。だからアッラーを畏れ,わたしに従いなさい。 [3.51] 本当にわたしの主はアッラーであり,またあなたがたの主であられる。だからかれに仕えなさい。これこそは,正しい道である。」 [3.52] イーサーは,かれらが信じないのを察知して,言った。「アッラー (の道)のために,わたしを助ける者は誰か。」弟子たちは言った。「わたしたちは,アッラー(の道)の援助者です。わたしたちはアッラーを信じます。わたしたちがムスリムであることの証人となって下さい。 [3.53] 主よ,わたしたちは,あなたが下されたものを信じ,あなたの使徒に従います。それであたしたちを証人たちと一緒に,書きとめて下さい。」 [3.54] かれら(不信者)は策謀したが,アッラーも策謀なされた。だが最も優れた策謀者は,アッラーであられる。 [3.55] アッラーがこう仰せられた時を思い起せ。「イーサ―よ,われはあなたを召し,われのもとにあげて,不信心者(の虚偽)から清めるであろう。またわれは,あなたに追従する者を,審判の日まで,不信心の者たちの上位におくであろう。それからあなたがたは(皆)われの許に帰り,あなたがたが争っていたことに就いて,われは裁決を下すであろう。 [3.56] その時われは,現世においても来世でも不信心な者たちに厳しい懲罰を与えよう。(誰一人)かれらを助ける者もない。」 [3.57] 主は信仰して善行に動む者を(十分に)報奨される。だがアッラーは,不義を行う者を御好みにならない。 [3.58] 「これはわれがあなたに読み聞かせる印であり,また英知に満ちた教訓である。」 [3.59] イーサーはアッラーの御許では,丁度アーダムと同じである。かれが泥でかれ(アーダム)を創られ,それに「有れ。」と仰せになるとかれは(人間として)存在した。 [3.60] 真理はあなたの主から(来る)。だから懐疑の徒の仲間となってはならない。 [3.61] (イーサーに関する)真実の知識があなたに下された後,もしかれに就いてあなたと議論する者があれば,言ってやるがいい。「さあ,わたしたちの子孫とあなたがたの子孫,わたしたちの妻たちとあなたがたの妻たち,わたしたちとあなたがたを一緒に呼んで,アッラーの御怒りが嘘付き者の上に下るように祈ろう。」 [3.62] 誠にこれは,真実な物語である。アッラーの外に神はない。本当にアッラーは偉力ならびなく英明であられる。 [3.63] だがかれらがもし,背き去るならば,アッラーは悪を行う者を熟知される。 [3.64] 言ってやるがいい。「啓典の民よ,わたしたちとあなたがたとの間の共通のことば(の下)に来なさい。わたしたちはアッラーにだけ仕え,何ものをもかれに列しない。またわたしたちはアッラーを差し置いて,外のものを主として崇ない。」それでもし,かれらが背き去るならば,言ってやるがいい。「わたしたちはムスリムであることを証言する。」 [3.65] 啓典の民よ,何故あなたがたは,イブラーヒームのことで論争するのか。律法と福音とは,かれ以後に下されたのではないか。あなたがたは理解しないのか。 [3.66] 本当にあなたがたは,(いくらか)知識のあることに就いて(さえ)論争に陥るのに,どうしてあなたがたは,知識のないことに就いて論争するのか。アッラーは知っておられるが,あなたがたは(何も)知らない。 [3.67] イブラーヒームはユダヤ教徒でもキリスト教徒でもなかった。しかしかれは純正なムスリムであり,多神教徒の仲間ではなかったのである。 [3.68] 本当にイブラーヒームに最も近い人びとは,かれの追従者とこの預言者(ムハンマド),またこの教えを信奉する者たちである。アッラーこそは,信者たちを愛護される御方であられる。 [3.69] 啓典の民の一派は,あなたがたを迷わせようと望んでいる。だがかれらは自分自身を迷わすだけで,自らはそれに気付かない。 [3.70] 啓典の民よ,何故アッラーの印を拒否するのか,あなたがたは(自ら)その証人ではないか。 [3.71] 啓典の民よ,あなたがたは何故虚偽で真理を覆い,(悪いことと)知りながら真理を隠すのか。 [3.72] 啓典の民の一派は言う。「一日の始めには信者ムスリムたちに下されたものを信じて,(その日の)終りには拒否するがいい。恐らくかれら(ムスリムになった者)は,(イスラームを捨てて,わたしたちの方に)戻って来るであろう。 [3.73] ただし(本心では)あなたがたの教えに従う者の外は,信じてはならない。」言ってやるがいい。「本当の導きは,アッラーの御導きである。あなたがたに与えられたものと同じものを外の者が与えられ,かれらがあなたがたと主の御前で論争する(ことを恐れる)のか。」言ってやるがいい。「凡ての賜物は,アッラーの御手にあり。かれは御心に適う者にそれを授ける。アッラーは厚施にして全知であられる。 [3.74] かれは御心に適う者を,引き立て慈悲を御与えになる。アッラーは,偉大な施恩の主であられる。」 [3.75] 啓典の民の中には,あなたが千金を託してもこれを返す者もあれば,あなたが不断に催促しない限り,一枚の銀貨を託しても返さない者もある。それはかれらが「無知の者たちに就いては,わたしたちに責めはない。」と言うためである。かれらは故意に,アッラーに虚偽を語るものである。 [3.76] いや本当にアッラーは,自分の約束を全うし,自分の義務を果たす者を愛でられる。 [3.77] アッラーの約束と,自分の誓いとを売って僅かな利益を購う者は,来世において得分はないであろう。復活の日には,アッラーはかれらに御言葉も与えず,また顧みられず,清められることもない。かれらは痛ましい懲罰を受けるであろう。 [3.78] かれらの中には,自分の舌で啓典をゆがめ,啓典にないことを啓典の一部であるかのように,あなたがたに思わせようとする一派がある。またかれらは,アッラーの御許からではないものを,「それはアッラーから来たものだ。」と言う。かれらは故意にアッラーに就いて虚偽を語る者である。 [3.79] 啓典と英知と預言者としての天分をアッラーからいただいた一人の人間でありながら,後になって人びとに向い,「あなたがたはアッラーの外に,わたしを崇拝しなさい。」とは言えない。むしろ「あなたがたは,主の忠実なしもベとなりなさい。あなたがたは啓典を教えられているのである。それを誠実に学びなさい。」と(言うべきである)。 [3.80] かれは天使や預言者たちを主としなさい,と命じることも出来ない。あなたがたがムスリムになった後,かれがどうして,不信心をあなたがたに命じることが出来ようか。 [3.81] アッラーが預言者たちと約束された時を思え。(かれは仰せられた)。「われは啓典と英知とをあなたがたに授ける。その後で,あなたがたが持つ(啓典)を実証するため,一人の使徒があなたがたのところに来るであろう。(その時)あなたがたはかれを信じ,かれを助けなさい。」かれは仰せられた。「あなたがたはこれを承知するか。このことについて,われと固い約束をするか」かれらは申し上げた,「承知しました」「それならあなたがたは証言しなさい。われもあなたがたと共に立証しよう。」と仰せられた。 [3.82] その後で,背いたならば,それらの者こそ背信者である。 [3.83] アッラーの宗教の外に,他(の宗教)を求めるというのか,天と地にあるものは,好むと好まざるとを問わず,只かれに服従,帰依し,かれ(の許)に帰されるのである。 [3.84] 言え,「わたしたちはアッラーを信じ,わたしたちに下されたものを信じ,またイブラーヒーム,イスマーイール,イスハーク,ヤアコーブおよび諸支挨に下されたものを信じ,またムーサーとイーサーと(その他の)預言者たちに主から授かったものを信じます。わたしたちはかれら(預言者たち)の間に,どんな差別もしません。わたしたちは,只かれに服従,帰依します。」 [3.85] イスラーム以外の教えを追求する者は,決して受け入れられない。また来世においては,これらの者は失敗者の類である。 [3.86] アッラーはどうしてこれらの者を導かれようか,一度信仰を受け入れて後,不信心になる仲間,また使徒が真実であることを証言し,明証がかれらに来た後,不信心になる仲間を。本当にアッラーは,不義の民を御導きにならない。 [3.87] かれらへの報酬は,アッラーと天使たち,そして人びとが一斉にかれらの上に注ぐ呪であり, [3.88] かれらは永遠にその中に住むであろう。その懲罰は軽減されないし,また猶予されない。 [3.89] だが後に悔い改めて,身を修める者は別である。本当にアッラーは,寛容にして慈悲深くあられる。 [3.90] だが一度信仰した後不信心になり,不信心を増長した者は,悔悟しても決して受け入れられないであろう。かれらは迷い去った者である。 [3.91] 信仰を拒否する不信者として死ぬ者は,仮令大地に満ちる程の黄金でその罪を償おうとしても,決して受け入れられない。これらの者には痛ましい懲罰があり,助ける者もな [3.92] あなたがたは愛するものを(施しに)使わない限り,信仰を全うし得ないであろう。あなたがたが(施しに)使うどんなものでも,アッラ―は必ず御存知である。 [3.93] 律法が下される以前は,イスラエルの子孫が自ら禁じていたものの外,一切の食物はイスラエルの子孫に合法であった。(かれらに)言ってやるがいい。「もしあなたがたが真実なら,律法をもってきてそれを読誦しなさい。」 [3.94] その後においてもアッラーに関し虚偽を述べる者は,不義を行う者である。 [3.95] 言ってやるがいい。「アッラーは真実を語られる。だから純正なイブラーヒームの教えに従いなさい。かれは,多神教徒の仲間ではなかった。」 [3.96] 本当に人々のために最初に建立された家は,バッカのそれで,それは生けるもの凡てへの祝福であり導きである。 [3.97] その中には,明白な印があり,イブラーヒームが礼拝に立った場所がある。また誰でもその中に入る者は,平安が与えられる。この家への巡礼は,そこに赴ける人びとに課せられたアッラーヘの義務である。背信者があっても,まことにアッラーは万有に(超越され)完全に自足されておられる方である。 [3.98] 言ってやるがいい。「啓典の民よ,あなたがたはアッラーの印を拒否するのか。アッラーはあなたがたの行う凡てのことを見ておられるのだ。」 [3.99] 言ってやるがいい。「啓典の民よ,あなたがたは何故アッラーの道から信仰する者たちを拒否し,曲げさせようとするのか。あなたがたは(アッラーの御導きを)立証した者ではないか。アッラーはあなたがたの行うことを見逃されない。」 [3.100] 信仰する者よ,あなたがたがもし啓典の民であるからといって一分派に従うならば,かれらは信仰に入ったあなたがたを不信心者に引き戻すであろう。 [3.101] どうしてあなたがたは,信仰を拒否することが出来ようか,アッラーの啓示があなたがたに読誦され,またかれの使徒は,あなたがたの間にいるではないか。アッラーにしっかりと縋っている者は,必ず正しい道に導かれるのである。 [3.102] あなたがた信仰する者よ,十分な畏敬の念でアッラ―を畏れなさい。あなたがたはムスリムにならずに死んではならない。 [3.103] あなたがたはアッラーの絆に皆でしっかりと縋り,分裂してはならない。そしてあなたがたに対するアッラーの恩恵を心に銘じなさい。初めあなたがたが(互いに)敵であった時かれはあなたがたの心を(愛情で)結び付け,その御恵みによりあなたがたは兄弟となったのである。あなたがたが火獄の穴の辺りにいたのを,かれがそこから救い出されたのである。このようにアッラーは,あなたがたのために印を明示される。きっとあなたがたは正しく導かれるであろう。 [3.104] また,あなたがたは一団となり,(人びとを)善いことに招き,公正なことを命じ,邪悪なことを禁じるようにしなさい。これらは成功する者である。 [3.105] 明証がかれらに来た後分裂し,また論争する者のようであってはならない。これらの者は,厳しい懲罰を受けるであろう。 [3.106] その日ある顔は白くなり,またある顔は黒くなる。顔が黒くなった者には(言われよう)。「あなたがたは一度信仰した後,不信心に返った。あなたがたは不信仰であったために,懲罰を味わうのである。」 [3.107] だがその顔が白くなった者は,アッラーの慈愛をこうむり,永遠にその中に住む。 [3.108] これらはアッラーの印である。われは真理によってこれをあなたに読み聞かせる。アッラーは凡てのものに,不公正を望まれない。 [3.109] 天にあり地にある凡てのものは,アッラーの有である。(一切の)事物は,アッラーに帰される。 [3.110] あなたがたは,人類に遺された最良の共同体である。あなたがたは正しいことを命じ,邪悪なことを禁じ,アッラーを信奉する。啓典の民も信仰するならば,かれらのためにどんなによかったか。だがかれらのある者は信仰するが,大部分の者はアッラーの掟に背くものたちである。 [3.111] かれらは只少しの邪魔をするだけで,あなたがたに害を与えられない。仮令敵対しかけてきてもあなたがたに背を向けてしまい,誰からの助けも得られないであろう。 [3.112] かれらはどこに行っても,屈辱を受けるであろう。アッラーから(保護)の聖約を授かるか,人びとと(攻守)の盟約をしない限りは。かれらはアッラーの怒りを被むり,貧困に付きまとわれよう。これはかれらが,アッラーの印を信じずに,正義を無視して預言者たちを殺害したためである。これはかれらが反抗して法を越えていたためである。 [3.113] かれら(全部)が同様なのではない。啓典の民の中にも正しい一団があって,夜の間アッラーの啓示を読誦し,また(主の御前に)サジダする。 [3.114] かれらはアッラーと最後の日とを信じ,正しいことを命じ,邪悪なことを禁じ,互いに善事に競う。かれらは正しい者の類である。 [3.115] かれらの行う善事は,一つとして(報奨を)拒否されることはないであろう。アッラーは主を畏れる者を御存知であられる。 [3.116] 本当に信仰しない者の財宝もその子女も,アッラーに対しては少しも役立たないであろう。かれらは業火の住人である。永遠にその中に住む。 [3.117] かれらが,この世の生活で費すものを例えれば,(霜を運ぶ)寒風が邪悪の者たちの田畑を襲い,その作物を減ばすようなもの。アッラーはかれらを損われない。だがかれらは自ら自分を損っている。 [3.118] 信仰する者よ,あなたがたの仲間以外の者と,親密にしてはならない。かれらはあなたがたの堕落を厭わない。あなたがたの苦難を望んでいる。憎悪の情は,もうかれらのロからほとばしっている。だがその胸の中に隠すところは,更に甚しい。われは既に種々の印を,あなたがたに鮮明にした。只あなたがたの理解する力が問題なだけである。 [3.119] それ,あなたがた(ムスリム)はかれらを愛しているが,かれらはあなたがたを愛してはいない。あなたがたはどの啓典も信じる。だがかれらはあなたがたと会うと,「わたしたちは信じる。」と言う。しかしかれらだけの時は,あなたがたに憤激して指先を(噛?)む。言ってやるがいい。「憤死しなさい。アッラーはあなたがたが胸の中に抱くことを知っておられる。」 [3.120] あなたがたに幸運が訪れると,かれらは憂い,もし災難があなたがたを襲えば,かれらは喜ぶ。だがあなたがたが忍耐して,主だけを畏れているならば,かれらの陰謀は少しもあなたがたを害しないであろう。誠にアッラーはかれらの行うこと全てを知っておられる。 [3.121] あなたが早朝に家を出て,信者たちを戦間の配置につかせた時を思え。アッラーは全聴にして全知であられる。 [3.122] あなたがたの中の2団が,臆病で怯んだ時を思え。だがアッラーはかれらを援護された。だから,信者は(不断に)アッラーを信頼すべきである。 [3.123] アッラーは,あなたがたがバドルで微弱であったとき,確かに助けられた。だからアッラーを畏れなさい。きっとあなたがたに感謝の念が起きるであろう。 [3.124] あなたが信者たちに言ったことを思い起せ。「主が,3千の天使を御下しになってあなたがたを助けられても,まだ充分ではないのか。 [3.125] いやそれどころか,あなたがたが耐え忍んで,主を畏れるならばもし敵軍が急襲して来ても,主は,5千の天使であなたがたを援助されるであろう。」 [3.126] アッラーは,只あなたがたの心の安らぎのために,吉報を伝えられた。偉力ならびなく英明であられるアッラーの御許からの外には,助けはないのである。 [3.127] これはかれが,一部の不信者を切り崩し,かれらを卑しめ,失望させ退かせるためである。 [3.128] (アッラーが)かれらに哀れみをかけられたのか,それとも懲罰なされるかは,あなたに関わることではない。かれらは本当に不義を行う者である。 [3.129] 天にあり地にある凡てのものは,アッラーの有である。かれは御望みの者を赦し,また御望みの者を罰される。アッラーは寛容にして慈悲深くあられる。 [3.130] あなたがた信仰する者よ,倍にしまたも倍にして,利子を貪ってはならない。アッラーを畏れなさい。そうすればあなたがたは成功するであろう。 [3.131] そして信仰を拒否する者のために準備されている業火を恐れなさい。 [3.132] アッラーと使徒に従いなさい。そうすればあなたがたは,慈悲を受けられるであろう。 [3.133] あなたがたの主の御赦しを得るため,競いなさい。天と地程の広い楽園に(入るために)。それは主を畏れる者のために,準備されている。 [3.134] 順境においてもまた逆境にあっても,(主の贈物を施しに)使う者,怒りを押えて人びとを寛容する者,本当にアッラーは,善い行いをなす者を愛でられる。 [3.135] また醜悪な行いをしたり,過失を犯した時,アッラーを念してその罪過の御赦しを請い,「アッラーの外に,誰が罪を赦すことが出来ましょう。」(と祈る者),またその犯したことを,故意に繰り返さない者。 [3.136] これらの者への報奨は,主からの寛大な御赦しと,川が下を流れる楽園であり,かれらはその中に永遠に住むであろう。奮闘努力する者への恩恵は何とよいことであろう。 [3.137] あなたがた以前にも多くの摂理の例があった,あなたがたは地上を旅して,真理を嘘という者の最後がどうであったかを見なさい。 [3.138] これは人びとに対する説き明かしであり,また主を畏れる者への導きであり,訓戒である。 [3.139] それで気力を失ったり,また絶望してはならない。あなたがたが信者ならば,必ず勝利を得るのである。 [3.140] あなたがたがもし損傷を被っても,相手方もまた同様の打撃を受けている。われは人間の間に(種々の運命の)こんな日を交互に授ける。アッラーはこれによって(本当の)信者を知り,あなたがたの中から(真理のための殉教の)実証者をあげられる。アッラーは不義の徒を愛されない。 [3.141] アッラーは,このようにして信仰する者たちを清め,信仰を拒否する者を没落させられる。 [3.142] アッラーが,あなたがたの中奮闘努力する者と,よく耐え忍ぶ者が,誰であるかを知られない間に,あなたがたは楽園に入れると考えるのか。 [3.143] 本当にあなたがたは,死に当面する前は,それを望んでいたではないか。今,まさにあなたがたはそれを目の前に見たであろう。 [3.144] ムハンマドは,一人の使徒に過ぎない。使徒たちはかれの前に逝った。もしかれが死ぬか,または殺されたら,あなたがたは踵を返すのか。誰が踵を返そうとも,少しもアッラーを損うことは出来ない。だがアッラーは,感謝(してかれに仕える)者に報われる。 [3.145] アッラーの御許しがなくては,誰も死ぬことは出来ない。その定められた時期は,登録されている。誰でも現世の報奨を求める者には,われはこれを与え,また来世の報奨を求める者にも,われはそれを与える。われは感謝(して仕える)者には,直ちに報いるであろう。 [3.146] どれ程の預言者が,信心深い多くの敬神な衆と共ヤこ戦ったか。かれらはアッラーの道において,遭遇したことに気力を落さないで,また弱気にもならず屈しなかった。誠にアッラーは耐え忍ぶものを愛でられる。 [3.147] (どんな時でも)かれらがロにするのは,唯こういう言葉であった。「主よ,わたしたちの様々な罪や行き過ぎた行いを赦して下さい。わたしたちの足場を固め,不信心な者たちに対して力を与え助けて下さい。」 [3.148] こうしてアッラーは,かれらに現世の報奨と,来世の善美の報奨を授ける。アッラーは善い行いをなす者を愛でられる。 [3.149] 信仰する者よ,あなたがたがもし不信心者に従うならば,かれらはあなたがたの踵を返させ,失敗者に後戻りさせるであろう。 [3.150] いや,アッラーこそは,あなたがたを愛護し,また最も優れた援助を与えられる方であられる。 [3.151] やがてわれは,不信心な者の胸の中に,恐怖を投げ込もう。それはかれらが,何の権威も授けられていないものを,アッラーと同位に崇めたためである。かれらの住み家は業火である。不義を行う者の住まいこそ哀れである。 [3.152] 本当にあなたがたが,アッラーの許しの下に,敵を撃破した時,かれはあなたがたへの約束を果たされた。だがかれが,あなたがたの好むもの(戦利品)を見せられた後,しりごみするようになり,事に当って争いはじめ,ついに命令に背くようになった。あなたがたの中には,現世を欲する者もあり,また来世を欲する者もある。そこでかれは試みのために,あなたがたを敵から退却させられた。だがかれは,もうあなたがたを許された。アッラーは信者たちには,慈悲深くあられる。 [3.153] その時使徒は,後から呼び戻したのだが,あなたがたは(逃げ道を)駆け登り,他を顧みなかった。それでかれは苦難につぐ苦難で,あなたがたに報われる。これはあなたがたが失ったものに就いて悲しまず,また遭遇したことを悲しまないように(という配慮からなされたこと)。アッラーはあなたがたの行うことを知り尽くされる。 [3.154] それからかれは,苦難の後の安らぎをあなたがたに下される。あなたがたは僅かな眠りに陥ったが,一部のものは自分のこと(だけ)を苦慮して,アッラーに対し間違った(多神,無神論者の)考え方をして愚かな臆測をし,(心の中で)言った。わたしたちはこのことで,一体何を得るのであろうか。」言ってやるがいい。「本当にこのことは,凡てアッラーに属するのである。」かれらはあなたに言えないことを,自分で隠している。そしてまた(心の中で)言った。「もしわたしたちがこのことで何か得るのならば,わたしたちはここで殺されないであろう。」言ってやるがいい。「仮令あなたがたが家の中にいたとしても,死が宣告された者は,必ずその死ぬ場所に出て行くのである。」これはアッラーが,あなたがたの胸に抱いていることを試み,あなたがたの胸の中に抱くものを,払い清められるためである。本当にアッラーはあなたがたが胸に抱くことを熟知なされる。 [3.155] 両軍が相対した日,あなたがたの中に敗退した者があったのは,かれらが稼いだ或ること(罪)のために,悪魔が躓かせたためである。だがアッラーはかれら(の誤ち)を許された。アッラーは寛容にして大度量であられる。 [3.156] あなたがた信仰する者よ,不信者のようであってはならない。かれらの兄弟(同胞)が地上を旅し,または戦争に出征している時,(不信者のように)「かれらがもしわたしたちと一緒にいたならば死なずに済み,また殺されなかったであろうに。」と言うのは,アッラーがそのことでかれらの心に悲嘆を引き起こされたためである。アッラーは御心のままに生を授け,また死を与えられる。アッラーはあなたがたの行うことを御存知であられる。 [3.157] 仮令あなたがたが,アッラーの道のために,殺害されまたは死んでも,アッラーの寛容と慈悲とは,かれらの蓄えた凡てのものより優れている。 [3.158] 仮令あなたがたが死んでもまたは殺害されても,あなたがたは必ずアッラーの御許に召し集められるのである。 [3.159] あなたがかれらを優しくしたのは,アッラーの御恵みであった。あなたがもしも薄情で心が荒々しかったならば,かれらはあなたの周囲から離れ去ったであろう。だからかれら(の過失)を許し,かれらのために(アッラーの)御赦しを請いなさい。そして諸事にわたり,かれらと相談しなさい。いったん決ったならば,アッラーを信頼しなさい。本当にアッラーは信頼する者を愛でられる。 [3.160] アッラーがもしあなたがたを助けられれば,何ものもあなたがたに打ち勝つ者はない。もしかれがあなたがたを御捨てになったらば,かれの外に誰があなたがたを助けることが出来ようか。だから信者たちはアッラーを信頼しなさい。 [3.161] 凡そ預言者に,不誠実なことはあり得ない。不誠実な者は審判の日に,その着服したものを持ち出すであろう。その時各人は,その行いに対し完全な報いを受け,不当に扱われない。 [3.162] アッラーの喜ばれるところに従う者は,アッラーから怒りを被る者のようであってなるものか。かれの住まいは地獄である。何と哀れな行く末であろうか。 [3.163] アッラーの御許(の賞罰)においては,かれらの間にも差別があろう。アッラーは,かれらの行うことを御存知であられる。 [3.164] 本当にアッラーは,信者たちに対して豊かに恵みを授けられ,かれらの中から,一人の使徒をあげて,啓示をかれらに読誦させ,かれらを清め,また啓典と英知を教えられた。これまでかれらは明らかに迷い誤の中にいたのである。 [3.165] ところが,一度あなたがたに艱難が下ると,且つてこれに2倍する程の打撃を(敵に)与えたのに,あなたがたは言う。「これは一体どうしたことか。」言ってやるがいい。「それはあなたがた自身から来たものである。本当にアッラーは凡てのことに全能であられる。」 [3.166] 両軍が相会した日に,あなたがたの被ったことはアッラーの御許しによったもので,それはかれが(それによって)信者を知っておられ, [3.167] 偽信者をも知っておられるためであった。「アッラーの道のために出征しなさい。それとも(自分の町を)守備しなさい。」と言われると,「かれらはわたしたちに戦うこと(の価値)が分れば,あなたがたに従おう」と言った。その日かれらは,信仰よりも背信に近かった。かれらのロは心にもないことを言う。だがアッラーは,かれらの隠すことを凡て知っておられる。 [3.168] かれらの同胞(の戦死)に就いて,「かれらがわたしたち(の言)に従って,座視していたら,殺されなかったものを。」と言う者がある。言ってやるがいい。「もしあなたがたの言葉が真実ならば,あなたがたは,先ず自分で死から免れてみなさい。」 [3.169] アッラーの道のために殺害された者を,死んだと思ってはならない。いや,かれらは主の御許で扶養されて,生きている。 [3.170] かれらはアッラーの恩恵により,授かったものに満悦し,かれらのあとに続く(生き残った)人たちのために喜んでいる。その(生き残った)人たちは恐れもなく憂いもないと。 [3.171] アッラーの御恵みと恩恵を喜び,またアッラーが信者への報奨を,決してむだにされないことを喜んでいる。 [3.172] 負傷した後でもアッラーと使徒の呼びかけに応えた者,正義を行い,また主を畏れる者には,偉大な報奨がある。 [3.173] 人びとが,かれらに向かって言った。「見なさい,あなたがたに対して大軍が集結している。かれらを恐れるべきである。」だがこのことが却ってかれらの信仰を深めた。そして「わたしたちには,アッラーがいれば万全である。かれは最も優れた管理者であられる。」と言った。 [3.174] だからこそかれらは,アッラーの御恵みと恩恵に浴して帰って来た。艱難にも遭遇しないで,かれらはアッラーの喜ばれるところに従うことが出来た。本当にアッラーは偉大な恩恵の主であられる。 [3.175] かの悪魔は,かれの追従者たちを,恐れさせるだけである。だからあなたがたが真の信者ならば,かれらを畏れずわれを畏れなさい。 [3.176] 不信心に向かって急ぐ者のために,あなたの心を痛ませてはならない。かれらは,少しもアッラーを損えない。アッラーは来世において,かれらに福分を与えることを望まれない。かれらは重い懲罰を受けるだけである。 [3.177] 信仰の代りに不信心を購なった者は,少しもアッラーを損えない。かれらは手痛い懲罰を受けるであろう。 [3.178] 信じない者にわれが与える猶予を,かれら自身にとり有利だと思わせてはならない。われは只,かれらの不義を増長させるために,それを与えているのである。かれらは恥ずべき懲罰を受けるであろう。 [3.179] アッラーは,信者たちの善い者の中から悪い者を区別されるまでは,決してかれらを今の状態で放置されないであろう。またアッラーは幽玄界のことを,あなたがたに現わされない。だがアッラーは御心に適う者を使徒に選ばれる。だがあなたがたは,アッラーとかれの使徒を信じなさい。あなたがたが主を信じて畏れるなら,偉大な報奨を受けるであろう。 [3.180] アッラーの恩恵によって与えられたものを出すのを嫌う者に,自分のためにそれが有利だと思わせてはならない。いや,それはかれらのために有害である。かれらの出すのを嫌ったそのものが,復活の日には,かれらの首にまつわるであろう。天と地の遺産は,アッラーに属する。アッラーはあなたがたの行うことを熟知される。 [3.181] 「本当にアッラーは貧乏であられるが,わたしたちは富んでいる。」とロにした者の言葉を,アッラーは確かに御聞になられた。われはかれらの言ったこと,またかれらが,妄りに預言者を殺害したことを記録して置く。われは言う。「あなたがたは炎熱の刑を味わえ。 [3.182] これはあなたがたの自業自得である。アッラーはそのしもべたちに,決して不正を行われない。」 [3.183] かれらは「アッラーはわたしたちに約束なされた。(だから)どんな使徒も,(天からの)火で食い尽くされる供物を強すまでは,決して信じない。」と言う。言ってやるがいい。「わたし以前にも,使徒たちが明証とあなたがたの求めるものを携えて来た。もしあなたがたの言葉が真実なら,何故かれら(使徒たち)を殺害したのか。」 [3.184] かれらがあなた(ムハンマド)を,嘘付きであるとしても,同じように,あなた以前に来た使徒たちも,嘘付きであるとされている。かれらが,明証や書巻や輝かしい啓典を携えて来たにも拘らず。 [3.185] 誰でも皆死を味わうのである。だが復活の日には,あなたがたは十分に報いられよう。(またこの日)業火から遠ざけられた者は,楽園に入れられ,確実に本望を成就する。この世の生活は,偽りの快楽に過ぎない。 [3.186] あなたがたは,財産や生活などに就いて必ず試みにあう。そしてあなたがた以前に啓典を下された者からも,多神教徒からも,多くの悪ロを聞かされるであろう。だがあなたがたが耐え忍んで主を畏れるならば,本当にそれは,物事を決断し成し遂げることになる。 [3.187] アッラーが,且つて啓典の民と約束された時のことを思い起せ。「あなたがたはこれを人びとに説明して,隠してはならない。」だがかれらはこれを背後に捨て,僅かな代償でこれを売った。かれらの取引は何と災いであることよ。 [3.188] 自分の行ったことを誇る者,また行わないのに,称讃されるのを好む者のことなど考えてはならない。これらの者が,懲罰を免れると考えてはならない。かれらは厳しい懲罰を受けるであろう。 [3.189] 天と地の大権は,アッラーの有である。アッラーは凡てのことに全能であられる。 [3.190] 本当に天と地の創造,また夜と昼の交替の中には,思慮ある者への印がある。 [3.191] または立ち,または座り,または横たわって(不断に)アッラーを唱念し,天と地の創造に就いて考える者は言う。「主よ,あなたは徒らに,これを御創りになったのではないのです。あなたの栄光を讃えます。火の懲罰からわたしたちを救って下さい。 [3.192] 主よ,本当にあなたは業火に投げ込まれた者を,必ず屈辱でおおわれる。不義の者には援助者はないであろう。 [3.193] 主よ,本当にわたしたちは『あなたがたの主を信仰しなさい。』と信仰に呼ぶ者の呼び声を開いて,信仰に入りました。主よ,わたしたちの罪を赦されて,凡ての罪業をわたしたちから抹消して,信仰の達成者たちと一緒にあなたに召してください。 [3.194] 主よ,あなたの使徒たちによって,わたしたちに約束されたものを授け,また審判の日には屈辱から救って下さい。本当にあなたは,決して約束を無になさいません。」 [3.195] 主はかれら(の祈り)を聞き入れられ,(仰せられた)。「本当にわれは,あなたがたの誰の働いた働きもむだにしないであろう。男でも女でも,あなたがたは互いに同士である。それで移住した者,故郷から追放された者,わが道のために迫害され,また奮戦して殺害された者こは,われはきっとかれらから凡ての罪業を消滅して,川が下を流れる楽園に入らせよう。」これはアッラーの御許からの報奨である。アッラーの御許にこそ,最も優れた報奨がある。 [3.196] あなたは,不信者が地上をあちこち歩き回わっているのに感わされてはならない。 [3.197] これは片時の歓楽である,やがて地獄がかれらの住まいとなろう。それは悪い臥床である。 [3.198] だが主を畏れる者には,川が下を流れる楽園があり,かれらは永遠にその中に住むであろう。これはアッラーの御許からの歓待である。正しき者のため,アッラーの御許に(準備して)あるものは最も優れている。 [3.199] 啓典の民の中にも,アッラーを信仰し,あなたがたに下されたものとかれらに下されたものを信じて,アッラーに謙虚に仕え,僅かな代価でアッラーの啓示を売ったりしない者がいる。これらの者には,アッラーの御許で報奨があろう。本当にアッラーは清算に迅速であられる。 [3.200] あなたがた信仰する者よ,耐え忍びなさい。忍耐に極めて強く,互いに堅固でありなさい。そしてアッラーを畏れなさい。そうすればあなたがたは成功するであろう。 @AN NISAA' 慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において。 [4.1] 人びとよ,あなたがたの主を畏れなさい。かれはひとつの魂からあなたがたを創り,またその魂から配偶者を創り,両人から,無数の男と女を増やし広められた方であられる。あなたがたはアッラーを畏れなさい。かれの御名においてお互いに頼みごとをする御方であられる。また近親の絆を(尊重しなさい)。本当にアッラーはあなたがたを絶えず見守られる。 [4.2] 孤児たちの財産を返還しなさい。(自分の)悪いものを,(かれらの)良いものと替えてはならない。またかれらの財産をわがものにしてはならない。誠にそれは大罪である。 [4.3] あなたがたがもし孤児に対し,公正にしてやれそうにもないならば,あなたがたがよいと思う2人,3人または4人の女を嬰れ。だが公平にしてやれそうにもないならば,只1人だけ(嬰るか),またはあなたがたの右手が所有する者(奴隷の女)で我授しておきなさい。このことは不公正を避けるため,もっとも公正である。 [4.4] そして(結婚にさいしては)女にマハルを贈り物として与えなさい。だがかの女らが自らその一部を戻すことを願うならば,喜んでこれを納めなさい。 [4.5] アッラーから保管を委託された財産を,精神薄弱者に渡してはならない。そして,かれらに衣食を与え,懇切に言葉優しく話しかけなさい。 [4.6] 結婚年齢に達するまでは,孤児を試しなさい。もし,立派な分別があると認められたならば,その財産をかれらに渡しなさい。かれら(孤児)が成年になるまで,浪費したり,急いで消費してはならない。(後見者が)金持ならば抑制してこれに手を触れてはならない。また貧乏ならば,(後見のために)適切に使もいなさい。孤児に返還するさいは,かれらのために証人を立てなさい。アッラーは清算者として万全であられる。 [4.7] 男は両親および近親の遺産の一部を得,女もまた両親及び近親の遺産の一部を得る。そのさい遺産の多少を問わず定められたように配分しなさい。 [4.8] 遺産の分配にさいし,もし遠い親族や孤児や貧者が,その場に居合わせた時は,それ(遺産)からかれらにも与え,懇切に言葉優しく話しかけなさい。 [4.9] 自分のあとにひ弱い子女を残し,それらの身を案じる者はよく心配して置け。だからアッラーを畏れ,誠意ある言葉で語りなさい。 [4.10] 不当に孤児の財産を食い減らす者は,本当に腹の中に火を食らう者。かれらはやがて烈火に焼かれるであろう。 [4.11] アッラーはあなたがたの子女に就いてこう命じられる。男児には,女児の2人分と同額。もし女児のみ2人以上のときは遺産の3分の2を受ける。もし女児一人の時は,2分の1を受ける。またその両親は,かれに遺児のある場合,それぞれ遺産の6分の1を受ける。もし遺児がなく,両親がその相続者である場合は,母親はその3分の1を受ける。またもしかれに兄弟がある場合は,母親は6分の1を受ける。(いずれの場合も)その遺言したものと,債務を清算した残り(の分配)である。あなたがたは自分の父母と自分の子女との,どちらがあなたがたにとって,より益があるかを知らない。(これは)アッラーの掟である。本当にアッラーは全知にして英明であられる。 [4.12] 妻が遺したものは,かの女らに子がない場合,半分をあなたがたが受ける。もし子がある場合は,かの女らの遺言と債務を果たした後,あなたはかの女の残したものの,4分の1を受ける。またあなたがたが遺すものは,あなたがたに子がない場合は妻はあなたの遺産の4分の1を受ける。もしあなたがたに子がある場合は,遺言と債務を果たした後,かの女たちはあなたが残したものの8分の1を受ける。もし遺産を遺す男または女に,父母も子女もなく,兄弟または姉妹一人だけある場合は,その者が遺産の6分の1を受ける。兄弟姉妹が多い場合,かれらは全員で3分の1の分け前を得る。これは,遺言と債務を果たした後のことで,(誰にも)損害を及ぼすことはない。(これは)アッラーからの定めである。アッラーは全知にして大度量であられる。 [4.13] これらは,アッラーの定められた決まりである。アッラーとその使徒に服従する者は,川が下を流れる楽園に入り,永遠にその中に住むであろう。それは至上の幸福の成就である。 [4.14] だがアッラーとその使徒に従あず,かれの定めに背く者は,業火に入り,永遠にその中に住む。かれは恥ずべき懲罰を受けるであろう。 [4.15] あなたがたの女たちの中,不貞を働いた者には,あなたがたの中から,かの女らに対し4名の証人を立てなさい。かれらがもしこれを証言したならば,かの女らを家の中に監禁しなさい。死がかの女らを連れ去るか,アッラーがかの女らのため,(別の)道を決められるまで。 [4.16] あなたがたの中2人で罪を犯した者は(2人とも)処罰しなさい。だが,その罪を悔いて身を修めるならば,そのままに放って置け。本当にアッラーは,度々御赦しなされる方,慈悲深い方であられる。 [4.17] アッラーが悔悟を御赦しなされるのは,知らずに悪事を犯したが,直ぐ後で,悔い改める者だけである。アッラーは,これらの者を御赦しになられる。アッラーは全知にして英明な御方であられる。 [4.18] だが,死に臨むまで悪行を続け,その時になって「今悔い改めます。」と言う者,また不信心のまま死ぬ者の梅悟は御赦しになられない。かれらのために,われは痛苦の懲罰を準備してある。 [4.19] あなたがた信仰する者よ,当人の意志に反して,女を相続してはならない。あなたがたが,かの女らに与えたマハルの一部を取り戻すために,かの女らを手荒に扱ってはならない。明らかに不貞の事実があれば別である。出来るだけ仲良く,かの女らと暮しなさい。あなたがたが,かの女らを嫌っても(忍耐しなさい)。そのうち(嫌っている点)にアッラーからよいことを授かるであろう。 [4.20] あなたがたが一人の妻の代りに,他と替えようとする時は,仮令かの女に(如何に)巨額を与えていても,その中から何も取り戻してはならない。あなたがたは,ありもしない中傷という明白な罪を犯して,これを取り戻そうとするのか。 [4.21] あなたがたは,どうしてそれを取り戻すことが出来ようか。既に互いに深い関係もあり,かの女らは堅い誓約をあなたがたから得ているのである。 [4.22] あなたがたの父が結婚したことのある女と,結婚してはならない。過ぎ去った昔のことは問わないが。それは,恥ずべき憎むべきこと。忌まわしい道である。 [4.23] あなたがたに禁じられている(結婚)は,あなたがたの母,女児,姉妹,父方のおば,母方のおば,兄弟の女児,姉妹の女児,授乳した乳母,同乳の姉妹,妻の母,あなたがたが関係している妻の生んだ養育中の養女,あなたがたがその妻と,未だ関係していないならばその連れ子を妻にしても罪はない。およびあなたがたの生んだ息子の妻,また同時に二人の姉妹を娶ること(も禁じられる)。過ぎ去った昔のことは問わないが。アッラーは寛容にして慈悲深くあられる。 [4.24] またあなたがたに(禁じられている者は),夫のある女である。ただしあなたがたの右手の所有する者(奴隷の女)は別である。これはあなたがたに対するアッラーの掟である。これら以外は,すべてあなたがたに合法であるから,あなたがたの財資をもって,(良縁を)探し求め,面目を恥かしめず,私通(のよう)でなく(結婚しなさい)。それでかの女らと,交わった者は,定められたマハルを与えなさい。だがマハルが定められた後,相互の合意の上なら,(変更しても)あなたがたに罪はない。本当にアッラーは全知にして英明な御方であられる。 [4.25] あなたがたの中,信者の自由な女を娶ろ資力のない者は,右手の所有する信仰ある女を娶れ。アッラーはあなたがたの信仰を熟知される。あなたがたは,(皆)一人の者から次々に(生まれた者で)ある。だから女性の家族の承諾を得て,かの女らと結婚しなさい。そして妥当な婚資を,かの女らに贈れ。かの女らが慎ましく,淫らでなく,また隠した友もないならば。かの女らが妻となった後に,破廉恥な行いがあれば,懲罰は自由な女に科せられる半分である。これはあなたがたの中,罪を犯すことを恐れる者への定めである。だが欲を押えるならば,あなたがたにとり更によい。本当にアッラーは寛容にして慈悲深くあられる。 [4.26] アッラーはあなたがたに(掟を)解明して,あなたがた以前の者の慣行に導こうとなされ,あなたがたの悔悟を許すよう望まれる。アッラーは全知にして英明であられる。 [4.27] アッラーは,あなたに対し悔悟を赦そうと望まれる。だが自分の欲望に従う者たちには,片寄った上にも,大きく片寄り去るよう望まれる。 [4.28] (また)アッラーは,あなたがた(の負担)を軽くするよう望まれる。人間は(生れ付き)弱いものに創られている。 [4.29] 信仰する者よ,あなたがたの財産を,不正にあなたがたの間で浪費してはならない。だがお互いの善意による,商売上の場合は別である。またあなたがた自身を,殺し(たり害し)てはならない。誠にアッラーはあなたがたに慈悲深くあられる。 [4.30] もし敵意や悪意でこれをする者あれば,やがてわれは,かれらを業火に投げ込むであろう。それはアッラーにとって,非常に易しいことである。 [4.31] だがあなたがたが,禁じられた大罪を避けるならば,われはあなたがたの罪過を消滅させ,栄誉ある門に入らせるであろう。 [4.32] アッラーがあなたがたのある者に,他よりも多く与えたものを,羨んではならない。男たちは,その稼ぎに応じて分け前があり,女たちにも,その稼ぎに応じて分け前がある。アッラーの御恵みを願え。誠にアッラーは凡てのことをよく知っておられる。 [4.33] 各人のために,われはその父母と近親が残すものの相続者を決めた。なおあなたがたの右手が約束した者にも,その分け前を与えなさい。本当にアッラーは凡てのことの立証者であられる。 [4.34] 男は女の擁護者(家長)である。それはアッラーが,一方を他よりも強くなされ,かれらが自分の財産から(扶養するため),経費を出すためである。それで貞節な女は従順に,アッラーの守護の下に(夫の)不在中を守る。あなたがたが,不忠実,不行跡の心配のある女たちには諭し,それでもだめならこれを臥所に置き去りにし,それでも効きめがなければこれを打て。それで言うことを聞くようならばかの女に対して(それ以上の)ことをしてはならない。本当にアッラーは極めて高く偉大であられる。 [4.35] もしあなたがたが,両人の破局を恐れるならば,男の一族から一人の調停者を,また女の一族からも一人の調停者をあげなさい。両人がもし和解を望むならば,アッラーは両人の間を融和されよう。本当にアッラーは,全知にして何ごとにも通暁しておられる。 [4.36] アッラーに仕えなさい。何ものをもかれに併置してはならない。父母に懇切を尽くし,また近親や孤児,貧者や血縁のある隣人,血縁のない隣人,道づれの仲間や旅行者,およびあなたがたの右手が所有する者(に規切であれ)。アッラーは高慢な者,うぬばれる者を御好みになられない。 [4.37] かれらは吝嗇な者たちで,人びとにも吝嗇を勧め,アッラーがかれらに与えられた恩恵を隠すためにわが信仰を拒む者のためには,恥ずべき懲罰を準備しておいた。 [4.38] かれらは人びとに見せびらかすために,その財産を施し,アッラーも,最後の(審判の)日をも信しない。誰にしろ悪魔を仲間とする者は,何と忌まわしい仲間をもったことよ。 [4.39] かれらが仮令アッラーと最後の日を信じて,アッラーがかれらに与えたものから施しても,かれらにとり何の負担になろうか。アッラーはかれらをよく知っておられる。 [4.40] 誠にアッラーは,敏塵の重さ程も間違えられない。もし一善があれば,かれはこれを倍加なされ,またかれの御許から偉大な報奨を与えられよう。 [4.41] われが,それぞれのウンマから一人の証人を連れてくる時,またあなた(ムハンマド)を,かれらの悪に対する証人とする時は,どんな(有様)であろうか。 [4.42] その日,信仰を拒否して使徒に従わなかった者たちは,大地がかれらと共に,平らになって消されるよう願うことであろう。かれらは,何一つアッラーに隠しおおせないであろう。 [4.43] 信仰する者よ,あなたがたが酔った時は,自分の言うことが理解出来るようになるまで,礼拝に近付いてはならない。また大汚の時も,旅路にある者を除き,全身を沫浴した後でなければならない。またもしあなたがたが病にかかるか旅行中であり,または誰か廁から出るか,あるいはあなたがたが女と交わって,水を見つけられない場合は,清い上に触れ,あなたがたの顔と両手をなでなさい。本当にアッラーは,罪障を消滅なされる御方,度々御許しなされる御方である。 [4.44] あなたは見ないか,啓典の一部を与えられた者が,自分に迷誤を購い,あなたがたをも道から迷わせようとするのを。 [4.45] アッラーはあなたがたの敵を,知り尽くされる。アッラーはぬかりなく愛護され援助なされる。 [4.46] ユダヤ人のある者は(啓典の)字句の位置を変えて,「わたしたちは聞いた,だが従わない。」と言い,また「あなたがたは,聞かされないことを聞け。」またはその舌をゆがめて〔ラーイナー〕と言い,また宗教を中傷する。だがかれらがもし,「わたしたちは聞きます,そして従います。」,「謹聴せよ。」,また〔ウンズルナー〕と言うならば,かれらのために最もよく,また最も正しい。だがアッラーはかれらが不信心なために,見はなされた。それでも僅かのをしか信仰しない。 [4.47] 啓典の民よ,あなたがたが持っているもの(ムーサーの律法)を確証するために,(いま)われが下したもの(クルアーン)を信じなさい。われがあなたがたの顔を塗りつぶして,それを後ろの方にねじ回わされない前に(信じなさい)。また且つて安息日を破った者たちが,見限られたように見はなされない前に(信じなさい)。アッラーの命令は,必ず成し遂げられるのである。 [4.48] 本当にアッラーは,(何ものをも)かれに配することを赦されない。それ以外のことに就いては,御心に適う者を赦される。アッラーに(何ものかを)配する者は,まさに大罪を犯す者である。 [4.49] あなたは,あの自ら清浄だとする者を知らないのか。いや,アッラーは御心に適う者を清め,かれは少しも不当に扱われない。 [4.50] 見なさい。かれらがアッラーに就いて,如何に偽りを創出しているかを。このこと自体,十分に明白な罪である。 [4.51] あなたはかの啓典の一部を授かった者を思わないのか,かれらはジブトとターグートを信じ,不信心な者を指して,「これらの者は,信者たちよりも正しい道に導かれている。」と言う。 [4.52] (啓典の一部を与えられていながら不届なことをする)これらの者は,アッラーの怒りを被むる者である。アッラーが見はなした者を誰一人援助しはしないであろう。 [4.53] かれらは,大権の一端をあずかれるとでも思っているのか。仮令そうであっても,かれらは少しも人びとに与えることをしないであろう。 [4.54] それともかれらは,アッラーが恩恵を施されたために,その人びと(アラビア人)を妬むのか。まさにわれはイブラーヒームの子孫に啓典と英知とを授け,且つ偉大な王国を与えた。 [4.55] だがかれらのある者はこれを信じたが,ある者はそれから背き去った。地獄は燃え盛る火として十分であろう。 [4.56] 本当にわが印を信じない者は,やがて火獄に投げ込まれよう。かれらの皮膚が焼け尽きる度に,われは他の皮膚でこれに替え,かれらに(飽くまで)懲罰を味わわせるであろう。誠にアッラーは偉力ならびなく英明であられる。 [4.57] だが信仰して善い行いに励む者には,われは川が下を流れる楽園に入らせ,永遠にその中に住まわせよう。そこでかれらは,純潔な配偶を持ち,われは涼しい影にかれらを入らせるであろう。 [4.58] 誠にアッラーは,あなたがたが信託されたものを,元の所有者に返還することを命じられる。またあなたがたが人の間を裁く時は,公正に裁くことを命じられる。アッラーがあなたがたに訓戒されることは,何と善美なことよ。誠にアッラーは全てを聴き凡てのことに通暁なされる。 [4.59] あなたがた信仰する者よ,アッラーに従いなさい,また使徒とあなたがたの中の権能をもつ者に従え。あなたがたは何事に就いても異論があれば,アッラーと終末の日を信じるのなら,これをアッラーと使徒に委ねなさい。それは最も良い,最も妥当な決定である。 [4.60] あなたは,かのあなたに下されたもの,およびあなた以前に下されたものを信じると,ただロ走っている者たちを見なかったのか。かれらは邪神を拒むよう,命じられているにも拘らず,その(争議の)裁定のため,互いに邪神に頼ろうと望んでいる。また悪魔は,かれらが(正道から)遠く迷い去るように導こうと望んでいる。 [4.61] かれらに向かって「アッラーが下されたもの,また使徒のもとに来なさい。」と告げられた時,にせ信者たちは,嫌って,きっとあなたから背き去るのを見るであろう。 [4.62] ところがかれらが自ら手を下したことのために,災難にあった時はどうであろう。その時かれらはあなたの許に来て,アッラーに誓けて,「わたしたちは,只好意と調停とを望んだだけだ。」と誓って言うであろう。 [4.63] これらの者の心の中に抱くことを,アッラーは知っておられる。だからこれを意にとめず,かれらに訓戒し,魂に徹する言葉で呼びかけなさい。 [4.64] われが使徒を遣わしたのは,唯アッラーの御許しの許に服従,帰依させるためである。もしかれらが間違った時あなたの許に来て,アッラーの御容赦を願い,使徒が,かれらのために御赦しを祈るならば,かれらはアッラーが,度々許される御方,慈悲深い御方であられることが分かるであろう。 [4.65] だがあなたがたの主に誓けてそうではないのである。かれらは信しないであろう。かれらの間の紛争に就いてあなたの裁定を仰ぎ,あなたの判決したことに,かれら自身不満を感じず,心から納得して信服するまでは。 [4.66] 仮令われがかれらに「身命を棒げなさい。」,または,「家から出て行け。」と命じても,かれらの中少数の者の外は,そうしなかったであろう。もしかれらが,勧められるように行ったならば,きっとかれらのためにも善いことであり,もっと(信仰も)強まったのだが。 [4.67] その時は,わが許から必ず偉大な報奨を授け, [4.68] われは正しい道に,かれらを必ず導ぐのである。 [4.69] アッラーと使徒に従う者は,アッラーが恩恵を施された預言者たち,誠実な者たち,殉教者たちと正義の人々の仲間となる。これらは何と立派な仲間であることよ。 [4.70] これはアッラーからの恩恵である。アッラーは凡てのことにぬかりなく通暁しておられる。 [4.71] 信仰する者よ,あなたがたは慎重に警戒しなさい。あるいは分隊で進み,あるいは全隊で出動しなさい。 [4.72] あなたがたの中には,確かに遅れをとる者がある。もし艱難があなたがたに下れば,「わたしたちが,かれらと一緒に殉教しなかったのは,まさにアッラーの御恵みだ。」と言う。 [4.73] だがアッラーからの恩恵が,あなたがたに下る時は,まるであなたがたとかれらとの間に全く友情もなかったかのように,かれらはきっと,「ああ,わたしがかれらと一緒であったなら,わたしは大成功をなし遂げたのだが。」と言う。 [4.74] だから来世のために,現世の生活を捨てる者に,アッラーの道のために戦わせなさい。アッラーの道のために戦った者には,殺害された者でもまた勝利を得た者でも,われは必ず偉大な報奨を与えるであろう。 [4.75] あなたがたはどうして,アッラーの道のために戦わないのか。また弱い男や女や子供たちのためにも。かれらは(祈って)言う。「主よ,この不義をなす(マッカの)住民の町から,わたしたちを救い出して下さい。そしてわたしたちに,あなたの御許から一人の保護者を立てて下さい。またわたしたちに,あなたの御許から一人の援助者を立てて下さい。」 [4.76] 信仰する者はアッラーの道のために戦い,信仰しない者は,ターダートの道のために戦う。さあ,悪魔の味方に対して戦え。本当に悪魔の策謀は弱いものである。 [4.77] 「あなたがたの手を控えなさい。そして礼拝の務めを守り,定めの喜捨をしなさい。」と告げられた者を,あなたは見なかったのか。いざかれらに戦闘が命じられると,見よ。かれらの中の一派は,丁度アッラーを恐れるように,人間を恐れ始める。いやもっとひどく恐れる。そして言う。「主よ。あなたは,何故わたしたちに戦闘を命じられますか。何故しばらくの間,わたしたちを猶予なさいませんか。」言ってやるがいい。「現世の歓楽は些細なものである。来世こそは,(アッラーを)畏れる者にとっては最も優れている。あなたがたは,少しも不当に扱われないのである。」 [4.78] あなたがたが何所にいても,仮令堅固な高楼にいても,死は必ずやって来る。かれらは幸運にあえば,「これはアッラーの御許からだ。」と言い,また災難にあえば,「これはあなた(ムハンマド)からだ。」と言う。言ってやるがいい。「一切はアッラーの御許からである。」一体この人たちはどうしたのであろうか。(どんな)言葉もほとんど理解しないのか。 [4.79] あなたに訪れるどんな幸福も,アッラーからであり,あなたに起ころどんな災厄も,あなた自身からである。われはあなたを,人びとへの使徒として遺わした。本当にアッラーは証人として万全であられる。 [4.80] 使徒に従う者は,まさにアッラーに従う者である。誰でも背き去る者のために,われはあなたを見張り人として遺わしたのではない。 [4.81] かれらは,「仰せに従います。」と言うが,一度あなたの前から立ち去ると,あなたが言ったのとは違ったことを夜もすがら策謀する。だがアッラーはかれらの終夜の策謀を記録なされる。だからあなたはかれらから遠ざかり,アッラーに御縋りしなさい。誠にアッラーは保護者として万全であられる。 [4.82] かれらはクルアーンを,よく考えてみないのであろうか。もしそれがアッラー以外のものから出たとすれば,かれらはその中にきっと多くの矛盾を見出すであろう。 [4.83] かれらは(戦時に)優勢,劣勢の情報を得る度にそれを言いふらす。だが,もしそれを使徒,または権威を委ねられた者たちにただしたなら,(正しい)判断を求めた者はそれを知り得ただろうに。誠にアッラーの恩恵と慈悲が,あなたがたの上になかったならば,僅かの者の外,あなたがたはきっと悪魔に従ったであろう。 [4.84] だからアッラーの道のために戦え。あなた(ムハンマド)は,自分に対してだけ,責めを負わされているのだ。信者たちを激励しなさい。おそらくアッラーは,信仰しない者たちの戦意を抑止されよう。アッラーの武勇はなにものよりも優れ,その罰もはるかに厳しいのである。 [4.85] 善い勧告で執り成す者には,それに相応する分け前があろう。また悪い勧告で執り成す者は,それに相応する重荷を負うであろう。アッラーは,凡てのことに御力を御持ちになられる。 [4.86] あなたがたが挨拶された時は,更に丁重な挨拶をするか,または同様の挨拶を返せ。誠にアッラーは凡てのことを清算なされる。 [4.87] アッラー,かれの外に神はないのである。かれは審判の日にあなたがたを集められる。それには,疑いの余地はない。誰の言葉が,アッラーよりも真実であろうか。 [4.88] あなたがたは,偽信者たちのことで,どうして2派に分れたのか。アッラーはかれらの行いのために,かれらを(不信心に)転落させられたではないか。あなたがたは,アッラーが迷わせられた者を導こうと望むのか。本当にアッラーが迷わせられた者には,決して道を見いだせないであろう。 [4.89] かれらは自分が無信仰なように,あなたがたも無信仰になり,(かれらの)同類になることを望む。だからかれらがアッラーの道に移って来るまでは,かれらの中から(親しい)友を得てはならない。もしかれらが背をむけるならば,ところかまわずかれらを捕え,見付け次第かれらを殺せ。かれらの中から決して友や援助者を得てはならない。 [4.90] だが,あなたがたと盟約した民に仲間入りした者,またはあなたがたとも自分の人びととも戦わないと,心に決めて,あなたのところへやって来る者は別である。もしアッラーの御心ならば,かれは,あなたがたよりもかれらを優勢になされ,あなたがたと戦うであろう。それで,もしかれらが身を引いて,あなたがたと戦わないで和平を申し出るならば,アッラーはかれらに対して(戦う)道を,あなたがたに与えられない。 [4.91] 外のある者は,あなたがたから安全を望み,また,自分の人びとからも安全であり度いと望むのを,あなたがたは見るであろう。かれらは試みにあう度に,それら(の誘惑)に陥り転落する。それでかれらがもし退かず,あなたがたに和平も求めず,また手を納めないなら,ところかまわずかれらを捕え,見つけ次第かれらを殺せ。これらの者に対しては,われはあなたがたに,明白な権能を授ける。 [4.92] 信者は信者を殺害してはならない。過失の場合は別であるにしても。過失で信者を殺した者は,1名の信者の奴隷を解放し,且つ(被害者の)家族に対し血の代償を支払え,だがかれらが見逃す場合は別である。もし被害者があなたがたと敵対関係にある民に属し,信者である場合は,1名の信者の奴隷を解放すればよい。またもしかれが,あなたがたと同盟している民に属する場合は,その家族に血の代償を支払ったうえ,1名の信者の奴隷を解放しなければならない。資力のない者は,アッラーからの罪の償いに続けて2ケ月間の斎戒をしなさい。アッラーは全知にして英明であられる。 [4.93] だが信者を故意に殺害した者は,その応報は地獄で,かれは永遠にその中に住むであろう。アッラーは怒ってかれを見はなされ,厳しい懲罰を備えられる。 [4.94] 信仰する者よ,あなたがたがアッラーの道のために,出動するときは,(慎重に)事態を見きわめ,あなたがたに挨拶する者に向かって,「あなたがたは信者ではない。」と言ってはならない。あなたがたは現世の生活上の消えやすい財貨を求めるが,アッラーの御許には,夥しい戦利品がある。以前あなたがたもそうであったが,アッラーは御恵みを与えられる。だから(慎重に)行動しなさい。誠にアッラーは,あなたがたの行うことを熟知なされる。 [4.95] 信者の中,これと言った支障もないのに(家に)座っている者と,財産と生命を捧げて,アッラーの道のために奮闘する者とは同じではない。アッラーは,財産と生命を棒げて奮闘する者に,座っている者より高い位階を授けられる。アッラーは(信者の)それぞれに,良い報奨を約束なされる。だがアッラーは奮闘する者には座っている者よりも偉大な報奨を授けられる。 [4.96] 位階も御赦しも慈悲も。誠にアッラーは寛容にして慈悲深くあられる。 [4.97] 自分自身を損っているところを天使に召された人々に(天使は)言う。「あなたがたはどうしていたのか。」かれらは(答えて)言う。「わたしたちは地上で弱く,痛めつけられていました。」その時かれら(天使)は言う。「アッラーの国土は広大ではなかったのか,あなたがたはそこに移り住めたではないか。」これらの者の住まいは地獄であろう。何と悪い帰り所であることよ。 [4.98] 只(本当に)弱かった男女と子供たちは別である。かれらは(自ら避難する)手段を見い出すことも出来ず,また道へも導かれなかった。 [4.99] これらの者には,あるいはアッラーの御許しがあろう。アッラーは,罪障を消滅なされる御方,度々御赦しなされる御方である。 [4.100] アッラーの道のために移住する者は,地上に広い避難所と,豊かさ(居住地)のあることを知るであろう。凡そアッラーとその使徒の許に,家郷から移り住み,その後(例え)死に捕えられても,そのものの報奨に就いて必ずアッラーが請け合われる。アッラーは覚容にして慈悲深くあられる。 [4.101] あなたがたが地上を旅する時,もし信仰のない者たちに,害を加えられる恐れのある時は,礼拝を短縮しても罪はない。誠に不信者は,あなたがたの公然の敵である。 [4.102] あなたがかれら(信者)の中にあって,かれらと礼拝に立つ時は,(まず)かれらの一部をあなたと共に(礼拝に)立たせそしてかれらに武器を持たせなさい。かれらがサジダ(して第1のラカート「礼拝の単位」)を終えたならば,あなたがたの後ろに行かせ,それからまだ礼拝しない他の一団に,あなたと共に礼拝(の第2のラカート)をさせ(て礼拝を終わり),かれらに武器を持たせ警戒させなさい。不信者たちは,あなたがたが武器や行李をゆるがせにする隙に乗じ,一挙に飛びかかって襲おうと望んでいる。ただし雨にあい,またはあなたがたが病気の時,自分の武器をおいても罪はない。だが用心の上に用心しなさい。アッラーは不信者のために恥ずべき懲罰を備えられる。 [4.103] あなたがたは礼拝を終えたならば,立ったまま,また座ったまま,または横になったまま,アッラーを唱念〔ズィクル〕し,安全になった時は,(正しく)礼拝の務めを守れ。本当に礼拝には,信者に対し定められた時刻の掟がある。 [4.104] あなたがたは,敵を追うことに弱音を吐いてはならない。あなたがたが苦難に陥った時は,かれらもまた同じように苦しんでいる。しかもあなたがたは,アッラーからの希望が持てるが,かれらにはない。アッラーは全知にして英明であられる。 [4.105] 誠にわれは,真理をもってあなたに啓典を下した。これはアッラーが示されたところによって,あなたが人びとの間を裁くためである。あなたは背信者を弁護してはならない。 [4.106] アッラーの御赦しを請いなさい。アッラーは寛容にして悲慈深くあられる。 [4.107] 自らの魂を歎く者を弁護してはならない。アッラーは背信して罪を犯す者を御好みになられない。 [4.108] かれらは人に(その罪を)隠せるが,アッラーに隠しだてすることは出来ない。夜中にかれの御喜びになられないことを,策謀する時でも,かれはかれらと共においでになられる。誠にアッラーは,かれらの行う一切のことを御存知であられる。 [4.109] これ,あなたがたは現世の生活の上でかれらのために弁護している。だが誰が,復活の日に,かれらのためアッラーに弁護出来よう。また誰が,かれらの事の保護者となろうか。 [4.110] 悪事を行い,また自分の魂を積ちても,直ぐにアッラーの御赦しを請うならば,アッラーが寛容で慈悲深くあられることが分るであろう。 [4.111] 罪を稼ぐ者は,自分の身にそれを稼ぐだけ。アッラーは全知にして英明な御方であられる。 [4.112] 過失または罪を犯して,これを潔白な者のせいにする者は,虚偽と明白な罪を負う者である。 [4.113] もしあなたに対する,アッラーの恩恵と慈悲がなかったならば,かれらの一派は,あなたを迷わそうと企んだであろう。だがかれらは只自分自身を迷わせただけで,少しもあなたを損うことは出来ない。アッラーは啓典と英知とを,あなたに下し,あなたが全く知らなかったことを教えられた。あなたに対するアッラーの恩恵こそ偉大である。 [4.114] かれらの秘密の会議の多くは,無益なことである。ただし施しや善行を勧め,あるいは人びとの間を執り成すのは別である。アッラーの御喜びを求めてこれを行う者には,われはやがて,偉大な報奨を与えるであろう。 [4.115] 導きが明らかにされたにも拘らず,使徒に背き,信者の道ではない道に従う者には,かれが転向したいままに任せ,結局かれは地獄に入るであろう。何と悪い帰り所であることよ。 [4.116] 誠にアッラーは,(何ものをも)かれに配することを御赦しになられない。だがその外のことは,御心に適えば御赦し下される。凡そアッラーに同位の者をあげる者は,確かに遠く(正道から)迷い去った者である。 [4.117] かれらはかれを差し置いて,女の像に祈っている。それは反逆した悪魔に祈っているにすぎない。 [4.118] アッラーはかれ(思魔)を見限られた。だがかれは言った。「わたしはあなたのしもベの中,相当の部分の者をきっと連れさるでしょう。 [4.119] またわたしはきっとかれらを迷わせて,その虚しい欲望に耽らせ,またかれらに命じて家畜の耳を切り,アッラーの創造を変形させます。」誰でもアッラーの外に悪魔を友とする者は,必ず明らかな損失を被るのである。 [4.120] (悪魔は)かれらと約束を結び,虚しい欲望に耽らせるであろう。だが悪魔の約束は,欺瞞に過ぎない。 [4.121] かれらの住まいは地獄である。かれらはそれから逃れる道を,見いだせない。 [4.122] だが信仰して善い行いに励む者は,われはやがて,川が下を流れる楽園に入らせ,永遠にその中に住まわせよう。アッラーの約束は真実である。誰の言葉がアッラーのそれよりも真実であろうか。 [4.123] これはあなたがたの妄想によるものではなく,また啓典の民の妄想でもない。誰でも悪事を行う者は,その報いを受けよう。アッラーの外には,愛護し援助する者も見いだせない。 [4.124] 誰でも,正しい行いに励む者は,男でも女でも信仰に堅固な者。これらは楽園に入り,少しも不当に扱われない。 [4.125] アッラーに真心こめて服従,帰依し,善い行いに励み,イブラーヒームの純正な信仰に従う者以上に優れた者があろうか。アッラーは,イブラーヒームを親しい友にされたのである。 [4.126] 凡そ天にあり,地にある凡てのものは,アッラーの有であり,アッラーば凡ての事を,包含なされる。 [4.127] かれらは女のことで,あなたに訓示を求める。言ってやるがいい。「アッラーは,かの女らに関しあなたがたに告げられる。また啓典の中でも,あなたがたが,所定のものを与えず,娶ろうと欲する女の孤児に関し,また哀れな子供らに関し,更にあなたがたが孤児を公正に待遇しなければならないことに関し,あなたに読誦されたこと(を思え)。あなたがたが行うどんな善いことも,アッラーは深くそれを知っておられる。」 [4.128] もし女が,その夫から虐待され,忌避される心配があるとき,両人の間を,和解させるのは罪ではない。和解は最もよいことである。だが人間の魂は,貪欲になりがちである。もしあなたがたが善行をし,主を畏れるならば,誠にアッラーは,あなたがたの行うことを熟知なされる。 [4.129] あなたがたは妻たちに対して公平にしようとしても,到底出来ないであろう。あなたがたは(そう)望んでも。偏愛に傾き,妻の一人をあいまいに放って置いてはならない。あなたがたが融和し,主を畏れるのならば。誠にアッラーは,度々赦される御方,慈悲深い御方であられる。 [4.130] 仮令かれらが離別しても,アッラーは恩沢を与えられ,両人を仕合わせになされる。アッラーは厚施にして英明な御方であられる。 [4.131] 天にあり,また地にある凡てのものは,アッラーの有である。われはあなたがた以前に啓典を与えられた者,またあなたがた(ムスリム)にも,「アッラーを畏れよ。」と命じた。仮令あなたがたが信じなくても,天にあり地にある凡てのものは,アッラーの有である。アッラーは,満ち足りておられる方,讃美すべき方であられる。 [4.132] 天にあり,地にある凡てのものは,アッラーの有である。アッラーは凡ての事をぬかりなく管理される方であられる。 [4.133] もしかれが御望みになれば,あなたがたを滅ぼし,外の民を招いてこられよう。誠にアッラーは,それをする御力を持っておられる。 [4.134] 現世の報奨を欲する者もあろうが,アッラーの御許には,現世と来世の報奨がある。アッラーは全聴にして凡てに通暁なされる。 [4.135] あなたがた信仰する者よ,証言にあたってアッラーのため公正を堅持しなさい。仮令あなたがた自身のため,または両親や近親のため(に不利な場合)でも,また富者でも,貧者であっても(公正であれ)。アッラーは(あなたがたよりも)双方にもっと近いのである。だから私欲に従って,(公正から)逸れてはならない。あなたがたが仮令(証言を)曲げ,または背いても,アッラーはあなたがたの行うことを熟知なされる。 [4.136] あなたがた信仰する者よ,アッラーとかれの使徒を信じなさい。また使徒に下された啓典と,以前に下された啓典を信じなさい。凡そアッラーを信じないで,天使たちと諸啓典とかれの使徒たち,そして終末の日を信しない者は,確かに遠く迷い去った者である。 [4.137] 一度信仰した者が,やがて不信心になり,それから(再度)信仰してまた背信し,その不信心を増長させる者があるが,アッラーはかれらを決して赦されないし,かれらを(正しい)道に導かれることはない。 [4.138] 偽信者に告げなさい,かれらに痛烈な懲罰があることを。 [4.139] 信者たちを差し置いて,不信心の者を(親密な)友とする者がある。これらの者は,かれらの間で栄誉を求めるのか。いや,凡ての権勢はアッラーに属する。 [4.140] 啓典の中で,あなたがたに確かに訓戒した。もしアッラーの印が拒否され,または瑚笑されるのをあなたがたが耳にするならば,かれらが外の話に移るまでかれらと同席してはならない。あなたがたが(同席)したならば,かれらと同類になる。本当にアッラーは偽信者と不信心の者を,凡て地獄の中に集められる。 [4.141] (かれらは)あなたがた(の戦果)を待っていた者たちである。アッラー(の助け)によってあなたがたが勝利を得た時は,(あなたがたに向かって)「わたしたちも,あなたがたと一緒だったではないか。」と言う。もしまた不信心者に有利な時は,(かれらに向かって)「わたしたちは,あなたがたを優勢にしてやったではないか。わたしたちは信者(ムスリム)からあなたがたを守ってやったではないか。」と言う。アッラーは審判の日に,あなたがたを裁かれる。アッラーは信者たちに対して,不信心者たちの(成功する)道を,決して与えられない。 [4.142] 誠に偽信者は,アッラーを欺むこうとするが,かれはかえってかれらを欺むかれる。かれらが礼拝に立つ時は,物(嚢?)げに立ち,人に見せるためで,ほとんどアッラーを念じない。 [4.143] あれやこれやと心が動いて,こちらへでもなくまたあちらへでもない。本当にアッラーが迷うに任せられる者には,あなたはかれのために決して道を見いだしてやれない。 [4.144] あなたがた信仰する者よ,信者の外に不信心な者を(親しい)友としてはならない。あなたがた自ら(不利な),はっきりとした証拠を,アッラーに差し出すことを望むのか。 [4.145] 本当に偽信者たちは,火獄の最下の奈落に(陥ろう)。あなたはかれらのために,援助する者を見いだせない。 [4.146] だが悔悟して(その身を)修め,アッラーにしっかりと縋りきって,アッラーに信心の誠を尽くす者は別である。これらは信者たちと共にいる者である。アッラーは,やがて信者に偉大な報奨を与えるであろう。 [4.147] もしあなたがたが感謝して信仰するならば,アッラーはどうしてあなたがたを処罰されようか。アッラーは嘉し深く知っておられる方である。 [4.148] アッラーは悪い言葉を,大声で叫ぶのを喜ばれない。だが不当な目にあった者は別である。アッラーは全聴にして全知であられる。 [4.149] あなたがたが善い行いを公然としても,そっと隠れてしても,または被った害を許してやっても,本当にアッラーは寛容にして全能な方であられる。 [4.150] アッラーとかれの使徒たちを信じないで,アッラーとかれの使徒たちの間を,分けようと欲して,「わたしたちはあるものを信じるが,あるものは信じない。」と言い,その中間に,一つの路を得ようと欲する者がある。 [4.151] これらの者こそは,本当に不信者である。われは不信者のために恥ずべき懲罰を備えている。 [4.152] だがアッラーとその使徒たちを信し,かれらの間の誰にも差別をしない者には,われはやがて報奨を与えよう。アッラーは寛容にして慈悲深くあられる。 [4.153] 啓典の民はあなたがたが天からかれらに啓典を(斎?)すことを求める。かれらは以前に,ムーサーに対しそれよりも大きいことを求めて,「わたしたちに,アッラーを目の当たり見せてくれ。」と言った。そのような不正のために,かれらは落雷にうたれて死んだ。それから,明白な種々の印がかれらに下った後,かれらは仔牛を崇拝した。それでもわれはこれを許して明確な権威をムーサーに授けた。 [4.154] それからかれらと約束するに当たり,(シナイ)山をかれらの頭上に持ち上げ,「謙虚にこの門に入れ。」とかれらに告げ,また「安息日の戒めに背いてはならない。」と言って,われはかたい約束をかれらからとった。 [4.155] それなのに(主の不興を被って)かれらはその約束を破り,アッラーの印を信じないで,無法にも預言者を殺害し,「わたしたちの心は,覆われている。」と言った。そうではない。かれらが不信心なために,アッラーはその心を封じられた。だからかれらは,ほとんど何も信じない。 [4.156] かれらは不信心のため,またマルヤムに対する激しい中傷の言葉のために, [4.157] 「わたしたちはアッラーの使徒,マルヤムの子マスィーフ(メシア),イーサーを殺したぞ」という言葉のために(心を封じられた)。だがかれらがかれ(イーサー)を殺したのでもなく,またかれを十字架にかけたのでもない。只かれらにそう見えたまでである。本当にこのことに就いて議論する者は,それに疑間を抱いている。かれらはそれに就いて(確かな)知識はなく,只臆測するだけである。だが実際にはかれを殺したのでもなく, [4.158] いや,アッラーはかれを,御側に召されたのである。アッラーは偉力ならびなく英明であられる。 [4.159] 啓典の民の中,かれの死ぬ前にしっかりかれを信じる者は一人もいなかった。審判の日において,かれはかれらにとって(不利な)証人となろう。 [4.160] あるユダヤ人の不義な行いのために,(もともと)合法であったよい(食べ)ものを,われはかれらに禁じた。(これは)かれらが多くの者を,アッラーの道から妨げたためであり, [4.161] 禁じられてもいた利息(高利)をとり,不正に,人の財産を貪ったためである。われはかれらの中の不信心な者のために,痛ましい懲罰を準備している。 [4.162] ただしかれらの中,確実な根拠のある知識を持つ者,と信者たちは,あなたに下されたものと,あなた以前に下されたものを信じ,礼拝の務めを守り,定めの喜捨をして,アッラーと終末の日を信じる。これらの者には,われはやがて偉大な報奨を与えるであろう。 [4.163] 本当にわれは,ヌーフやかれ以後の預言者たちに啓示したように,あなたに啓示した。われはまたイブラーヒーム,イスマーイール,イスハーク,ヤアコーブおよび諸支族に(啓示し),またイ―サー,イスハーク,ユーヌス,ハールーンならびにスライマーンにも(啓示した)。またわれはダーウードに詩篇を授けた。 [4.164] ある使徒たちに就いては,先にわれはあなたに告げたが,未だあなたに告げていない使徒たちもいる。そしてムーサーには,親しくアッラーは語りかけられた。 [4.165] 使徒たちに吉報と警告を(椅?)せたのは,かれらの(遺わされた)後,人々に,アッラーに対する論争がないようにするためである。アッラーは偉力ならびなく英明であられる。 [4.166] だがアッラーは,あなたに下されたもの(啓示)がかれの御知識によって下されたことを立証なされる。天使たちもまた立証する。本当にアッラーは,抜かりない立証者であられる。 [4.167] 信仰を拒否して,(人びとを)アッラーの道から遠ざける者たちは,確かに遠く迷い去った者である。 [4.168] アッラーは信仰を拒否して不義を行う者たちを決して赦されず,また(正しい)道に導かれることもな [4.169] 地獄への道を行く外になく,永遠にその中に住むであろう。これはアッラーには,非常に容易なことである。 [4.170] 人びとよ,使徒は確かに主からの真理をもってあなたがたの許に来た。だからあなたがたは信じなさい。それがあなたがたのために最も良い。例えあなたがたが信じなくても,本当に天と地の凡てのものは,アッラーの有である。アッラーは全知にして英明であられる。 [4.171] 啓典の民よ,宗教のことに就いて法を越えてはならない。またアッラーに就いて真実以外を語ってはならない。マルヤムの子マスィーフ・イーサーは,只アッラーの使徒である。マルヤムに授けられたかれの御言葉であり,かれからの霊である。だからアッラーとその使徒たちを信じなさい。「三(位)」などと言ってはならない。止めなさい。それがあなたがたのためになる。誠にアッラーは唯―の神であられる。かれに讃えあれ。かれに,何で子があろう。天にあり,地にある凡てのものは,アッラーの有である。管理者としてアッラーは万全であられる。 [4.172] マスィーフはアッラーのしもべであることを決して軽んじたりはしない。また(アッラーの)そばにいる天使たちもしない。かれに仕えることを軽んじ,高慢である者,これらすべての者をかれの御許に集められる。 [4.173] だが信仰して善い行いに励む者には,かれは十分の報奨を与え,なおその恩恵を増して下される。だが軽んじて高慢な者には,かれは懲罰を科され,アッラーの外にはどんな守護も援助も見いだすことは出来ない。 [4.174] 人びとよ,主から確証が既にあなたがたに(西?)されたのである。われは明らかな光明をあなたがたに下したのである。 [4.175] だからアッラーを信仰し,しっかりかれに縋る者は,やがてかれからの慈悲と恩恵に浴させていただき,正しい道で,御許に導いていただけよう。 [4.176] かれらは合法な判定につき,あなたに問うであろう。言ってやるがいい。「アッラーは,あなたがたに父母も子供もない場合,こう判定なされる。男が死んでもし子がなく,唯1人の姉か妹がある場合は,かの女は遺産の半分を継ぐ。また女が死んでもし子のない場合は,かれ(兄弟)がかの女(の遺産)を相続する。もし2人の姉妹があれば,遺産の3分の2を2人で相続する。もしまた,兄弟と姉妹があれば,男は女の2人分の分け前を得る。アッラーは誤りがないよう,あなたがたに解明なされる。アッラーは凡てのことを知り尽くされる。」 @AL MAA-IDAH 慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において。 [5.1] あなたがた信仰する者よ,約束を守りなさい。あなたがたに対し,今から読みあげるものを除いた家畜は許される。ただしあなたがたが巡礼着の間,狩猟は許されない。本当にアッラーは,御好みになられたことを定められる。 [5.2] あなたがた信仰する者よ,アッラーの聖い表徴を冒(演?)してはならない。また聖月,(犠牲の)棒げ物,(それを標示する)首飾り,また主の恩恵と御喜びを求めて,聖なる家(カアバ)に参った者を犯してはならない。だが,(巡礼着を)脱いだならば,狩猟してもよい。あなたがたを(且つて)聖なるマスジドから追放した者たちを恨みにもって,法を越え,刺激してはならない。寧ろ正義と篤信のために助けあって,信仰を深めなさい。罪と恨みのために助けあってはならない。アッラーを畏れなさい。誠にアッラーは懲罰に就いて厳重であられる。 [5.3] あなたがたに禁じられたものは,死肉,(流れる)血,豚肉,アッラー以外の名を唱え(殺され)たもの,絞め殺されたもの,打ち殺されたもの,墜死したもの,角で突き殺されたもの,野獣が食い残したもの,(ただしこの種のものでも)あなたがたがその止めを刺したものは別である。また石壇に犠牲とされたもの,籤で分配されたものである。これらは忌まわしいものである。今日,不信心な者たちはあなたがたの教え(を打破すること)を断念した。だからかれらを畏れないでわれを畏れなさい。今日われはあなたがたのために,あなたがたの宗教を完成し,またあなたがたに対するわれの恩恵を全うし,あなたがたのための教えとして,イスラームを選んだのである。しかし罪を犯す意図なく,飢えに迫られた者には,本当にアッラーは寛容にして慈悲深くあられる。 [5.4] かれらは何が許されるかに就いて,あなたに問う。言ってやるがいい。「(凡て)善いものはあなたがたに許される。あなたがたがアッラーの教えられた仕方によって訓練した鳥獣があなたがたのために捕えたものを食べなさい。だが獲物に対して,アッラーの御名を唱えなさい。アッラーを畏れなさい。本当にアッラーは清算を極めて速くなされる。」 [5.5] 今日(清き)良いものがあなたがたに許される。啓典を授けられた民の食べ物は,あなたがたに合法であり,あなたがたの食べ物は,かれらにも合法である。また信者の貞節な女,あなたがた以前に,啓典を授けられた民の中の貞節な女も。もしあなたがたが(貞節な)女に姦淫や密通をせずに,きちんと婚資を与え妻に迎えるならば許される。凡そ信仰を拒否する者は,その善行も虚しく,来世においては,失敗者の類である。 [5.6] 信仰する者よ,あなたがたが礼拝に立つ時は,顔と,両手を肘まで洗い,頭を撫で,両足を踝まで(洗え)。あなたがたがもし大汚の時は,全身の添浴をしなさい。またあなたがたが病気にかかり,または旅路にあり,また誰か廁から来た者,または女と交わった者で,水を見つけられない場合は,清浄な上に触れ,あなたがたの顔と両手を撫でなさい。アッラーは困難を,あなたがたに課すことを望まれない。ただし,あなたがたを清めることを望み,またあなたがたへの恩恵を果される。恐らくあなたがたは感謝するであろう。 [5.7] あなたがたに対するアッラーの恩恵と,かれがあなたがたと結ばれた約束を心に銘じ,あなたがたが,「わたしたちは聴きました,従います。」と言った時を思い,アッラーを畏れなさい。アッラーは,あなたがたが胸の中に抱くことを熟知なされる。 [5.8] あなたがた信仰する者よ,アッラーのために堅固に立つ者として,正義に基いた証人であれ。人びとを憎悪するあまり,あなたがたは(仲間にも敵にも)正義に反してはならない。正義を行いなさい。それは最も篤信に近いのである。アッラーを畏れなさい。アッラーはあなたがたの行うことを熟知なされる。 [5.9] 信仰して善い行いに励む者に,アッラーは約束なされた。かれらには,御赦しと偉大な報奨がある。 [5.10] だが信仰を拒否してわが印を偽りであるとする者,これらは火獄の住人である。 [5.11] 信仰する者よ,あなたがたの授かったアッラーの恩恵を心に銘じなさい。人びとがあなたがたに向かって手を出そうとした時,あなたがたのためにその手を押えられた時のことを。アッラーを畏れなさい。信者たちは,一生懸命にアッラーを信頼しなさい。 [5.12] アッラーは,以前にイスラエルの子孫と約束を結ばれ,われはかれらの中から12人の首長を立てた。そしてアッラーは仰せられた。「本当にわれはあなたがたと一緒にいるのである。もしあなたがたが礼拝の務めを守り,定めの喜捨をなし,われの使徒たちを信じて援助し,アッラーによい貸付をするならば,われは,必ずあなたがたの凡ての罪業を消滅し,川が下を流れる楽園にきっと入らせよう。今後あなたがたの中,これ(約束)を信じない者は,正しい道から迷い去る。 [5.13] しかしかれらはこの約束を破ったので,われは見限って,かれらの心を頑なにした。かれらは(啓典の中の)字句の位置を変え,与えられた訓戒の一部分を忘れてしまった。それでかれらの中の少数の者以外は,いつも契約を破棄し,裏切りに出るであろう。だがかれらを許して見逃しなさい。」本当にアッラーは善い行いをする者を御好みになられる。 [5.14] われはまた,「わたしたちは,キリスト教徒です。」と言う者とも約束を結んだ。だがかれらも授けられた教訓の一部分を忘れてしまった。それであれは復活の日まで,敵意と憎悪の念とをかれらの間にこびりつかせた。アッラーはかれらに,その行ったことを間もなく後で告げ知らせられるであろう。 [5.15] 啓典の民(ユダヤ,キリスト教徒)よ,使徒(ムハンマド)が正にあなたがたの処へ来た。あなたがたが啓典(律法,福音)の中の隠してきた多くのことをあなたがたに解明し,また多くのことをそのままにした。アッラーからの御光と,明瞭な啓典が今正にあなたがたに下ったのである。 [5.16] これによってアッラーは,御好みになる者を平安の道に導き,またその御許しによって,(購?)黒から光明に連れ出し,かれらを正しい道に導かれる。 [5.17] 「アッラーこそは,マルヤムの子マスィーフである。」と言う者は,確かに不信心者である。言ってやるがいい。「誰がアッラーに対し,少しでも力があろうか。もしかれがマルヤムの子マスィーフ,その母と地上の凡てのものを滅ぼそうと御考えになられたら,誰が制止出来よう。」天と地,そしてその間の凡てのものは,アッラーの大権に属する。かれは御考えになられたものを創造なされる。アッラ―は凡てのことに全能であられる。 [5.18] ユダヤ人やキリスト教徒は言う。「わたしたちはアッラーの子であり,かれに愛でられる。」言ってやるがいい。「それなら何故かれは,あなたがたの罪を罰されるのか。いや,あなたがたは,かれが創られた人間に過ぎない。かれは,御望みの者を赦し,御望みの者を罰される。」天と地,そしてその間の凡てのものは,アッラーの大権に属し,またかれこそは帰り所なのである。 [5.19] あなたがた啓典の民よ,使徒たちが中断された後わが使徒がやって来て,あなたがたに対し(事物の)解明をする。これはあなたがたに,「わたしたちには吉報の伝達者も警告者も来ない。」と言わせないためである。今,吉報を伝え警告を与える者が,正にあなたがたの処に来たのである。誠にアッラーは凡てのことに全能であられる。 [5.20] またムーサーが,自分の人びとにこう言った時を思い起せ。「わたしの人びとよ,あなたがたが授かったアッラーの恩恵を心に銘じなさい。かれはあなたがたの中から預言者たちをあげ,あなたがたを王となされた。外のどの民にも授けられなかったものを,あなたがたに授けたのである。 [5.21] わたしの人びとよ,アッラーがあなたがたのために定められた,聖地に入れ。あなたがたは,踵を返して退いてはならない。そうしたらあなたがたは失敗者になる。」 [5.22] かれらは言った。「ムーサーよ本当にそこには,巨大な民がいる。かれらが出て行かなければ,わたしたちは決してそこに入ることは出来ない。もしかれらがそこから去ったならば,わたしたちはきっと入るであろう。」 [5.23] 主を畏れる2人は言った。―アッラーは2人を御恵みになられる―「(村の)正門から入ってかれらに当れ。一度入れば,本当にあなたがたこそ勝利するであろう。あなたがたがもし(真の)信者ならば,アッラーを信頼しなさい。」 [5.24] だがかれらは言った。「ムーサーよ,本当にわたしたちはかれらがそこに留まる限り,決してそこに入れない。あなたとあなたの主が,2人で行って戦え。わたしたちはここに座っている。」 [5.25] かれは申し上げた。「主よ,本当にわたしはわたし自身と兄弟の外は制御出来ません。ですからわたしたちを,この反逆の民から引き離して下さい。」 [5.26] (主は)仰せられた。「ならばこの国土を,40年の間かれらに禁じよう。かれらは地上をさ迷うであろう。だからあなたがたは主の掟に背く民のことで悲しんではならない。」 [5.27] (ムハンマドよ)アーダムの2児の物語の真実を民に語れ。かれら両人が犠牲を捧げた時,1人は受け入れられたが,外は受け入れられなかった。言った。「わたしはきっと御前を殺してやる。」かれは(答えて)言った。「アッラーは,唯主を畏れる者だけ,受け入れられる。」 [5.28] 「仮令あなたが,わたしを殺すためにその手を伸ばしても,わたしはあなたを殺すため,手を伸ばしはしない。わたしは万有の主アッラーを畏れる。 [5.29] 本当にわたしは,あなたがわたしの(先に犯した)罪と,あなたの(殺人の)罪とを負って,あなたが火獄の住人になることを望む。そしてこれは不義を行なう者の応報である。」 [5.30] しかしかれの(利己的な)心は,その弟を殺すのを望ましいこととし,遂にかれを殺害(人類最古の殺人者と)して,失敗者の1人となった。 [5.31] その時アッラーは,1羽の大カラスを遺わして地を掘らせ,その弟の死体を,如何に覆うべきかをかれに示された。かれは言った。「ああ情けない兄弟の死体を葬るのに,わたしはこのカラス程のことさえ出来ないのか。」こうしてかれは後悔する者の1人となった。 [5.32] そのことのためにわれはイスラエルの子孫に対し,掟を定めた。人を殺した者,地上で悪を働いたという理由もなく人を殺す者は,全人類を殺したのと同じである。人の生命を救う者は,全人類の生命を救ったのと同じである(と定めた)。そしてわが使徒たちは,かれらに明証を(蒼?)した。だが,なおかれらの多くは,その後も地上において,非道な行いをしている。 [5.33] アッラーとその使徒に対して戦い,または地上を攪乱して歩く者の応報は,殺されるか,または十字架につけられるか,あるいは手足を互い違いに切断されるか,または国土から追放される外はない。これらはかれらにとっては現世での屈辱であり,更に来世において厳しい懲罰がある。 [5.34] だがあなたがたがとり抑える前に,自ら悔悟した者は別である。アッラーは寛容にして慈悲深くあられることを知れ。 [5.35] あなたがた信仰する者よ,アッラーを畏れ自分の義務を果してかれに近づくよう念願し,かれの道のために奮闘努力しなさい。あなたがたは恐らく成功するであろう。 [5.36] 信仰を拒否する者は,仮令地上にある一切のもの,更にこれに等しいものを積み重ねて復活の日の懲罰をあがなおうとしても,決して受け入れられず,痛ましい懲罰を受けるであろう。 [5.37] かれらは,業火から出ることを願うであろうが,決してこれから出ることは出来ない。懲罰は永久に続くのである。 [5.38] 盗みをした男も女も,報いとして両手を切断しなさい。これはかれらの行いに対する,アッラーの見せしめのための懲しめである。アッラーは偉力ならびなく英明であられる。 [5.39] だが悪事を行った後,罪を悔いてその行いを改める者には,アッラーは哀れみを垂れられる。アッラーは寛容にして慈悲深くあられる。 [5.40] あなたは天と地の大権がアッラーに属することを知らないのか。かれは御望みになっている者を罰し,御望みになっている者を御赦しになられる。アッラーは凡てのことに全能であられる。 [5.41] 使徒よ,互いに不信心に競う者のためにあなたの心を痛めてはならない。かれらはロで,「わたしたちは信仰する。」と言うが,心では信じてはいない。またユダヤ人の中には,虚偽を聞き出すことばかりに熱心で,あなたの処に全く寄りつかない者がいる。かれらはその言葉を(正しい)意味から歪めて言う。「もしこれが,あなたがたに与えられたもの(律法と同じである)と思うならば,受け入れなさい。だがあなたがたに与えられたものと同じでないならば,用心しなさい。」アッラーが一度試みにかけようと御望みの者には,あなたはかれらのため,アッラーに対し何の権威もなこれらの者は,アッラーがその心を清めるのを,望まれない者たちである。かれらは現世において屈辱を受け,来世においても酷い懲罰を受けるであろう。 [5.42] かれらは虚偽ばかりを聞き,禁じられたものを貪る。かれらがもしあなたの許に来たならば,かれらの間を裁くか,それとも相手にするな。もしあなたが相手にしなくても,かれらは少しもあなたを害することは出来ないであろう。またもし裁くならば,かれらの間を公平に裁決しなさい。アッラーは公平に行う者を愛でられる。 [5.43] かれらには律法があるのに,どうしてあなたに,裁判を仰ぐのであろうか。その中には,アッラーの(公平な)裁決があるのだが,かれらはそういうものを持っていても,なお背き去る。これらの者は(真の)信者ではないのである。 [5.44] 誠にわれは,導きとして光明のある律法を,(ム-サーに)下した。それで(アッラーに)服従,帰依した預言者たちは,これによってユダヤ人を裁いた。聖職者たちや律法学者たちは,アッラーの啓典を心に銘記し,その証人でもあった。だからあなたがたは人間を恐れず,只われを畏れなさい。僅かな代価で,われの印を売ってはならない。そしてアッラーが下されたもので裁判しない者は不信心者(カーフィル)である。 [5.45] われはかれらのために律法の中で定めた。「生命には生命,目には目,鼻には鼻,耳には耳,歯には歯,凡ての傷害にも,(同様の)報復を。」しかしその報復を控えて許すならば,それは自分の罪の償いとなる。アッラーが下されるものによって裁判しない者は,不義を行う者である。 [5.46] われはかれらの足跡を踏ませて,マルヤムの子イーサーを遣わし,かれ以前(に下した)律法の中にあるものを確証するために,導きと光明のある,福音をかれに授けた。これはかれ以前に下した律法への確証であり,また主を畏れる者への導きであり,訓戒である。 [5.47] それで福音の信者(キリスト教徒)にはアッラーがその中(福音書)に示されたものによって裁かせなさい。凡そアッラーが下されるものによらずに,裁く者は主の掟に背く者である。 [5.48] われは真理によって,あなたがたに啓典を下した。それは以前にある啓典を確証し,守るためである。それでアッラーが下されるものによって,かれらの間を裁け。あなたに与えられた真理に基づき,かれらの私慾に従ってはならない。われは,あなたがた各自のために,聖い戒律と公明な道とを定めた。もしアッラーの御心なら,あなたがたを挙げて1つのウンマになされたであろう。しかし(これをされなかったのは)かれがあなたがたに与えられたものによって,あなたがたを試みられたためである。だから互いに競って善行に励め。あなたがたは挙って,アッラーに帰るのである。その時かれは,あなたがたが論争していたことに就いて,告げられる。 [5.49] それでアッラーの下されるものによって,かれらの間を裁き,決してかれらの私慾に従ってはならない。アッラーが,あなたに下される(教えの)どの部分についても惑わされないよう,かれらに用心しなさい。かれらがもし背き去るならば,それはアッラーがかれらの犯した罪の一部を,懲しめられると御考えなっておられると知れ。人びとの多くは本当にアッラーの掟に背く者である。 [5.50] かれらが求めるのは,無明(時代)の裁判であるのか。だが信心堅固な者にとって,アッラーに優る裁判者があろうか。 [5.51] あなたがた信仰する者よ,ユダヤ人やキリスト教徒を,仲間としてはならない。かれらは互いに友である。あなたがたの中誰でも,かれらを仲間とする者は,かれらの同類である。アッラーは決して不義の民を御導きになられない。 [5.52] あなたは,心に病ある者がかれらの許に走るのを見るであろう。かれらは,「わたしたちは災難にあいはしないかと恐れる。」と言っている。だがアッラーは,恐らく(あなたがたに)勝利を与え,または御許から聖断を与えられよう。かれらは心の中に秘密を抱くもののために,酷く後悔することになるであろう。 [5.53] 信仰する者は言う。「これらの者は,あなたがたと一緒(の協力者)だと,アッラーにかけて,力をこめて誓った者ではないか。」かれらの行いは虚しく,必ず失敗者となるであろう。 [5.54] 信仰する者よ,もしあなたがたの中から教えに背き去る者があれば,やがてアッラーは,民を愛でられ,かれらも主を敬愛するような外の民を連れてこられるであろう。かれらは信者に対しては謙虚であるが,不信心者に対しては意志堅固で力強く,アッラーの道のために奮闘努力し,非難者の悪ロを決して恐れない。これは,アッラーが御好みになられた者に与えられる恩恵である。アッラーは厚施にして全知であられる。 [5.55] 誠にあなたがたの(真の)友は,アッラーとその使徒,ならびに信仰する者たちで礼拝の務めを守り,定めの喜捨をなし,謙虚に額ずく者たちである。 [5.56] アッラーとその使徒,と信仰する者たちを友として助ける者は,アッラーの1党で,必ず勝利を得る者たちである。 [5.57] 信仰する者よ,あなたがたの教えを明笑し,戯れごとにする者を友としてはならない。それは先に啓典を与えられた者の中にいるが,信仰を拒否する者たちの中にもいる。もしあなたがたが信者ならば,アッラーを畏れなさい。 [5.58] あなたがたが(人びとを)礼拝に招く時,かれらはそれを期笑し,戯れごとにする。それはかれらが理解しない民のためである。 [5.59] 言ってやるがいい。「啓典の民よ,あなたがたがわたしたちを非難するのは,只わたしたちがアッラーを信じ,またわたしたちに下されたもの(クルアーン),また以前に下されたもの(律法,福音)を信じるためであるのか,只あなたがたの多くがアッラーの掟に背く者たちであるためではないか。」 [5.60] 言ってやるがいい。「アッラーの御許の応報で,それよりも悪いものを,あなたがたに告げようか。それはアッラーが見放した者,御怒りを被むった者,サルまたはブタとされた者,そして邪神に仕える者,かれらは,最悪の境地におり,(正しい)道から遠く迷い去った者たちである。」 [5.61] かれらがあなたがたの許に来た時,「わたしたちは信仰する。」と言った。だがかれらは実に不信心で入り,また不信心で出て行く者たちである。アッラーはかれらの隠すことを熟知なされる。 [5.62] かれらの多くが,互いに競って罪悪と反逆にはしり,禁じられたものを,貪るのを見るであろう。かれらの行うことの何と醜悪なことよ。 [5.63] なぜ聖職者や律法学者は,かれらが罪深いことを語り,または非法なものを貪るのを禁じないのか。かれらの行うことの何と醜悪なことよ。 [5.64] ユダヤ人は,「アッラーの御手は縛られている。」と言う。縛られたのはかれらの手で,そう言ったことによってかれらは見限られた。いや,かれの御手は広く開かれて,御心のままに,惜しみなく与えられる。だがかれらの多くは,主からあなたに啓示が下されたのを見て,きっと反抗と不信心を増長しよう。われがかれらの間に投じた敵意と憎悪とは,本当に復活の日まで続くであろう。かれらが戦火を燃やす度に,アッラーはそれを消される。またかれらは,地上において害悪をしようと努める。だがアッラーは,害悪を行なう者を御愛でになられない。 [5.65] 啓典の民がもし信仰して主を畏れるならば,われはかれらのすべての罪障を抹消して必ず至福の楽園に入らせるであろう。 [5.66] もしかれらが律法と福音,そして主からかれらに下されたものを順奉するならば,かれらの上からも足許からも,必ず(豊かに)糧を与えられるであろう。かれらの中には,正義を行う一団もいる。だが多くの者の行うところは,邪悪である。 [5.67] 使徒よ,主からあなたに下された(凡ての)ものを,宣ベ伝えなさい。あなたがそれをしないなら,かれの啓示を宣べ伝える使命は果せないであろう。アッラーは,(危害をなす)人びとからあなたを守護なされる。アッラーは決して不信心の民を導かれない。 [5.68] 言ってやるがいい。「啓典の民よ。律法と福音と主からあなたがたに下された,(凡ての)啓示を順守するまでは,あなたがたが立つ拠り所はないのだ。」ところが主からあなたに下ったものは,かれらの多くの者に,頑固な反抗と,不信心を増長させた。だからあなたは不信心の民に就いて,心を悩ましてはならない。 [5.69] 本当に(クルアーンを)信じる者,とユダヤ人,サ―ビア教徒,キリスト教徒で,アッラーと終末の日を信じて善い行いに励む者には,恐れもなく憂いもないであろう。 [5.70] われは且つて,イスラエルの子孫と約束を結び,使徒たちをかれらに遣わした。ところが使徒が,かれらの好まないものを(宙?)す度に,かれらはある者を嘘付きと呼び,ある者を殺害した。 [5.71] そしてかれらは(そのために)試み(の懲罰)がないものと考えていた。それでかれらは盲目や難聴者となったが,その後アッラーは,かれらの悔悟を許しなされた。それでもかれらの多くはまたも,自ら盲目や難聴者となった。アッラーはかれらの行うところを,御存知であられる。 [5.72] 「アッラーこそは,マルヤムの子マスィーフである。」と言う者は,確かに不信心者である。しかもマスィーフは言ったのである。「イスラエルの子孫よ,わたしの主であり,あなたがたの主であられるアッラーに仕えなさい。」凡そアッラーに何ものかを配する者には,アッラーは楽園(に入ること)を禁じられ,かれの住まいは業火である。不義を行う者には援助者はないのである。 [5.73] 「アッラーは三(位)の一つである。」と言う者は,本当に不信心者である。唯―の神の外に神はないのである。もしかれらがその言葉を止めないなら,かれら不信心者には,必ず痛ましい懲罰が下るであろう。 [5.74] かれらは何故,悔悟してアッラーに返り,その御赦しを求めようとしないのか。誠にアッラーは寛容にして慈悲深くあられる。 [5.75] マルヤムの子マスィーフは,一人の使徒に過ぎない。かれの以前にも使徒たちがあって,逝ったのである。かれの母は誠実な婦人であった。そしてかれら両人は食べ物を食べていた。見よ,われは如何にかれらに印を明示したかを。また見よ,如何にかれら(不信者)が迷い去るかを。 [5.76] 言ってやるがいい。「あなたがたはアッラーの外に,あなたがたに害もなく益もな〈,役立たないものに仕えるのか。アッラー,かれこそは全聴者にして全知であられる。」 [5.77] 言ってやるがいい。「啓典の民よ,真理を無視してあなたがたの教えの法を越えてはならない。またあなたがたは先に迷い去った者たちの,私見に従ってはならない。かれらは多くの者を迷わせ,(自らも)正しい道から迷った者たちである。」 [5.78] イスラエルの子孫の中,不信心な者は,ダーウードやマルヤムの子イーサーの舌で呪われた。それはかれらが従わないで,法を越えたためである。 [5.79] かれらはその行った悪事を,互いに戒めなかった。かれらの行ったことの何と醜悪なことよ。 [5.80] 見なさい,かれらの多くは,不信心な者と親密にしている。何と醜悪なことを自ら進んでするものよ。アッラーはかれらに激怒なされ,かれらは懲罰の中に永遠に住むであろう。 [5.81] かれらがもし,アッラーと聖預言者を信じ,またかれらに下されたものを信じたならば,かれらを親しい友としなかったであろう。だがかれらの多くは,主の掟に背く者である。 [5.82] あなたは,人びとの中信仰する者を敵視することが最も厳しいのは,ユダヤ人と多神教徒であることを知るであろう。またあなたは,信仰する者に一番親愛の情を抱いているのは,「わたしたちはキリスト教徒です。」と言う者であることを知るであろう。これはかれらの間に,司祭と修道士がいて,かれらが高慢でないためである。 [5.83] あなたはかれらが,使徒に下されたものを聞く時,自分の認めた真理のために,涙を目に(温?)れさせるのを見るであろう。かれらは言う。「主よ,わたしたちは信仰します。わたしたちを証人の中に書き留めて下さい。 [5.84] わたしたちは,アッラーとわたしたちに下された真理を,どうして信じないでいられましょうか。また主が,敬(度?)な民と一緒にわたしたちをも(楽園に)入れて下さるよう,懇願しないでいられましょうか。」 [5.85] それでアッラーは,かれらの言葉に報いられ,川が下を流れる楽園を与えられ,永遠にそこに住まわせられる。それは善い行いをなす者への報奨である。 [5.86] しかし信仰しないで,わが印を偽りであるとする者,これらは火獄の住人である。 [5.87] あなたがた信仰するものよ,アッラーがあなたがたに許される,良いものを禁じてはならない。また法を越えてはならない。アッラーは,法を越える者を御愛でになられない。 [5.88] アッラーがあなたがたに与えられた良い(清潔で)合法なものを食べなさい。あなたがたが信じているアッラーを畏れなさい。 [5.89] アッラーは,あなたがたの軽はずみな言葉の誓いに対し,あなたがたを非難されない。だがあなたがたが誓って約束したことに対してはその責任を問う。その贖罪には,あなたがたの家族を養う通常の食事で,10名の貧者を養え,またはこれに衣類を支給し,あるいは奴隷1名を解放しなさい。(これらのことが)出来ない者は,3日間の斎戒をしなさい。それがあなたがたが誓いをした時の賠償である。あなたがたは自分の誓いを守れ。アッラーはこのように,御自分の印をあなたがたのために解明なされる。恐らくあなたがたは,感謝するであろう。 [5.90] あなたがた信仰する者よ,誠に酒と賭矢,偶像と占い矢は,忌み嫌われる悪魔の業である。これを避けなさい。恐らくあなたがたは成功するであろう。 [5.91] 悪魔の望むところは,酒と賭矢によってあなたがたの間に,敵意と憎悪を起こさせ,あなたがたがアッラーを念じ礼拝を捧げるのを妨げようとすることである。それでもあなたがたは慎しまないのか。 [5.92] アッラーに服従,帰依し,また使徒に従って(悪魔に)用心しなさい。仮令あなたがたが背いても,われの使徒の責務は,ただ明白に(啓示を)宣べ伝えるだけであることを知れ。 [5.93] 信仰して善行に勤む者は,(既に)食べたものに就いて罪はない。かれらが主を畏れ,信仰して善行に励む時は,それでその上にも,主を畏れ,信仰しなさい。更にその上に,主を畏れ,善行に勤め。アッラーは善行者を愛でられる。 [5.94] あなたがた信仰する者よ,アッラーはあなたがたの手または槍で狩ろ,ちょっとした獲物によって,あなたがたを試みられる。それはアッラーが,見ることの出来ないかれを恐れる者が,誰であるかを知られるためである。この後でも違犯する者は,痛ましい懲罰を受けるであろう。 [5.95] 信仰する者よ,あなたがたが巡礼者の間は,狩猟して鳥獣を殺してはならない。もし,あなたがたの中,知りながらそれを殺した者の償いは,あなたがたの中公正な2名の者の判定により,その殺したものと等しい(価の)家畜を,カアバに運んで捧げるか,またはその贖罪のために貧者に食を供するか,またはそれに相当する斎戒を行うことである。これらはかれがその行いの結果を味わうためである。アッラーは,過ぎ去ったことは御許しなされる。だがあなたがたがもし繰り返すならば,アッラーは応報を重くされる。アッラーは偉力ならびなき応報の主であられる。 [5.96] 海で漁鱗し,また獲物を食べることは,あなたがたにも旅人にも許されている。だが陸上の狩猟は,巡礼着の間は禁じられる。アッラーを畏れなさい。あなたがたはかれの御許に集められるのである。 [5.97] アッラーは人間の(現世における平安の)ため,聖なる家,カアバを創り,また聖月と捧げ物と(犠牲に供える家畜の)首飾りを定められた。これはあなたがたに,アッラーが天にあり地にある凡てのものを知っておられ,且つアッラーが凡ての事に通暁しておられることを,知らせるためである。 [5.98] アッラーは罰に厳重であられ,また,アッラーは寛容にして慈悲深くあられることを知れ。 [5.99] 使徒には,只(啓示を)宣ベ伝えることの外何も課せられない。アッラーは,あなたがたの現わすことも,隠すことも知っておられる。 [5.100] 言え,「あなたがたは,たとえはびこっている悪に魅了されようが,悪いことと良いことは同じではない」だからあなたがた思慮ある者よ,アッラーを畏れなさい。恐らくあなたがたは成功するであろう。 [5.101] 信仰する者よ,いろいろと尋ねてはならない。もしあなたがたに明白に示されると,かえって悩まされることもある。ただしクルアーンが啓示されている時,それに就いて問えば,あなたがたに明白に示されるであろう。アッラーはそれを許される。アッラーは寛容にして慈悲深い方であられる。 [5.102] あなたがた以前の民も(このことに就いて)尋ねた。そしてそのことのために,不信心者となった。 [5.103] アッラーが,バヒーラまたはサーイバ,フスィーラまたはハーミを定められたのではない。ただし,不信心者がアッラーに対して虚構したものである。かれらの多くは理解しない。 [5.104] かれらに向かって,「アッラーが下されたもの,ならびに使徒の許に来なさい。」と言えば,かれらは「わたしたちには祖先が伝えたもので十分です」と言う。何と,かれらの祖先は全く知識もなく,また(正しく)導かれなかったではないか。 [5.105] 信仰する者よ,あなたがた自身(を守る責任)は,あなたがたにある。あなたがたが正しい道を踏むならば,迷った者はあなたがたを妨げることは出来ない。あなたがたは挙ってアッラーに帰るのである。その時かれは,あなたがたの行ったことを告げ知らせるであろう。 [5.106] 信仰する者よ,あなたがたの1人に,臨終が近付いた時は,あなたがたの間で証言を取れ。遺言書の作成の時は,公正な2人の証人をあなたがたの中から立てなさい。また,もしあなたがたが地上を旅していて,死の苦悩があなたがたに降りかかったならば,あなたがた以外(の民)から2人を,礼拝の後,引き止めて(依頼しなさい)。もしかれらを疑うならば,アッラーにかけて誓わせなさい。「わたしたちは,仮令近親のためでも,どんな値段でも(証言を)売らず,またアッラーの証拠を隠しません。そのようなことをすれば,わたしたちは本当に犯罪者です。」 [5.107] もしかれら2人が(偽証の)罪に値いすることが判明したならば,かれらによって不利益を被った者の中から(死者に)縁の最も近い適切な2人の人物を新たに証言に立たせ, アッラーにかけて誓わせなさい。「わたしたちの証言は,本当に2人の証言よりも真実であります。わたしたちは決して(罪を)犯したことはありません。そうであれば,わたしたちは本当に不義者であります。」 [5.108] こうすることは最も正当である。こうしてかれらはその真実に基づいて,証言をなすことになろう。あるいはかれらが証言した後に,立証が反論されることを恐れよう。アッラーヘの義務を尽くし,また(かれの勧告を)聞け。アッラーは掟に背く者を御導きになられない。 [5.109] アッラーが使徒たちを召集される臼,かれらに,「あなたがたはどんな返答を得たか。」と仰せられよう。かれらは(答えて)申し上げる。「わたしたちには,知識はありません。誠にあなたは,凡ての奥義を熟知なされています。」 [5.110] アッラーがこう仰せられた時を思い起せ。「マルヤムの子イーサーよ,あなたとあなたの母が与えられた,われの恩恵を念じなさい。われは聖霊によってあなたを強め,揺り籠の中でも,成人してからも人びとに語らせるようにした。またわれは啓典と英知と律法と福音をあなたに教えた。またあなたはわれの許しの許に,泥で鳥を形作り,われの許しの許に,これに息吹して鳥とした。あなたはまたわれの許しの許に,生まれつきの盲人と癩患者を(癒?)した。またあなたはわれの許しの許に,死者を甦らせた。またわれはあなたが明証をもってイスラエルの子孫の許に赴いた時,かれらの手を押えて守ってやった。かれらの中の不信心な者は,『これは明らかに魔術に過ぎない。』と言った。 [5.111] その時われは弟子たちに啓示して,『われを信じ,わが使徒を信じなさい。』と言った。かれらは(答えて)言った。『わたしたちは信じます。あなたは,わたしたちがムスリムであることを立証して下さい。』」 [5.112] かれら弟子たちが,こう言った時を思い起せ。「マルマムの子イーサーよ,あなたの主は,あたしたちのために,(食べ物を)並べた食卓を,天から御下しになるであろうか。」かれ(イーサー)は言った。「あなたがたが信者なら,アッラーを畏れなさい。」 [5.113] かれらは言った。「わたしたちはその(食卓)で食べて,心を安らげたい。またあなたのわたしたちに語られたことが真実であることを知り,わたしたちが,その証人になることを乞い願います。」 [5.114] マルヤムの子イーサーは(祈って)言った。「アッラー,わたしたちの主よ,わたしたちのために,(食物を並べた)食卓を天から御下しになり,それでわたしたちへの最初の,また最後の機縁となされ,あなたからの印として下さい。わたしたちに食を与えて下さい。本当にあなたは最も優れた養い主です。」 [5.115] アッラーは仰せられた。「本当にわれは,それをあなたがたに下すであろう。それで今後もしあなたがたの中で不信心者となる者があれば,われは世の誰にもまだ加えなかった懲罰で,かれを罰するであろう。」 [5.116] またアッラーがこのように仰せられた時を思え。「マルヤムの子イーサーよ,あなたは『アッラーの外に,わたしとわたしの母とを2柱の神とせよ。』と人びとに告げたか。」かれは申し上げた。「あなたに讃えあれ。わたしに権能のないことを,わたしは言うべきでありません。もしわたしがそれを言ったならば,必ずあなたは知っておられます。あなたは,わたしの心の中を知っておられます。だがわたしはあなたの御心の中は知りません。本当にあなたは凡ての奥義を熟知なされています。 [5.117] わたしはあなたに命じられたこと以外は,決してかれらに告げません。『わたしの主であり,あなたがたの主であられるアッラーに仕えなさい。』(と言う以外には)わたしがかれらの中にいた間は,わたしはかれらの証人でありました。あなたがわたしを御呼びになった後は,あなたがかれらの監視者であり,またあなたは,凡てのことの立証者であられます。 [5.118] あなたが仮令かれらを罰せられても,誠にかれらはあなたのしもべです。またあなたがかれらを御赦しなされても,本当にあなたこそは,偉力ならびなく英明であられます。」 [5.119] アッラーは仰せられよう。「これはかれら正直者が,正直ゆえに得をする日である。かれらには川が下を流れる楽園があり,永遠にその中に住むであろう。」アッラーはかれらを喜ばれ,かれらもまたかれに満悦する。それは大願の成就である。 [5.120] 天と地と,その間の一切の事物は,アッラーの大権に属する。かれは凡てのことに全能であられる。 @AL AN'AAM 慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において。 [6.1] 天と地を創造し,陪黒と光明を定められる,アッラーを讃える。だが信じない者は,かれらの主と(外のものを)同位に置く。 [6.2] かれこそは,泥から,あなたがたを創り,次いで(生存の)期間を定められた方である。一定(の期間)が,かれの御許に定められている。それでもあなたがたは疑うのか。 [6.3] かれこそは天にあっても,地でもアッラーであられる。かれはあなたがたの隠すことも,現わすことも知っておられる。またかれはあなたがたの,働いて得たもの(の応報)をも知っておられる。 [6.4] かれらは主から如何なる印を(西?)されても必ずそれから顔を背けてしまう。 [6.5] 真理(クルアーン)がかれらの許に来ると,かれらは常にそれを虚偽であるとした。だがかれらの嘲笑する御告げが,間もなく(事実となって)かれらの許に来るであろう。 [6.6] われはかれら以前に,次から次に幾世代も滅ぼしたかを,あなたがたは考えないのか。われは地上でかれらを代々安住させ,あなたがたにすらしなかったものを与えた。われは,かれらの上に雲を送り(雨を)注ぎ降らせ,その足許に川を流れさせた。だが凡ての罪のためにかれらを滅ぼし,その跡に外の世代を出現させた。 [6.7] 仮令われがあなたに紙上に(書いた)啓典を下し,かれらが自分の手でそれに触れても,不信心な者はきっと,「これは明らかに魔術に過ぎない。」と言う。 [6.8] かれらはまた言う。「何故天使が,かれに遺されないのか。」もしわれが天使を遺したならば,事は直ちに決定されて,かれらは猶予されなかったであろう。 [6.9] 仮令われがかれ(使徒)を天使としても,必ず人間の姿をさせ,(今)かれらが惑うように,きっと惑わせたであろう。 [6.10] あなた以前の使徒たちも,確かに嘲笑されていた。だが嘲笑したものは,その嘲笑していたこと(懲罰)に取り囲まれるであろう。 [6.11] 言ってやるがいい。(ムハンマドよ。)「地上を旅して,真理を拒否した者の最後が,どうであったかを見なさい。」 [6.12] 言ってやるがいい。「天と地にある凡てのものは,誰の有であるのか。」言ってやるがいい。「アッラーの有である。かれは慈悲を御自分の動となされる。審判の日には,必ずあなたがたを召集されよう。それに疑いの余地はないのである。」だが自分の魂を滅ぼしてしまった者は,信じないであろう。 [6.13] 夜と昼とに住む凡てのものは,かれの有である。かれは,全聴にして全知であられる。 [6.14] 言ってやるがいい。「わたしは,アッラー以外の加護をどうして求めるだろうか。かれは天と地の創造者で,(すべてを)養い,(誰からも)養われない」言ってやるがいい。「わたしは(かれに)服従,帰依する者の先き駆けとなり,『多神教徒の仲間となってはならない』と命じられた。」 [6.15] 言ってやるがいい。「わたしがもし主に背くならば,偉大な日の懲罰が本当に恐ろしい。」 [6.16] その日(懲罰を)免れる者には,必ず慈悲を与えられる。それは明らかに至上の幸福の成就である。 [6.17] もしアッラーが,あなたを災厄で害されれば,かれの外にこれを除くものはない。もしかれが,あなたに幸福を届けられれば,本当にかれは凡てのことに全能てあられる。 [6.18] かれは,そのしもべたちの上におられる至高者であり,かれは英明にして全知であられる。 [6.19] 言ってやるがいい。「立証において,最も重要なことは何であるか。」言ってやるがいい。「アッラーは,わたしとあなたがたとの間の立証者であられる。このクルアーンが,わたしに啓示されたのは,わたしがあなたがたそして届く限りの者に,それによって警告するためである。あなたがたは(アッラーの外に)他の神があることを,証言出来るのか。」言ってやるがいい。「わたしは証言することは出来ない。」言ってやるがいい。「本当にかれは唯一の神であられる。わたしは,あなたがたが信仰するものとは全く別の存在である。」 [6.20] われが啓典を授けた者たちは,自分の子を認めるようにこれを認める。だが,自分の魂を滅ぼした者は信じない。 [6.21] アッラーに就いて虚偽を作り上げ,またはその印を拒否するより,甚だしい不義があろうか。本当に不義を行う者は決して成功しないであろう。 [6.22] われが一斉にかれらを召集する日,邪神を信仰した者たちに(問うて)言う。「あなたがたが言い張っていた,仲間(邪神ども)はどこにいるのか。」 [6.23] その時かれらは,こう言う外にロ実はないであろう。「わたしたちの主,アッラーにかけて誓います。わたしたちは決して外の神々を信仰した者ではありません。」 [6.24] 見なさい。如何にかれらが自らを欺くか。またかれらの虚構したものが,かれらを迷わせたかを。 [6.25] かれらの中には,あなたに耳を傾ける者もあるが,われはかれらの心に覆いをしたので,これ(クルアーン)を理解しない。またその耳を鈍くした。だからかれらは仮令各種の印を見ても,これを信じない。そしてかれらがあなたの許にやって来るのは,議論するため(だけ)である。信じない者たちは,「これは昔の物語に過ぎないのです。」と言う。 [6.26] かれらは外の者をそれから遠ざけ,また自分たちもこれを避ける。だがかれらは自ら自分の魂を傷つけるだけで,自分はそれに気付かない。 [6.27] あなたがもし,かれらが火獄の前に立たされる姿を見たらどうであろう。その時かれらは言う。「ああ,わたしたちがもし送り帰されるならば,決して主の印を拒否しないで,必ず信仰するでしょうに。」 [6.28] いや,かれらが今まで隠していたものが,(今)自分たちの前に明らかになったに過ぎない。それでかれらが仮命(再び)戻されても,かれらは必ず禁じられたことを繰り返すであろう。かれらは本当に虚言の徒である。 [6.29] かれらは言う。「この世の生があるだけで,再び甦るなどということはないのです。」 [6.30] あなたがもし,かれらが主と向かい合って立たされる時を見たらどうであろう。その時(主は)仰せられるであろう。「これは真実ではないか。」かれらは言う。「そうです。主にかけて(誓って)。」かれは仰せられよう。「あなたがたは,信仰を拒否したために懲罰を味わいなさい。」 [6.31] アッラーに会うことを虚偽であるとする者は,確かに失敗者である。その時が突然来れば,かれらは言う。「ああ,悲しい,わたしたちは何と疎かなことをしたことか。」かれらは背に自分の重荷を負っている。ああ,かれらの負う重荷こそ災いである。 [6.32] 現世の生活は,遊びか戯れに過ぎない。だが主を畏れる者には,来世の住まいこそ最も優れている。あなたがたは悟らないのか。 [6.33] われはかれらの言葉が,あなたを如何に悲しませるかを知っている。かれらが虚言の徒とするのは,あなたではない。不義者たちは,専らアッラーの印を否定しているだけ。 [6.34] あなた以前にも,使徒たちは虚言の徒と呼ばれた。それでわれの救助を得るまで,かれらは拒否と迫害を耐え忍んだ。誰にもアッラーの御言葉を変えることは出来ない。使徒たちに関する一部の消息は,既にあなたに伝えられたのである。 [6.35] もしかれらが反抗して去るのがあなたに酪く苦痛ならば,あなたに出来るなら,地にトンネルを掘り,または天に梯をかけて,かれらに印を現わせ。アッラーが御好みになるならば,(正しい)導きの上にかれらを集められる。それであなたは,無知な者の仲間となってはならない。 [6.36] 耳を傾ける者だけ,呼びかけに答えるであろう。(あえて聞かない) 死者は,アッラーがこれを甦らせ,それからかれの御許に帰らせられる。 [6.37] かれらは言う。「何故かれに,主から印が下されないのであろうか。」言ってやるがいい。「アッラーは,確かに印を下す御力を持っておられる。だがかれらの多くは,理解しないのである。」 [6.38] 地上の生きとし生けるものも,双翼で飛ぶ鳥も,あなたがたのように共同体の同類でないものはない。啓典の中には一事でも,われが疎かにしたものはない。やがてみなかれらの主の御許に召集されるのである。 [6.39] わが印を拒否する者は,暗黒の中で耳が聞こえない者,ものを言えない者である。アッラーは,御望みの者を迷うに任せ,また御望みの者を正しい道につかせられる。 [6.40] 言ってやるがいい。「あなたがた自身考えてみなさい。もしアッラーの懲罰があなたがたに下り,または(死の)時があなたがたに訪れたならば,アッラー以外のものを呼ぶのか。あなたがたが本当のことを言っているとすれば。」 [6.41] 「いや,あなたがたは,かれだけを呼ぶであろう。もしかれの御心があれば,あなたがたがかれに祈ったことによって,(その災厄を)除かれよう。その時あなたがたは,信仰していた邪なものを忘れるであろう。」 [6.42] われは,あなた以前の各民族にも(使徒たちを)遣し,人々が謙虚になるよう,不幸と災厄で人々を懲らしめた。 [6.43] わが災厄がかれらに下った時,何故謙虚でなかったのであろうか。かれらの心はかえって頑固になり,悪魔はかれらに対し自分たちの行ったことを立派であると思わせた。 [6.44] それでかれらが,自分たちに授けられた訓戒を忘れた時,われは凡ての(良い)ことの門をかれらのために開いた。かれらがその与えられたものに歓喜していた時,われは突然襲ってやった。見なさい,かれらは絶望に陥ってしまった。 [6.45] こうして不義を行った民の子孫は,絶えてしまった。万有の主,アッラーに讃えあれ。 [6.46] 言ってやるがいい。「あなたがたは考えなかったのか。アッラーが,もしあなたがたの視覚や聴覚を奪い。また心を封じられれば,アッラーの外にどの神がそれをあなたがたに返し授けられるかを。」見なさい。われは如何に印を繰り返したか,それでもかれらは背き去った。 [6.47] 言ってやるがいい。「あなたがたは考えてみなさい。仮令アッラーの懲罰が,突然にまた公然と来ても,不義の民の外,誰が滅ぼされようか。」 [6.48] われは,吉報の伝達者か警告者の外には,使徒を遣さない。だから信仰して身を修める者には,恐れもなく憂いもないであろう。 [6.49] だがわが印を虚偽であるとする者は,その背いていたことに対し処罰されるであろう。 [6.50] (不信者に)言ってやるがいい。「アッラーの宝物がわたしの手にあるとは,あなたがたに言わない。またわたしは,幽玄界に就いても知らない。またわたしは天使であるとも言わない。わたしは,只わたしに啓示されたことに従うだけである。」言ってやるがいい。「盲人と正常の目の人とは同じであろうか。それでもあなたがたは反省しないのか。」 [6.51] あなたは主に召されることを恐れる者に,それ(クルアーン)によって警告しなさい。かれの外にかれらを愛護するものも,執り成すものもないのである。恐らくかれらは主を畏れるであろう。 [6.52] 主の御喜びを求めて,朝夕,かれに祈る者を追放してはならない。かれらの(善悪の)清算は,少しもあなたの任ではなく,あなたの清算は,少しもかれらの任ではない。それで,あなたがかれらを追放するならば,あなたは不義の徒となるであろう。 [6.53] このようにわれは,かれらのある者で外を試みる。それはかれらに,「アッラーが恩恵を与える者は,わたしたちの中の,これらの人びとですか。」と言わせるためである。本当に感謝する者を,最もよく知る方はアッラーではないか。 [6.54] わが印を信じる者があなたの許に来たならば,言ってやるがいい。「あなたがたに平安あれ。あなたがたの主は,慈悲を御自分の務めとされる。それであなたがたの中,無知で悪事を行った者も,悔悟してその身を修めるならば(許される),本当にかれは寛容にして慈悲深くあられる。」 [6.55] このようにわれは,印を詳細にわたって解明した。これは罪を犯す者の辿る道を明示するためである。 [6.56] 言ってやるがいい。「わたしはあなたがたが祈っているアッラー以外のものに仕えることを禁じられたのだ。」言ってやるがいい。「わたしは,あなたがたの虚しい望みに従わない。そうなれば,わたしは迷ってしまって,(正しく)導かれない。」 [6.57] 言ってやるがいい。「わたしは主からの明証の上に(立つ者で)あるが,あなたがたはそれを虚偽であるとした。あなたがたが急ぐこと(懲罰)は,わたしに出来ることではない。裁決はアッラーにだけ属する。かれは真実を説かれ,最も優れた裁決者であられる。」 [6.58] 言ってやるがいい。「もしあなたがたの急ぐこと(懲罰)が,わたしの手中にあるならば,事はわたしとあなたがたとの間で,直ぐ決定されよう。だがアッラーは,不義を行う者を最もよく知っておられる。 [6.59] 幽玄界の鍵はかれの御許にあり,かれの外には誰もこれを知らない。かれは陸と海にある凡てのものを知っておられる。一枚の木の葉でも,かれがそれを知らずに落ちることはなく,また大地の暗闇の中の一粒の穀物でも,生気があるのか,または枯れているのか,明瞭な天の書の中にないものはないのである。 [6.60] かれこそは,夜間あなたがたの魂を召される方で,あなたがたが昼間行ったことを知っておられる。またかれは昼間,あなたがたを目覚めさせ,定められた(あなたがたの生活の)期間を全うなされる。それからあなたがたはかれの御許に帰ろ。その時かれは,あなたがたに自分が行ったことを告げ知らせる。 [6.61] かれは,しもべたちの上に権能をもつ方であられ,あなたがたに保護者(の天使)を遣される。死があなたがたの1人に臨む時,われが遣したもの(天使)たちは,それ(魂)を取り上げる。かれら(天使たち)は,(わが命令に)怠慢ではない。 [6.62] それからかれらは,真の主,アッラーに戻される。裁決はかれがなされるのではないか。かれは清算する際は極めて速い御方であられる。」 [6.63] 言ってやるがいい。「陸と海の暗闇の中から,あなたがたを救うのは誰か。あなたがたは心虚しく,畏れかしこんでかれに祈る。『あなたがもし,これからわたしたちを御救いになれば,わたしたちは必ず感謝を捧げる。』と。」 [6.64] 言ってやるがいい。「アッラーはあなたがたをこの事から,また凡ての苦悩から御救いになられる。だがあなたがたは,邪なものを崇拝する。」 [6.65] 言ってやるがいい。「かれはあなたがたの上から,また足許から,懲罰を下すことが出来,またあなたがたを仲間割れさせて混乱に陥らせ,またある者に,外の暴虐を味わわせることも出来る。」われは,如何に印を示すかを見なさい。恐らくかれらは会得するであろう。 [6.66] これは真理であるが,あなたの民は虚偽であるとした。言ってやるがいい。「わたしは,あなたがたの後見人ではない。」 [6.67] 「それぞれの御告げには,それぞれ一定の期限がある。間もなくあなたがたはそれを知るであろう。」 [6.68] わが啓示に就いて無駄なことに耽る者を見たならば,かれらが外の話題に変えるまで遠ざかれ。仮令悪魔があなたに忘れさせても,気付いた後は不義の民と同席してはならない。 [6.69] 主を畏れる者には,かれら不義の徒の清算に就いて少しも責任はない。だが念のため訓戒しておく,恐らくかれらは主を畏れるであろう。 [6.70] 自分の教えを,遊びや戯れとする者と,現世の生活に欺かれている者たちは,放っておきなさい。そして各人はその行いによって,自ら破滅に陥ることをそれで訓戒しなさい。アッラーの外には,どんな守護者も執り成す者もない。凡ての代償を提出しても,受け入れられないであろう。これらの者は自分の行ったことによって滅び,主を拒否したために煮えたった湯を飲み,また痛烈な懲罰を受けるであろう。 [6.71] 言ってやるがいい。「わたしたちはアッラーの外に,わたしたちに益もなく害もないものに祈れようか。わたしたちは一度アッラーに導かれた後に,地上で悪魔の誘惑に迷わされた者のように,わたしたちの踵を返せるであろうか。かれには(よい)仲間たちがいて,『わたしたちのもとに来なさい』と正しい道に招いているではないか」言ってやるがいい。「アッラーの導きこそ(真の)導きである。わたしたちは,万有の主に服従,帰依しなさいと命じられている。」 [6.72] 「また『礼拝の務めを守り,かれを畏れなさい。かれこそはあなたがたを御許に召集なされる方であられる。』(と命じられている。)」 [6.73] またかれこそは真理をもって,天と地を創造された方であられる。その日は,かれが「有れ」と仰せになれば,即ち有るのである。かれの言葉は真実である。ラッパが吹かれる日,大権はかれに属する。かれは幽玄界も現象界をも知っておられる。かれは英明にして凡てに通暁しておられる。 [6.74] イブラーヒームがその父アーザルに,こう言った時を思え。「あなたは偶像を神々となさるのか。本当にあなたとあなたの民は,明らかに誤っていると思う。」 [6.75] われはこのように,天と地の王国をイブラーヒームに示し,かれを全く迷いのない信者にしようとしたのである。 [6.76] 夜(の暗闇)がかれを覆う時,かれは一つの星を見た。かれは言った。「これがわたしの主です。」だが星が沈むと,かれは言った。「わたしは沈むものを好みません。」 [6.77] 次いでかれは月が昇るのを見て,言った。「これがわたしの主です。」だがそれが沈むと,かれは言った。「わたしの主がわたしを導かれなかったら,わたしはきっと迷った民の仲間になったでしょう。」 [6.78] 次いでかれは太陽が昇るのを見て,言った。「これがわたしの主です。これは偉大です。」だがそれが沈むと,かれは言った。「わたしの人びとよ,わたしはあなたがたが,崇拝する者と絶縁します。 [6.79] わたしは天と地を創られた方にわたしの顔を向けて,純正に信仰します。わたしは多神教徒の仲間ではない。」 [6.80] だがかれの人びとは,反論した。かれは言った。「あなたがたはアッラーに就いて,わたしと論議するのか。かれは確かにわたしを御導き下された。わたしはあなたがたが,かれと並べて崇めるものを,少しも畏れない。わたしの主が御望みにならない限りは(何事も起こり得ない)。わたしの主は凡てを,御知識の中に包含なされる。あなたがたは留意しないのか。 [6.81] わたしがどうして,あなたがたの崇拝するものを畏れようか。かれが何の権能も授けられないものを,あなたがたは恐れずにアッラーに並べて崇めているではないか。それで両群(一神教と多神教)のどちらが,もっと平安を得るに値するのか。あなたがたがもし知っているなら(答えなさい)。 [6.82] 信仰して,自分の信心に不義を混じえない者,これらの者は安全であり,(正しく)導かれる者である。」 [6.83] これはわれがイブラーヒームに授け,その民を説得するために述べた確証であった。われは嘉する者の(英知や徳性の)階位を高める。誠にあなたの主は英明にして全知であられる。 [6.84] われはかれ(イブラーヒーム)に(子)イスハークと(孫)ヤアコーブを授けて,それぞれ導いた。先にヌーフも導いた。またかれ(イブラーヒーム)の子孫の中には,ダーウードと,スライマーン,アイユーブ,ユースフ, ムーサー,ハールーンがいる。われはこのように善い行いをする者に報いる。 [6.85] またザカリーヤー,ヤヒヤー,イーサーとイルヤースがいる。それぞれみな正義の徒であった。 [6.86] またイスマーイール,アル・ヤサア,ユーヌスとル―トがいる。われはかれらを,皆世に秀でた者とした。 [6.87] またかれらの祖先と子孫と兄弟の中,われはかれら(のある者)を選んで正しい道に導いた。 [6.88] これはアッラーの導きであり,かれはそのしもベの中から,御好みになられる者を導かれる。もしかれらが(神々をかれと)並べたならば,凡ての行いは,かれらにとって,虚しいものとなろう。 [6.89] これらの者はわれが,啓典と識見と預言の天分を授けた者である。それでもしかれらがこれを信じないならば,われはこれらを拒否しない(別の)者にこれを委ねるであろう。 [6.90] これらの者は,アッラーが導かれた者であるから,かれらの導きに従いなさい。言ってやるがいい。「わたしはこのために,どんな報酬もあなたがたに求めない。これは只諸民族に対して(アッラーの真意を)思い起させるだけである。」 [6.91] かれらが「アッラーは人間に何も(啓示を)下されていない。」と言うのは,アッラーを尊崇すべきように,尊崇していないからである。言ってやるがいい。「ムーサーが(湾?)した,人間にたいする光明と導きの啓典を,下したのは誰か。あなたがたはそれを紙に書いて,それ(のあるもの)を示すが,多くを隠すではないか。あなたがたもあなたがたの祖先たちも知らなかったことを,教えられたではないか。」言ってやるがいい。「アッラーであられる。」だから放って置け,かれらには空論で遊戯に耽らせておきなさい。 [6.92] これはわれが下した祝福された啓典で,以前に下したものを確証し,また諸都市の母(マッカ)とその周辺に,あなたが警告するためである。来世を信じる者は,かれらの礼拝を守りそれを信仰するであろう。 [6.93] アッラーについて,虚偽を作り上げる以上に,不義を行う者があろうか。また何も啓示を受けないのに「わたしに,啓示が下った。」と言う者。あるいは「わたしはアッラーが下されたのと,似たものを下せる。」と言う者(以上に不義者があろうか)。これらの不義の徒が,末期の痛苦の中で,天使たちが手を差し出して,「あなたがたの魂を渡せ。あなたがたはアッラーに就いて,真実ではないことを言ったりその印にたいして倣慢な態度をとってきたりしたことに,恥ずべき懲罰を載くのだ。」と言う時の姿をあなた(ムハンマド)に見せてやりたいものである。 [6.94] (復活の日にかれらはこう言われるであろう。)「まさにあなたがたは,われが最初あなたがたを創った時のように,一人々々われの許に来た。われがあなたがたに与えていたものを,凡て背後に残してきた。われはあなたがたが主の同位者と主張していたその執り成す者もあなたがたと一緒に見えてはいない。今あなたがたの間の絆は断たれ,あなたがたの主張していたものも離れ去った。」 [6.95] 穀粒や堅い種子を裂き開くのは,本当にアッラーである。かれは死から生を(湾?)し,また生から死を(宙?)される。それがアッラーである。どうしてあなたがたは背き去るのか。 [6.96] かれは,夜明を打ち開く方であり,また休息のために夜を定め,太陽と月を計算のために置かれる。それが,偉力ならびなく全知であられる方の摂理である。 [6.97] かれこそは,あなたがたのため群星を置かれた方で,あなたがたはそれによって,暗黒の陸でも海でも(正しい道に)導かれる。われは知識ある人びとに印の特恵を与えている。 [6.98] かれこそは,1人からあなたがたを創られた方で,(あなたがたのために)安任と寄留の所を(定められた)。われは理解ある人びとにわが印の特恵を与えている。 [6.99] かれこそは,雨を天から降らす方である。われはこれをもって凡てのもの(植物)の芽を萌え出させ,次に新緑(の群葉)を出させ,累々と穀物を実らせる。またナツメヤシの莢から,(重く)垂れ下がった房(を生え出させ),またブドウ,オリーブ,ザクロ等,同類異種の果樹(を育てる)。その呆実が結び,そして成熟するのを観察しなさい。その中には本当に信仰する人々への印がある。 [6.100] かれらは幽精〔ジン〕をアッラーと同位に置く。だがかれら(幽精)はかれが創られたもの。またかれら(不信者)は知識もなく,愚かにもかれに男児や女児があるとする。かれに讃えあれ。かれはかれらが同列にするものの上に,高くおいでになられる。 [6.101] かれは天と地の創造者であられる。かれには配偶もないのに,どうして子を持つことが出来ようか。かれは万有を創られた。かれは凡てのことを知っておられる。 [6.102] それがアッラー,あなたがたの主である。かれの外に神はないのである。凡てのものの創造者である。だからかれに仕えなさい。かれは凡てのことを管理なされる。 [6.103] 視覚ではかれを捉えることはできない。だがかれは視覚そのものさえ捉える。またかれはすべてのことを熟知され,配慮されておられる。 [6.104] 本当に明証が,あなたがたの主から下ったのである。だから目を開く者は自分の魂を益し,目を閉ざす者は自分の魂を傷つける。わたしはあなたがたが行っていることの見張り人ではない。 [6.105] われはこのように印を提示する。これはかれらが,「あなたは,克明に教えられた。」と言い,また知識ある人々にそれを解明するためである。 [6.106] 主からあなたに啓示されたものに従え。かれの外に神はないのである。あなたは多神教徒から遠ざかりなさい。 [6.107] もしアッラーの御心があれば,かれらはかれ以外を崇拝しなかったであろう。われは,かれらの行為の監視をあなたに委ない。あなたはかれらの後見人でもない。 [6.108] あなたがたは,かれらがアッラーを差し置いて祈っているものを謗ってはならない。無知のために,乱りにアッラーを謗らせないためである。われはこのようにして,それぞれの民族〔ウンマ〕に,自分の行うことを立派だと思わせて置いた。それからかれらは主に帰る。その時かれは,かれらにその行ったことを告げ知らされる。 [6.109] かれらは,非常に厳かにアッラーにかけて誓い,「もし印がかれらに下るならば,必ずそれを信仰するのに。」と言う。言ってやるがいい。「すべての印は,ただアッラーの御許にある」。だが,たとえ印が来ても,かれらが信じないことを,どのようにしてあなたがたに分からせようか。 [6.110] かれらが最初これを信じなかった時のように,われはかれらの心と目を混乱させて,かれらの反逆を放任し,当てもなくさ迷わせるであろう。 [6.111] 仮令われが,かれらの天使たちを遣し,また死者がかれらに語りかけ,また凡てのものを,かれらの前に集めても,もしアッラーが御好みにならない限り,かれらはきつと信じないであろう。全くかれらの多くは,無知なのである。 [6.112] こうしてわれは,どの預言者にも一つの敵を作った。それは,人間とジンの中の悪魔であって,そのある者が他を感激させ,はなやかな言葉で,唆し騙している。主の御心でないならば,かれらはそうしなかったであろう。だからかれらのその虚偽を放って置きなさい。 [6.113] 来世を信じない者の心をそれに傾かせてかれらをそれで喜ばせ,その行っていることに満足させるためである。 [6.114] (言ってやるがいい。)「どうしてわたしがアッラー以外に裁きを求めようか。かれこそは,詳細に説明された啓典を,あなたがたに下された方ではないか。」われが啓典を授けた程の者ならば,それがあなたの主から,真理によって下されたことを知っている。だからあなたは疑う者の仲間になってはならない。 [6.115] あなたの主の言葉は,真実公正に完成された。誰もかれの言葉を変えることは出来ない。かれは全聴にして全知であられる。 [6.116] あなたがもし地上の多くの者に従うならば,かれらはアッラーの道からあなたを迷わすであろう。かれらは只臆測に任せて,虚言をこととするに過ぎない。 [6.117] 本当にあなたの主は,かれの道から迷い去った者を最もよく知っておられる。また正しく導かれた者を最もよく知っておられる。 [6.118] だからあなたがたが,もしアッラーの啓示を信じるならば,かれの御名が唱えられたものを食べなさい。 [6.119] あなたがたは,アッラーの御名が唱えられたものを,どうして食べないのか。かれは,あなたがたに禁じられるものを,明示されたではないか。だが,止むを得ない場合は別である。本当に多くの者は,知識もなく気まぐれから(人びとを)迷わす。あなたの主は,反逆者を最もよく知っておられる。 [6.120] 公然の罪も内密の罪も避けなさい。本当に罪を犯した者は,その行ったことに対し報いを受けるであろう。 [6.121] またアッラーの御名が唱えられなかったものを食べてはならない。それは実に不義な行いである。しかし悪魔は,自分の友を唆し,あなたがたと議論させようとする。あなたがたがもしかれらに従うならば,あなたがたは正に多神教徒である。 [6.122] 死んでいたものに,われは生命を授け,また光明を与える。これによって人びとの間を往来する者と,暗黒の中にあってそれから出られないような者と同じであろうか。このように不信者には,その行っていたことを立派だと思わせるのである。 [6.123] このようにわれは,それぞれの町の有力者を罪深い者にして,そこで策謀させる。しかしかれらは自分自身に対して策謀するだけで,それに自ら気付かない。 [6.124] (主から)一つの印がかれらにやって来れば,「アッラーの使徒たちに与えられたようなものが,わたしたちに下るまでは信じないであろう。」と言う。アッラーは何処で(また如何に)かれの使命を果たすべきかを,最もよく知っておられる。やがて罪深い者は,その(しでかした)凡ての策謀に対して,アッラーの御許で屈辱と痛烈な刑を受けるであろう。 [6.125] 凡そアッラーが導こうと御望みになった者は,イスラームのためにその胸を開く。だが迷うに任せようと御考えになった者には,その胸をまるで天に登ろうとするかのようにしめせばめる(もがき苦しめる)。このようにアッラーは,信仰を拒否する者に恥辱を加えられた。 [6.126] これがあなたの主の道,正しい道である。われは訓戒を受け入れようとする民のために,印を詳細に示す。 [6.127] かれらは,主の御許に平安な住まいを得る。かれは,かれらの行った(正しい行いの)ためにかれらの保護者となられる。 [6.128] かれが一斉にかれらを召集される日,(主は)「ジンの方々よ,あなたがたは人びとの多くを惑わせたのである。」(と仰せられよう。)人びとの中,かれら(ジン)の友がいて言う。「主よ,あたしたちは互いに利用し合いましたが,あなたがわたしたちに定められた期限が到来しました。」かれは仰せられよう。「業火があなたがたの住まいである。」アッラーの御好みになる限り,永遠にその中に住むであろう。本当にあなたの主は英明にして全知であられる。 [6.129] このようにわれは,かれらが行ったことのために,不義の徒は不義の徒同志で近寄らせる。 [6.130] 「ジンと人間の方々よ,あなたがたの間から挙られた使徒たちが,あなたがたの許に来て,わが印をあなたがたのもとに復唱し,あなたがたのこの日の会見に就いて,警告しなかったのか。」かれらは申し上げるであろう。「わたしたちは,自分の意に反し証言いたします。」本当に現世の生活がかられを感わせ,自分が不信者であったことを,自分の意に反して証言する。 [6.131] これはあなたの主がその民の(犯した不義を自ら)意識しない中に,乱りに町を滅ぼされないためである。 [6.132] 各人にはその行ったことに応じて,種々の等級があろう。あなたの主は,かれらの行ったことを見逃しになさらない。 [6.133] あなたの主は満ち足られる御方,慈悲深き主であられる。もしかれが御好みになられるならば,あなたがたを追放することも出采,御心に適う者にあなたがたを継がせられる。丁度外の民の子孫から,あなたがたを興されたように。 [6.134] 本当にあなたがたに約束されたことは必ず到来する。あなたがたは(それを)逃がれることは出来ない。 [6.135] 言ってやるがいい。「わたしの人びとよ,あなたがたの仕方で行いなさい。わたしもまた(わたしの務めを)行う。あなたがたはこの終局の住まいが,誰のものかをやがて知ろう。不義を行う者は,決して成功しないであろう。」 [6.136] かれらは,アッラーが創られた穀物と家畜の一部分を勝手な空想によって(供えて),「これはアッラーに,そしてこれはわたしたちの神々に。」と言う。だが神々に供えたものはアッラーには達しない。そしてアッラーに供えたものが,かれらの神々に達する。かれらの判断こそ災いである。 [6.137] こうしてかれらの神々は,多くの多神教徒を魅了してかれらの子女を殺すようにしむけた。これはかれらを滅ぼし,また人々の宗教を混乱させるためである。もしアッラーの御心があれば,かれらはそうしなかったであろう。だからかれらとその捏造したものを放って置け。 [6.138] またかれらは「これこれの家畜と穀物は禁じられる。わたしたちが許す者の外に,誰も食べることは出来ない。」などとかれらの勝手な決断により,背中が禁忌になっている家蓄,また(屠殺にさいし)それに,アッラーの御名を唱えない家畜などと(捏造して)言う。(これらは凡て)かれに対する捏造である。かれはこの捏造に照らし,やがて報われるであろう。 [6.139] またかれらは言う。「この家畜の胎内にあるものは,わたしたち男の専用であり,わたしたちの女には禁じられる。だが死産の場合は,誰でも皆それにあずかれる。」かれは,かれらの虚構に対しやがて報われる。本当にかれは英明にして全知であられる。 [6.140] 無知のため愚かにもその女児を殺し,アッラーがかれらに与えられたものを禁じ,またアッラーに対し捏造する者たちは,正に失敗者である。かれらは確かに迷った者で,正しく導かれない。 [6.141] かれこそは棚を備えた果樹園,また棚のない果樹園を創られる御方であり,またナツメヤシや様々な味の異なった農作物,とオリーブ,ザクロその外同類異種のものをも(創られた御方である)。実が熟したならば食べなさい。収穫の日には,定めの喜捨を供出し,浪費してはならない。本当にかれは,浪費の徒を御愛でになられない。 [6.142] また,家畜のあるものは荷を負い,あるものは食用である。アッラーがあなたがたに与えるものを食べ,悪魔の歩みに従ってはならない。かれはあなたがたにとって,公然の敵である。 [6.143] 羊2対とヤギ2対からなる8頭の雌雄。言ってやるがいい。「かれは,2雄または2雌,と2雌の胎内にあるものの,どれを禁じられたのか。あなたがたが誠実ならは,知っているところをわたしに告げなさい。」 [6.144] また,ラクダ2対と牛2対。言ってやるがいい。「かれは,2雄または2雌,と2雌の胎内にあるもののどれを,禁じられたのか。アッラーがこれをあなたがたに命じられる時,あなたがたはその場にいたのか。知識もなく人を迷わせるために,アッラーに就いて虚偽を捏造するより,甚たしい不義があろうか。誠にアッラーは,不義を行う民を導かれない。」 [6.145] 言ってやるがいい。「わたしに啓示されたものには,食べ度いのに食べることを禁じられたものはない。只死肉,流れ出る血,豚肉――それは不浄である――とアッラー以外の名が唱えられたものは除かれる。だが止むを得ず,また違犯の意思なく法を越えないものは,本当にあなたの主は,寛容にして慈悲深くあられる。」 [6.146] ユダヤの(法に従う)者には,われは凡ての爪のある動物を禁じ,また牛と羊は,その脂を禁じた。只背と内臓に付着し,または骨に連なった脂は,別である。これは,かれらの不正行為に対する応報で,われは本当に真実である。 [6.147] それでもかれらがあなたを虚言者であるとするなら,言ってやるがいい。「あなたがたの主は慈悲深い主で,凡てを包容なされる方である。だが不義の民は,かれの懲罰は免れられない。」 [6.148] (アッラー以外に神々を) 崇拝する者は言うであろう。「アッラーが御好みになられるならば,わたしたちも祖先も(他の神々を)崇めず,また何も禁じなかったであろうに。」このようにかれら以前の者も,われの懲罰を味わうまでは(真理)を信しなかった。言ってやるがいい。「あなたがたは,果たして知識があるのか。それならわたしたちに現わせ。あなたがたは,只臆測に従うだけ。本当にあなたがたは,真実ではないことを言うに過ぎない。」 [6.149] 言ってやるがいい。「最後の論証は,アッラーに属する。かれが御好みになられるならば,あなたがたを一勢に導かれたであろう。」 [6.150] 言ってやろがいい。「アッラーはこれを禁じられたと証言出来る,あなたがたの証人を連れて来なさい。」仮令かれらが証言しても,あなたはかれらと一緒に証言してはならない。またわが印を偽りであるとする者の,虚しい要望に従ってはならない。かれらは来世を信じないで,またかれらの主に同位のものを配する者たちである。 [6.151] 言ってやるがいい。「さて,わたしは主があなたがたに対し禁じられたことを,読誦しよう。かれに何ものでも同位者を配してはならない。両親に孝行であれ。困窮するのを恐れて,あなたがたの子女を殺してはならない。われは,あなたがたもかれらをも養うものである。また公けでも隠れていても,醜い事に近付いてはならない。また,アッラーが神聖化された生命を,権利のため以外には殺害してはならない。このようにかれは命じられた。恐らくあなたがたは理解するであろう。 [6.152] 孤児が成人に達するまでは,最善の管理のための外,あなたがたはその財産に近付いてはならない。また十分に計上し正しく量れ。われは誰にもその能力以上のことを負わせない。またあなたがたが発言する時は,仮令近親(の間柄)でも公正であれ。そしてアッラーとの約束を果しなさい。このようにかれは命じられた。恐らくあなたがたは留意するであろう。 [6.153] 本当にこれはわれの正しい道である,それに従いなさい。(外の)道に従ってはならない。それらはかれの道からあなたがたを離れ去らせよう。このようにかれは命じられる。恐らくあなたがたは主を畏れるであろう。」 [6.154] 以前,われはムーサーに啓典を授けた。これは善行をする者に対する完全,無欠の啓典であり,凡てのことを詳細に解明し,導きであり, 慈悲である。恐らくかれらは,主との会見を信じるであろう。 [6.155] だがこれ(クルアーン)は,われが下した祝福された啓典である。だからこれに従って,あなたがたの義務を尽くしなさい。恐らくあなたは,慈悲に浴するであろう。 [6.156] (これは,)あなたがたに,「啓典はわたしたち以前に,唯二つの宗派にだけ下された。わたしたちはかれらの読むものに,不案内であった」と言わせないためである。 [6.157] またあなたがたに「もしわたしたちに啓典が下されたならば,きっとかれらよりもよく導きに従ったであろうに。」と言わせないためである。今あなたがたの主からの明証,と導きと慈悲とが正に(湾?)されている。それでもアッラーの印を偽りであるとして,それから背き去る以上に甚しい不義の徒があろうか。わが印から背き去った者を,われはやがて背き去ったことのために,厳しい懲罰で報いるであろう。 [6.158] かれらは,只天使たちがやって来るのを待つのか,または主が隠まれるか,または(審判の日の接近を知る)主の印の一部がやって来るのを待つばかりである。主の何らかの印がやって来る日,前もって信仰して善行に励んでいない限り,かれらの信仰が魂に役だつことはないであろう。言ってやるがいい。「あなたがたは待て。わたしも待つものである。」 [6.159] かれらの教えから離れて分派した者に就いては,あなたは少しも関わりはない。かれらのことは,アッラーの御手に委ねよ。かれはその行ったことを,間もなくかれらに告げ知らせられる。 [6.160] 善いことを行う者は,それと同じようなものを10倍にして頂ける。だが悪いことを行う者には,それと等しい応報だけで,かれらは不当に扱われることはないであろう。 [6.161] 言ってやるがいい。「本当に主は,わたしを正しい道,真実の教え,純正なイブラーヒームの信仰に導かれる。かれは多神教徒の仲間ではなかった。」 [6.162] (祈って) 言ってやるがいい。「わたしの礼拝と奉仕,わたしの生と死は,万有の主,アッラーのためである。 [6.163] かれに同位者はありません。このように命じられたわたしは,ムスリムの先き駆けである。」 [6.164] 言ってやるがいい。「アッラーは凡てのものの主であられる。あたしがかれ以外に主を求めようか。」各人はその行いに対する以外に,報酬はないのである。重荷を負う者は,外の者の重荷を負わない。やがてあなたがたは,主の御許に帰るのである,その時かれはあなたがたの争ったことに就いて,告げ知らせられる。 [6.165] かれこそはあなたがたを地上の(かれの)代理者となされ,またある者を外よりも,位階を高められる御方である。それは与えたものによって,あなたがたを試みられるためである。あなたの主は懲罰する際は極めて速い。しかし,本当にかれは寛容にして慈悲深くあられる。 @AL A'RAAF 慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において。 [7.1] アリフ・ラーム・ミーム・サード。 [7.2] (これは)あなたに下した啓典である。あなたはそれで,もう意気そそうしてはならない。あなたが信者たちに訓戒し,警告するため(に下されたもの)である。 [7.3] (人びとよ)主からあなたがたに下されたものに従い,かれ以外の保護者に従ってはならない。だがあなたがたの(中),教訓に留意する者は少ない。 [7.4] われは如何に多くの町を滅したことであろうか,わが力は夜の間に,またかれらの昼の休みに(突然)襲いかかる。 [7.5] わが懲罰がかれらに下った時,かれらは只「わたしたちは,本当に不義を行っていた。」と言うだけであった。 [7.6] それからわれは,使徒が遣された者たちを尋問し,また使徒たちをも尋問する。 [7.7] それからわれは,(確かな)知識に基づいてかれらに告げるであろう。「われは決して不在(の時および所)はないのである。」 [7.8] 量はその日,真正である。(善行の)目方の重い者は,成功する者である。 [7.9] また目方の軽い者は,わが印を軽んじたため自分を損う者である。 [7.10] われは地上において,あなたがた(人間)に力をもたせ,またあなたがたのため,そこに生計の道を授けた。だがあなたがたの(中),感謝する者は僅かである。 [7.11] われはあなたがたを創り,形を授け,それからわれは,天使たちに向かって,「アーダムにサジダしなさい。」と告げた。それで外のものは皆サジダしたが,悪魔〔イブリース〕はサジダした者の中に加わらなかった。 [7.12] かれは仰せられた。「われがあなたに命じた時,どうしてサジダしなかったのか。」悪魔は答えた。「わたしはかれよりも優れております。あなたはわたしを火から御創りになりましたが,かれを泥で創られました。」 [7.13] かれは仰せられた。「ここから落ちてしまえ。あなたはここで高慢であるべきではない。立ち去れ。あなたは本当に卑しむべき者である。」 [7.14] 悪魔は答えた。「かれらが甦らされる日まで,わたしを猶予して下さい。」 [7.15] かれは,「あなたは猶予されよう。」と仰せられた。 [7.16] 悪魔は答えた。「あなたがわたしを惑わされたので,わたしはあなたの正しい道の上で,人々を待ち伏せるであろう。 [7.17] そしてわたしは,かれらを前から,後ろから,右てからも左てからも襲いましょう。あなたはかれらの多くの者が,(御慈悲に対し)感謝しないことが御分かりになるでしょう。」 [7.18] かれは仰せられた。「恥辱を受けて追われて,ここから出て行け。凡そかれらの中あなたに従う者があれば,われはあなたがたの人々で地獄を満たすであろう。」 [7.19] (それからアーダムに仰せられた。) 「アーダムよ,あなたとあなたの妻は楽園に住み,随所であなたがた(の好むものを)食べなさい。只この樹に近付いて不義を犯してはならない。」 [7.20] その後悪魔〔シャイターン〕はかれらに(嘱?)き,今まで見えなかった恥かしいところを,あらわに示そうとして言った。「あなたがたの主が,この樹に近付くことを禁じられたのは,あなたがたが天使になり,または永遠に生きる(のを恐れられた)からである。」 [7.21] そしてかれは,かれら両人に誓っ(て言っ)た。「わたしはあなたがたの心からの忠告者である。」 [7.22] こうしてかれは両人を欺いて堕落させた。かれらがこの木を味わうと,その恥ずかしい処があらわになり,2人は園の木の葉でその身を覆い始めた。その時主は,かれらに呼びかけて仰せられた。「われはこの木をあなたがたに禁じたではないか。また悪魔〔シャイターン〕は,あなたがたの公然の敵であると告げたではないか。」 [7.23] かれら両人は言った。「主よ,わたしたちは誤ちを犯しました。もしあなたの御赦しと慈悲を御受け出来ないならば,わたしたちは必ず失敗者の仲間になってしまいます。」 [7.24] かれは仰せられた。「あなたがたは落ちて行け,あなたがたは互いに敵となるであろう。あなたがたには地上に住まいと,一定の期間の恵みがあろう。」 [7.25] かれは仰せられた。「そこであなたがたは生活し,死に,またそこから(復活の時に)引き出されるであろう。」 [7.26] アーダムの子孫よ,われは,恥ずかしいところを覆い,また飾るために衣装をあなたがたに授けた。だが篤信という衣装こそ最も優れたものである。これはアッラーの印である。恐らくかれらは諭されるであろう。 [7.27] アーダムの子孫よ,あなたがたは悪魔に惑わされてはならない。かれが昔,あなたがたの祖先に,その恥ずかしいところを見せるため,かれら2人の衣を奪い,楽園から追われたように。かれ(悪魔)とかれの一味は,あなたがたの見えない所からあなたがたを見ている。本当にわれは悪魔を不信心な者たちの友とした。 [7.28] かれらは淫らなことをする時,「わたしたちは祖先が行うのを見た。またアッラーがこれをわたしたちに命じられた。」と言う。言ってやるがいい。「アッラーは決して淫らなことを命じられない。あなたがたはアッラーに就いて,知りもしないことをロにするのか。」 [7.29] 言ってやるがいい。「わたしの主は,正義を命じられる。それであなたがたは全霊をうち込み,何処のマスジドでも,かれに信心の誠を尽くして祈りなさい。最初あなたがたを創られたように,あなたがたは(かれに)帰るのである。 [7.30] かれはある一団の者を導かれ,またある一団の者には迷いを正当となされる。かれらはアッラーを差し置いて悪魔を保護者となし,正しい導きにあずかれると考えている。」 [7.31] アーダムの子孫よ,何処のマスジドでも清潔な衣服を体につけなさい。そして食べたり飲んだりしなさい。だが度を越してはならない。本当にかれは浪費する者を御好みにならない。 [7.32] 言ってやるがいい。「アッラーがしもぺたちに与えられた,かれからの(賜物)や,食料として(与えられた)清浄なものを,誰が禁じたのか。」言ってやるがいい。「これらのものは,現世の信仰する者たちのためのものであり,特に審判の日には完全に信者の専有するものとなる。」われはこのように印を,理解ある人々に解明する。 [7.33] 言ってやるがいい。「本当にわたしの主が禁じられたことは,あからさまな,また隠れた淫らな行いや罪,真理や道義に外れた迫害,またアッラーが何の権威をも授けられないものを崇拝すること。またアッラーに就いて,あなたがたが知らないことを語ることである。」 [7.34] それぞれの民には,一定の期限がある。だからその期限がやって来れば,一刻も遅らすことも出来ず,早めることも出来ない。 [7.35] アーダムの子孫よ,あなたがたの間から使徒がやって来て,わが印をあなたがたに語る時,主を畏れて身を修める者には,恐れもなく憂いもないであろう。 [7.36] しかしわが印を偽りであるとする高慢な者は,業火の住人として,その中に永遠に住むであろう。 [7.37] 凡そアッラーに就いて偽りを捏造し,またその印を拒否することより甚しい不義があろうか。それらの者には(主の)啓典に,(定められている)かれらの分け前が,到来するであろう。わが使徒(天使)がかれらを訪れて魂をとり上げる時,かれら(天使)は言う。「アッラーを差し置いて,あなたがたが祈っていたものは何処にいるのか。」かれらは言うであろう。「かれらは,わたしたちから逸れました。」かれらは自分で,本当に不信心であったことを立証する。 [7.38] かれは仰せられた。「あなたがたは以前に行った,ジンと人間の一団と共に火獄に入れ。」そして一団が火獄に入る度に,必ず(先に行った)仲間の一団を呪う。全部の者が,次々にその中に入ると,後の一団は最初の一団をさして言う。「主よ,わたしたちを迷わせたのは,これらの者です。だから2倍の火獄の刑罰を与えて下さい。」かれは仰せられよう。「誰もみな2倍(の刑罰が)与えられよう。だがあなたがたはそれを知らない。」 [7.39] また前の一団は,後の一団に向かって言うであろう。「あなたがたは,何もわたしたちに優るところはないのです。それであなたがたが行ったことに対し,懲罰を味わいなさい。」 [7.40] わが印を偽りであるとし,それに対し高慢であった者たちには,天の間は決して開かれないであろう。またラクダが針の穴を通るまで,かれらは楽園に入れないであろう。このようにわれは罪ある者に報いる。 [7.41] かれらには,臥床として地獄があり,その上は(層また層で)覆われよう。われはこのように不義なる者に報いる。 [7.42] だが信仰して善い行いに励む者は,われは誰にも,能力以上のものを負わせない。かれらは楽園の住人である。その中に永遠に住むのである。 [7.43] われはかれらの心の中の怨恨を除き,かれらの足元に川を流す。かれらは言うであろう。「わたしたちをこの(幸福)に御導き下された,アッラーを讃える。もしアッラーの御導きがなかったならば,わたしたちは決して(正しく)導かれなかったでありましょう。主の使徒たちは,確かに真理を伝えました。」(声があり)かれらは呼びかけられる。「これが楽園である。あなたがたは(正しい)行いのために,ここの居住者となれたのである。」 [7.44] 楽園の仲間は火獄の仲間に向かって叫ぶであろう。「わたしたちは主の約束が真実であることが分った。あなたがたも主の約束が真実であることが分ったか。」かれらは「はい」と答えるであろう。その時1人の告知人が,両者の間で叫ぶであろう。「アッラーの御怒りは,不義の徒の上に下るのだ。 [7.45] これらの者はアッラーの道から(人びとを)背かせ,また歪めようとした者であり来世を信じない者たちであった。」 [7.46] 両者の間には仕切りの壁があり,高い壁の上には印によって,凡ての者を見分ける人びとがいて,かれらは楽園に行く人を呼んで(言う)。「あなたがたに平安あれ。」かれらは望んでいるのだが,そこに入ることは出来ない。 [7.47] 次に目を火獄の住人の方に向けるとかれらは,「主よ,わたしたちを不義の人びとと一緒にしないで下さい。」と言うであろう。 [7.48] 高い壁の上にいる人びとは,その印によって見分けた人びとに向かって呼びかけて,言う。「あなたがたは(財を)積み,大いに自慢していたが何の役にも立たなかった。 [7.49] これらの人々は,アッラーがかれらには慈悲を施さないであろうと,あなたがたが断言した人びとではないか。(これらの人々に就いては)さあ楽園に入りなさい。あなたがたには,恐れもなく憂いもないであろう。」(と言われるであろう)。 [7.50] 火獄の仲間は楽園の仲間を呼んで(言う)。「わたしたちに水を注いでくれ。またはアッラーが,あなたがたに与えられたものを恵んでくれ。」かれらは(答えて)言う。「アッラーは,そのどちらをも,不信者には禁じられる。」 [7.51] かれらは自分の宗教を遊びや戯れと心得,またこの世の生活に欺かれた者たちである。それでかれらがこの日の会見を忘れ,またわが印を拒否していたように,今日われはかれらを忘れるであろう。 [7.52] われはまさに啓典をかれらに下し,知識によって詳しく述べた。これは信じる人びとへの導きであり,慈悲である。 [7.53] かれら(マッカの人びと)は,その解明を待つ以外にはない。その解明が行われる日になって,先にこれを軽視していた者は言うであろう。「主の使徒たちは,確かに真理を伝えたのだ。昔かれらがわたしたちのために執り成したように,執り成す者はないのか。それともわたしたちは(地上の生活に)返されて,わたしたちがしなかった行いをすることが出来ないのか。」実際に,かれらは自分の魂を滅ぼし,勝手に造りあげていたものたちはかれらから姿を消してしまった。 [7.54] 本当にあなたがたの主はアッラーであられる。かれは6日で天と地を創り,それから玉座に座しておられる。かれは昼の上に夜を覆わせ,夜に昼を慌ただしく相継がしめなされ,また太陽,月,群星を,命に服させられる。ああ,かれこそは創造し統御される御方ではないか。万有の主アッラーに祝福あれ。 [7.55] 謙虚にまた目立たない隠れたところで,あなたがたの主に祈れ。かれは教えに背く者を御好みになられない。 [7.56] 秩序が定められた後,地上で悪を行ってはならない。恐れと熱情をもってかれに祈れ。本当にアッラーの慈悲は,(常に)善行をなす者の近くにある。 [7.57] かれこそは,慈悲に先んじて吉報を(打?)す風を送られる御方である。それが(雨を)含んだ重い雲を運ベば,われはそれを死んでいる地に送って雨を降らせ,これによって各種の果実を生産させる。われはこのように死者を甦らせる。恐らくあなたがたは悟るであろう。 [7.58] 良い上には,主の御許しによって,草木が茂る。悪い上には,貧弱なものの外生長しない。われはこのように感謝する者のために,繰り返し各種の印を解明している。 [7.59] 先にわれはヌーフをその民に遺わした。かれは言った。「わたしの人びとよ,アッラーに仕えなさい。かれの外に神はないのである。本当にわたしは,偉大な日の懲罰をあなたがたのために恐れる。」 [7.60] かれの民の長老たちは言った。「本当にわたしたちは,あなたが明らかに間違っていると思う。」 [7.61] かれは(答えて)言った。「人びとよ,わたしは間違うことはない。それどころか,わたしは万有の主の使徒である。 [7.62] わたしはあなたがたに,主の神託を宣べ伝え,また助言を呈する。わたしはあなたがたが知らないことを,アッラーから知るものである。 [7.63] あなたがたの中の1人を通じ,主の訓戒があなたがたにやって来たことを驚くのか。そしてあなたがたに警告し,主を畏れるようにし,あなたがたを慈悲に浴させるであろう。」 [7.64] だがかれらはヌーフを拒否した。それでわれは,かれと方舟の中で一緒であったものたちを救い,わが印を偽りであるとした者たちを溺れさせた。本当にかれらは盲目の民であった。 [7.65] (われは)またアードの民に,その同胞のフードを(遣わした)。かれは言った。「わたしの人びとよ,アッラーに仕えなさい。あなたがたには,かれ(アッラー)の外に神はないのである。あなたがたは主を畏れないのか。」 [7.66] かれの民の中不信心な長老たちは言った。「わたしたちは,実際あなたを愚かな者だと思う。またあなたは,本当の嘘つきだと考える。」 [7.67] かれは言った。「人びとよ,わたしは愚か者ではない。それどころか,わたしは万有の主からの使徒である。 [7.68] わたしは,あなたがたに主の神託を宣べ伝え,また誠実な信頼出来るあなたがたへの助言者である。 [7.69] あなたがたの中の1人を通じて警告するために,主の訓戒があなたがたにやって来たことを驚くのか。主はあなたがたにヌーフの民の後継ぎをさせ,またあなたがたの体が強大にされたことを思いなさい。だからアッラーの恩恵を念じなさい。きっとあなたがたは成功するであろう。」 [7.70] かれらは言った。「あなたは,わたしたちがアッラーだけに仕え,わたしたちの祖先が仕えていたものを捨てさせるために来たのか。もしあなたが真実ならば,あなたが脅すものをわたしたちに(育?)せ。」 [7.71] かれは言った。「あなたがたの主の懲罰と御怒りは,既にあなたがたに下っている。あなたがたと,あなたがたの祖先が命名した(偶像の)名に就いて,アッラーが何の権威をも授けられないものに就いて,あなたがたはわたしと論争するのか。それなら待て。本当にわたしも,あなたがたと共に待っている者である。」 [7.72] それだからわれは慈悲をもって,かれと一緒にいる者たちを救い,わが印を拒否した者と信仰しなかった者たちを根絶してしまった。 [7.73] (われは)また,サムードの民にその同胞サーリフを(遣わした)。かれは言った。「わたしの人びとよ,アッラーに仕えなさい。あなたがたには,かれの外に神はないのである。今主から証があなたがたに下った。このアッラーの雌ラクダが,あなたがたへの印である。それでこれをアッラーの大地に放牧して食べさせなさい。そしてあなたがたが痛ましい懲罰に遭わないよう,それに害を加えてはならない。 [7.74] またかれは,アードの民の後をあなたがたに継がせ,その地に安住させられた時のことを思いなさい。あなたがたは平地に官殿を設け,また(岩)山に家を彫りこんだ。だからアッラーの御恵みを心に銘じて,悪を慎み,地上を乱してはならない。」 [7.75] その民の中の高慢な長老たちは,力がないと思われていた信仰する者たちに言った。「あなたがたはサーリフが,主から遺わされたことを知っているのか。」かれらは(答えて)言った。「わたしたちは,かれが遺わされた者であることを本当に信します。」 [7.76] 高慢な者たちは言った。「わたしたちは,あなたがたが信じるものを認めない。」 [7.77] そこでかれらは,かの雌ラクダの膝の健を切って不具にし,(屠殺し)かれらの主の命令を倣慢無礼にも無視して,かれらは言った。「サーリフよ,もしあなたが(本当に)使徒であるならば,ふりかかってくると言っているものを,わたしたちに(宙?)せ。」 [7.78] そこで大地震がかれらを襲い,翌朝かれらはその家の中に平伏していた。 [7.79] それで(サーリフは)かれらから去って言った。「わたしの人びとよ,確かにわたしは主の御告げを宣ぺ伝え,またあなたがたに助言をした。だがあなたがたは誠実な助言者を喜ばない。」 [7.80] また(われは)ルートを(遺わした),かれはその民に言った。「あなたがたは,あなたがた以前のどの世でも,誰も行わなかった淫らなことをするのか。 [7.81] あなたがたは,情欲のため女でなくて男に赴く。いやあなたがたは,途方もない人びとである。」 [7.82] かれの民は,只(互いに)こう言うだけであった。「かれらを,あなたがたの村から追い出せ。かれらは本当に清純ぶった人たちである。」 [7.83] こうしてわれは,かれ(ルート)の妻を除き,かれとその家族を救った。かの女は後の方になった遅れた者の仲間であった。 [7.84] われはかれらの上に,(瓦(際?)の)雨を降らせた。見なさい。罪に耽る者の最後がどんなものであったかを。 [7.85] (われは)また,マドヤンの民に,その同胞のシュアイブを(遺わした)。かれは言った。「わたしの人びとよ,アッラーに仕えなさい。あなたがたにはかれの外に神はないのである。今主からの証が,あなたがたに下ったのだ。だからきちんと寸法をとり,目方を量り,人を誤魔化してはならない。また秩序が定められた後,地上で悪を行ってはならない。もしあなたがたが信者であるならば,これはあなたがたのために最も良いことである。 [7.86] あなたがたは,(旅人を脅かすために)どの路上でも待伏せしてはならない。また信じる者をアッラーの道から妨げたり,曲げ(ようとし)てはならない。またあなたがたは少数であったが,かれが(如何に)数多くなされたかを思いなさい。また悪を行ったものの最後がどうであったかを見なさい。 [7.87] それからもしあなたがたの中に,わたしの遣わされた使命を信じる一団と,それを信じない一団とがある時は,アッラーがわたしたちの間を裁かれるまで待ちなさい。本当にかれは裁決に最も優れた御方であられる。」 [7.88] かれの民の中の高慢な長老たちは言った。「シュアイブよ,わたしたちは,あなたもあなたと一緒に信仰する者たちも,この町から追放するであろう。さもなければ,わたしたちの宗教に返るべきである。」かれは言った。「仮令わたしたちが(それを)忌み嫌っていてもなのですか。 [7.89] アッラーが,わたしたちをあなたがたの宗教から救助された後,もしわたしたちが(それに)戻ったならば,アッラーに対し嘘を捏造したことになってしまいます。またわたしたちの主,アッラーが御好みにならないならば,それに戻ってくることはわたしたちには不可能です。本当に主は,凡ての事物をその御知識に包容なされます。わたしたちはアッラーを信頼申し上げます。主よ,真理によって,わたしたちと人々の間を裁いて下さい。本当にあなたは裁決に最も優れた方であられます。」 [7.90] またその民の中の不信者の長老たちは言った。「あなたがたがもしシュアイブに従うならば,きっと失敗者になるでしょう。」 [7.91] それで大地震がかれらを襲い,かれらはその家の中に平伏していた。 [7.92] シュアイブを嘘つきと呼んだ者は,そこに住んでなかったようであった。誠にシュアイブを拒否した者たち,かれらは失敗者であった。 [7.93] それでかれはその民を去って言った。「人びとよ,本当にわたしは御告げを確実にあなたがたに伝え,また助言をしたのである。信仰しない人びとのために,どうしてわたしの心を痛めようか。」 [7.94] われは一つの町に,預言者を遺わす度に,謙虚になるように,何時も不幸と受難でそこの民を襲った。 [7.95] それからわれが災厄に替えて幸運を授け,裕福になると,かれらは言う。「わたしたちの祖先も,確かに災難と幸福にあったのです。」それでわれはかれらが気付かない時に,突然懲罰を加えた。 [7.96] これらの町や村の人びとが信仰して主を畏れたならば,われは天と地の祝福の扉を,かれらのためにきっと開いたであろう。だがかれらは(真理を)偽りであるとしたので,われはかれらの行ったことに対して懲罰を加えた。 [7.97] 町や村の人びとは,深夜かれらが眠っている間に訪れるわが激怒に対して,安心出来るのであろうか。 [7.98] また町や村の人びとは,昼間かれらが戯れている間に訪れるわが激怒に対して,安心出来るのであろうか。 [7.99] かれらはアッラーの計画に対して安心出来るのであろうか。アッラーの計画に対し安心出来るというのは,失敗する(運命にある)者だけである。 [7.100] そこの(減び去った)住民の後,その地を継いだ者たちにとって,すなわちわれがもし望むならば,自らの罪によって滅ぼすことも出来る。またわれはかれらの心に封印をして,聞く耳を持たなくしてしまうことも出来るということは。 [7.101] これらは,われがある消息に就いて,あなたに述べた町や村である。使徒たちは,証をかれらに(湾?)した。だがかれらは以前に拒否したので,信じようとはしなかったのである。このようにアッラーは,不信者の心を封じられる。 [7.102] われはかれらの大部分の者に,契約を(忠実に)果す者を見いだすことが出来ない。寧ろかれらの大部分が確かに主の掟に背く者であることが分った。 [7.103] それからかれらの後に,われはムーサーを,わが印を携えて,フィルアウンとその長老たちに遣わした,だがかれらはそれを拒否した。それで不義を行う者の最後が,どんなものであるかを見なさい。 [7.104] ムーサーは言った。「フィルアウンよ,わたしは,万有の主から遺わされた使徒である。 [7.105] わたしは当然のことながらアッラーに就いて真理の外何も言わない。わたしはあなたがたに,主からの明証を(有?)したのである。だからイスラエルの子孫を,わたしと一緒に行かせなさい。」 [7.106] (フィルアウンは) 言った。「もしあなたが印を(強?)し,あなたの言葉が真実なら,初めにそれ(証)を現わせ。」 [7.107] そこでかれは自分の杖を投げた。見なさい。それは明らかに蛇であった。 [7.108] またかれはその手を伸ばした。見なさい。それは誰の眼にも白かった。 [7.109] フィルアウンの民の長老たちは言った。「これは老練な魔術師だ。 [7.110] かれは,この国土からあなたがたを追出そうと望んでいる。さてあなたがたの主張はどうか。」 [7.111] かれらは(フィルアウン)に言った。「かれとその兄弟をしばらく退かせ,召集者を諸都市に遺わして, [7.112] 老練な魔術師をあなたの所に全員呼び出しては。」 [7.113] そこで魔術師たちはフィルアウンの許に来て言った。「わたしたちが勝ったならば,きっとわたしたちに報奨があるでしょう。」 [7.114] かれは言った。「そうだ。(その上)わたしはあなたがたを,必ずわたしの側近にするであろう。」 [7.115] かれらは言った。「ムーサーよ,あなたが投げるのか,それともわたしたちが(先に)投げるのか。」 [7.116] かれ(ムーサー)は言った。「あなたがたが(先に)投げなさい」。そこでかれらは投げて人々の目を惑わし,かれらを恐れさせ,大魔術を演出した。 [7.117] その時われはムーサーに,「あなたの杖を投げなさい。」と啓示した。すると見よ。それはかれらの瞞ものを(皆)呑み込んでしまった。 [7.118] こうして真理が現われ,かれらの行ったことは虚しくなり, [7.119] かれらは打ち負かされ,縮み上がってしまった。 [7.120] 魔術師たちは身を投げ出してサジダし, [7.121] 言った。「わたしたちは,万有の主を信仰します, [7.122] ムーサーとハールーンの主を。」 [7.123] フィルアウンは言った。「あなたがたは,わたしが許さないうちにかれを信仰するのか。確かにこれはあなたがたの町で企んだ陰謀で,ここの民を追出そうとするのだ。だがあなたがたはやがて知るであろう。 [7.124] わたしはあなたがたの手と足を,必ず互違いに切断し,それから皆を十字架にかけるであろう。」 [7.125] かれらは言った。「本当にわたしたちは,主の許に帰されるのです。 [7.126] だがあなたがたは,主の印がわたしたちの許に来て,わたしたちが単にそれを信仰するというだけで,わたしたちに報復されるのですか。主よ,わたしたちに忍耐を与え,ムスリムとして死なせて下さい。」 [7.127] フィルアウンの民の長老たちは言った。「(王様よ)あなたはムーサーとその民が国内を乱し,あなたとあなたの神々を捨てるのを放っておくのですか」かれは言った。「わたしたちはかれらの男児を殺して,女児を生かしておこう。わたしたちは,かれらにたいして権威をもっている。」 [7.128] ムーサーはその民に言った。「アッラーの御助けを祈り,耐え忍べ。本当に大地はアッラーの有である。かれは御好みになるしもべたちに,これを継がせられる。最後は(主に対し)義務を果す者に,帰するのである。」 [7.129] かれは言った。「わたしたちは,あなた(ムーサー)がやって来る以前も,またやって来てから後も迫害を被った。」かれは言った。「これは主が,あなたがたの敵を滅ぼし,あなたがたにこの地を継がせ,どのようにあなたがたが行うかを御覧になるであろう。」 [7.130] われはフィルアウンの一族を,連年飢鐘と,収穫の減少で襲った。恐らくかれらは訓戒を受け入れるであろう。 [7.131] だがかれらは良いことが来れば,「これはわたしたちにとって当然です。」と言い,悪いことが臨めば, ムーサーとかれと共にいる人びとが((西?)す)不幸だとする。聞け。かれらの凶運は,アッラーの定められるもの。だがかれらの多くは理解しない。 [7.132] かれらは言った。「あなたがどんな印を(強?)してわたしたちを魅惑しようとしても,わたしたちは決してあなたを信じません。」 [7.133] そこでわれはかれらに対し,様々な明証として洪水やバッタやシラミ,カエルや血などを送った。だがかれらは高慢な態度を続け,罪深い民であった。 [7.134] 災厄がかれらに下る度に,かれらは言った。「ム-サーよ,わたしたちのためにあなたと約束されたというあなたの主に祈ってくれ。あなたがもしわたしたちからこの災厄を除くならば,わたしたちはきっとあなたを信じ,イスラエルの子孫をあなたと一緒に,きっと帰らせるであろう。」 [7.135] だが,定められた期限になって,われがかれらから災厄を除く度に,見なさい。かれらは(その約束を)破ろ。 [7.136] それでわれはかれらへの報いとして,かれらを海に溺れさせた。これはかれらがわが啓示を拒否し,それを軽視したためである。 [7.137] われは無力と思われていた民に,われが祝福した東と西の各地を継がせた。(よく)耐え忍んだために,イスラエルの子孫の上に,あなたの主の善い言葉が全うされた。そしてわれはフィルアウンとその民がうち建てたもの,また築造していたものを破壊した。 [7.138] われはイスラエルの子孫に海を渡らせたが,かれらはある偶像に仕えているある民族のところに来た。かれらは言った。「ムーサーよ,かれらが持っている神々のような一柱の神を,わたしたちに置いてくれ」。かれは言った。「本当にあなたがたは無知の民である。 [7.139] 本当にこれらのものが奉じているものは滅び,またかれらの行うことも無益である。」 [7.140] かれは言った。「わたしはあなたがたのため,アッラーの外に神を求めようか。かれは諸民族の上に,あなたがたを優遇されているではないか。」 [7.141] われがフィルアウンの一族から,あなたがたを救った時を思いなさい。かれらはあなたがたを悪い刑罰で悩ましていた。かれらはあなたがたの男児を殺し,女児を生かして置いた。本当にその中には,あなたの主からの,重大な試練があったのである。 [7.142] またわれはムーサーに(律法を授ける期間として)30夜を約束したが,更に10(夜)を加えた。それで主が定められた期限は40夜となった。ムーサーは,兄弟のハールーンに言った。「あなたはわたしに代って人々を統治しなさい。正しく行動し,悪を行う者の道に従ってはならない。」 [7.143] ムーサーがわれの約束した時に来て,主がかれに語りかけられた時,かれは申し上げた。「主よ,あなたに拝謁が出来るように,(親しく)わたしに姿を御現わし下さい。」かれは仰せられた。「あなたは決してわれを見ることは出来ない。だがあの山を見よ。もしそれが,相変わらずその所に安定しておれば,そこにあなたはわれを見るであろう。」主がその山に(神の御光を)現わして山を粉みじんにすると,ムーサーは(余りにも恐ろしいので)気絶して倒れた。意識が回復した時かれは言った。「あなたの栄光を讃えます。わたしは悔悟してあなたに帰依し,わたしは信仰する者の先き駆けとなります。」 [7.144] かれは仰せられた。「ムーサーよ,本当にわれは,わが啓示と御言葉によってあなたを万人の上に選んだ。だからわれの授けたものをしっかりと身に付け,感謝する者の一人となりなさい。」 [7.145] そしてわれは,かれのために一切の事物に関する訓戒と,凡のことの解釈とを,碑の上に記して(言った)。「これをしっかり守れ。またあなたの人びとに,その中の最も優れた(道)を守るよう命じなさい。われは主の掟に背く者の住まいを,やがてあなたがたに示すであろう。 [7.146] また地上で正義を無視し,高慢である者に就いては,われが啓示から背き去らせるであろう。それでもかれらは,凡の印を見てもこれを信じない。また公正な道を見ても,それを(自分の)道としない。そして邪悪な道を見れば,それこそ(真の)道であるとしている。これはかれらがわが印を拒否して,それを軽視しているためである。」 [7.147] わが印と,来世における会見を偽りであるとする者の行いは無効である。かれらの行ったこと以外に,何が報いられようか。 [7.148] ムーサーの民は,かれの(去った)後,自分の装飾品で鳴き声の出る形だけの仔牛を造った。かれらはそれがものも言わず,また道案内も出来ないことが分らないのか。かれらはそれを(神として)とり,不義を行った。 [7.149] かれらは自分たちの過ちが分り,酷く悔やんだ時に言った。「本当に主が慈悲を施こされず,またその御赦しがなかったならば,わたしたちはきっと失敗者の仲間であった。」 [7.150] ムーサーはその民の許に帰った時,激怒し,悲しんで言った。「あなたがたが,わたしの不在中に行ったことは災いである。あなたがたは主の審判を催促するのか。」かれは板碑を投げ,かれの兄の頭(の髪)を(掴?)んでぐっと引き寄せた。かれ(ハールーン)は言った。「わたしの母の子よ,本当に人びとはわたしを無力だとし,またわたしをほとんど殺さんばかりであった。だからわたし(の手落ち)に対し,敵を喜ばせないでくれ。またわたしを不義の人々と一緒に見なさないでくれ。」 [7.151] かれ(ムーサー)は(祈って)言った。「主よ,わたしとわたしの兄を赦し,あなたの慈悲に浴させて下さい。本当にあなたは,慈悲深い者の中でも最も慈悲深い方です。」 [7.152] 本当にこれら,仔牛を(崇拝の対象と)した者たちは主の激怒に触れて,この世の生活でも屈辱を受けるであろう。このようにわれは嘘いつわりを作り出す者に報いる。 [7.153] しかし悪い行いをした者でも,その後に悔悟して信仰する者にたいしては,本当にあなたの主は寛容にして慈悲深くあられる。 [7.154] ムーサーは怒りが静まると,板碑を取り上げた。その上には,主を畏れる者への導きと慈悲が記されていた。 [7.155] それからムーサーは,われ(との会見)の時のために自分の民を70人選んだ。その時大地震がかれらを襲ったので,かれは言った。「主よ,あなたがもし御好みになったならば,(このことの)前に,かれらとわたしを滅ぼされたでしょう。あなたはわたしたちの中の無知な者の行いのために,わたしたちを滅ぼされるのですか,これは,只あなたの試みに過ぎません。あなたは御望みの者を迷わせ,また御望みの者を導かれます。あなたはわたしたちの愛護者であります。それで,わたしたちを赦して,慈悲を施して下さい。あなたは,最も寛容な御方でいらっしゃいます。 [7.156] またわたしたちのために,現世も来世でも,幸福を授けて下さい。本当にわたしたちは,改峻してあなたの許に戻って来ました。」かれは仰せられた。「われは,自分が欲する者に懲罰を加える。またわれの慈悲は,凡てのものにあまねくおよぶ。それ故われは,主を畏れ,喜捨をなし,またわが印を信じる者にそれを授けるであろう。 [7.157] かれらは文字を知らない預言者,使徒に追従する者たちである。かれはかれらのもっている(啓典)律法と福音の中に,記され見い出される者である。かれは正義をかれらに命じ,邪悪をかれらに禁じる。また一切の善い(清い)ものを合法〔ハラール〕となし,悪い(汚れた)ものを禁忌〔ハラーム〕とする。またかれらの重荷を除き,かれらの上の束縛を解く。それでかれ(使徒)を信じる者は,かれを尊敬し,かれを助けて,かれと共に下された御光に従う。これらの人びとこそは成功する者たちである。」 [7.158] 言ってやるがいい。「人びとよ,わたしはアッラーの使徒として,あなたがた凡てに遺わされた者である。天と地の大権は,かれのものである。かれの外に神はなく,かれは生を授け死を与える御方である。だからアッラーと御言葉を信幸する,文字を知らない使徒を信頼しかれに従え。そうすればきっとあなたがたは導かれるであろう。」 [7.159] ムーサーの民の中で,真理によって(人びとを)導き,またそれによって裁いた一団がある。 [7.160] われはかれらを12の支部族に分けた。ムーサーの民がかれに水を求めた時,われは,「あなたの杖で岩を打て。」と啓示した。するとそこから12の泉が湧き出で,各支部族は自分の水飲み場を知った。われはまた(厚い)雲でかれらの上に影(の傘)を与え,マンナとウズラを下して,「われがあなたがたに授ける善いものを食べなさい。」(と告げた)。(だがかれらは背いた。)かれらはわれを害したのではない。只自分(の魂)を害しただけである。 [7.161] かれらに向ってこう仰せられた時を思え。「あなたがたはこの町に住み,勝手に自分の好むものを食べなさい。だが,『御許し下さい』と言い,頭を低くして門を入れ。われはあなたがたの罪過を赦す。善いことをする者には,(報奨を)加えるであろう。」 [7.162] しかしかれらの中で不義を行う者は,かれらに説明されたものを外の語に言い替え,不義を繰り返したので,われは天から懲罰を下した。 [7.163] 海岸の町(の人びと)に就いて,かれらに問え。かれらが安息日(の禁)を破った時のことを,魚群はかれらの安息日に水面に現われやって来ていた。だがかれらが安息日の禁を守らなかった時は,それらはやって来なくなったではないか。このようにわれはかれらを試みた。かれらが主の掟に背いていたためである。 [7.164] かれらの中の一団がこう言った時(を思え)。「何故あなたがたは,アッラーが絶滅され,また激しい懲罰をしようとされる民に訓戒するのか。」かれら(布教者)は言った。「あなたがたの主に,罪の御許しを願うためである。そうすればかれらは主を畏れるであろう。」 [7.165] それでかれらが与えられている訓戒を無視した時,われは,悪を避けた者を救い,不義を行う者には恥ずべき懲罰を加えた。(それは)かれらが主の掟に背いていたためである。 [7.166] それでかれらが倣慢に禁じられていることを犯した時,われはかれらに言った。「あなたがたは猿になれ。軽蔑され,嫌われてしまえ。」 [7.167] あなたがたの主が,審判の日までかれら(ユダヤの民)に対し,厳しい懲罰を負わせる者を,遣わされ,宣告された時を思え。本当に主は懲罰に迅速で,またかれは本当に寛容にして慈悲深くあられる。 [7.168] われはかれらを,地上で多数の集団に分散した。そのある者は正しい人物であるが,ある者はそうではない。われは緊栄と逆境でかれらを試みた。恐らくかれらは,(われに)戻ってくるであろう。 [7.169] それから(不良の)子孫が,かれらの後を継いで啓典を継承したが,かれらは現世の虚しい物を受けとって、「(どんなことでも)必ずわたしたちを御赦しになろう」と言っていた。そしてもし同じような賜り物がかれらに来れば,(また)それを受け入れる。アッラーに関し真理の外,語ってはならないことは,(あなたがたの)啓典での約束ではなかったのか。しかもかれらは,その中にあることを学んでいたではないか。主を畏れる者にとっては,来世の住まいこそ最も優れている。あなたがたは理解しないのか。 [7.170] 啓典によって(自分の生活を)堅持し,礼拝の務めを守る者,本当にわれは,このような身を修める者への報奨を決して虚しくしない。 [7.171] われがかれらの上で天蓋のように山を揺り動かし,かれらがそれが自分たちの上に落ちてくると考えた時を思え。(その時われは言った。)「われがあなたがたに授けたもの(啓典)を堅く守り,その中にあることを銘記せよ。そうすればあなたがたは,主を畏れるであろう。」 [7.172] あなたがたの主が,アーダムの子孫の腰からかれらの子孫を取り出され,かれらを自らの証人となされた時を思え。(その時かれは仰せられた。)「われは,あなたがたの主ではないか。」かれらは申し上げた。「はい,わたしたちは証言いたします。」これは復活の日にあなたがたに,「わたしたちは,このことを本当に注意しませんでした。」と言わせないためである。 [7.173] 「また,先に神々を崇拝したのはわたしたちの祖先で,わたしたちはその後の子孫です。あなたは,虚偽に従う者が行ったことのためにわたしたちを滅ぼされますか。」と言わせないためである。 [7.174] このようにわれは,印を詳しく述べる。恐らくかれらは,(われに)戻ってくるであろう。 [7.175] (ムハンマドよ)われが下した印を授かりながら,それを脱ぎ捨て,それで悪魔が(愚?)いて,邪道に導く者の仲間となった者の話をかれらに告げなさい。 [7.176] もしそれがわが意志であったならば,われはそれ(印)によってかれを引きたてたであろう。 だがかれは地上の事に執着して,自分の虚しい私欲に従った。それでかれを譬えてみれば犬のようなもので,もしあなたがそれを叱り付けても,舌を垂れている。また放って置いても,舌を垂れている。これはわが印を信しない者の比(輪?)である。だからこの(昔の人びとの)物語を告げなさい。恐らくかれらは反省するであろう。 [7.177] 悪いのは(この)例のように,わが印を偽りであるとし,自らの魂を損っている者たちである。 [7.178] アッラーが導かれる者は,正しい道の上にあり,迷わせられる者は,等しく失敗者である。 [7.179] われは地獄のために,ジンと人間の多くを創った。かれらは心を持つがそれで悟らず,目はあるがそれで見ず,また耳はあるがそれで聞かない。かれらは家畜のようである。いやそれよりも迷っている。かれらは(警告を)軽視する者である。 [7.180] 最も美しい凡ての御名はアッラーに属する。それでこれら(の御名)で,かれを呼びなさい。かれの御名を冒(漬?)するものは放っておきなさい。かれらはその行ったことにより報いられるであろう。 [7.181] またわれが創った者の中には,真理によって(人を)導き,またそれに基づき公正に行う一団がある。 [7.182] わが印を拒否する者は,かれらの気付かないうちに,少しずつ(破滅に)落し入れられるであろう。 [7.183] かれらには猶子が与えられる。だがわが計画は,強(く免れられな)いのである。 [7.184] かれらは反省しないのか。かれらの仲間は気が狂ったのではない。かれは明らかに,一人の警告者に外ならない。 [7.185] かれらは天と地の大権に就いて観察し,またアッラーが創られた凡ての事物に就いて考察しないのか。またかれらに定められた時が,近くに迫っていると考えないのか。かれらはこの後に,どんな教説を信じようとするのか。 [7.186] アッラーが迷わせられた者に導きはない。かれは,かれらの倣慢さ故に,当てもなく迷うに任せられる。 [7.187] かれらは(最後の審判の)時に就いて,何時それがやって来るのかとあなたに問うであろう。言ってやるがいい。「それを知る方は,只わたしの主だけである。その時(最後の審判)を知らせて下さるのはかれの外にはない。それ(時)は,天でも地でも重い(重大事となる)。全く突然あなたがたにやって来る。」かれらはあなたが,それに就いて熟知しているかのように尋ねるであろう。言ってやるがいい。「それを知る方は,唯アッラーだけである。」だが人びとの多くは分からない。 [7.188] 言ってやろがいい。「わたしはアッラーが御好みにならない限り,自分自身のための利害すら自由に出来ない。わたしがもし幽玄界を知っているならば,わたしは善いことを増し,また災厄に会わなかったであろう。わたしは只の一人の警告者で,信仰する者への吉報を知らせる一人の伝達者に過ぎない。 [7.189] かれこそは,一個の魂(アーダム)からあなたがたを創り,互いに慰安を得るため,その妻を創られた御方であられる。かれがかの女と交わると,かの女は体内に軽い荷を負ったがそれでもかの女は(安易に)往来していた。そのうち重さが加わるようになると,かれらは両人の主,アッラーに祈って(言う)。「もしあなたが良い子をわたしたちに御授けになれば,わたしたちはきっと感謝を捧げます。」 [7.190] だがかれが両人に良い(子)を御授けになれば,かれらに授けられたことに対して,かれに同位の者を立てる。だがアッラーは,かれらが立てたものの上に高くおられる。 [7.191] かれらは何も創れない。またかれら自身が造ったものを,崇拝するのか。 [7.192] それらはかれらを助けられず,自分自身(さえ)も助けられない。 [7.193] 仮令あなたがたが導きのため,それらに呼びかけても,あなたに従わないであろう。あなたかたがそれらに呼びかけてもまた黙っていても,あなたがたにとっては同じことである。 [7.194] 本当にアッラーを差し置いて,あなたがたが祈るものは,あなたがたと同じようにかれのしもベである。もしあなたがたが真実なら,それらを呼んであなたがたの祈りに答えさせなさい。」 [7.195] それらは歩く足があるのか。持つ手があるのか。また見る目があるのか。聞く耳があるのか。言ってやるがいい。「あなたがたは(かれに配する)神々を呼ベ。直ぐわたしに向かって策謀してみよ。(隠?)(踏?)することはない。 [7.196] 本当にアッラーはわたしの愛護者であり,啓典を啓示された方である。かれは正義の徒を愛護なされる。 [7.197] だがあなたがたがかれを差し置いて祈るものは,あなたがたを助けることも,自分自身(さえ)も助けることは出来ない。」 [7.198] もしあなたがかれら(クライシュ族)を正道に招いても,かれらは聞かない。あなたはかれらが,あなたを見守っているのを見よう。だがかれらは見てはいないのである。 [7.199] (ムハンマドよ)覚容を守り,道理にかなったことを勧め,無知の者から遠ざかれ。 [7.200] また悪魔からの中傷があなたを悩ました時は,アッラーの加護を求めなさい。本当にかれは全聴にして全知であられる。 [7.201] 本当に主を畏れる者は,悪魔がかれらを悩ますとき,(アッラーを)念ずればたちどころに(真理に)眼が開くだろう。 [7.202] だがかれら(悪魔)の兄弟たちは,もっと深くかれらを誤りに引き込もうとして,決して手を緩めない。 [7.203] あなたが一つの印をもかれらに(湾?)さなかった時,かれらは言う。「あなたは何故それを(自分で)選ばないのか。」言ってやるがいい。「わたしは,只主からわたしに啓示されることに従うだけです。」それは,あなたがたへの主からの啓蒙であり,また信仰する者への導きであり,慈悲である。」 [7.204] それでクルアーンが読誦される時は,それを謹しんで聴き,また静粛にしなさい。恐らくあなたがたは慈悲を受けるであろう。 [7.205] またあなたがは朝夕,魂を込めて謙虚に,恐れ謹んで,言葉は大声でなく,あなたの主を唱念しなさい。おろそかな者の仲間となってはならない。 [7.206] 本当にあなたの主の側近にいる者は,かれを崇めるのに慢心することなく,かれの栄光を讃えて唱念し,かれにサジダする。〔サジダ〕 @AL ANFAAL 慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において。 [8.1] かれらは戦利品に就いてあなたに問う。言ってやるがいい。「戦利品はアッラーと使徒のものである。だからアッラーを畏れて,あなたがたの間の諸関係を公正に処理し,あなたがたが信者ならば,アッラーと使徒に従え。」 [8.2] 信者は,アッラーのことに話が進んだ時,胸が(畏敬の念で)戦く者たちで,かれらに印が読誦されるのを聞いて信心を深め,主に信頼する者たち, [8.3] 礼拝の務めを守り,われが授けたものを(施しに)使う者たち, [8.4] これらの者こそ真の信者である。かれらには主の御許にいくつもの段階があり,寛容と栄誉ある給養を与えられる。 [8.5] そのように主は真理のため,あなたをその家から出て行かせられる。だが信者の一部は,それを好まなかった。 [8.6] 真理が既に明瞭にされた後でも,かれらはそれに就いてあなたと論議する。それは丁度死を見ていながら,それに向かって追い立てられるかのように。 [8.7] またアッラーが,(敵の)2つの隊の中,1つはあなたがたのものであろう,と約束された時を思え。その時あなたがたは武装しない一隊が,あなたがたのものであるようにと望んだ。だがアッラーは御自分の御言葉により,真理を真理として立てられ,不信者が,根絶することを望まれる。 [8.8] 仮令罪のある者たちが嫌がっても,かれは真理は真理とし,虚偽は虚偽として立証されるためである。 [8.9] あなたがたが主に援助を歎願した時を思いなさい。その時あなたがたに答えられた。「われは,次ぎ次ぎに来る一千の天使であなたがたを助けるであろう。」 [8.10] アッラーは,只これをあなたがたへの吉報となされ,あなたがたの心をそれで安らげられる。勝利はアッラーからだけ(来る)。アッラーは偉力ならびなく英明な御方であられる。 [8.11] その時,かれは平安を与え,あなたがたを微睡で包み,また天から雨を降らせ,それであなたがたを清めて,悪魔の汚れを洗い去り,更にあなたがたの心を引き締めて,あなたがたの足場を,これ(雨)によって固められた。 [8.12] あなたの主が,天使たちに啓示された時を思いなさい。「われはあなたがたと一緒にいるのだ。信仰する者たちを堅固にせよ。」われは不信者たちの心の中に,恐れを染み込ませよう。その時あなたがたはかれらの首を刎ね,またそれぞれの指先を打ち切れ。 [8.13] これは,かれらがアッラーとその使徒に反抗したためである。アッラーとその使徒に反抗する者には,本当にアッラーは痛烈な懲罰を下される。 [8.14] これこそは,(主が行われる)不信者への火刑である。あなたがたはそれを味わえ。 [8.15] 信仰する者よ,あなたがたが不信者の進撃に会う時は,決してかれらに背を向けてはならない。 [8.16] その日かれらに背を向ける者は,作戦上または(味方の)軍に合流するための外,必ずアッラーの怒りを被り,その住まいは地獄である。何と悪い帰り所であることよ。 [8.17] あなたがたがかれらを殺したのではない。アッラーが殺したのである。あなたが射った時,あなたが当てたのではなく,アッラーが当てたのである。(これは)かれからの良い試練をもって,信者を試みになられたためである。 本当にアッラーは全聴にして,全知であられる。 [8.18] このようにアッラーは,不信者の計略を無力になされる。 [8.19] (不信者よ)もしあなたがたが決定を求めたのならば,その決定はもう来たのである。あなたがたが(不義な事を)止めるなら,それはあなたがたのために最もよい。もしあなたがたが(攻撃を)繰り返すなら,わたしたちも繰り返すであろう。あなたがたの軍勢が仮令多くても,あなたがたにとっては無益であろう。本当にアッラーは,信者たちと共においでになられる。 [8.20] あなたがた信仰する者よ,アッラーとその使徒に従え。(かれの言葉を)聞きながら,かれに背いてはならない。 [8.21] また,「わたしたちは聞いた」といいながら,耳を傾けない者のようであってはならない。 [8.22] 本当にアッラーの御許で最悪の罪人とは,(事理を)理解しない開かない物言わない者である。 [8.23] アッラーがもしかれらに良いところを認められれば,かれは必ずかれらに聞かせられる。だがかれが仮令聞かせられたとしても,かれらは(辞退して)背き去るであろう。 [8.24] 信仰する者よ,アッラーと使徒の呼びかけに応えなさい。アッラーが(使徒を通じて)あなたがたを(現世と来世で)生かすために呼びかけたときは。アッラーは,人間とその心の間に入られることを知れ。またあなたがたは,必ずかれに召集されるのである。 [8.25] また試みの災厄に対して,あなたがたの身を守れ。それはあなたがたの中不義を行う者(だけ)に下るものではない。アッラーは懲罰に厳正であることを知れ。 [8.26] あなたがたは地上において少数で弱く,虐待されていた時を思いなさい。人びと(マッカの多神教徒たち)があなたがたを,うち滅ぼしてしまうのではないかと恐れた。だがかれは避難所を与えられ,御助けによりあなたがたを強くされ,また種々の清きよいものを与えられた。恐らくあなたがたは,感謝するであろう。 [8.27] あなたがた信仰する者よ,アッラーとその使徒を裏切ってはならない。また故意に,あなたがたへの信頼を裏切ってはならない。 [8.28] あなたがたの財産と子女とは一つの試みであり,またアッラーはあなたがたへの最高の報奨を持つ方であることを知れ。 [8.29] 信仰する者よ,もしあなたがたがアッラーを畏れるならば,かれはあなたがたに識別を与え,あなたがたの諸悪を消滅し赦して下される。本当にアッラーは偉大な恩恵の主であられる。 [8.30] また不信心者たちが,あなた(ムハンマド)に対し如何に策謀したかを思い起しなさい。あなたを拘禁し,あるいは殺害し,あるいはまた放逐しようとした。かれらは策謀したが,アッラーもまた計略をめぐらせられた。本当にアッラーは最も優れた計略者であられる。 [8.31] またわが印がかれらに読誦された時,かれらは言った。「わたしたちは(先に)聞いている。もしわたしたちが望むならば,これらと同じことが言えるであろう。本当にこれは,昔の物語に過ぎない。」 [8.32] またかれらがこう言った時を思いなさい。「アッラーよ,もしこれが本当にあなたからの真理であるならば,わたしたちの上に天から石(の雨)を降らせ,またわたしたちに痛ましい懲罰を科して下さい。」 [8.33] だがアッラーは,あなたがかれらの中にいる間,懲罰をかれらに下されなかった。またかれらが御赦しを請うている間は,処罰されなかった。 [8.34] かれらは聖なるマスジドの管理者でもないのに,(アッラーのしもベを)そこに入れまいと妨げたことに対して,アッラーがかれらを処罰されずにおかない。(真の)管理者は(主に対し)義務を果たす者だけである。だがかれらの多くはそれが分らない。 [8.35] (アッラーの)家におけるかれらの礼拝ぶりは,只ロ笛を吹いて両手で拍手するに過ぎない。あなたがたは不信心であったのだから懲罰を味わえ。 [8.36] 本当に信じない者たちはアッラーの道から(人びとを)妨げるために,その財資を費やしている。それを費やさせなさい。間もなくそれはかれらの苦悩となり,その中かれらは征服されよう。これら不信心者は地獄に集められるであろう。 [8.37] それはアッラーが,善良な者から邪悪な者を区別されるためで,かれは邪悪なものを次々と積み重ね一緒にして,地獄に投げ込まれる。これらの者こそ失敗者である。 [8.38] 不信心の者に言ってやるがいい。「あなたがたが(信者に対する迫害を)止めるならば,過去のことは赦されよう。」だがかれらがもし繰り返すなら,昔の先例が既にあるのだ。 [8.39] だから,迫害と好計がなくなるまで,また(かれらの)教えがすべてアッラーを示すまで,かれらと戦え。だがかれらがもし(敵対を)止めるならば,本当にアッラーは,かれらの行うことを御存知であられる。 [8.40] かれらがもし背き去るなら,アッラーはあなたがたの守護者であることを知れ。何とよい守護者であり,また何とよい救助者であられることよ。 [8.41] 戦争で得たどんな物も,5分の1は,アッラーと使徒そして近親,孤児,貧者,そして旅人に属することを知れ。もしあなたがたがアッラーを信じ,また識別の日,両軍が会戦した日に,わがしもベに啓示したものを信じるならば。本当にアッラーは凡てのことに全能であられる。 [8.42] あなたがたは川の谷間に近い方におり,かれらはその遠い方にいて,隊商があなたがたよりも低い(平原)にいた時を思え。この時あなたがたが仮令互いに(会戦を)約束していても,必ずやその約束に反したてあろう。しかし(予期に反して開戦した)それは,アッラーがなさるべきことを,完遂なされたため。死ぬ者に明証(を見せた)後に死なせ,生き長らえる者も明証によって生き長らえさせるためである。本当にアッラーは全聴にして全知であられる。 [8.43] アッラーがあなた(ムハンマド)に,夢でかれら(敵軍)が少数のように見せられた時を思え。もしかれがあなたに対し,かれら(敵軍)を多勢に見せられたならば,あなたがた(信徒)はきっと臆して(あなたの)決定に対し,きっと互いに論争したてあろう。だがアッラーは(あなたがたを)救われた。本当にかれは(人びとの)胸の中で考えていることを熟知される。 [8.44] あなたがたがかれらと遭遇した時,かれはあなたがたの目に(かれらを)小さい集団に見えるようにする。またかれらの目には,あなたがたを劣弱に(映じ)させられた。それはアッラーが,なさろべきことを完遂されたためであった。本当に凡てのことは,アッラーに帰着するのである。 [8.45] あなたがた信仰する者よ,(敵の)軍勢と遭遇する時は堅固に持して,専らアッラーを唱念せよ。恐らくあなたがたは勝利を得るであろう。 [8.46] あなたがたはアッラーと使徒に従いなさい。そして論争して意気をくじかれ,力を失なってはならない。耐えなさい。アッラーは耐え忍ぶ者と共におられる。 [8.47] 誇らしげに,人びとに見られるために家を出で,アッラーの道から(人びとを)阻む者のようであってはならない。アッラーはかれらの行うことを凡て知っておられる。 [8.48] また悪魔が,かれらの行いを立派であると思わせてこう言った時を思え。「今日は誰も,あなたがたに打勝つことは出来ない。本当にわたしはあなたがたの保護者である。」だが両軍が互いに会った時,かれは踵を返して言った。「わたしは,本当にあなたがたと関係はない。わたしにはあなたがたに見えないものが見える。わたしは本当にアッラーが恐ろしいのだ。アッラーは処罰に厳重であられる。」 [8.49] 背信者と心に病のある者たちが,「かれらの教えは,かれらを惑わせた。」と言った時を思い起せ。だがアッラーを信頼する者ならば,本当にアッラーは偉力ならびなく英明であられる。 [8.50] あなた(ムハンマド)はもし天使たちが不信心な者たちの(死にさいし)魂を取る時,その顔や背中を(如何に)打つかを見るならば(どうであろう)。(その時天使たちは言うであろう。)「火炙りの懲罰を味わえ。 [8.51] これはあなたがたの手が先に為したことのためである。本当にアッラーはしもべたちに対し,決して不公正ではない。」 [8.52] (かれらの行いは)フィルアウンの一族や,それ以前の者たちの仕方と同じである。かれらはアッラーの印を信じなかった。それでアッラーはその罪のため,かれらを懲罰された。本当にアッラーは強力で処罰に厳重であられる。 [8.53] それは,アッラーがある民に与えられた恩恵は,かれらが自分を(悪く)変えない限り,決してこれを変えないからである。本当にアッラーは全聴にして全知である。 [8.54] (かれらの行いが)フィルアウンの一族や,その以前の者たちの仕方と同じためである。かれらは主の印を偽りであるとしたので,われはかれらの罪のためにこれを滅ぼし,フィルアウンの一族を溺れさせた。かれらは凡て不義を行う者であった。 [8.55] アッラーの御許で最悪の罪人は,不信心の者であろ。かれらは信じなかったからである。 [8.56] これらはあなたが約束を結んだ者で,その後かれらは毎度約束を破り,主を畏れない。 [8.57] それでもしあなたがたが,戦いでかれらを打ち破ったならば,かれらとその背後に従う者を追い散らせ。恐らくかれらは反省するであろう。 [8.58] また人びとの中あなたに対し裏切る恐れがあるならば,対等の条件で(盟約を)かれらに返せ。本当にアッラーは裏切る者を愛されない。 [8.59] 信じない者に(アッラーを)出し抜けると思わせてはならない。かれらは決して(アッラーを)挫けない。 [8.60] かれらに対して,あなたの出来る限りの(武)力と,多くの繋いだ馬を備えなさい。それによってアッラーの敵,あなたがたの敵に恐怖を与えなさい。かれら以外の者にも,またあなたがたは知らないがアッラーが知っておられる者にも。あなたがたが,アッラーの道のために費やす凡てのものは,十分に返済され,あなたがたは不当に扱われることはないのである。 [8.61] だがかれらがもし和平に傾いたならば,あなたもそれに傾き,アッラーを信頼しなさい。本当にかれは全聴にして全知であられる。 [8.62] 仮令かれらがあなたを欺こうとしても,あなたにはアッラーがいれば十分である。かれこそは,その助けにより,また(多くの)信者たちによりあなたを力付けられる方であり, [8.63] またかれは,かれら(信者)の心を一つに結ばれる。あなたが仮令地上の一切のものを費やしても,あなたはかれらの心を一つに結ぶことは出来ない。だがアッラーはかれらを結合させる。本当にアッラーは偉力ならびなき英明な御方であられる。 [8.64] 使徒よ,あなたにはアッラーがいる。また信者の中であなたに従うとがいれば十分である。 [8.65] 使徒よ,戦いの時は信者を激励しなさい。あなたがたの中20人の信仰の堅い者がいれば,よく2百人を征服するであろう。あなたがたの中もし百人いるならば,よく千人の不信者を征服するであろう。というのはかれらが,事理を解しない人びとであるため。 [8.66] 今アッラーはあなた(の負担)を軽減された。それはかれが,あなたがたに弱点のあることを知っていたからである。それであなたがたに,もし百人の信仰の堅い者がいれば2百人を征服するであろう。もし千人ならば,アッラーの御許しの下に,2千人を征服するであろう。本当にアッラーは耐え忍ぶものと共においでになられる。 [8.67] その地で完全に勝利を収めるまでは,捕虜を捕えることは,使徒にとって相応しくない。あなたがたは現世のはかない幸福を望むが,アッラーは(あなたがたのため)来世を望まれる。アッラーは偉力ならびなく英明であられる。 [8.68] もし前以ってアッラーから下された,規則がなかったならば,あなたがたはその受け取ったもののために,必ず厳しい懲罰が下ったことであろう。 [8.69] だが(今は),あなたがたが得た戦利品を,合法でまた清い(もの)として受け,アッラーを畏れよ。本当にアッラーは寛容にして慈悲深くあられる。 [8.70] 使徒よ,あなたがたの手中にある捕虜たちに言ってやるがいい。「もしアッラーが,あなたがたの心の中に何か良いものがあることを認められれば,あなたがたが没収されたものよりも優れたものを与え,またあなたがたを赦される。アッラーは寛容にして慈悲深くあられる。」 [8.71] だがかれらがもしあなたを裏切ろうとするならば,いや,かれらは以前からアッラーを裏切っていたので,かれは(あなたに)かれらを制圧させる。アッラーは全知にして英明であられる。 [8.72] 本当に信仰して移住した者たち,財産と生命を捧げて,アッラーの道のため奮闘努力〔ジハード〕した者たち,またかれらに避難所を提供して援助した者たち,これらの者は互いに友である。また信仰した者でも,移住しなかった者については,かれらが移住するまであなたがたは保護する義務はない。只し,かれらがもし宗教(上のこと)であなたがたに救援を求めるならば,あなたがたと盟約のある間柄の民に逆らわない限り,これを助けるのはあなたがたの義務である。アッラーはあなたがたの行うことを御存知であられる。 [8.73] 信じない者たちも互いに守護しあっている。あなたがたがそうしないならば,地上の治安は乱れて大変な退廃が起ころう。 [8.74] 信仰して移住した者たち,アッラーの道のために奪闘努力した者たち,またかれらに避難所を提供して援助した者たち,これらの者は等しく真の信者である。かれらに対しては,寛容と栄誉ある御恵みがあろう。 [8.75] 遅れて信仰に入り,移住してあなたがたと共に奮闘努力した者たちは,あなたがたの仲間である。また血縁関係による近親者は,アッラーの定めにより,互いに一段と近いのである。本当にアッラーは凡てのことを知り尽くされる。 @AT TAUBAH [9.1] アッラーとその使徒から,あなたがたが盟約を結んだ多神教徒に対し解約が,(宣言)された。 [9.2] それにしても(多神教徒は),4ヶ月の間は(任意に)国中を往来させなさい。あなたがたはアッラー(の計画)を,頓挫させられない,またアッラーは,不信者に屈辱を与えられることを知れ。 [9.3] (これは)アッラーとその使徒から,偉大な巡礼の日にあたり,人びとへの(布告された)宣言。「本当にアッラーは,多神教徒と(の盟約)を解約された,その使徒にしても同じこと。それであなたがたがもし悔悟するならば,あなたがたのため最もよい。もし背き去るならば,アッラー(の計画)をあなたがたは頓挫させられないことを知れ。」信仰を拒否する者たちには,痛苦の懲罰を告げてやれ。 [9.4] (しかし)あなたがたの盟約した多神教徒で,破約したことなく,またその後,あなたがたに敵対する者を助けなかった者は別である。(これらの者に対しては)期間が満了するまで,かれらとの盟約を果しなさい。本当にアッラーは,主を畏れる者を愛でられる。 [9.5] 聖月が過ぎたならば,多神教徒を見付け次第殺し,またはこれを捕虜にし,拘禁し,また凡ての計略(を準備して)これを待ち伏せよ。だがかれらが梅悟して,礼拝の務めを守り,定めの喜捨をするならば,かれらのために道を開け。本当にアッラーは寛容にして慈悲深い方であられる。 [9.6] もし多神教徒の中に,あなたに保護を求める者があれば保護し,アッラーの御言葉を聞かせ,その後かれを安全な所に送れ。これはかれらが,知識のない民のためである。 [9.7] 多神教徒が,どうしてアッラーや使徒の許で盟約が出来ようか。只あなたがたが,聖なるマスジドで盟約した者たちは別である。それでかれらがあなたがたに誠実である間は,あなたがたもかれらに誠実であれ。本当にアッラーは主を畏れる者を愛でられる。 [9.8] どうして(盟約)出来よう。かれらはあなたがたに対し優位であると見れば,血縁であろうと盟約があろうとあなたがたを顧みない。かれらはロ先ではあなたがたを喜ばせているが,心では拒否する。かれらの多くは主の掟に背く者たちである。 [9.9] かれらは僅かな代償でアッラーの印を売り,(人びとを)かれの道から妨げた。本当にかれらの行ったことは,大悪である。 [9.10] かれらは信者に対する場合,血縁も誓約も顧みない。かれらこそ法を越えた者である。 [9.11] だがもしかれらが悔悟して礼拝の務めを守り,定めの喜捨をするならば,かれらは教えの上の同胞である。われは印を理解する人びとのために詳述する。 [9.12] だがかれらがもし誓約した後にそれを破り,あなたがたの教えを罵るならば,不信者の首長たちと戦え。本当にかれらには誓いはないのである。恐らくかれらは止めるであろう。 [9.13] あなたがたは自分の誓いを破り,使徒を追放しようと企てた者たちと戦わないのか。かれらは最初にあなたがたを攻撃したのである。あなたがたはかれらを恐れるのか。いや,信者ならばアッラーをこそ,もっとも畏れるべきである。 [9.14] かれらと戦え。アッラーはあなたがたの手によって,かれらを罰して屈辱を与える。かれらに対し(うち勝つよう)あなたがたを助け,信者の人びとの胸を癒される。 [9.15] またアッラーはかれらの心中の激怒を除き,御心に適う者の悔悟を赦されるであろう。アッラーは全知にして英明であられる。 [9.16] それともアッラーは,あなたがたの中(教えのために)奮闘努力する者たち,またアッラーと使徒,と信者たち以外に親しい友を持たない者たちを,まだ知らずに,放って置かれると思うのか。本当にアッラーはあなたがたの行うことを熟知される。 [9.17] 多神教徒たちにアッラーのマスジドを,自ら不信心を立証しているのに管理させるべきではない。これらの者の行いは虚しく,かれらは業火の中に永遠に住むであろう。 [9.18] アッラーのマスジドは,ひたすらこれらの者(信者)によって管理されるべきである。(すなわち)アッラーと終末の日を信じ,礼拝の務めを守り,定めの喜捨をなし,アッラー以外の何ものをも恐れない者だけである。これらの者は,正しく導かれる者となるであろう。 [9.19] (だが)あなたがたは巡礼者に(水を)飲ませたり,または聖なるマスジドを管理する者と,アッラーと終末の日を信じ,アッラーの道のために奮闘努力する者とを同等にするのか。アッラーの御許では,両者は同等ではない。アッラーは不義の民を導かれない。 [9.20] 信仰する者,移住した者,またアッラーの道のために財産と生命を捧げて奮闘努力した者は,アッラーの御許においては最高の位階にあり,至上の幸福を成就する。 [9.21] 主は,親しく慈悲と満悦を与えられ,かれらのために永遠の至福の楽園の吉報を与えられる。 [9.22] かれらは永遠にその中に住むであろう。アッラーの御許には最大の報奨がある。 [9.23] 信仰する者よ,もしあなたがたの父または兄弟が,信仰より不信心を好むならば,かれらを親しい友としてはならない。もしあなたがたの中,かれらを親しい友とする者があれば,それらは不義の徒である。 [9.24] 言ってやるがいい。「あなたがたの父,子,兄弟,あなたがたの妻,近規,あなたがたの手に入れた財産,あなたがたが不景気になることを恐れる商売,意にかなった住まいが,アッラーと使徒とかれの道のために奮闘努力するよりもあなたがたにとり好ましいならば,アッラーが命令を下されるまで待て。アッラーは掟に背いた民を導かれない。」 [9.25] アッラーは幾多の戦役,またフナインの(合戦の)日においても,確かにあなたがたを助けられた。その時あなたがたは多勢を頼みにしたが,それは何も役立たず,大地はあのように広いのにあなたがたのためには狭くなって,あなたがたは遂に背を向けて退却した。 [9.26] その後アッラーは,使徒と信者たちの上にかれの安らぎを下し,またあなたがたには見えなかったが,軍勢を遣わして不信心な者たちを懲罰された。このようにかれは,不信者に報いられる。 [9.27] 更にアッラーは,それらの後,御心に適う者の梅悟を赦された。アッラーは寛容にして慈悲深くあられる。 [9.28] あなたがた信仰する者よ,多神教徒は本当に不浄である。だからかれらのこの年以後,かれらを聖なるマスジドに近付かせてはならない。あなたがたがもし貧困を恐れても,アッラーが御好みになれば,その恩恵によって(主は)やがてあなたがたを富ませるであろう。本当にアッラーは全知にして英明であられる。 [9.29] アッラーも,終末の日をも信じない者たちと戦え。またアッラーと使徒から,禁じられたことを守らず,啓典を受けていながら真理の教えを認めない者たちには,かれらが進んで税〔ジズヤ〕を納め,屈服するまで戦え。 [9.30] ユダヤ人はウザイルを,アッラーの子であるといい,キリスト教徒はマスィーフを,アッラーの子であるという。これはかれらが口先で言うところで,昔の不信心な者の言葉を真似たものである。かれらにアッラーの崇りあれ。かれらは(真理から)何と迷い去ったことよ。 [9.31] かれらは,アッラーをおいて律法学者や修道士を自分の主となし,またマルヤムの子マスィーフを(主としている)。しかしかれらは,唯一なる神に仕える以外の命令を受けてはいない。かれの外に神はないのである。かれらが配するものから離れて(高くいます)かれを讃える。 [9.32] かれらは口先で,アッラーの御光(イスラーム)を消そうと望んでいるが,仮令不信者たちが嫌おうとも,アッラーはかれの御光を全うされる。 [9.33] かれこそは,導きと真理の教えをもって使徒を遣し,仮令多神教徒たちが忌み嫌おうとも,凡ての宗教の上にそれを表わされる方である。 [9.34] あなたがた信仰する者たちよ,律法学者や修道士の多くは偽って人びとの財産を貪り,(かれらを)アッラーの道から妨げている。また金や銀を蓄えて,それをアッラーの道のために施さない者もいる。かれらに痛ましい懲罰を告げてやれ。 [9.35] その日,それら(の金銀)は地獄の火で熱せられて,かれらの額やわき腹や背に,焼印が押されるであろう。「これはあなたがたが自分の魂のために,蓄積したものである。だからあなたがたが蓄積したものを味わえ。」 [9.36] 本当にアッラーの御許て,(1年の)月数は,12ヶ月である。アッラーが天と地を創造された日(以来の),かれの書巻のなか(の定め)である.その中4(ヶ月)が聖(月)である。それが正しい教えである。だからその聖月中にあなたがたは互いに不義をしてはならない。そして多神教徒が皆であなたがたと戦うように,(あなたがたも)皆て戦え。アッラーは,主を畏れる者と共におられることを知れ。 [9.37] 本当に(聖月を)延ばすことは,不信心を増長させ,それで不信者は誤って導かれている。ある年は(聖月を)普通の月とし,(他の年は)聖月とする。かれらはアッラーが禁じられた(聖月の)数と合せるために,アッラーが禁じられたもの(聖月)を(戦いが)合法であるとする。かれらの間違った行いは,かれらには立派に見える。アッラーは信仰を拒否する民を導かれない。 [9.38] 信仰する者たちよ,あなたがたはどうしたのが。「アッラーの道のために出征せよ。」と言われた時,地に低頭するとは。あなたがたは来世よりも,現世の生活に満足するのか。現世の生活の楽しみは,来世に比べれば微少なものに過ぎない。 [9.39] あなたがたが奮起して出動しないならば,かれは痛ましい懲罰をもって懲しめ,他の民をあなたがたと替えられる。あなたがたは少しもかれを損うことは出来ない。本当にアッラーは凡てのことに全能であられる。 [9.40] 仮令あなたがたがかれ(使徒)を助けず,不信心の者たちが,かれを追放しても,アッラーは必ずかれを助けられる。かれは,只1人(の同僚)と,2人で洞窟にいた時,その同僚に向かって「心配してはならない。アッラーはわたしたちと共におられる。」と言ったその時アッラーはかれの安らぎを,かれ(アブー・バクル)に与え,あなたがたには見えないが,(天使の)軍勢でかれを強められた。また不信者たちの言葉を最も低いものになされ,アッラーの御言葉を最も高められた。本当にアッラーは偉力ならびなく英明であられる。 [9.41] あなたがたは奮起して,軽くあるいは重く(備えて)出動しなさい。そしてあなたがたの財産と生命を棒げて,アッラーの道のために奮闘努力しなさい。もしあなたがたが理解するならば,それがあなたがたのために最も良い。 [9.42] もし間近かに利得があり,また征途も短いならば,かれらは必ずあなたに従ったであろう。だがかれらには,道のりが(余りに)遠いと思われた。間もなく,かれらは,アッラーにかけて誓う。「出来ることなら,あなたがたと一緒に出征したのだが。」かれらは自分の魂を滅ぼす者である。アッラーはかれらが,偽っていることを知っておられる。 [9.43] アッラーはあなた(ムハンマド)を許した。何故あなたは,真実を述べる者が,あなたにはっきりして,嘘付きたちが分かる前に,かれら(がその家に留まること)を許したのか。 [9.44] アッラーと終末の日とを信じる者は,自分の財産と生命を捧げて奮闘することを(免れようなどと),あなたに求めたりはしない。アッラーは主を畏れる者を熟知される。 [9.45] アッラーと終末の日とを信じない者だけ,あなたに(免れようと)求める。かれらは心に疑っており,それでかれらは疑いの中にさ迷っている。 [9.46] もしかれらに出征する意志があるならば,それに対し必ず(何らかの)準備をなすべきである。だがアッラーは,かれらを出征させるのを嫌って,遅れさせられ,かれらに,「あなたがたは(戦闘力なく家に)留まる者と共に留まれ。」と仰せられた。 [9.47] かれらは仮令あなたに従って出征しても,只足手まといになるだけである。あなたがたの間に騒動(の因)を捜し求めてあちこち走り回り,そのためあなたがたの中にはかれらに耳を傾ける者もでてこよう。だがアッラーは不義の者を熟知される。 [9.48] かれらは,以前も不穏の行為を考えて,あなたにたいして事態を転覆させた。だがかれらの意に反して,真理が実現し,アッラーの教えが明示された。 [9.49] かれらの中,「わたしを許して(家に留め),試みに会わせないで下さい。」と言う者もある。聞け,かれらは既に試みの中にいるではないか。本当に地獄は,(凡ての方向から)不信者たちを取り囲んでいる。 [9.50] もしあなたに良いことが下れば,かれらを悲しませる。また災厄があなたを襲えば,かれらは,「わたしたちはもう,以前から用心していたのだ。」と言い,喜んで背き去る。 [9.51] 言ってやるがいい。「アッラーが,わたしたちに定められる(運命の)外には,何もわたしたちにふりかからない。かれは,わたしたちの守護者であられる。信者たちはアッラーを信頼しなければならない。」 [9.52] 言ってやるがいい。「あなたがたには,光栄ある2つのことの1つの外に,(どんな運命が)期待出来ようか。だがわたしたちには,あなたがた(不信者)のために,アッラーが御自身で懲罰なされるか,またはわたしたち(ムスリム)の手による,(処罰)を期待することが出来る。それであなたがたは待ちなさい。わたしたちもあなたがたと共に待つものである。」 [9.53] 言ってやるがいい。「仮令あなたがたが,快よく施し,貢献をしても,不承不承であろうとも,決して受け入れられないであろう。本当にあなたがたは,アッラーの掟に背く者たちである。」 [9.54] かれらの施し(貢献)が,受け入れられてもらえないのは,只かれらが,アッラーとその使徒を信じないためであり,のらくら者のように礼拝に赴くだけで,しぶしぶと施すからに外ならない。 [9.55] だからあなたがたは,かれらの財産や子女に心を奪われてはならない。アッラーは,これらによって現世の生活の中に,かれらを懲罰しようとおぼしめし,またかれらの魂が不信心の中に離れ去ることを望まれるためである。 [9.56] かれらは,アッラーに誓って,「本当にあなたがたの同士です。」と言う。かれらはあなたがたの同士ではない。かれらは今も(自分の真意が現われるのを)恐れる人びとである。 [9.57] もしかれらが,避難所か洞窟,または潜り込む所を見い出せれば,必ずそれに向こう見ずに急いで行ったであろう。 [9.58] かれらの中には,施し(の配分)のことに就いてあなたを謗る者がいる。それを与えられた者は,喜ぶが,それを与えられないならば,見なさい。直ぐに怒り出す。 [9.59] もしかれらがアッラーと使徒から自分たちに与えられたものに満足するならば,こう言うべきであった。「アッラーは,わたしたちにとって万全であられます。アッラーと使徒は,その恵みにより(更に多くを)わたしたちに与えられるでしょう。わたしたちは(正しい道を踏むよう)アッラーに嘆願します。」 [9.60] 施し〔サダカ〕は,貧者,困窮者,これ(施しの事務)を管理する者,および心が(真理に)傾いてきた者のため,また身代金や負債の救済のため,またアッラーの道のため(に率先して努力する者),また旅人のためのものである。これはアッラーの決定である。アッラーは全知にして英現であられる。 [9.61] またかれらの中には,預言者を困らせて,「かれは(只の)耳です。」と言う者がある。言ってやるがいい。「かれはあなたがたのため,善いことの聞き手である,かれはアッラーを信仰し,信者たちを信頼する。またあなたがたの中の信仰する者のためには(アッラーからの)慈悲である。アッラーの使徒を悩ます者には,痛ましい懲罰がある。」 [9.62] かれらはあなたがたを喜ばせるため,アッラーにかけて誓う。だがかれらが(真の)信者ならば,アッラーとその使徒の喜びを得るのが最も正しい。 [9.63] かれらは知らないのか,アッラーとその使徒に反抗する者には,実に火獄が用意されており,その中に永遠に住むことを。それは大きな屈辱である。 [9.64] 背信者は,自分の心の中に抱くことを暴露する1章〔スーラ〕が下されることを警戒している。言ってやるがいい。「朝笑しておれ。本当にアッラーは,あなたがたが恐れるものを暴き出される。」 [9.65] もしあなたがかれらに問えば,かれらは必ずわたしたちは,無駄話をしてたわむれているだけです」と言う。言ってやるがいい。「あなたがたは,アッラーとかれの印と使徒を,明笑していたではないか。」 [9.66] 「弁解するには及ばない。あなたがたは確かに一度信仰に入って後,不信心になった。われは,仮令あなたがたの一部を許しても,外は罪を犯していたので懲罰するであろう。」 [9.67] 男の背信者も女の背信者も,凡て同類である。かれらは邪悪を命じ,正しいことを禁し,(アッラーの道のために費すことに)その手を閉じる。かれらはアッラーを忘れるが,かれもかれらを忘れられる。本当に背信者たちは,アッラーの掟に背く者たちである。 [9.68] アッラーは,男の背信者と女の背信者,また不信者に,地獄の火を約束され,その中に永遠に住ませられる。それはかれらにとっては十分である。アッラーはかれらを見限り,かれらには永遠の懲罰があろう。 [9.69] あなた以前の民と同じように(あなたがたもそうである)。かれらは,その力はあなたがたよりも強く,財産と子女でも進かに多かった。かれらはその福分を事楽した。それであなたがた以前の者がその福分を事楽したように,あなたがたの福分を享楽する。またかれらが耽ったように,あなたがたも(無駄話に)耽っている。これらの者の行いは,現世でもまた来世でも,実を結ばない。これらの者こそ失敗者である。 [9.70] かれらには,先人のこれらの消息が達しなかったのか。ヌーフ,アード,サムードの民,またイブラーヒームの民,マドヤンの住民,また転覆した諸都市(の民の消息が)。使徒たちはかれらに証をするためにやって来た。アッラーはかれらを損われない。だがかれらは自分自身を害した。 [9.71] 男の信者も女の信者も,互いに仲間である。かれらは正しいことをすすめ,邪悪を禁じる。また礼拝の務めを守り,定めの喜捨をなし,アッラーとその使徒に従う。これらの者に,アッラーは慈悲を与える。本当にアッラーは偉力ならびなく英明であられる。 [9.72] アッラーは,男の信者にも女の信者にも,川が永遠に下を流れる楽園に住むことを約束された。また永遠〔アドン〕の園の中の,立派な館をも。だが最も偉大なものは,アッラーの御満悦である。それを得ることは,至上の幸福の成就である。 [9.73] 預言者よ,不信者と背信者に対し奮闘努力し,かれらに厳しく対処せよ。かれらの住まいは地獄である。何と悪い帰り所であることよ。 [9.74] かれらはアッラーに,「(悪い事は)何も言わない。」と誓う。だがかれらは確かに不信心な話をし,1度イスラームを受け入れた後不信心になり,成就し得ないことを企む。アッラーと使徒が,その恩恵によってかれらを(戦利品で)富裕になされていることに対して復讐をしたに過ぎない。もし梅悟するならばかれらのために最も良い。もし背き去るならば,アッラーは現世でも来世でも痛ましい懲罰でかれらを罰される。かれらは地上に,保護者も援助者もないであろう。 [9.75] かれらの中アッラーと約束を結んだ者は(言った)。「もしかれが,わたしたちに恩恵を与えれば,わたしたちは必ず施しをなし,必ず正しい者の仲間になるでしょう。」 [9.76] だがかれが,恩恵を与えれば,かれらはそれに貪欲になって,(約束に)背き(宗教への貢献を)嫌う。 [9.77] それでかれらがかれに会う日まで,その心の中に偽善を抱かせて懲らしめられる。それはかれらがアッラーとの約束を破り,(度々)偽りを言っていたためである。 [9.78] かれらはアッラーが,かれらの隠し(た考え)も秘密の相談も,知っておられることを知らないのか。またアッラーが,見得ないこと凡てを熟知されている(ことを)。 [9.79] 信者たちで進んで慈善のために施しをする者を篤り,または自分の労力の外に,施すもののない者を罵って,かれらに嘲笑を加える者がある。アッラーはその嘲笑をかれらに返される。かれらに対しては痛ましい懲罰があろう。 [9.80] あなたがかれらのために御赦しを請おうとも,また請わなくても(かれらの罪は免れられない)。あなたが仮令70回,かれらのために御赦しを請うても,アッラーはかれらを赦されないであろう。これはかれらがアッラーとその使徒を信しないためである。アッラーは掟に背く者を御導きになられない。 [9.81] (タブーク遠征にさいし)後方に留まった者は,アッラーの使徒の(出征した)後,残留していることを喜び,生命と財産を捧げて,アッラーの道のために奮闘努力することを嫌って,言った。「この炎暑の最中に出征するな。」言ってやるがいい。「地獄の火は,もっとも厳しい熱さなのだ。」かれらがもし悟るならば。 [9.82] それでかれらを少し笑わせ,多く泣かせてやりなさい。これは,かれらが行ったことに対する応報である。 [9.83] アッラーがあなたをもしかれらの一味に返されれば,かれらは(一緒に)出征する許可を,あなたに求めるであろう。その時かれらに言ってやるがいい。「あなたがたは決して,わたしと一緒に出征しないであろう。またわたしと一緒に敵と戦わないであろう。本当にあなたがたは,最初の時,(家に)残留していることに満足していた。だから残留する者と,一緒に座っていなさい。」 [9.84] かれらの中の誰かが死んでも,あなたは決してかれのために,(葬儀の)礼拝を捧げてはならない。またその墓の側に立ってはならない。本当にかれらは,アッラーとその使徒を信じないまま主の掟に背く者として死んだのである。 [9.85] またあなたは,かれらの財産や子女に,心を奪われてはならない。本当にアッラーは,これらのものによって,現世においてかれらを罰しようという思召であり,またかれらの魂が,不信心の中に離れ去ることを望まれる。 [9.86] 「アッラーを信じ,かれの使徒と共に奮闘せよ。」と1章〔スーラ〕が下された時,かれらの中能力ある者が,あなたに免除を求めて言う。「わたしたちを(家に)留まる者と一緒に,いさせて下さい。」 [9.87] かれらは背後で(家に)留まる者と一緒にいることを好む。かれらの心は封じられた。だからかれらは悟らない。 [9.88] しかし使徒とかれと共に信仰する者たちは,財産と生命とを捧げて奮闘努力する。かれらには(凡ての)善いことがあり,これらこそ成功する者である。 [9.89] アッラーはかれらのために,川が下を永遠に流れる楽園を備えられ,かれらはその中に永遠に住むであろう。それは至上の幸福の成就である。 [9.90] また(遊牧の)アラビア人の中からも,許しを求め(出征免除の)弁解に来た者があった。これらアッラーとその使徒を偽わる者は皆,(只家に)居残っていた。これら不信心の者は,やがて痛ましい懲罰を受けるであろう。 [9.91] 虚弱な者,病んでいる者,と(道のために)供出するもののない者は,アッラーとその使徒に対して忠誠である限り罪はない。善い行いをする者に対しては(非難される)筋はない。アッラーは寛容にして慈悲深くあられる。 [9.92] またあなたに(戦のための)乗り物を求めて来たとき,あなたが「わたしにはあなたがたに提供する乗り物がない。」と告げると,両目に涙をたたえて(馬などを購入する)資金のないことを悲しんで帰っていく人びと(も非難される筋はない)。 [9.93] 責められるべき筋は,富裕にも拘らずあなたに(出征の)免除を願い出る者たちだけである。かれらは背後に留まる者と,一緒にいるのを喜ぶ。アッラーはかれらの心を封じられた。従って(失うものを)知らないのである。 [9.94] あなたがたが(居所)に帰るとかれらは許しを請うであろう。言ってやるがいい。「許しを請うてはならない。わたしたちは決してあなたがたを信じない。アッラーは,既にあなたがたの出来事を告げ知らせられた。またアッラーと使徒は,あなたがたの行いを見守るであろう。それからあなたがたは,幽玄界と現象界を知っておられる御方に帰される。その時かれは,あなたがたが行った(凡ての)ことを告げ知らせられる。」 [9.95] あなたがた(信者)が(戦いから)帰ってきた時,あなたがたが(責めないで)放置するようアッラーにかけてかれらは誓うであろう。それでは放っておけ。かれらは本当に不浄であり,地獄がかれらの住まいである。かれらの(悪い)行いに対する報いである。 [9.96] かれらはあなたがたに気に入られるようにあなたがたに誓うかもしれない。だがもしあなたがたがかれらを気に入っても,本当にアッラーは,アッラーの掟に背く者を御喜びになられない。 [9.97] (遊牧の)アラビア人の不信心と偽善はもっと甚だしく,かれらはアッラーが使徒に下された掟に就いては,まったく無知である。だがアッラーは全知にして英明であられる。 [9.98] (遊牧の)アラビア人の中には,(アッラーの道のため)かれらの施したものを,上納金のように思い,いっそあなたがた(ムスリム)に凶運が下るよう待ち望んでいる者がある。かれらの上にこそ凶運が見舞うであろう。アッラーは全聴にして全知であられる。 [9.99] しかし(遊牧の)アラビア人の中のある者は,アッラーと最後の日を信じ,かれらの支出をアッラーに近付き,また使徒の祝福に預るための,捧げ物と考えている。聞け。本当にそれはかれらをアッラーに近付け,かれはやがてかれらを慈悲に浴させられる。本当にアッラーは寛容にして慈悲深くあられる。 [9.100] (イスラームの)先達は,第1は(マッカからの)遷移者と,(遷移者を迎え助けたマディーナの)援助者と,善い行いをなし,かれらに従った者たちである。アッラーはかれらを愛でられ,かれらもまたかれに満悦する。かれは川が下を永遠に流れる楽園を,かれらのために備え,そこに永遠に住まわせられる。それは至上の幸福の成就である。 [9.101] あなたがたの周囲の(遊牧の)アラビア人の中にも,またマディーナの市民の中にも,背信者がいる。かれらは偽善に執着している。あなたはかれらを知らない。だがわれは知っている。かれは2回にわたりかれらを懲罰し,その後かれらは,重い懲罰にかけられるであろう。 [9.102] 外のある者は,自分の誤ちを認めるが,善行と,外の不行跡が混っている。アッラーは,かれらの悔悟を許される。本当にアッラーは覚容にして慈悲深くあられる。 [9.103] かれらの財産から施しを受け取らせるのは,あなたが,かれらをそれで清めて罪滅しをさせ,またかれらのために祈るためである。本当にあなたの祈りは,かれらへの安らぎである。アッラーは全聴にして全知であられる。 [9.104] アッラーが,しもべたちの悔悟を赦し,また施しを受け入れられることをかれらは知らないのか。またアッラーこそは,度々悔悟を赦される御方,情け深い方であられることを(知らないのか)。 [9.105] (かれらに)言ってやるがいい。「(善い事を)行え。アッラーはあなたがたの行いを御存知であられる。かれの使徒と信者たちもまた(見ている)。やがてあなたがたは,幽玄界と現象界を知っておられる方に帰される。その時かれは,あなたがたにその行ったことを告げ知らせる。」 [9.106] その外に,アッラーが懲罰なされるのか,または悔悟を赦されるのか,かれの裁決を待たされる者がいる。本当にアッラーは全知にして英明であられる。 [9.107] また(イスラームの)妨害と不信心(の助長)のために,一座のマスジドを建立した者があり,それで信者の間を分裂させ,また先にアッラーとその使徒に対して戦った者のための,隠れ家とする者がある。しかも(口先では),「わたしたちは,只善いことを行うだけです。」と誓う。だがアッラーは,かれらが確かに偽っていることを立証される。 [9.108] あなたがたは決してその中で(礼拝に)立ってはならない。最初の日から敬虚に礎えを定めて建立されたマスジドこそは,あなたがたがそこに立つに相応しい。その中には,自ら清浄であることを好む人びとがいる。アッラーは,その身を清める者を愛でられる。 [9.109] アッラーを畏れ,かれの御喜びを求めてその家の礎えを定め建てる者と,砕け崩れそうな崖のふちにその家の礎えを定めて建て,地獄の火の中に共に砕け落ちる者と,どちらが優れているか。アッラーは不義を行う民を導かれない。 [9.110] かれらの建てた建物は,かれらの心が細かく砕かれない限り,かれらの心中の疑惑不安の種となろう。アッラーは全知にして英明であられる。 [9.111] 本当にアッラーは,信者たちからその生命と財産を贖われた。かれらのため(の代償)は,楽園である。かれらはアッラーの道のために戦い,殺し,また殺される。それは律法と福音とクルアーンとを通じて,かれが結ばれる真実な約束である。誰がアッラー以上に,約束に忠実であろうか。だからあなたがたが結んだ契約を喜べ。それこそは至上の幸福の成就である。 [9.112] 悔悟して(アッラーに)返る者,仕える者,讃える者,斎戒する者,立礼する者,サジダする者,善を勧める者,悪を禁ずる者,そしてアッラーが定められた限界を守る者。これらの信者たちに,この吉報を伝えなさい。 [9.113] 多神教徒のために,御赦しを求めて祈ることは,仮令近親であっても,かれらが業火の住人であることが明らかになった後は,預言者にとり,また信仰する者にとり妥当ではない。 [9.114] イブラーヒームが自分の父のために,御赦しを求めて祈ったのは,只かれ(父)と約束があったためである。それでかれ(父)がアッラーの敵であることが明白になった時,かれ(父)との関係を断った。本当にイブラーヒームは,柔和で辛抱強い人物であった。 [9.115] アッラーは,人びとを導かれた後,かれらの守るべきことを解明されるまでは決して迷わせたりしない。本当にアッラーは凡てのことを知っておられる。 [9.116] 天と地の大権はアッラーに属する。かれは生を与え,また死を与える。アッラーの外に,あなたがたには守護者も援助者もないのである。 [9.117] アッラーは,預言者と苦難の時にかれに従った遷移者たち〔ムハージルーン〕と援助者たち〔アンサール〕に哀れみをかけられた。その後かれらの一部の者の心は,(その義務の履行から)殆んど逸れてしまった。その時かれはかれらに,哀れみをかけられた。本当にかれは,かれら(ムスリム)に規切であり慈悲深くあられる。 [9.118] 後に残った3人に対しても(またかれは哀れみをかけられた)。大地はこのように広いのだがかれらには狭く感じられ,またその魂も自分を(内面から)狭めるようになった。そしてかれらは,アッラーに縋る外にはかれ(の懲罰)から免れるすべがないことを悟った。すると(主は)哀れみをかけられ,かれらは梅悟して(かれに)返った。本当にアッラーは度々赦される方,慈悲深い方であられる。 [9.119] あなたがた信仰する者たちよ,アッラーを畏れ,(言行の)誠実な者と一緒にいなさい。 [9.120] マディーナの人びとも周辺の(遊牧の)アラビア人たちも,アッラーの使徒のあとに居残って,自分の身命をかれのものより大切にするなど間違っている。かれらがアッラーの道のために,渇き,疲れ,餓えに会う度に,また不信者を怒らせる行(攻賂)に出向く度に,敵に何らかの打撃を与える度に,かれらに対してもそのことが善行として記録されるのである。本当にアッラーは,正しい行いの者への報奨を無益にされない。 [9.121] 大なり小なり(道のため)費やしたもの,また一つの谷を越えたことが,必ずかれらのために記録されている。アッラーはかれらの行ったことに対して,最上(の報奨)をもって報われる。 [9.122] 信者は,全員が一斉に出動すべきではない。各団のうち一部が,出動し,そして残留者は宗教に就いて理解を深め,皆が帰った時かれらに警告を与える。恐らく出動した者は注意するであろう。 [9.123] 信仰する者よ,あなたがたに近い不信者と戦え。そして,あなたがたが意志堅固で力強いことを,かれらに知らせなさい。アッラーは主を畏れる者と共におられることを知れ。 [9.124] (新たに)1章〔スーラ〕が下る度にかれらのある者は言う。 「これによってあなたがたの中,誰が信心を深めるであろうか。」本当に信仰する者は,これによって信心を深め,喜ぶ。 [9.125] しかし心に病の宿る者は,これによって汚れの上に汚れを加えて,不信者として死ぬ。 [9.126] かれらは毎牢,1度や2度試みられるのに気付かないのか。それでもかれらは悔悟せず,また改心しないのである。 [9.127] かれらは1章〔スーラ〕が下る度に,互いに顧みて(目で言う)。「誰かが,あなたがたを見ているのか。」,やがてかれらは背き去る。かれらは悟らない民であるために,アッラーはその心を(真理から)背かせられたのである。 [9.128] 今,使徒があなたがたにあなたがたの間から,やって来た。かれは,あなたがたの悩みごとに心を痛め,あなたがたのため,とても心配している。信者に対し優しく,また情深い。 [9.129] だからかれらが背き去っても言ってやるがいい。「わたしには,アッラーがいれば十分である。かれの外に神はない。わたしはかれを信頼する。かれこそは,(栄光に満ちた)至高の玉座の主であられる。」 @YUNUS 慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において。 [10.1] アリフ・ラーム・ラー。これらは英知に満ちた,啓典の御印である。 [10.2] われがかれら(マッカ人)の中の1人(預言者ムハンマド)に啓示して,「あなたは人びとに(不信心の結末を)警告しなさい。また信仰する者には,主の御許で優れた足場を与えられるとの,吉報を伝えなさい。」と命じたことが(マッ力の)人びとに(それ程)驚きであるのか。(だが)不信心者たちは,「これは明らかに魔術師です。」と言う。 [10.3] 本当にあなたがたの主はアッラーである。6日の間に天と地を創造され,それから(大権の)玉位に鎮座して,凡ての事物を規制統御なされる。かれの許しを得た後でなければ,執り成す者はない。これがあなたがたの主,アッラーである。かれに仕えなさい。あなたがたは,訓戒を受け入れないのか。 [10.4] あなたがたは皆一緒にアッラーの御許に帰る。アッラーの約束は真実である。本当にかれは創造を始め,そしてそれを繰り返される。これは信仰して善行をした者に,公正に報われるためである。だがかれを信仰しない者には,煮えたった飲物と,痛ましい懲罰がある。これはかれらが不信心であったためである。 [10.5] かれこそは太陽を輝やかせ,月を灯明とされ,その軌道を定め,年数(と時日)の計算をあなたがたに教えられた方である。アッラーがこれらを創造されたのは,只真理(を現わすため)に外ならない。かれは知識ある人びとに印を詳しく述べられる。 [10.6] 本当に夜と昼との交替,またアッラーが天と地の間に創られる凡てのものの中には,主を畏れる者への印がある。 [10.7] 本当にわれとの会見を期待しない者,また現世の生活に満足してこれに安心している者,そしてわれの印を疎かにする者, [10.8] これらの者の住まいは,その(悪い)行いのために地獄である。 [10.9] 本当に信仰して善行に励む者には,かれらの主は,その信仰によってかれらを導かれる。至福の楽園の中に,川はかれらの足元を流れるのである。 [10.10] その中でかれらの祈りは,「アッラーよ,あなたの栄光を讃えます。」であり,またそこでのかれらの挨拶は「平安あれ。」であり,そして祈りの結びは,「万有の主アッラーを讃えます。」である。 [10.11] かれらが幸福へと急ぐよう,もしアッラーが人びとに対して悪を急がれるならば,(猶予の)期間はきっと終らされたであろう。われとの会見を望まない者には,法外の混乱の中で当てもなくさ迷わせることであろう。 [10.12] 人びと(不信心者たち)が苦難に会った時は,横たわり,あるいは座り,あるいは立っていても(どんな状態のもとでも)われを呼ぶ。だがわれがかれらから苦難を除くと,(まるで)かれらを苦しめた(以前の)不幸のためわれを呼ばなかったかのように過ごしてしまう。このように愚かな者は,その行いを(悪魔によって)立派だと思わせられる。 [10.13] 本当にわれはあなたがた以前にも,かれらが不義を行ったために,幾多の民族を滅ぼした。使徒たちが明証をかれらに与えたのだが,かれらは信じようとはしなかった。このようにわれは,罪を犯した民に報いる。 [10.14] それからわれはかれらの後に,この地をあなたがたに継がせた。これはあなたがたが,如何に行うかを見るためである。 [10.15] ところがわれの明瞭な印が,かれらに読み聞かされた時,われと会うことを望まない者たちは言った。「これとは別のクルアーンを持って来なさい。それともこれを改(鼠?)しなさい。」言ってやるがいい。「わたしは自分の裁量でこれを改(鼠?)することは出来ない。只,わたしに啓示されたものに従うだけである。わたしがもし主に背いたならば,偉大な日の懲罰を本当に恐れる。」 [10.16] 言ってやるがいい。「アッラーの御心なら,わたしはあなたがたにそれを読誦せず,またかれは,あなたがたに教えられなかったであろう。その(啓示)前に,わたしは確かにあなたがたの間で,一生ほどの(40年の)歳月を過ごした。あなたがたは未だ悟らないのか。」 [10.17] アッラーに就いて偽りを捏造し,その啓示を拒否するほど,甚だしい不義の者があろうか。罪を犯す者は,決して成功しないのである。 [10.18] かれらはアッラーの外に,かれらを害せず,また益のないものに仕えて,「これら(の神々)は,アッラーの御前でわたしたちを執り成すものです。」と言う。言ってやるがいい。「あなたがたは,天地においてアッラーの知らないことを,かれに告げようとするのか。」かれを讃えなさい。かれはかれらが配するものの上に高くおられる。 [10.19] 人間は(元来)唯一族(1つのウンマ)であった。だが(後に)かれらは敵対した。もし以前にあなたの主から下された御言葉がなかったならば,その相違点に就いては,かれらの間で必ず解決されていたであろう。 [10.20] かれらは言うであろう。「何故主から一つの印もかれ(ムハンマド)に下されないのだろう。」言ってやるがいい。「幽玄界のことは,只アッラーが御支配しておられる。だから待て。わたしもまた,あなたがたと共に待つ者である。」 [10.21] われが人間に災厄を味わせた後,慈悲を与えると,見よ,かれらはわが印に対して策謀をする。言ってやるがいい。「アッラーは,策謀に対して迅速に処置される。」本当にわが使徒たち(天使)は,あなたがたの策謀することを凡て記録するのである。 [10.22] かれこそはあなたがたを陸に,また海に旅をさせられる御方である。それであなたがたが船に乗る時,それが順風に乗って航行すれば,かれらはそれで喜ぶ。暴風が襲うと,大波が四方から押し寄せ,かれらはもうこれまでだと観念して,アッラーに向かって,信心を尽くして祈る。「あなたが,もしわたしたちをこれから救い下されば,必ず感謝を捧げる者になります。」 [10.23] だがかれが救助してみると,見よ,かれらは地上において正義を侮って不義を行う。人びとよ,あなたがたの反逆は只自分自身の魂を害し,現世の生活で享楽を得るだけであるが,あなたがたはすぐにわれに帰るのである。その時われは,あなたがたの行ったことを告げ知らせるであろう。 [10.24] 本当に,現世の生活を例えれば,天からわれが降らせる水(雨)のようなものである。それで上を潤し,人間や家畜の食べ物を茂らせる。大地が美麗な装いで覆われて飾られると,そこの(住)民は,その全権を持ったと思い込む。だがわが命令が,夜も昼も一度下れば,昨日は緊茂していたはずのものが刈き取られた株のように変り果てる。われはこのように,熟慮する人びとのために(われの)印を解明する。 [10.25] 本当にアッラーは,人を平安の家に招き,また御好みになられた者を正しい道に導かれる。 [10.26] 善行をした者には(天国へ入るという)素晴しい報奨があり,また追加もある。かれらの顔には,暗さや屈辱の影もないであろう。これらは楽園の住人である。永遠にその中に住むであろう。 [10.27] だが悪を行っていた者には,同様の悪の報いがある。また屈辱に覆われ,アッラー(の怒り)からかれらを守るものはないであろう。その顔は丁度夜の暗闇に覆われたようである。これらは火獄の住人である。永遠にその中に住むであろう。 [10.28] その日,われは一斉にかれらを招集する。その時われは,多神を崇めた者たちに言うであろう。「あなたがたそしてあなたがたの仲間は,そこに控えていなさい。」それからわれは一人一人を引き離す。その際,かれらの立てていた神々は言う。「あなたがたが拝したのは,わたしたちではなかった。 [10.29] アッラーは,わたしたちとあなたがたとの間の,立証者として万全である。わたしたちは,あなたがたが拝しているのを実際知らなかった。」 [10.30] そこで各人は先に送った行いを確認して,かれらの真の主,アッラーの許に連れ戻され,かれらが捏造していたものはかれらから消え去るであろう。 [10.31] (人びとに)言ってやるがいい。「天と地から,あなたがたに用度を供給するのは誰か。聴覚や視覚を司るのは誰か。また死んだ物から,生命を(お?)し,生から死を(西?)せられるのは誰か。また凡ての事物を規制統御するのは誰であるのか。」かれらは必ず「アッラー」と言おう。言ってやるがいい。「何故あなたがたは,主を畏れないのか。 [10.32] これが,あなたがたの真の主,アッラーであられる。真理から離れては,虚偽の外に何があろう。あなたがたは,どうして背き去るのか。」 [10.33] このように主の掟に背く者に対し,あなたの主の御言葉は真実であることが立証された。本当にかれらは信仰しないであろう。 [10.34] 言ってやるがいい。「あなたがたの神々の中,誰が万有の創造をし,それを繰り返すのか。」言ってやるがいい。「万有を創造され,それからそれを繰り返される御方は,アッラーである。それなのにあなたがたは,どうして(真理から)迷い去るのか。」 [10.35] 言ってやろがいい。「あなたがたの神々の中,誰が真理に導くのか。」言ってやるがいい。「アッラーは真理に導いて下される。それで真理に導く方と,自分が導かれなければ道を見い出せない者と,どちらが従うのに値するのか。あなたがたはどうしたのか。あなたがたはどう判断するのか。」 [10.36] かれらの多くは臆測に従うだけである。本当に臆測は,少しも真理にとって替あることは出来ない。本当にアッラーは,かれらの行うことを熟知なされる。 [10.37] このクルアーンは,アッラー以外のものによって作られるようなものではない。それどころかこれは,それ以前にあったものの確証(の啓示)であり,万有の主からの,疑いの余地を残さない,啓典の解明である。 [10.38] またかれらは言うのである。「かれ(ムハンマド)がそれを作ったのですか。」言ってやるがいい。「それなら,それに似た1章〔スーラ〕を持ってきなさい。またあなたがたの言葉が真実ならば,アッラー以外にあなたがたを助けることの出来る援助者に願ってみなさい。」 [10.39] いや,かれらはその知識で理解出来ないもの,またその解説がかれらに未だ下されないものを,偽りであるとする。このようにかれら以前の者も偽りであるとした。だが見よ,不義の徒の最後がどんなものであったかを。 [10.40] かれらの中,ある者はそれ(クルアーン)を信じ,またある者はそれを信じない。あなたの主は,犯罪者を最もよく知っておられる。 [10.41] かれらがもしあなたを虚偽の徒とするならば言ってやるがいい。「わたしの所業はわたしのためであり,あなたがたの所業はあなたがたのためである。あなたがたはわたしの行うことに関係なく,わたしはあなたがたの行うことに関係ない。」 [10.42] かれらの中には,あなたに耳を傾ける者がある。だがあなたは,聞けない者に聞かせることができようか,かれらは,やはり理解しないのである。 [10.43] またかれらの中には,あなたに目を注ぐ者がある。だがあなたは見えない者を導くことが出来ようか,かれらは,やはり見てはいないのである。 [10.44] 本当にアッラーは決して人間を害されない。だが人間は自らを害する。 [10.45] かれが,かれらを召集なされる日,かれらは昼間の一刻も滞留しなかったかのように(感じて),互いによく覚えているであろう。アッラーとの会見を否認して,導かれなかった者たちは確かに失敗者である。 [10.46] われがかれらと約束した(悪い結果の)一部を,(生存中に現わして)あなたに示しても,または(それを示す前に)あなたをわれに召しても,やはりかれらはわれに帰るのである。その時アッラーは,かれらの行った凡てに就いて立証される方であられる。 [10.47] それぞれの民に対して,使徒が(遺わされたので)ある。かれらの使徒がやって来た時,事はかれらの間で公正に裁決されて,不当に扱われることはない。 [10.48] かれらは言う。「あなたがたの言葉が真実なら,この約束が果たされるのは何時なのですか。」 [10.49] 言ってやるがいい。「わたしは,アッラーが御好みにならない限り,自分で害しまたは益する力はない。各々の民には定められた期限がある。かれらの期限が到来すれば,一刻も猶予することは出来ない。また(それに)先んずることも出来ない。」 [10.50] 言ってやるがいい。「あなたがたは考えないのか,かれの懲罰は夜でも昼でも,あなたがたに下るのであろ。罪深い者たちが急ぐのは,そのどの(懲罰)であるのか。」 [10.51] 「あなたがたはそれがやって来た時,やっと信じるのか。(その時言われよう)今があなたがたが,急いでいたその時である。」 [10.52] その時不義の徒に向かって言われるであろう。「永遠の懲罰を味わえ。あなたがたが行ったことに対してだけ,報いられるのではないか。」 [10.53] かれらはあなたに問うだろう。「それは真実なのですか。」言ってやるがいい。「そぅだ,わたしの主にかけて,本当にそれは真実です。あなたがたは免がれられないのです。」 [10.54] 不義を行った各人は,地上の一切のものを所有しているとすれば,必ずそれを挙げて罪を贖おうとするであろう。また懲罰を目の前に見る時,かれらは後悔を表す。だがかれらの間は公正に裁定され,不当に扱われることはないのである。 [10.55] 天地の凡てのものは,アッラーの有ではないか。本当に,アッラーの約束は真実ではないか。しかし,かれらの多くは分らない。 [10.56] かれは生を与え,また死を与える。そしてかれにあなたがたは帰されるのである。 [10.57] 人びとよ,あなたがたの主から確かに勧告が下された,これは胸の中にある(病い)を(癒?)し,また信者に対する導きであり慈悲である。 [10.58] 言ってやるがいい。「アッラーの恩恵により,またその慈悲により,かれらを喜ばせなさい。それはかれらが蓄積したものに勝る。」 [10.59] 言ってやるがいい。「アッラーが,御恵みとしてあなたがたに下されたものを考えてみなさい。何故あなたがたはその(一部を)非合法とし,また(一部を)合法としたのか。」言ってやるがいい。「アッラーがあなたがたに許されたのか,それともあなたがたがアッラーに就いて捏造したのか。」 [10.60] 復活の日に,アッラーに就いて嘘を捏造した者たちの思うことは何であろうか。本当にアッラーは,人間に対し恩恵の限りを尽くされる。それでも,かれらの多くは感謝しない。 [10.61] あなたが何事に従事していても,またクルアーンのどの部分を読誦していても,またあなたがたがどんな行いをしていようとも,あなたがたがそれにうち込んでいる限り,われは必ずあなたがたのための立証者である。天地の微塵の重さも,あなたの主から免れられない。またそれよりも小さいものでも,大きいものでも(凡て)はっきりと書物の中に(記されて)ないものはないのである。 [10.62] 見なさい。アッラーの友には本当に恐れもなく,憂いもないであろう。 [10.63] かれらは信仰し,(アッラーを)畏れていた者たち。 [10.64] かれらに対しては現世でも,来世においても吉報がある。アッラーの御言葉には変更はない。それこそは偉大な,幸福の成就である。 [10.65] かれらの言葉に,あなたの心を痛ませてはならない。本当に権能栄誉は,凡てアッラーの有である。かれは全聴にして全知であられる。 [10.66] 見なさい。天地の凡てのものは,本当にアッラーの有である。アッラーを差し置いて,神々に祈っている者たちは何に従うのか。かれらは妄想に従っているだけ。自分勝手に過ぎない。 [10.67] かれこそは,あなたがたのため夜を定め,それであなたがたを憩わせ,また昼間を明々白々にされる方である。本当にその中には聞く耳をもつ人びとに対し,印がある。 [10.68] かれらは,「アッラーは一人の子をもうけられた。」と言う。かれに讃えあれ。かれは自足なされる御方。天地の凡てのものは,かれの有である。あなたがたはこれに対して,権威はないのである。アッラーに就いて,自分の知らないことを語るのか。 [10.69] 言ってやるがいい。「アッラーに就いて嘘を捏造する者は,決して栄えないであろう。」 [10.70] かれらはこの世で束の間の享楽をなし,それからわれの許に帰るのである。その時われは,不信心であったことに対して厳しい懲罰を味わせるであろう。 [10.71] かれらにヌーフの物語を読誦しなさい。かれがその民にこう言った時を思え。「わたしの人びとよ,わたしが(あなたがたと一緒に)留り,またアッラーの印を思い出させることがあなたがたにとって迷惑であっても,わたしはアッラーを信頼する。それであなたがたは,自分で立てた神々と(相談して)あなたがたの事を決定しなさい。それであなたがたの決断に,半信半疑であってはならない。その時わたしに対する態度を決め,猶予するな。 [10.72] 仮令あなたがたが背き去っても,わたしはあなたがたから報酬をもらうわけではなかった。わたしは只アッラーから報酬をいただくだけ。わたしは,ムスリムであるよう命じられている。」 [10.73] だがかれらはかれ(ヌーフ)を拒否したので,われはかれとかれの味方の者たちを方舟に救い,かれらに(地を)継がせ,わが印を拒否した者を溺れさせた。見なさい。警告された者たちの最後がどんなものであったかを。 [10.74] それからかれの後,われは使徒たちをその民に遺わし,明白な(印)を授けた。だがかれら(人びと)は以前に拒否したものを,信じようとはしなかった。このようにわれは反逆者の心を封じる。 [10.75] それからかれらの後,わが印を持ってムーサーとハ―ルーンを,フィルアウンとその首長たちに遺わしたが,かれらは高慢で罪深い民であった。 [10.76] 真理がわが許からかれらに(西?)された時,かれらは言った。「これは明らかに魔術である。」 [10.77] ムーサーは言った。「あなたがたは(この現実に)(湾?)されている真理を(指して)言うのか,これが魔術であろうか。魔術師は成功しないであろう。」 [10.78] かれらは言った。「あなたが来たのは,わたしたちの祖先が守っていた信仰から背かせるためである。あなたがた両人は,この国で高い地位を得ようとするのか。わたしたちはあなたがた両人を信じない。」 [10.79] フィルアウンは言った。「凡ての老練な魔術師を,ここに呼んで来なさい。」 [10.80] 魔術師が来た時,ムーサーはかれらに言った。「あなたがたの投げたいものを投げなさい。」 [10.81] かれらが投げた時,ムーサーは言った。「あなたがたが現出したのは,魔術である。アッラーは直ぐそれを無力にされる。本当にアッラーは不義の徒の仕業を成功させない。」 [10.82] 罪深い者たちが仮令好まなくても,アッラーは御言葉で真理を立証される。 [10.83] かれの民の中末輩を除いては,ムーサーを信じようとしなかった。かれらはフィルアウンや首長の迫害を恐れていたのである。フィルアウンは国内で権勢を恋にし,本当に暴君であった。 [10.84] ムーサーは言った。「わたしの人びとよ,あなたがたはアッラーを信仰するのなら,かれを信頼しなさい。もしあなたがたが服従,帰依する者であるならば。」 [10.85] かれらは(祈って)言った。「わたしたちはアッラーを信頼します。主よ,わたしたちを,不義の民のための一試練となされず, [10.86] あなたの御慈悲をもってわたしたちを不信心の民から救い出して下さい。」 [10.87] われはムーサーとその兄弟に啓示して言った。「あなたがたの民のためエジプトに住まいを定め,あなたがたの家を礼拝の場となし,礼拝の務めを守れ。また信者たちに吉報を伝えなさい。」 [10.88] ムーサーは申し上げた。「主よ,本当にあなたはフィルアウンとその首長たちに,現世の生活の栄華裕福を御授けになりました。主よ,かれらがあなたの道から迷い出てしまいますように。主よ,かれらの富を滅ぼされ,かれらの心を頑固にして下さい。それ故痛ましい懲罰が下るまで,かれらは信じないでしょう。」 [10.89] かれは仰せられた。「あなたがた両人の祈りは受け入れられた。だから姿勢を正し,無知な者の道に従ってはならない。 [10.90] われは,イスラエルの子孫に海を波らせ,フィルアウンとその軍勢は,暴虐と敵意に満ちてかれらを追跡した。溺れ死にそうになった時,かれ(フィルアウン)は言った。「わたしは信仰いたします。イスラエルの子孫が信仰するかれの外に,神はありません。わたしは服従,帰依する者です。」 [10.91] (するとかれに仰せられよう。)「何と,今(信仰するのか)。ちょっと前まであなたは反抗していた。結局あなたは犯罪者の仲間であった。 [10.92] だが今日は,われは後の者への印とするため,あなたの体を救うであろう。だが人びとの多くはわが印を疎かにする。」 [10.93] われは,イスラエルの子孫に安全な居住の地を定め,凡ての良いものを授けた。かれらに(悪い)知識が来るまでは意見の相異はなかった。本当にあなたの主は,審判の日にかれらが争っていたことに就いて,かれらの間を裁決されるであろう。 [10.94] あなたがもしわれの命令したものに就いて疑うならば,あなた以前の啓典を読んでいる者に問え。確かに真理は,主からあなたに(育?)されたのである。だからあなたは懐疑に陥ってはならない。 [10.95] またあなたは,失敗者にならないよう,アッラーの印を虚偽であるとする者の仲間であってはならない。 [10.96] 本当に(罪が深いために)主の御言葉通りになった者は,信仰しないであろう。 [10.97] 例え凡て印がかれらに(宙?)されても,かれらが(自分で)痛ましい懲罰を見るまでは。 [10.98] 信仰したのにその信仰心が(破滅を免れるのに)役立った町が,ユーヌスの民の外にはなかったのは何故なのか。かれら(ユーヌスの民)力t信仰に入った時,われは現世の生活における,不名誉な懲罰をかれらから取り払い,現世(の生活)を享楽させた。 [10.99] もし主の御心なら,地上の凡ての者は凡て信仰に入ったことであろう。あなたは人びとを,強いて信者にしようとするのか。 [10.100] アッラーの許しがなければ,誰も信仰に入ることは出来ないのである。また悟らない者には,かれは退廃を起こさせる。 [10.101] 言ってやるがいい。「天地の凡てのものを観察しなさい。」だが信仰しない人びとには,印も警告も役立たない。 [10.102] かれら以前に過ぎ去った人びとの日(に起こったの)と同じこと以外に,かれらは(何を)期待するのか。言ってやるがいい。「それなら待て,わたしもまたあなたがたと共に待つものである。」 [10.103] その中われは,使徒たちと信仰する者たちを救うであろう。このように信者を救うのは,われの免れられない務めである。 [10.104] 言ってやるがいい。「人びとよ,例えあなたがたがわたしの教えに就いて疑っても,わたしはアッラーを差し置いて,あなたがたが仕えているものに仕えない。わたしはアッラーに仕える。あなたがたを召される御方ではないか。わたしは信者であるよう命じられている。 [10.105] (それからこうも言われた。)それであなたの顔を,純正な教えに向けなさい。偶像信者の仲間であってはならない。 [10.106] またアッラーを差し置いて,あなたを益せずまた損いもしないものに祈ってはならない。もしこれをするならば,あなたは本当に不義者の仲間である。 [10.107] もしアッラーがあなたに災厄を下されれば,かれの外にそれを除くものはない。またもしかれがあなたに幸福を望まれれば,かれの恩恵を拒否するものは何もないのである。かれはそのしもベの中,御好みになられる者に,それを下される。本当にかれは寛容にして慈悲深くあられる。」 [10.108] 言ってやるがいい。「人びとよ,主から,あなたがたに真理が(宙?)されたのである。導かれる者は,只自分を益するために導かれ,迷う者は,只自分を害するために迷う。わたしは,あなたがたの後見人ではない。」 [10.109] あなたに啓示されたものに従い,アッラーが裁かれるまで耐え忍べ。かれは裁決に最も優れた御方であられる。 @HUD 慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において。 [11.1] アリフ・ラーム・ラー(この)啓典は,(英知によって)守護されており,また英明にして通暁される御方からの解明である。 [11.2] (それで言うがいい。)「アッラーの外誰にも仕えてはならない。本当にわたしは警告者,また吉報の伝達者として,かれからあなたがたに(遣わされた)。」 [11.3] あなたがたの主の御赦しを請い願え。そしてあなたがたは,悔悟してかれの許に返れ,(そうすればアッラーは)定められた時期までいろいろなよいものを享受させる。また功績の多い者には,それぞれ豊富に恵みを与えられる。だがもし,背き去るならば,わたしはあなたがたのために偉大な日の懲罰を恐れる。 [11.4] 「あなたがたはアッラーの許に帰るのである。かれは凡てのことに全能であられる。」 [11.5] 見なさい。かれらは(その敵意を)かれに隠そうとして,自分たちの胸をたたみ込んでいる。ああ,自分たちの衣を(幾重に)着こんでも,かれはかれらの隠すこと顕わすことを知っておられる。本当にかれは,胸の中の秘密をよく知っておられる。 [11.6] 地上の凡ての生きもので,その御恵みをアッラーからいただいていない者はない。かれはそれらの居住所と寄留所を知っておられる。凡てはっきりと書物に(記されて)ある。 [11.7] かれこそは玉座が水の上にあった時,6日の間に天と地を創造された御方。それはかれが,あなたがたの中誰が,行いに最も優れているか,明瞭にされるためである。だがあなたがもし,「あなたがたは,死後必ず甦されるであろう。」と言えば,不信心者たちはきっと,「それは明らかに魔術に過ぎない。」と言うであろう。 [11.8] もしわれが定めの時期まで,かれらに対する懲罰を延ばせば,かれらはきっと言うであろう。「何が(懲罰を)遅らせているのか。」ああ,それが到来する日,何ものも,それを避けられず,かれらは自分たちが嘲笑していたもので,取り囲まれるであろう。 [11.9] もしわれが,人間に規しく慈悲を施して味わしめ,その後それをかれらから取り上げれば,きっと絶望して不信心になる。 [11.10] だが災いに見舞われた後われがもし恩恵を味わしめると,かれは,「不幸はわたしから去ってしまった。」と言って必ず狂喜して自慢する。 [11.11] 耐え忍んで,善行をなす者だけはそうではない。これらの者には,(罪の)赦しと偉大な報奨がある。 [11.12] あなたは恐らく,啓示されたものの一部を放棄したい(気持になる)であろう。そのためにあなたの胸は狭められてはいないか。それはかれらがこう言うためである。「どうしてかれに財宝が下されないのだろう。また何故1人の天使も,かれと一緒に来なかったのであろうか。」本当にあなたは1人の警告者に過ぎない。アッラーは凡てのことを管理される方であられる。 [11.13] またかれらは,「かれがそれ(クルアーン)を作ったのです。」と言う。言ってやるがいい。「もしあなたがたの言葉が真実ならば,それに類する10章を作って,持って来なさい。また出来るならあなたがた(を助けることの出来る)アッラー以外の者を呼びなさい。」 [11.14] もしかれら(神々)があなたがた(の呼びかけ)に答えないならば,あなたがたはそれがアッラーの御知識からだけ下されたものであること,またかれの外に神はないことを知りなさい。それであなたがたは,心から服従,帰依するのか。 [11.15] 現世の生活とその栄華を望む者には,われは現世のかれらの行いに対し十分に報いるであろう。かれらは少しも減らされることはないのである。 [11.16] これらの者は,米世の火獄の外に何もない者たちである。現世でかれらの成し遂げたことは実を結ばず,その行っていたことは,虚しいものになる。 [11.17] 主からの明白な印を受けた証人(預言者)に読み聞かされた者(信者たち)。そしてそれ以前に導師であり慈悲であるムーサーの啓典(律法)をいただいている人々。これら(啓示の下った民)こそはそれ(クルアーン)を信じる。だがそれを信じない一派の者たちは,火獄がかれらの約束された場所である。だからあなた(ムハンマド)は,それに就いて疑ってはならない。本当にそれはあなたの主からの真理である。だが人びとの多くは信じない。 [11.18] アッラーに就いて虚偽を作る者より,甚だしい不義な者があろうか。かれらは主の御許に引き出され,その証人たちは,「これらの者は,主に関して偽った者です」と言うであろう。見なさい。アッラーの怒りが不義者に下る。 [11.19] これらの者は,アッラーの道(イスラームの教え)から(人々を)妨げ,(その道自体を)曲げようとする者,また来世を否定する者である。 [11.20] これらの者は,地上において罰を逃れることもできず,またアッラーの外に守護者もないのである。かれらに対する懲罰は倍加されるであろう。かれらは聞くことも出来ず,また(明確に)見ることも出来なかった。 [11.21] これらの者は,自分自身を滅ぼした者で,かれらが捏造していたものは,かれらからはぐれ去った。 [11.22] 疑うことなくこれらの者は,来世の最大の失敗者である。 [11.23] 本当に信仰して善行に励み,また主の御前で謙虚な者,これらの者は楽園の住人で,永遠にそこに住むであろう。 [11.24] この両者を例えれば,一人は盲人で耳の遠い者のようであり,外は目も見えれば耳も聞える者である。比べてみて両者は同じであろうか。それでもあなたがたは注意しないのか。 [11.25] またわれはヌーフを,かれの民に遣わした。(かれは言った。)「わたしはあなたがたへの,公明な警告者である。 [11.26] あなたがたはアッラーの外に仕えてはならない。わたしはあなたがたのために,苦難の日の懲罰を本当に恐れる。」 [11.27] だがかれの民の中不信心な首長たちは言った。「あなたを見ると,わたしたちと同じ人間に過ぎません。またわたしたちのなかでもあなた従う者は,思慮の未熟な最も卑しい者に過ぎません。またあなたには,わたしたちに勝る長所も認められません。いや,わたしたちは,実際あなたがたを嘘付きであると考えます。」 [11.28] かれは言った。「わたしの人びとよ,あなたがたは考えてみなさい。もしわたしが主からの明証の上に立ち,かれが御許からわたしに慈悲を与えられても,それがあなたがたの目に不明瞭だというならば,それほど嫌っているのに,あなたがたにそれを強いることが出来ようか。 [11.29] 人びとよ,わたしはこれ(伝道)に対して,あなたがたに財貨を求めない。わたしは,只アッラーから報奨をいただくだけである。またわたしは,信仰者たちを(侮って)追い返そうとはしない。本当にかれらは主に会う身である。寧ろあなたがたは,無知の民であるとわたしは考える。 [11.30] 人びとよ,わたしがもしかれらを追い返したならば,アッラーに対し誰がわたしを助けるであろう。それでもあなたがたは注意しないのか。 [11.31] わたしはあなたがたに向かって,わたしがアッラーの宝物をもっているとも,幽玄界を知っているとも,またわたしは天使であるとも言わない。なおまたわたしはあなたがたが軽視する者に向かって,アッラーはかれらに(どんな)善性も,御授けにならないだろうと言わない。アッラーは,かれらの心の中を,最もよく知っておられる。もしそうであったならば,わたしは不義の徒である。」 [11.32] かれらは言った。「ヌーフよ,あなたはわたしたちと論議してわたしたちとの論争を長引かせました。もしあなたの言葉が真実ならば,あなたが約束したこと(懲罰)をわたしたちに(お?)しなさい。」 [11.33] かれは言った。「アッラーの御心があれば,かれだけがあなたがたにそれを現出されるであろう。あなたがたは(それを)避けられないのである。 [11.34] 仮令わたしが(善い)忠告を,あなたがたに与えようと望んでも,もしアッラーがあなたがたを,迷うに任せる御望みならば,わたしの助言はあなたがたに無益であろう。かれこそあなたがたの主であられる。あなたがたはかれの御許に帰されるのである。」 [11.35] また,かれら(マッカの不信心者たち)はかれがそれ(クルアーン)を作り出した」と言っている。言ってやるがいい。「もしわたしがそれを作り出したならば,罪はわたしにある。だがわたしは,あなたがたが犯した罪にはかかわリがない。」 [11.36] ヌーフはこのように啓示された。「既に信仰した者の外は,もうあなたの民は信仰しないであろう。だからかれらの行いに就いて悩んではならない。 [11.37] そしてわれの目の前で,啓示に従って方舟を造れ。また不義を行う者のために(この上)われに願い出てはならない。かれらは溺れ死ぬであろう。」 [11.38] そこでかれは方舟を造り始めた。かれの民の首長たちは,その側を過ぎる度にかれを明笑した。かれは言った。「仮令あなたがたが(今)わたしたちを嘲笑しても,いずれあなたがたが嘲笑するように,きっとわたしたちがあなたがたを嘲笑するようになろ。」 [11.39] 「あなたがたはやがて恥馬の懲罰が誰に来るか知るであろう。永久の懲罰が誰の上に降りかかるかを。」 [11.40] 遂にわが命令は下って,大地の諸水が堰を切って迸り出た時,われは言った。「すべての生き物の一つがいと,信仰者たちと,あなたの家族で宣告がすでに下された者以外をその中に乗せなさい。」だがかれと共に信仰した者は少なかった。 [11.41] かれ(ヌーフ)は言った。「アッラーの御名によって,これに乗れ。航行にも停泊にもそれによれ。本当にわたしの主は,寛容にして慈悲深くあられる。」 [11.42] 方舟はかれらを乗せて山のような波の上に動き出した。その時ヌーフは(皆から)離れていたかれの息子に叫んで言った。「息子よ,わたしと一緒に乗れ。不信者たちと一緒にいてはならない。」 [11.43] 息子は(答えて)言った。「わたしは山に避難しよう。それは(洪)水から救うであろう。」かれ(ヌ-フ)は言った。「今日はアッラーの御命令によってかれの慈悲に浴する者の外は,何者も救われない。」その時2人の間に波が来て,息子は溺れる者の1人となった。 [11.44] 御言葉があった。「大地よ,水を飲み込め。天よ,(雨を)降らすことを止めなさい。」水は引いて,事態は治まり,(舟は)ジューディー山上に乗り上げた。また仰せられた。「不義を行う民を追い払え。」 [11.45] ヌーフはかれの主を呼んで申し上げた。「主よ,わたしの息子は(わが)家の一員です。あなたの約束は本当に真実で,あなたは裁決に最も優れた御方であられます。」 [11.46] かれは仰せられた。「ヌーフよ,かれは本当にあなたの家族ではない。かれの行いは正しくない。あなたの知らないことに就いて,われに求めてはならない。われはあなたが無知な者とならないよう戒める。」 [11.47] かれは申し上げた。「主よ,本当にわたしか知りもしないことに就いて,あなたに請い求めないよう,御赦しを願います。あなたがわたしを御赦しになり,慈悲を与えられなければ,わたしはきっと,失敗者の仲間になるでしょう。」 [11.48] (かれに)御言葉があった。「ヌーフよ,われからの平安によって,(舟を)降りなさい。あなたに祝福あれ,またあなたと共にいる多くの人々の上にも。(外に)われが(少しの間の生活を)享受させる人々もあるが,結局かれらはわれから痛ましい懲罰を受けるであろう。 [11.49] これはわれがあなたに啓示した,幽玄界に就いての消息である。あなたもあなたの人々も以前はそれを知らなかった。だから耐え忍ベ。(善)果は,主を畏れる者に帰するのである。 [11.50] (われは)アードの民に,その同胞のフードを(遣わした)。かれは言った。「わたしの人びとよ,アッラーに仕えなさい。あなたがたには,かれの外に神はないのである。あなたがたは(神々を)捏造しているに過ぎない。 [11.51] 人びとよ,わたしはこれ(消息)に対して,何の報酬もあなたがたに求めない。わたしの報酬は,わたしを創られたかれの御許にだけあるのである。あなたがたはそれでも悟らないのか。 [11.52] わたしの人びとよ,あなたがたの主の御赦しを請い求め,悔悟してかれに返れ。かれはあなたがたの上に天(から雲)を送り,豊かに雨を降らせ,あなたがたの力に更に力を添えられる。だからあなたがたは背き去って,罪を犯してはならない。」 [11.53] かれらは言った。「フードよ,あなたはわたしたちにたった一つの明証すら,(宙?)さない。わたしたちは(単なる)あなたの言葉のために,わたしたちの神々を捨てない。またあなたの信者にもならない。 [11.54] わたしたちの神々のあるものが,邪悪な言動であなたを魅惑したのだと言うだけである。」かれは(答えて)言った。「わたしは,立証をアッラ―に御願いする。あなたがたも,わたしが(神々を)配することに,関りないことを証言して下さい。 [11.55] かれ以外(の神々を仲間とし)て,皆でわたしに対し策謀しなさい。何も猶予はいらない。 [11.56] わたしの主であり,あなたがたの主であられるアッラーを,わたしは信頼する。凡ての生きものの一つでも,アッラーが,その前髪を(担?)まれないものはない。本当にわたしの主は,正しい道の上におられる。 [11.57] 仮令あなたがたが背き去っても,わたしはあなたがたのために,与えられたものを既に伝えた。主はあなたがたの代りに,他の民を継がせられた。あなたがたは少しも,かれを害することが出来ないのである。本当にわたしの主は,凡てを見守られる。」 [11.58] わが命令が下った時,われの慈悲によってフードとかれと共に信仰する者たちは救われた。われは酪い懲罰から,かれらを救ったのである。 [11.59] これは,アード(の民のこと)であった。かれらは主の印を拒否し,かれの使徒たちに背き,それぞれの勢力者,頑迷な反逆者の命令に従った。 [11.60] それでかれらは,現世でも復活の日でも,呪いに付き纏われた。ああ見よ,本当にアードは,かれらの主を信仰しなかった。ああ見よ,フードの民(の視界から)アードは消された。 [11.61] (われは)サムードの民に,その同胞サーリフを(遺わした)。かれは言った。「わたしの人びとよ,アッラーに仕えなさい。かれの外に,あなたがたに神はないのである。かれは大地からあなたがたを造化され,そこに住まわせられた。それでかれの赦しを請い願い,悔悟してかれに返れ。本当にわたしの主は,直ぐ近くにおられ,(祈りに)応えられる御方である。 [11.62] かれらは言った。「サーリフよ,あなたはわたしたちの中で,以前望みをかけた人物であった。(今)あなたは,わたしたちの祖先が仕えたものに仕えることを禁じるのか。だがあなたが勧める教えに就いて,わたしたちは真に疑いをもっている。」 [11.63] かれは言った。「わたしの人びとよ,考えてみたのか,わたしが主からの証の上にたち,かれはわたしに,親しく慈悲を与えられるのに,もしわたしがかれに従わないならば,誰がアッラー(の怒り)からわたしを救助することが出来ようか。あなたがたはわたしをもっと破滅してしまうだけである。」 [11.64] わたしの人びとよ,これはアッラーの雌ラクダで,あなたがたに対する一つの印である。アッラーの大地で放牧し,これに害を加えてはならない。身近かな懲罰に襲われないようにしなさい。 [11.65] だがかれらは,その膝の腱を切った。それでかれ(サーリフ)は言った。「3日の間あなたがたの家で(生を)楽しめ。それは偽りのない約束である。」 [11.66] わが命令が下った時,慈悲によってわれはサーリフならびにかれと共に信仰した者たちを救い,またその日の恥辱からも救った。本当にあなたの主は,強大にして偉力ならびなき御方である。 [11.67] 一声(懲罰)が,不義の者を襲った。かれらは翌朝その家の中で俯していた。 [11.68] そこはまるで,誰一人住んでいなかったかのようであった。サムードの人びとは,主を信じなかった。サムードよ(アッラーの慈悲から)追放されよ。 [11.69] わが使徒たちが,イブラーヒームの許に来て,吉報を(声?)した。かれらは,「平安あれ。」と言い,かれも,「平安あれ。」と答え,時を移さず,焼いた仔牛で持て成した。 [11.70] だがかれらの手がそれに伸びないのを見て,かれは不安に感じ,かれらに恐れを抱いた。かれらは言った。「恐れてはならない,実はわたしたちは,ルートの民に遣わされた者である。」 [11.71] その時,かれ(イブラーヒーム)の妻が立っていて,笑ったので,われはかの女にイスハークのこと,イスハークの後,ヤアコーブの(産れる)吉報を伝えた。 [11.72] かの女は言った。「ああ,情ない,わたしは老婦人であり,この夫も老人なのに(子が)産めましょうか。本当にこれは不思議なことです。」 [11.73] かれらは言った。「おお,この家の人びとよ,あなたがたは,アッラーの命令に驚くのか。アッラーの慈悲と祝福があなたがたの上にあるように。本当にかれは讃美すべき方,栄光に満ちた方であられる。」 [11.74] それでイブラーヒームの恐れが消え,吉報がかれに伝えられた時,かれはルートの民のためにわれに歎願し始めた。 [11.75] 本当にイブラーヒームは,辛抱強く,心の優しい,梅悟して(主に)返った者である。 [11.76] (主は仰せられた。)イブラーヒームよ,このことを断念しなさい。既に主の御命令は下っている。避けられない懲罰が,かれらに下るのである。 [11.77] われの使徒たちがルートの許に来た時,かれは(ルー卜の客人としての)使徒のためにとても心を悩まし,かれ自身(人びとの男色の風習から)かれらを守れないことを悲しんで,「これは苦難の日である。」と言ったo [11.78] 人びと(ルートの民)は急いでかれの許に来た。これまでかれらは,汚らわしい行い(男色行為)をしていたので,かれは言った。「わたしの人びとよ,ここにわたしの娘たちがいる。あなたがたにとっては(娘たちと結婚することが)最も清浄である。アッラーを畏れなさい。わたしの賓客に関して,わたしに恥をかかせないでくれ。あなたがたの中に,正しい心の者が一人もいないのか。」 [11.79] かれらは言った。「わたしたちがあなたの娘たちに,求める気のないことを,あなたはよく知っているはずである。またわたしたちが望むものもあなたに分っている。」 [11.80] かれは(祈って)言った。「わたしに,あなたがたを押える力がありますよう。もしくは力強い支持にあずかることが出来ますように。」 [11.81] かれら(使徒たち)は言った。「ルートよ本当にわたしたちは,あなたの主の使徒である。かれらは決してあなたに手を触れることは出来ない。それで夜の間にあなたの家族を連れて出て行きなさい。そしてあなたがたの中,一人でも後ろを振り向いてはならない。あなたの妻は別である。かの女は,かれら(ソドムの住民)の遭遇したことに遭遇するであろう。かれらに定められた時は,早朝である。朝は近いではないか。」 [11.82] それでわが命令が下った時,われはそれ(町)を転覆し,その上にわれは幾重にも焼いた泥の石を雨と降らせた。 [11.83] (その石には)アッラーの御許で,(懲罰の)記号が付けられていた。それらは,不義を行う者の上にも降りかかるのである。 [11.84] (われは)またマドヤンの民にその同胞のシュアイブを(遣わした)。かれは言った。「わたしの人びとよ,アッラーに仕えなさい。あなたがたには,かれの外に神はないのである。また寸法や量目を少なくしてはならない。見たところあなたがたは繁栄しているが,わたしはあなたがたに,(一切を)取り巻く日の懲罰が下るのを恐れる。」 [11.85] 「人びとよ,寸法や量目を正確に計れ,人の物を欺き取ってはならない。また地上で悪事を行って退廃を(西?)してはならない。 [11.86] もしあなたがたが信者ならば,アッラーの(賜物で手もとに)残されたものこそ,あなたがたのために最も善いものである。わたしはあなたがたの見張り人ではない。」 [11.87] かれらは言った。「シュアイブよ,あなたの祈るところのものは,わたしたちの祖先が崇拝したものを捨てるようにあなたに命じたのか。また自分の財産に関し,望み通りに処理してはならないのか。本当にあなたは,親切に正しい道に導く者なのか。」 [11.88] かれは(答えて)言った。「人びとよ,考えてみなさい。わたしが主からの証の上にたち,またかれから良い御恵みを与えられている(のに,主の啓示を伝えることをわたしが怠ろうか)。またあなたがたに禁したことを,陰で行うことを望まない。わたしの請い願うところは,只力を尽くして(世の中を)矯正することであり,アッラーによる以外にはわたしの成功〔タウフィーク〕はないのである。わたしはかれに信頼し,かれに梅悟して返る。 [11.89] 人びとよ,わたしに異議を唱えて罪を犯しヌーフの民やフードの民,またサーリフの民が陥ったのと同じ(運命)に陥ってはならない。ルートの民にいたっては,あなたがたと余り縁遠くはない。 [11.90] それであなたがたの主の御赦しを請い,悔悟してかれに返れ。本当にわたしの主は慈悲深く温情にあつい御方である。」 [11.91] かれらは言った。「シュアイブよ,あなたの言うことをまるで理解出来ない。またわたしたちは,本当にあなたは頼りにならないと思う。あなたの同族(のこと)を考えなかったならば,わたしたちはきっとあなたを石打ちにしたであろう。あなたはわたしたちの間では無力なのである。」 [11.92] かれ(シュアイブ)は言った。「人びとよ,あなたがたはアッラーよりも,わたしの同族の方を重視するのか。かれを無視して,あなたがたの背後に捨てるのか。本当にわたしの主は,あなたがたの行うことを取り囲まれる。 [11.93] 人びとよ,あなたがたは自分のやり方で行うがよい。わたしもまた(わたしの務めを)行うであろう。やがてあなたがたは知ろう。誰に恥ずべき懲罰が下るのか,また誰が偽ったのかを。あなたがたは待て,わたしもまたあなたがたと共に待つものである。」 [11.94] わが命令が下った時,われの慈悲によってシュアイブとかれと共に信仰した者たちは救われた。だが不義を行った者たちには一声(懲罰)が襲い,翌朝かれらはその家の中に,俯していた, [11.95] かれらは,まるでそこに住んでいなかったかのようであった。丁度サムードが滅びたようにマドヤンは滅びた。 [11.96] またわれは,印と明瞭な権威とを授けて,ムーサ一を遺わした。 [11.97] フィルアウンとその首長たちに。だが,かれらはフィルアウンの命令に従った。しかしフィルァウンの命令は,正しい道に導くものではなかった。 [11.98] 復活の日にかれ(フィルアウン)は,人びとを率いて火獄に導き下るであろう。何と恐しい水場であることよ。 [11.99] かれらは現世においても復務の日にも呪いに付き纏われた。何と恐しい賜物であることよ。 [11.100] これらはわれがあなた(ムハンマド)に語る,昔の村々の消息の一部である。そのあるものはなお存在するが,あるものは消滅した。 [11.101] われがかれらを損ったのではない。かれらが自分自身を損ったのである。アッラー以外にかれらが祈っていた神々は,あなたの主の命令が下った時,かれらに何も役立つことはなかった。只破滅を助長するだけであった。 [11.102] このようにかれらが悪を行っている時,村々を不意に襲うことが,あなたの主の捕え方である。かれの捕え方は,本当に痛烈であり苛酷である。 [11.103] 本当にこの中には来世の懲罰を恐れる者への印がある。それは人間が一斉に召集される日であり,立証されるべき日である。 [11.104] それは定められた一期のために過ぎず,われはそれを遅延させない。 [11.105] その日が来れば,誰もかれの許しがなければ発言することは出来ない。かれらの中の(ある者は)惨であり,また(ある者は)幸福である。 [11.106] その時惨な者たちは,火獄の中にいよう。その中でかれらは,ため息とすすり泣き(に喘ぐだけである)。 [11.107] あなたの主の御好みにならない以上,天と地の続くかぎり,その中に永遠に住むであろう。本当にあなたの主は,御望みのことを(必ず)成し遂げられる。 [11.108] (その日)幸福な者たちは楽園に入り,あなたの主の御好みによる以外,天と地の続く限り,その中に永遠に住むであろう。限りない賜物である。 [11.109] だからこれらの人びとが崇拝するものに就いて,あなたは思い煩うことはない。かれらは祖先が以前に仕えたものに仕えるに過ぎない。本当にわれは,かれらの得分を(少しも)減らすことなく支給する。 [11.110] われはムーサーに啓典を授けたが,それに就いて(ユダヤ人の間に)異論があった。あなたの主から前もって,御言葉が下されていなかったならば,その事はかれらの間できっと解決されたであろう。だが末にかれらはそれに就いて不安な疑いを抱いている。 [11.111] あなたの主はかれらの凡ての言動に対して,十分に報われる。本当にかれは,かれらの行いを熟知なされる。 [11.112] それであなたと,またあなたと共に梅悟した者が命じられたように,(正しい道を)堅く守れ。法を越えてはならない。かれはあなたがたの行いを御存知であられる。 [11.113] あなたがたは悪を行う者を頼りにしてはならない。さもないと業火があなたを捕えるであろう。あなたがたには,アッラーの外に守護者はなく,助けられることもない。 [11.114] 礼拝は昼間の両端において,また夜の初めの時に,務めを守れ。本当に善行は,悪行を消滅させる。これは(主を)念じる者に対する訓戒である。 [11.115] 耐え忍べ。本当にアッラーは,善行者への報奨を虚しくされない。 [11.116] あなたがたより以前の世代の者の間には,何故かれらの中われが救った少数の者を除いては,地上の退廃を押える有徳な者たちがいなかったのであろうか。不義を行う者たちは,享楽を貪り罪を犯していた。 [11.117] あなたがたの主は,そこの居住民が矯正(に留意)する間は,(単なる)悪行のために都市を滅ぼされない。 [11.118] またあなたの主の御心ならば,かれは人びとを一つのウンマになされたであろう。だがかれらは反目しあっている。 [11.119] あなたの主が慈悲を垂れられる者は別である。かれはそうなるように,かれらを創られた。そして,「われは必ずジンと人間を一緒にして,地獄を満たす。」との主の御言葉は全うされた。 [11.120] 凡そわれが,使徒たちの消息に就いてあなたに語ったことは凡て,あなたの心をそれで堅固にするためのものである。その中には真理と勧告,と信仰する者への訓戒がある。 [11.121] それで不信仰者に言ってやろがいい。「あなたがたは自分のやり方で行うがいい。わたしたちも(自分の務めを)行う。 [11.122] あなたがたは待ちなさい。わたしたちも待っている。」 [11.123] 天と地の幽玄界は,アッラーの有であり,また凡ての事(物の決定)はかれに帰属する。だからかれに仕え,かれを信頼しなさい。主はあなたがたの行うことを,疎かになされない。 @YUSUF 慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において。 [12.1] アリフ・ラーム・ラー。これらは明瞭な啓典の印である。 [12.2] われは,アラビア語のクルアーンを下した。恐らくあなたがたは悟るであろう。 [12.3] われはこのクルアーンをあなたに啓示し,物語の中の最も美しいものを語ろう。あなたもこれまで気付かずにいたものである。 [12.4] ユースフがその父(ヤアコーブ)にこう言った時を思え。「父よ,わたしは(夢で)11の星と太陽と月を見ました。わたしは,それらが(皆)わたしに,サジダしているのを見ました。」 [12.5] かれは言った。「息子よ,あなたの夢を兄たちに話してはならない。さもないとかれらはあなたに対して策謀を企らむであろう。本当に悪魔は人間には公然の敵である。 [12.6] このように主は,あなたを御選びになって,出来事の解釈を教えられ,かれが以前に,あなたの祖先のイブラーヒームやイスハークに御恵みを全うされたように,あなたとヤアコーブの子孫にそれを全うしたものである。本当にあなたの主は全知にして英明であられる。」 [12.7] 本当にユースフとその兄弟(の物語の中)には,(真理を)探求する者への種々の印がある。 [12.8] かれら(兄たち)がこう言った時を思え。「ユースフとその弟は,わたしたちよりも父に寵愛されている。だがわたしたちは多勢の仲間である。父は明らかに間違っている。」 [12.9] (1人が言った。)「ユースフを殺すか,それともかれを何処か外の地に追え。そうすれば父の顔(好意)はあなたがたに向けられよう。その後に,あなたがたは正しい者になれるというものである。」 [12.10] かれらの1人の者が言った。「ユースフを殺害してはならない,もしあなたがたがどうしてもそうしたいなら,寧ろかれを井戸の底に投げ込めば,恐らく何処かの隊商に拾い上げられることもあろう。」 [12.11] かれらは言った。「父よ,何故あなたはユースフを,わたしたちに御任せにならないのですか,わたしたちは,本当にかれに好意を寄せているではありませんか。」 [12.12] 「明日わたしたちと一緒にかれを(野に)行かせ,遊んで気を晴らせるようにしてやって下さい。わたしたちはかれを必ず守ります。」 [12.13] かれ(ヤアコーブ)は言った。「あなたがたがかれを連れて行くのは,わたしにはどうも心配である。あなたがたがかれに気を付けない間に,狼がかれを食いはしないかと恐れている。」 [12.14] かれらは言った。「わたしたちは多勢の仲間だから,もし狼がかれを食うようなら,その時はわたしたちは本当におしまいです。」 [12.15] こうしてかれらは,かれ(ユースフ)を連れて行った。そしてかれを井戸の底に投げ込むことに決めた時,われはかれ(ユースフ)に啓示した。「あなたは必ずかれらの(する)この事を,かれらに告げ知らせる(日が)あろう。その時かれらは(あなたに)気付くまい。」 [12.16] 日が暮れてかれらは,泣きながら父の許に(帰って)来た。 [12.17] かれらは言った。「父よ,わたしたちは互いに競争して行き,ユースフをわたしたちの品物のかたわらに残して置いたところ,狼が(来て)かれを食いました。わたしたちは真実を報告しても,あなたはわたしたちを信じては下さらないでしょう。」 [12.18] かれらは,かれ(ユースフ)の下着を偽りの血で(汚し)持って来た。かれ(ヤアコーブ)は言った。「いや,いや,あなたがたが自分たちのために(大変なことを安易に考えて),こんなことにしたのである。それで(わたしとしては)耐え忍ぶのが美徳だ。あなたがたの述べることに就いては,(只)アッラーに御助けを御願いする。」 [12.19] そのうちに,隊商がやって来て水扱人を遺わし,かれは釣瓶を降ろした。かれは言った。「ああ吉報だ,これは少年だ。」そこでかれらは一つの売物にしようとしてかれを隠した。だがアッラーは,かれらの凡ての行いを熟知される。 [12.20] かれらは僅かの銀貨でただ同然にかれを売り払った。かれらは,かれから多くを貪らなかった。 [12.21] かれを買ったエジプトの者は,その妻に言った。「優しくかれを待遇しなさい。多分かれはわたしたちを益することになろう。それとも養子に取り立ててもよい。」こうしてわれはユースフをこの国に落ち着かせ,出来事(事象)の意味のとり方をかれに教えることにした。凡そアッラーは御自分の思うところに十分な力を御持ちになられる。だが人びとの多くは知らない。 [12.22] かれが成年に達した頃,われは識見と知識とをかれに授けた。このようにわれは正しい行いをする者に報いる。 [12.23] かれの起居する家の夫人が,かれの心を惑わそうとして,戸を閉めて言った。「さあ,あなたおいでなさい。」かれは(祈って)言った。「アッラーよ,わたしを御守り下さい。本当にかれ(あなたの夫)は,主人です。わたしを気持よく住ませてくれます。本当に不義の徒は,成功いたしません。」 [12.24] 確かにかの女は,かれに求めたのである。主の明証を見なかったならば,かれもかの女を求めたであろう。このようにしてわれは,かれから罪悪と醜行を遠ざけた。本当にかれは,謙虚で純真な(選ばれた)わがしもベの一人である。 [12.25] その時両人は戸の方で相競い,かの女は後ろからかれの服を引き裂き,かれら両人は,戸口でかの女の夫に出会った。かの女は言った。「あなたの家族(妻)に悪事を行おうとした者には,投獄か痛ましい懲罰の外にどんな応報がありましょう。」 [12.26] かれは言った。「奥様こそ,わたしの意に反して,わたしを御求めになりました。」その時かの女の家族の中の一人が証言した。「もしかれの服が前から裂けていれば,奥様が真実で,かれは嘘つきです。 [12.27] だがかれの服が,もし後ろから裂けていれば,奥さまが嘘を御付きになったので,かれは真実であります。」 [12.28] 主人は,ユースフの服が後ろから裂かれているのを見て,言った。「これはあなたがた(婦人)の悪企みだ。本当にあなたがたの悪企みは,激しいものである。 [12.29] ユースフよ,これを気にしないでくれ。それから(妻よ),あなたの罪の赦しを願いなさい。本当にあなたは罪深い者である。」 [12.30] 町の婦人たちは(評判して)言った。「貴人の奥様が,青年の意に反し,誘惑したそうよ。きっと恋に狂ったのでしょう。わたしたちは,明らかに奥様の誤りだと思います。」 [12.31] かの女は婦人たちの悪意のある(陰ロ)を聞くと,使いを遣わし,かの女たちのために宴席を設け,一人一人にナイフを渡し,それから(ユースフに),「かの女たちの前に出て行きなさい。」と言った。かの女たちがかれ(ユースフ)を見ると驚歎し,(興奮して)その手を傷つけて言った。「アッラーの(造化の)完全無欠なことよ,これは人間ではない。これは貴い天使でなくて何でしょう。」 [12.32] かの女は言った。「この人よ,あなたがたがわたしを謗るのは。確かにわたしが引っ張ってかれに求めたの。でもかれは貞節を守ったのよ。でも(今度)もしかれがあたしの命令を守らないなら,きっと投獄されて,汚名を被るでしょう。」 [12.33] かれ(ユースフ)は言った。「主よ,わたしはかの女たちが誘惑するものよりも,牢獄が向いています。あなたがもしかの女たちの悪企みを,わたしから取り除いて下さらなければ,わたしは(若年の弱さで)かの女たちに傾いて,無道な者になるでしょう。」 [12.34] それで主はかれ(の祈り)を受け入れ,かの女たちの悪企みをかれから取り払われた。本当にかれは全聴にして全知であられる。 [12.35] そこでかの女たちは(かれが潔白である)証拠を見ていながら,しばらくかれを投獄しよう(それがかの女たちのために良い)と思った。 [12.36] その時2人の若者が,かれと共に下獄した。その1人が言った。「わたしは酒を絞るのを(夢に)見ました。」また外の者は言った。「わたしは(夢に)自分の頭の上にパンを乗せて運んでいると,鳥がそれを啄むのを見ました。わたしたちにその意味を解いて下さい。御見かけしたところ,あなたは善い行いをされる方です。」 [12.37] かれ(ユースフ)は答えて言った。「あなたがた2人に支給される食事が来る前に,わたしは必ずその解釈を告げよう。それはわたしの主が教えて下さるのである。わたしはアッラーを信じず,また来世を認めない不信心者たちの信条を捨てたのである。 [12.38] そしてわたしは祖先,イブラーヒーム,イスハークまたヤアコーブの信条に従う。わたしたちは,アッラーにどんな同位者も決して配すべきではない。これはわたしたち,また凡ての人びとに与えられたアッラーの恩恵である。だが人びとの多くはこれに感謝しない。 [12.39] 2人の獄の友よ(わたしはあなたがたに尋ねる)。雑多の神々がよいのか,それとも唯一にして全能であられるアッラーなのか。 [12.40] かれに仕えないならば,あなたがたとその祖先が命名した,(只の)名称に仕えるに過ぎない。アッラーはそれに対し権能を与えてはいない。大権はアッラーにだけ属し,あなたがたはかれ以外の何ものにも仕えてはならないと(アッラーは)命じている。これこそ正しい教えである。だが人びとの多くは知らない。 [12.41] 2人の獄の友よ,あなたがたの中1人に就いていえば,主人のために酒を注ぐであろう。また外の1人に就いては,十字架にかけられて,鳥がその頭から啄むであろう。あなたがた2人が尋ねたことは,こう判断される。」 [12.42] そして2人の中,釈放されると思われる者に言った。「あなたの主人にわたしのことを告げなさい。」だが悪魔は,かれがかれ(ユースフ)のことをその主人に告げるのを忘れさせた。それでかれは,なお数年間獄中に留まった。 [12.43] (ェジプトの)王が言った。「わたしは7頭の肥えた牛が,7頭の療た牛に食われているのを(夢に)見ました。また穀物の7穂が緑で,他(の7穂)が枯れているのを見ました。首長たちよ,あなたがたが夢を解け得るならば,このわたしの夢を解釈して下さい。」 [12.44] かれらは(答えて)言った。「複雑な夢です。わたしたちは夢の解釈は不得手です。」 [12.45] ところが2人の中の(獄から)釈放された者が,時を経て思い出して言った。「わたしがその解釈をあなたかたに知らせましょう。それで(まず)わたしを行かせて下さい。」 [12.46] (かれは牢獄に来て言った。)「ユースフよ,誠実な人よ,わたしたちに解いて下さい。7頭の肥えた牛を,7頭の療た牛が食べ,また7つの緑の穀物の穂と,外の(7つの)枯れたものと(の夢)を。わたしは人びとの処に帰って,かれらに理解させたい。」 [12.47] かれは言った。「あなたがたは7年の間,例年のように種を播きなさい。だが刈り取ったものは,あなたがたが食べるのに必要な少量を除いて,(残りを)籾のまま貯蔵しなさい。 [12.48] それから,その後7年(にわたる)厳しい(年)が来て,あなたがたがかれらのため以前に貯蔵したものを食べ,貯えるものの少量(を残す)に過ぎないであろう。 [12.49] それからその後に来る1年には,人びとに豊かな雨があり,たっぷり(果汁を)萎るであろう。」 [12.50] 王は(命じて)言った。「かれをわたしの所に連れて来なさい。」それで使いがユースフの所に来た時,かれは言った。「あなたは引き返して,あの手を傷つけた婦人たち(の心境)はどうなっているのか,主人に尋ねなさい。わたしの主は,かの女たちの悪企みを知っておられる。」 [12.51] かれ(王)は,(婦人たちに)言った。「あなたがたがユースフを誘惑した時,結局どうであったのか。」かの女たちは,「アッラーは完全無欠であられます。かれ(ユースフ)には,何の悪いこともないのを存じています。」と言った。貴人の妻は言った。「今,真実が(皆に)明らかになりました。かれを誘惑したのはわたしです。本当にかれは誠実(高潔)な人物です。」 [12.52] かれ(ユースフ)は言った。「これはかれ(主人)に,かれの不在中わたしが決して裏切らないことを知らせ,またアッラーが裏切り者の悪企みを決して御助けになられないことを知らせるためです。 [12.53] またわたし自身,無欠とはいえませんが,主が慈悲をかけた以外の(人間の)魂は悪に傾きやすいのです。本当にわたしの主は寛容にして慈悲深くあられます」 [12.54] (これらの報告を聞いて)王は言った。「かれをわたしの許に連れて参れ。わたしは側近としてかれを引き立てよう。」そこでかれ(王)は,かれ(ユースフ)と話を交した後,言った。「今日あなたは,確かにわたしの側近である。高位につけられ,信頼されているのである。」 [12.55] かれ(ユースフ)は言った。「わたしをこの国の財庫(の管理者)に任命して下さい。わたしは本当に知識ある管財者です。」 [12.56] こぅしてわれは,この国においてユースフに権力を授けた。それでかれは,意のままにエジプトの国中を何時でも何処にでも住むことが出来た。われは欲する者に慈悲を施す。また善行をなす者への報奨を虚しくしない。 [12.57] 信仰して,絶えず主を畏れる者には,来世における報奨こそ最も優れたものである。 [12.58] その中ユースフの兄たちが来て,かれの前に罷り出た。かれ(ユースフ)はかれらを認めたが,かれら(兄たち)の方はかれに気付かなかった。 [12.59] かれは食料をかれらに与えてから言った。「あなたがたと同じ父親の,兄弟を1人わたしのもとに連れて来なさい。あなたがたは,わたしが十分に計量したのを見なかったのか。それはわたしの最上の持て成しではないか。 [12.60] もしあなたがたがかれを連れて来ないなら,あなたがたはわたしの所で(殻物を)計ってもらえず,わたしに近付くことも出来ない。」 [12.61] かれらは言った。「かれ(弟)に就いて父を納得させ,必ずそれを実行いたしましょう。」 [12.62] それからかれ(ユースフ)は,その部下に(命じて)言った。「かれらの(穀物と交換して払った)代価をかれらの袋に入れて置け。かれらは家に帰りそれを見て,恐らく戻って来るであろう。」 [12.63] かれらは父のところに帰って言った。「父よ,わたしたちは(穀物を)計ることを拒否されました。弟をわたしたちと一緒に行かせて下さい。そうすれば計って貰えます。わたしたちは(どんな危険があっても)必ずかれを守ります。」 [12.64] かれ(ヤアコーブ)は言った。「わたしは以前にかれの兄(ユースフ)に就いてあなたがたを信用した以上に,かれに就いてあなたがたを信用出来ようか。だがアッラーは最も能く(かれを)守られる。かれこそは,慈悲深い御方の中でも最大の慈悲深い御方であられる。」 [12.65] かれらが荷物を開くと,代価がかれらに返されているのを見付けた。かれらは言った。「父よ,わたしたちは(この上)何を望みましょう。この代価がわたしたちに戻されています。家族に(もっと)蓄えが貰えます。弟を守り,ラクダ1頭分の増配を得(て帰)るでしょう。そのくらいは,難なく手に入るでしょう。」 [12.66] かれは言った。「あなたがたが,避け難い障害に取り囲まれた場合の外必ずかれを連れて戻ると,アッラーにかけて約束しない限り,わたしはかれをあなたがたと一緒に決してやらないであろう。」こうしてかれらがかれに厳粛に誓った時,かれは言った。「アッラーは,わたしたちの言ったことの監視者であられる。」 [12.67] 更にかれは言った。「息子たちよ,(町に入る時は皆が)1つの門から入ってはならない。あなたがたは別々の門から入りなさい。だが(この用心は),アッラーに対しては,あなたがたに何も役立たないであろう。裁定は,只アッラーに属する。かれにわたしは信頼した。凡ての頼る者は,かれにこそ頼るべきである。」 [12.68] かれらは父の命じたやり方で入った。それは,アッラー(の計画)に対し,何の役にも立たなかった。只ヤアコーブ自身に必要な気休めに過ぎなかった。かれはわれが教えたので,知識を持っていた。だが人びとの多くは知らない。 [12.69] さてかれらがユースフの許に行った時,かれはその弟を規しく迎えて言った。「わたしはあなたの兄です。今までかれら(兄たち)がしてきたことに,心を悩ましてはならない。」 [12.70] かれ(ユースフ)が,かれらに配給をし終った時,かれは弟の袋の中に盃を入れた。やがて,ある者が呼びかけた。「隊商よ,あなたがたは確かに泥棒です。」 [12.71] かれらは振り向いて言った。「あなたがたの何がなくなりましたか。」 [12.72] かれらは言った。「わたしたちは,王様の盃をなくしたのです。それを持って来た者にはラクダの一頭分の荷(を与える)でしょう。わたしがその保証人です。」 [12.73] かれらは言った。「アッラーにかけて誓います。わたしたちはこの国で,悪事を働く為に来たのではないことを,あなたがたは既に御存じです。わたしたちは,盗みは致しません。」 [12.74] かれらは言った。「あなたがたが嘘つきであったら,その(盗みの)処罰は何としようか。」 [12.75] かれら(兄たちは答えて)言った。「その処罰は,誰でも袋の中から(盃が)発見された者であります。かれが,その償いです。このように,わたしたちは悪を行う者を罰します。」 [12.76] それでかれ(ユースフ)は,弟の袋(の検査)をする前に,かれらの袋を(調べ)始めた。そして(最後に)弟の袋から,それを捜し出した。われはこのように,ユースフに策略を授けた。アッラーが望まれる以外には,かれは弟を(エジプト国)王の法律の下で抑留することが出来なかったのである。われは欲する者の(英知の)階位を高める。だが全知者(アッラー)はいる。 [12.77] かれらは言った。「もしかれが盗んだとすれば,かれの兄も以前確かに盗みをしました。」しかしユースフはこれらのことを自分の心に秘めて,かれらにそれ(秘密)を漏さなかった。かれは(独り言のように)言った。「事情はあなたがたに不利である。アッラーはあなたがたの語る真実を最も能く知っておられる。」 [12.78] かれらは言った。「申し上げますが,かれには大変年老いた父親があります。それでかれの代りに,わたしたちの1人を拘留して下さい。御見うけしたところ,あなたは本当に善い行いをなさる方でございます。」 [12.79] かれは言った。「アッラーは,わたしたちの物を,その許で見付けた者以外は,(誰も)捕えることを禁じられる。(もしそうしないと)本当にわたしたちは,不義を行うことになるであろう。」 [12.80] そこでかれらは,かれ(の引き取り)に望みがないことを知り,密に協議した。かれらの中の最年長の者が言った。「あなたがたは,父がアッラー(の御名)によって誓いをたて,また以前ユースフのことに就いても,どのような誤りを犯したかを考えないのか。それで父がわたしを許すか,またアッラーがわたしたちを御裁き下さるまで,わたしは決してこの地を離れないであろう。かれは最も優れた裁決者であられる。 [12.81] あなたがたは父のもとに帰って言いなさい。『父よ,あなたの子は,本当に盗みをしました。わたしたちは,唯知っていることの外は証明出来ません。また目に見ていないことに対しては,どうしようもなかったのです。 [12.82] それで(あなたは),わたしたちがいた町て尋ねるか,またはそこを往来した隊商に問いなさい。わたしたちは真実を言っている(ことが分ります)』。」 [12.83] かれ(ヤアコーブ)は言った。「いや嘘である。あなたがた自身のため事件を工夫して作ったに過ぎない。だが耐え忍ぶこそ(わたしには)美徳である。或はアッラーが,かれらを皆わたしに御送りになるかもしれない。かれは本当に全知にして英明であられる。」 [12.84] かれはかれらから離れて言った。「ああ,わたしはユースフのことを思うと,悲しくてならない。」かれ(父)の両目は悲嘆の余り自くなり,物思いに沈んだ。 [12.85] かれらは言った。「アッラーにかけて申し上げます。あなたはユースフを思うことを止めなければ,重態に陥,或は死んでしまいます。」 [12.86] かれは言った。「わたしは只アッラーに対し,わが悲嘆と苦悩とを訴えている丈である。わたしは,あなたがたが知らないことを,アッラーから教わっている。 [12.87] 息子たちよ,あなたがたは出掛けてユースフとその弟の消息を尋ねなさい。アッラーの情け深い御恵みに決して絶望してはならない。不信心な者の外は,アッラーの情け深い御恵みに絶望しない。」 [12.88] それでかれらは,(また)かれ(ユースフ)の許にやって来て言った。「申し上げます。災難(機(鐘?))がわたしたちと一族の者に降りかかったので,ほんの粗末な品を持って参いりました。(桝?)目を十分にして,わたしたちに施して下さい。本当にアッラーは施しを与える者を報われます。」 [12.89] かれは言った。「あなたがたが無道の余り,ユースフとその弟にどんなことをしたか知っているのか。」 [12.90] かれらは驚いて言った。「すると本当にあなたは,ユースフなのですか。」かれは言った。「わたしはユースフです。これはわたしの弟です。アッラーは確かにわたしたちに恵み深くあられる。本当に主を畏れ,堅忍であるならば,アッラーは決して善行の徒への報奨を,虚しくなされない。」 [12.91] かれらは言った。「アッラーにかけて。本当にアッラーはわたしたちの上に,あなたを御引き立てなされた。わたしたちは本当に罪深い者です。」 [12.92] かれは言った。「今日あなたがたを,(取り立てて)咎めることはありません。アッラーはあなたがたを御赦しになるでしょう。かれは慈悲深き御方の中でも最も優れた慈悲深き御方であられます。 [12.93] あなたがたはわたしのこの下着を持って(帰り),わたしの父の顔に投げかけなさい。かれは眼が見えるようになろう。それからあなたがたは,家族揃ってわたしの処に来なさい。」 [12.94] 隊商が(エジプトを)たった時,かれらの父は(左右の者に)言った。「わたしは確かにユースフの匂を嗅いだ。だがあなたがたは,老衰のせいだと思うであろう」 [12.95] かれらは言った。「アッラーにかけて,全くそれはあなたの(いつもの)老いの迷いです。」 [12.96] それから吉報を伝える者が(帰って)来て,(下着を)かれの顔に投げかけると,直かれは視力を回復した。かれは言った。「わたしはあなたがたに言わなかったか。あなたがたが知らないことを,わたしはアッラーから(の啓示で)知っている。」 [12.97] かれらは言った。「父よ,わたしたちのために,罪の御放しを祈って下さい。わたしたちは本当に罪深い者でした。」 [12.98] かれは言った。「それではわたしはあなたがたのため,わが主に御放しを願ってやろう。本当にかれは,寛容で慈悲深くあられる。」 [12.99] やがてかれらがユースフの許に来た時,かれは両親を親しく迎えて言った。「もしアッラーが御望みなら,安らかにエジプトに御入りなさい。」 [12.100] かれは両親を高座に上らせた。すると一同はかれにひれ伏した。するとかれは言った。「わたしの父よ,これが往年のわたしの夢の解釈です。わが主は,それを真実になさいました。本当にかれは,わたしに恩寵を与え,年獄からわたしを御出しになり,また悪魔が,わたしと兄弟との間に微妙な敵意をかきたてた後,砂漠からあなたがたを連れて来られたのであります。わが主は,御望みの者には情け深くあられます。本当にかれは全知にして英明であられます。 [12.101] 主よ,あなたはわたしに権能を授けられ,また出来事の解釈を御教えになりました。天と地の創造の主よ,あなたは現世と来世でのわたしの守護者です。あなたは,わたしをムスリムとして死なせ,正義の徒の中に加えて下さい。」 [12.102] これはわれがあなた(ムハンマド)に啓示した,幽玄界の消息の一つである。かれらが(ユースフに対する)計画を策謀した時,あなたはかれらと(その場に)いなかった。 [12.103] 仮令あなたが如何に望んでも,人びとの多くは信じないであろう。 [12.104] あなたはそれ(使命)に対し,どんな報酬もかれらに求めない。これは,全人類への訓戒に外ならない。 [12.105] 天と地の間には,(アッラーの唯一性や神慮に関し)如何にも多くの印がある。かれらはその側を過ぎるのだが,それらから(顔を)背ける。 [12.106] かれらの多くは,アッラーを多神の1つとしてしか信仰しない。 [12.107] かれらに下るアッラーの懲罰が覆いかかることに対し,またかれらが気付かない間に突然来る時に対し,かれらは安心出来るのか。 [12.108] 言ってやるがいい。「これこそわたしの道。わたしも,わたしに従う者たちも明瞭な証拠の上に立って,アッラーに呼びかける。アッラーに讃えあれ。わたしたちは多神を信じる者ではない。」 [12.109] われはあなた以前にも,町に住む者の中から(特に選んで),われが啓示を授けた人間以外は,(預言者として)遺わさなかった。かれら(マッカの人びと)は,地上を旅して,以前の者たちの最後が,どんな(悲惨な)ものであったかを観察しているではないか。本当に主を畏れる者に対する,来世の住まいこそ最上である。あなたがたは悟らないのか。 [12.110] (ムハンマド以前の)使徒たちが(遺わされた民のもとで)一切の希望を失った時,そしてかれら(使徒たち)が(不信仰者に対するアッラーからの勝利の約束の)期待が持てなくなったと思い込んだ時,われの助けがかれら(使徒)に下り,われの欲する者に救いは来るのである。只罪を犯した者は,わが懲罰は免れられない。 [12.111] 本当にかれらの物語の中には,思慮ある人びとへの教訓がある。これは作られた事柄ではなく,以前にあったもの(啓典)の確証であり,凡ゆる事象の詳細な解明であり,また信仰する者への導き,慈悲ともなる。 @AR RA'D 慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において。 [13.1] アリフ・ラーム・ミーム・ラー。これは啓典の印である。そしてそれは主から,あなたに啓示された真理である。だが人びとの多くは信じない。 [13.2] アッラーこそは,あなたがたには見える柱もなくて,諸天を掲げられた方である。それからかれは,(大権の)御座に鎮座なされ,太陽や月を従わせられる。(だから)各々の定められた時期まで運行する。かれが凡ての事物を規制統御し,種々の印を詳しく述べられる。必ずあなたがたに主との会見に就いて確信させるためである。 [13.3] かれこそは大地を広げ,その上に山々や河川を配置された方である。またかれはそこで,凡ての果実を2つ(雌雄)の対になされた。また夜でもって昼を覆わされる。本当にこの中には,反省する人びとへの印がある。 [13.4] また地上には,隣り合う(が相異った)地域がある。ブドウの園,殻物の畑,一つの根から出た,またはそうでないナツメヤシの木,同じ水で灌漑されても,食物としてあるものを外のものよりも優れたものになさる。本当にこの中には,理性ある人びとにとって印があろ。 [13.5] もしあなたが不思議に思うのなら,「わたしたちが(現実に)土になった時,わたしたちは本当に新しく創造されるであろうか。」とかれらの言うことこそ不思議である。これらは主を信じない者である。かれらはその首に枷がかけられる火獄の仲間で,その中に永遠に住む者である。 [13.6] かれらは(多くの)見せしめの例がかれら以前にあるのにあなたに幸福よりも,寧ろ災厄を急いで求める。しかしあなたの主は人間の悪い行いに対し本当に寛容であり,またあなたの主は,懲罰にも本当に痛烈である。 [13.7] 信じない者たちは,「何故主からかれらに一つの印も下らないのだろうか。」と言う。あなたは一人の警告者に過ぎない。各々の民には一人の導き手がある。 [13.8] アッラーは各々の女性が,妊娠するのを知っておられ,またその子宮の(胎児の時が)直ぐ終るか,また延びるかを知っておられる。凡てのことは,かれの御許で測られている。 [13.9] かれは幽玄界も現象界も知っておられる方,偉大にして至高の方であられる。 [13.10] あなたがたが言葉を隠しても,また声を出して言っても,あるいは夜間に隠れても,また昼間公然と出かけても,(全知の主においては)同じことである。 [13.11] 各人には,前からも後ろからも,次から次に(天使)が付いていて,アッラーの御命令により監視している。本当にアッラーは,人が自ら変えない限り,決して人びと(の運命)を変えられない。だがアッラーが(一度)人びとに災難を下そうと御望みになれば,それは決して避けることは出来ない。かれらには,かれの外に守護者はないのである。 [13.12] かれこそは稲妻を現わしてあなたがたに恐れと希望を抱かせられ,(雨を含む)重い雲を起こさせられる方である。 [13.13] 雷はかれを譲えて唱念し,また天使たちもかれを畏れて唱念する。かれは雷鳴を送られ,かれらがアッラーに就いて論争している間に,これでかれの御好みの者を撃たれる。かれは力ある強烈な方である。 [13.14] 真実の祈りはかれに(だけ祈ることで)ある。かれの外にかれらが祈るものは,決してかれらに答えない。丁度両手を水に差し伸べて,それが自分のロに届く(のを望む)ようなもので,それはかれに届かない。信仰がない者の祈りは,(心が)迷っている(ので無益なこと)に過ぎない。 [13.15] 天と地上で凡てのものは,好むと好まないとに拘らず,またかれらの影も,朝夕,アッラーにサジダする。 〔サジダ〕 [13.16] 言ってやるがいい。「天と地の主は誰であるのか。」言ってやるがいい。「アッラーであられる。」言ってやるがいい。「あなたがたはかれの外に,自分自身にさえ益も害も(君?)せないものたちを保護者とするのか。」言ってやるがいい。「盲人と晴眼者は同じであるのか。また暗黒と光明とは同じであるのか。かれらはアッラーが創造されたような創られたものを,かれと同位に配する。それでかれらには創造の意味が疑わしくなったのか。」言ってやるがいい。「アッラーは凡てのものの創造者であり,かれは唯一にして全能であられる。」 [13.17] かれが天から雨を降らせられれば,その量に応じて谷を流れ,奔流は浮ぶ泡を乗せて運び去る。また装飾品や道具を造るために(金属)を火にかけても,それと同じ(泡?)(が出来る)。このようにアッラーは,真実と虚偽とを提示なされる。(泡?)は塵のように消え去る。だが人類を益するものは,地上に残る。アッラーはこのように,種々の譬えで説き明かされる。 [13.18] かれらの主に答える者には善賞があり,かれに答えない者には,かれらが天地の凡てのものを所有し,またはそれに倍するものをもち,罪を贖うために提供しても(無益である)。かれらにとっては,悪い清算であろう。その住まいは地獄である。その臥床の何と悲惨なことよ。 [13.19] 主からあなたに下されたものが,真理であることを知る者と,(盲人が物を見られないように) 物事を見られない者と同じ(ように報いられる)であろうか。心ある者だけが,訓戒を受け入れることが出来る。 [13.20] (即ち) アッラーの約束を全うし契約に違反しないで, [13.21] 結ばれるようアッラーが命じられる者と一緒になり,主を畏敬し,(審判の日の)悪い清算を恐れる者である。 [13.22] また主の御顔を求めて耐え忍び,礼拝の務めを守り,われが糧のために与えたものの中から,陰に陽に施し,また善によって悪を退けるような者は,(善)果の住まいを得る。 [13.23] かれらは,その祖先と配偶者と子孫の中の善行に励む者と一緒に,アドン(エデン)の園に入るであろう。そして天使たちも各々の門からかれらの許に入(ってこう挨拶す)るであろう。 [13.24] 「あなたがよく耐え忍んだ故に,あなたがたの上に平安あれ。まあ何と善美な終末の住まいであることよ。」 [13.25] だがアッラーに誓った後,その契約を破り,アッラーが結べと命じられる者と縁を切り,地上で悪を行った者には呪いがあり,悪い住まいに入るであろう。 [13.26] アッラーは御心に適う者に豊かに糧を与え,また乏しくも授けられる。(かれらは) 現世の生活を楽しむ。だが現世の生活は,来世では,(はかない)享楽に過ぎない。 [13.27] 信じない者は言う。「何故主からの印が,かれ(ムハンマド)に下されないのですか。」言ってやるがいい。「本当にアッラーは,御好みの者を迷うに任せ,梅悟してかれに返る者を導かれる。 [13.28] これらの信仰した者たちは,アッラーを唱念し,心の安らぎを得る。アッラーを唱念することにより,心の安らぎが得られないはずがないのである。」 [13.29] 信仰して,善行に励む者にとっては,至福〔トゥーバー〕がかれらのものであり,善美な所が(究極の)帰り所である。 [13.30] そこでわれは,以前に多くの民衆が滅び去った民の中に,あなたを遺わした。それはわれが啓示によってあなたに下すものを,慈悲深き御方を未だ信じないでいるかれらに,読誦させるためである。言ってやるがいい。「かれはわたしの主であられ,かれの外には神はないのである。かれにわたしの凡てを御委せし,かれこそあたしの拠り所である。」 [13.31] 仮令一部のクルアーンがあって,それにより山々が移動され,大地が裂かれ,または死者に語らせることが出来ても,凡ての命令はアッラーに属すのである。アッラーの御心があれば,人類を一斉に導かれることを,信仰する者たちは未だに納得していないのか。だが不信者たちはかれらの(悪い)行いのために,アッラーの約束が実現するまで災厄がかれらの住まいとその付近に絶えることなく付きまとう。本当にアッラーは決して約束を違えられない。 [13.32] (多くの)使徒は,あなた以前に確かに嘲笑された。だがわれは不信心な者たちに猶予を与え,それからかれらを捕えた。わが報復は如何であったのか。 [13.33] かれは人間各人の行う凡てのことを,監察される御方ではないか。だがかれらはアッラーに同位の者を配する。言ってやるがいい。「かれらの名を挙げよ。あなたがたは,かれが地上で知っておられないものを,かれに告げようとするのか。それとも架空な語に過ぎないのか。」いやそうではない。不信心な者は,かれらの策謀したものが立派に見えて,道から閉め出されたのである。アッラーに迷うに任せられた者には,誰も導き手はいない。 [13.34] かれらに対しては,現世の生活でも罰が科せられる。だが来世の懲罰は更に厳しい。かれらはアッラー(の御怒り)に対し,守護者もないのである。 [13.35] 主を畏れる者に約束される楽園に就いて言えば,川が下を流れ,常に果実が実り,日陰に覆れている。これが,かれら主を畏れる者の結末である。だが不信者の結末は火獄である。 [13.36] わが啓典を与えられた者たちは,あなたに啓示されたものを喜ぶ。だが氏族の中には,その一部分を拒否する者がある。言ってやるがいい。「わたしはアッラーに仕え,何ものもかれに比肩してはならないと命じられた。わたしはかれにだけ祈りを捧げ,またかれの御許に帰るのである。」 [13.37] このようにわれは,アラビア語で判断(の規範)を下した。知識があなたがたに下った後,かれらの(虚しい)欲求に従うならば,あなたはアッラー(の怒り)に対して,援助者もなく守護者もないであろう。 [13.38] われはあなた以前にも使徒たちを遣わし,妻と子孫をかれらに授けた。だがアッラ